ブログネタ
簡単!ギリシャ料理レシピ に参加中!
nettle

「プロフィール写真の、あれは何ですか?」という質問をたまに頂くんですが、私のお気に入りのパイの一つ、イラクサをフィリングにしたホルトピタ(野草パイ)です。

イラクサと言えば、アンデルセンの童話を思い出す方も多いでしょう。こちらで普通に見られるのは西洋イラクサ(Urtica dioica、ギリシャ語ではツクニダ、τσουκνίδα)。全草に見られる刺毛にはヒスタミンやアセチルコリンが含まれていて、ちょっと触れただけでもチクチク・ズキズキ嫌な痛みに襲われるので注意が必要です。繁殖力もかなりのものなので、庭に沢山生えて困るという話もよく聞きますが、食用・薬用(※)などに古くから利用されている便利な草でもあるのです。ビタミンやミネラルがたっぷり、特に鉄分が豊富なので、貧血気味の私はシーズン中よく食べるようにしています。

tsoukounidopita 1その辺に生えてるものですが、勿論こんな街中のは食べれないので、冬から春頃に朝市に出回るのを買ってきます。一束50セントぐらい。でも下の硬い部分は食べられないので、それほどの量はありません。軽く4人分のピタを作るのに、イラクサ2〜3束または他の野草やほうれん草とブレンドしたりします。味的にも、何種類かの葉っぱを混ぜた方が奥行きが出て美味しいです。こちらではパイ用の野草ミックスなんていう便利なものも売ってますが、日本でも適当な青菜を何種類か混ぜたら美味しいパイが出来そうです。

tsoukounidopita 2野草フィリングのパイは、手作りフィロで渦巻きの形にするのが一番のお気に入りです。以前はギリシャのおばあちゃん愛用の細長い麺棒でせっせとフィロを延ばしていたものですが、最近では専らパスタマシンのお世話になっています。かなり手抜き...という気もするけど、その分気軽に作れるようになったので良しとしましょう。


※強壮、浄血、養毛、ふけ防止、血糖値を下げる効果、母乳の分泌を促す効果などがあるそうです。また、喘息、花粉症などのアレルギー、湿疹などの皮膚疾患、リウマチ、関節炎、痛風、泌尿器疾患などに効くとされています。

人気blogランキングへ
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ

イラクサの渦巻きパイ(ツクニドピタ・ストリフティ)

材料:(4人分)
生地:
小麦粉(中〜強力粉)...11/2カップ
水...約80ml
塩...小さじ1/4
酢...小さじ1/2
フィリング:
イラクサ(又はイラクサ&ほうれん草)...正味200g
玉ねぎ...小1/2個
ねぎ...2本
オリーブオイル...大さじ1 1/2
フェタチーズ...130g
胡椒、塩

オリーブオイル(又はオリーブオイル&溶かしバター)...約1/3カップ


生地を作る。ボウルに小麦粉を入れ、水、塩、酢を合わせたものを少しずつ加え混ぜ合わせる。あまり硬すぎない生地を作り、なめらかになるまで捏ねる。ラップに包んで1時間ほど休ませる。

フィリングを作る。イラクサは刺があるのでゴム手袋などをはめて扱う。硬い茎を除き、柔らかくて若い穂先のみを計量する(手で折って簡単にちぎれるぐらいが目安)。よく洗って、塩を少し加えた湯で2分ほど下茹でして水気を絞り、粗く刻む。ほうれん草を使う場合も軽く下茹でして水気を絞り、粗く刻む。

玉ねぎは横半分に切ってから薄切りにし、オイルと共に鍋に入れて蓋をし、弱火にかける。時々かき混ぜながら柔らかくなるまで炒める。ねぎを小口切りにして加え、しんなりするまで蓋をせずに炒めて火から下ろす。

イラクサ(又はイラクサとほうれん草)、フォークで砕いたフェタチーズを加え混ぜ、胡椒少々と必要なら塩も加えて味を調える。
オーブンは200度に予熱する。直径25cmぐらいの丸型に刷毛でオイルを塗っておく。

tsoukounidopita process 1生地をのばす。パスタマシンを使用する場合、生地を4つぐらいに分けてのばすと扱いやすい。一度に全部のばすとくっついたりするので注意。一つの生地をのばしてフィリングを詰め、また次の生地をのばす...という風に作業する。
生地は透けるぐらい薄く、幅8〜10cmにのばす(長さは適当でいいが、30cmぐらいまでが扱いやすい)。刷毛でオイルを薄く塗り、両端を少し残しフィリングを細長くのせて端から巻く。両端は特に折り返したりする必要はない。


tsoukounidopita process 2巻き終りを下にして、丸型の中心から渦巻状に並ベていく。


tsoukounidopita process 3残りの生地とフィリングも同様に巻いて並ベ、表面にオイルを少し多目に塗る。

手作業で生地をのばす場合、できれば細くて長い麺棒を使って、透けるぐらい薄くのばす。丸くのばした生地を8〜10cm幅に切って、パスタマシン使用のと同様の手順で成形する。


オーブンに入れ、きつね色になるまで約30分焼く。色づくのが早すぎるようなら温度を180度ぐらいに下げる。焼き上がったらオーブンから出し、粗熱が取れるまで少し休ませてから切り分ける。

MEMO:今回、手作業でフィロ生地を延ばすプロセスはかなり省略してあります。

にほんブログ村 トラコミュ ギリシャ料理へ
ギリシャ料理