ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

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火曜・水曜と復活祭用のビスケットを焼いていました。

Easter biscuits

二日連続で焼いたのは別に大量生産したわけではなく、日本でも気軽に作れるレシピを開発する為です。本当は去年の復活祭後に別サイトに載せようと思ってたのに、のんびりしてたら次の復活祭が巡ってきてしまいました^_^;

元レシピは、去年の復活祭を一緒に過した友人の母・ポリさんに教えてもらったものですが、ギリシャではよく見られるスタンダードなクルラキァ(ビスケット、クッキー)です。シンプルなものだけど馬鹿に出来ない美味しさで、バターと卵の風味が優しく、つい沢山食べてしまいます。滞在中は毎日ハーブティーとクルラキァで朝ご飯、そしてアテネに戻る時にはレシピまで頂いてしまいました。

ammonia

多分このクルラキァの特徴だと思うんですが、膨張剤としてアンモニア(※)を使います。こちらのスーパーの製菓材料コーナーで初めてアンモニアを見た時は、何に使うのかとびっくりしたんですが、クッキーやビスケットに結構よく使われるそうです。でも、これ本当にアンモニアの臭いが思いっきりするんですよ(アンモニアだから、当たり前なんですが)。焼くとアンモニア臭は消えますが、作ってる時はちょっと鼻に来ます^_^;

日本では製菓用のアンモニアは手に入りにくいと思うので、ベーキングパウダーで作ってみました。アンモニアで作ったのと食べ比べてみたんですが、どちらも美味しかったのでレシピを紹介します。バターさえ柔らかくしてあれば、あとはオーブンを予熱する時間で作れてしまう程簡単なので、是非お試し下さい。

※膨張剤として使われるのは炭酸アンモニウムと塩化アンモニウム。北欧ではジンジャーブレッドクッキーなど、食感を軽くクリスピーに仕上げたいものによく使われるそうですが、日本では重曹と併用されたり他の膨張剤に配合されたりして使われているようです。くれぐれも、食用でないアンモニアで真似しないで下さい。

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あまり伝統的なお祝いをしない我が家では、復活祭に作る料理も最低限。イースターエッグとして、こんな茶色い卵をよく作ります。

hamine eggs

もう10年以上前のこと。グルメ雑誌で紹介されていた、トルコに住むユダヤ人の食卓で目を引いたのがこの茶色い卵でした。何とも言えない美しい色合いの茶色は、玉ねぎの皮やトルココーヒーの粉と一緒に何時間も煮ることによって出ると知って、早速真似してみたのが最初です。

その後わかったのは、この卵はセファルディ系ユダヤ料理(注1)で、ギリシャに住むユダヤ人も作るということ。ギリシャ語ではアヴガ・ハミナドス(注2)と呼ばれます。

ギリシャ人がイースターエッグの着色料として玉ねぎの皮を使うこともあるのですが、アヴガ・ハミナドスと呼べるものを作るには、じっくりと煮ることがポイント。
何時間も煮たものは殻が深く色づきます。白身もほんのり茶色くなって、何とも形容し難い独特な味。そのまま食べても、卵サラダ(注3)にしても美味しいです。飾っておくだけでも美しいので、玉ねぎの皮が沢山あれば是非お試し下さい。

注1:ユダヤ人は大きく2つ、アシュケナージ(東欧系)とセファルディ(地中海・中東系)に分けられます。

注2:αυγά χαμινάδος、英語ではHamine eggs

注3:普通のヴィネグレットの他、アンチョビ入りドレッシングも合います。

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non-oil bean soupギリシャ正教の復活祭は、今年は4月23日。すでに秒読みに入ってるので、ギリシャの主婦達はを赤く染めたり、チュレキ(甘いパン)やクルラキァ(クッキー)を焼いたり大忙しです。

私も赤い卵ぐらいは作ろうと思ったのですが、いつもの癖で茶色い卵を買ってきてしまいました あらためて白いのを買って来ないと...。

さて、去年はペロポニソス半島にある友人の別荘で伝統的な復活祭を過した私達。キリストが復活した(とされる)瞬間に肉・肉・肉...な食事になりますが、とても印象に残ったのがその前の金曜に出された豆スープです。

敬虔なクリスチャンである友人家族は断食の決まりも守っていて、日によってはオリーブオイルも無し。その日のメニューは豆スープ、茹でたジャガイモ、トマトぐらいだったと記憶してますが、普段ならたっぷりオイルをかけるものばかりです。オイルがないと味気ないかと思いきや、シンプルに塩だけの美味しさを再発見。特に豆スープの味の深さやクリーミーさには驚きました。

それ以来、うちでもたまに油抜きをしたい時にこのスープをよく作っています。コツは決して煮立てずに、豆の澱粉が溶け出すまでゆっくり煮ること。スープの表面がほんの少し揺らぐぐらいの弱火で煮ると豆がふっくらと仕上がります。

