mantiトルコ料理のマントゥは、薄いパスタ生地に挽き肉のフィリングを詰め、茹でたり焼いたりしたものです。これはギリシャでも主にコンスタンティノープル料理のレストランなどでよく見られますが、面白いと思ったのは、クレタ島でも同じような料理があること。こちらは「マカローニャ・イェミスタ」(μακαρόνια γεμιστά:詰め物をしたパスタという意味)と呼ばれるようです。

私が見つけたクレタ島のレシピはオーブンで焼き、スープを注いで生地をふやかすもの。これは焼きマントゥ(μαντί)と同じ方法です。違いといえば、クレタ島のものは食べる時にトマトソース、ヨーグルトに加え、好みでチーズもかけること。トルコ系のレシピではトマトソースはかける場合があるものの、チーズは使わないようです。その代わり、唐辛子・パプリカ・トマトペーストのコンビネーションや胡椒で風味を付けた溶かしバターをかけます。このトッピングは他のトルコ料理にもよく見られ、料理の風味が増すのはもちろんのこと、目にも楽しいです。ちなみにテッサロニキのレストランで見かけたのはヨーグルトのソースのみでした。店によっては揚げバージョンを出しているところもあって、こちらも美味しかったです。

こういった料理は中国から伝わったと言われますが、トルコのものもそうなのでしょうか?中国〜ギリシャの間にも、同じようなものが多く見られます。名前も中国の「饅頭」から来てるようで、国によってマンドゥ、マントゥ、マンティなど似通っています。中央アジアの国々ではフィリングに羊肉を使い、ヨーグルトのソースを添えるものが多いようです。

私はシンプルな味付けのフィリングで作ってますが、デリケートな皮やニンニクの効いたヨーグルトソースとのバランスが絶妙で、とても美味しいです。包み方はいろいろあって、焼きバージョンの場合は完全に閉じてしまわずに、少し隙間を開けます。レシピで紹介した包み方の他には、四角く切った生地にフィリングをのせ、半分に折った両端だけを留めたり、丸く延ばした生地を真ん中で絞るような感じで包む方法もあります。