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「祖母ログ」チチさんからリクエストを頂いていたネランジの花の写真、何とか間に合いました。

neranji blossoms1

こちらではよく街路樹として植えられているネランジ(注1)は、丁度今の時期に花を咲かせています。その木によって花の時期が少し違うらしく、ひとつ向うの通りでは咲き始めたばかりですが、うちの前のは盛りを過ぎて散り始めたところ。それでも香りはまだ衰えておらず、4階のベランダまで甘い香りが漂ってきます。

neranji blossoms2

もう一枚、クローズアップで。位置が高くてあまりいい写真が撮れませんでした。

ネランジについては何度か記事にしましたが、果実が食用(注2)にされる他、花から抽出される精油(注3)や花水、果皮から抽出される精油(注4)もさまざまな用途に使われます。

薬効としては果皮が消化器系の疾患に効く他、花や葉(注5)にも薬効があるとされ、頭痛、不眠症、吐き気止め、食欲増進などの民間薬として、古代ギリシャ・ローマ時代から使われていたそうです。また、ホメオパシーでは果皮と花が痛み止めに使われます。

上で挙げたのは穏やかそうな薬効ですが、果皮に含まれるシネフリンという成分は交感神経・副交感神経混合型興奮作用があり、脂肪分解を促すダイエットサプリメントに使われたりしています。しかし、このサプリメントは数々の副作用が報告され、死亡例もあるとか。何事もほどほどが良さそうです。

orange blossom water

ちょっと怖い話はさて置いて、オレンジの花水を使って何か作ってみることにしました。これはギリシャで普通に売られてるオレンジフラワー(オレンジブロッサム)ウォーター。食用としても化粧品としても使えるので、同じのが薬局にもスーパーの製菓材料売り場にも売られています。

どうせなら、古代から作られているお菓子にしよう...と、作ったのがこちら。メリティーニャと呼ばれる、サントリーニ島のチーズタルトレットです。

melitinia

ギリシャでは古代からフレッシュチーズのお菓子が作られていて、チーズケーキの先祖のようなものが現代ギリシャでも各地で見られます。この間、harulaさんの所でチーズケーキの話題を見て、私も作ってみたくなったので丁度よかったです。オレンジの花についても詳しく書かれているので、こちらからどうぞ

リコッタに似たミジスラチーズに蜂蜜で甘味をつけ、オレンジの花水を少々...これは入れすぎると大変なことになるので注意が必要です。生地は小麦粉、水、オリーブオイルのシンプルなものですが、もうちょっとオイルを入れた方がよかったかも。いつか写真で見た、生地が薄くて素朴な星型を目指して作ったんですが、ちょっと素朴過ぎ...。ビスケットのようで、子供には好評でした。

このチーズタルトもそうですが、復活祭にはよくチーズのお菓子が作られます。ギリシャ正教の復活祭は今度の日曜日。今回はこのチーズタルトをリベンジするか、はたまた別の地域のチーズタルトを作るか迷うところです。

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注1:別名ビターオレンジ、サワーオレンジ、ビガラードなど。和名はダイダイ。学名Citrus bigaradia, Citrus aurantium var. bigaradia, Citrus vulgaris, Citrus aurantium var. amara,

注2:若い果実...丸ごとシロップ煮にされます。
熟した果実...皮をシロップ煮、製菓用のピールにされる他、マーマレードにも。果汁は料理に酸味を加える為レモンのように使われ、日本ではポン酢などに利用されます。

注3:アロマセラピーで使われるネロリオイルはビターオレンジの花弁を蒸留して抽出されます。甘く優雅な花の香り。

注4:こちらもアロマセラピーで使われますが、果皮から抽出されるオレンジオイル。スイートオレンジとビターオレンジがあり、どちらも爽やかな柑橘系の香りがします。

注5:メキシコや南米では葉を強壮剤、下剤に使う他、神経を落ち着ける働きがあるとされ、不眠症の民間薬としても使われるそうです。果皮は腹痛や高血圧に効くとされます。
ヨーロッパではバスク地方で、葉が腹痛や不眠症の民間薬として用いられます。また、果皮は痙攣を押さえる作用があるとされます。
漢方では未熟果(場合によっては熟した果実)の皮を消化促進、腹痛、便秘解消などに用いられるそうです。

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ムサカのレシピを載せて欲しいというリクエストを頂いてるんですが、ちょっとひねくれて(?)こんなものを作ってみました。

今が旬の野菜、アーティチョークをカップにしたムサカです。

artichoke cup

スタンダードなナス&ポテト以外の野菜でも作られるムサカですが、アーティチョークでも作ると本で読んだことがあります。料理本の山に埋もれて、どの本だったかわからなくなってしまったんですが、多分スライスしたアーティチョークを炒めて使うのでしょう。

それだとあまり面白くないので、形を生かしてこんな風に作ってみました。ミートソースでアーティチョークの存在感が消えてしまうかも...という心配も、これだとアーティチョークの割合が多いので大丈夫です。ソースはデリケートなヨーグルトのにしてみたら大正解!春野菜にとても合います。

potato shoes

アーティチョークを食べないSPYにはポテトの靴を。
ギリシャでよく作られるミニムサカには、半分に切ったナスにフィリングを詰めて焼くパプツァキァがありますが、これは「小さい靴」という意味です。彼はナスも好きではないのでポテトで作ってみました。コロンとした形が、赤ちゃん靴のように見えますか?

ところで食べ物関連の「靴」でもう一つ。焼きすぎて硬くパサパサになった肉のことをパプチ(靴)と表現します。同じ靴でもこちらは食べたくないですね

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