2009年05月04日

自家製ケイパーの塩漬け

去年の夏、密かにこんなものを仕込んでいました。

2008.08.30 capers in salt1

“自家製ケイパー”の塩漬けではなくて、“自家製”ケイパーの塩漬けです(念の為…)。

2008.08.29 caper bush

地中海沿岸が原産のケイパー(ケッパー、学名はCapparis spinosa)は、半蔓性の小潅木。岩がちで乾燥していて日当たりの良い環境を好む為にギリシャでは多くの島で自生し、特にキクラデス諸島のサントリーニ島、ティノス島、シフノス島、シロス島、セリフォス島、キモロス島、アンドロス島などでは多く見られ、現地の郷土料理にも多用されます。

上の写真のようにケイパーは横にもかなり広がりますが、根がとても深く、石垣の隙間なんかでも逞しく育っているのをよく見かけます。

2006.05.03 caper bush

ケイパーはかなり特徴のある姿をしているので、見つけるのは簡単。長く伸びた茎に丸い葉、そしてこんな綺麗な花を咲かせます。
料理に使うケイパーは硬く閉じた小さな蕾の部分をピクルスや塩漬けにしたものですが、最近ではケイパーベリー(ケイパーの実)も結構よく見かけるようになったのではないでしょうか。ギリシャでは若い穂先の部分をピクルスにしたものもよく見かけます。

ケイパーの花は1日ほどで萎んでしまうのですが、とても沢山花をつけるので、初夏〜夏のシーズン中は次々に咲いていきます。蕾を採集するなら硬く閉じたものを、穂先は柔らかい部分のみを摘みます。
摘む時は棘に気をつけて。大きな蟻がたかってることも多いので、払い落としながらの採集は結構大変です。

2008.08.30 capers

摘んできたケイパーはそのままでは苦いだけで風味にも欠けるので、加工する必要があります(※)。ケイパーの漬け方はいろいろあるようですが、今回は一番手っ取り早く保存性の高い塩漬けにすることにしました。

摘んできた蕾を綺麗に洗って、しばらく日に当てて乾かします(このプロセスは省く作り方もあり)。清潔な瓶に粗塩を少し入れ、その上にケイパー、塩、ケイパー…と重ねていきます。穂先の部分は茹でてから漬けると聞きましたが、私が採ったのはごく少量だったので、生のまま蕾と一緒に塩漬けしました。

2008.08.30 capers in salt2

瓶いっぱいに詰め、一番上は塩になるように重ねます。ちなみに上の写真では塩をパラパラと振っただけの状態ですが、撮り終わった後にケイパーが隠れるぐらいの塩を振りました。

1〜2週間もすると塩が溶けてきて塩水漬けっぽくなるので、このまま保存するか、又は汁を捨てて新しい塩をまぶした状態で保存します。漬け方にもよるのでしょうか、私が漬けたケイパーは1ヶ月以上漬けた時点でまだ苦味が残っていました。それで、後者の方法をとり今まで放置していたというわけ。先日ちょっと味見をしてみたのですが、さすがに苦味は抜けていました(笑)

味は、当然ながらケイパーのあの独特な風味。ちなみに“あの風味”は生のケイパーには無く、加工する過程で出てくるそうです。上で挙げたキクラデスの島では乾燥ケイパーもよく使われるそうですが、そうやって保存したケイパーにもあの風味があるのか気になるところです。日干しにすらせず、そのまま茹でて野菜として食べることもあるとかで、それだとただの苦い葉っぱ?今度、ちょっと試してみたい気もします。

さて、こうして塩漬けにしたケイパーは、もちろんとても塩辛いので使う前に塩抜きをする必要があります。何度か水を替えながら数時間置けば適度な塩気になるはずですが、ズボラな私はケイパーの量に対し、かなり多目の水に浸けて冷蔵庫で放置。こちらで普通に売ってる塩水漬けのケイパーと同じような状態になり、この状態でも結構保存が利きます。

ところでギリシャでもっともよく見かけるタイプのケイパーは塩水漬けか塩漬けで、酢漬けにしたものはあまり無いようです。塩水漬けや塩漬けのは、より純粋なケイパーの風味が感じられ、時には邪魔になる酢の酸味も無いので使用範囲も広がる気がするのですが、いかがでしょう?
瓶詰めなので重いのが難点ですが、ギリシャ旅行のお土産にもケイパーはおすすめ♪普通のものならスーパーマーケットで小瓶のもありますし、ちょっと珍しい穂先ケイパーなどは地方特産品の店やデリで見つけることができますよ。

ケイパーを使ったおすすめレシピ
キクラデス風ポテトとケイパーのスプレッド(カパロサラタ)
キクラデス風の焼きナスディップ(メリジャノサラタ・キクラディティキ)
サントリーニ風ケイパーソース(カパリ・ヤフニ)
チキンとケイパーのアンチョビガーリックソテー


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sevam_a at 15:20コメント(18)トラックバック(1)おすすめ食品・食材 | 自家製食品&海外和食  このエントリーをはてなブックマークに追加

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トラックバック一覧

1. 道端のケイパー  [ はじめまして!ギリシャごはん ]   2009年07月02日 17:38
日本はまだ梅雨でジメジメした天気が続いているかと思いますが、今の時期のアテネはカラッと晴れた毎日です。すでに6月半ばで幼稚園や学校は終わっているので、早くもバカンスに出た人もチラホラ居るようです。 私は毎日暑い中の幼稚園への往復から開放され、ホッとしたのも...

コメント一覧

1. Posted by ポプラ   2009年05月04日 17:37
イワシのファルシの記事にコメントありがとうございました^^
ケイパーって生の時はああいう味ではないのですね・・・つまり塩漬けにするとあの独特な味になるということでしょうか?不思議ですねー。

自生するケイパーってなんか良いわ一度見てみたいです。南仏の地中海近くにはもしかしたら生えてるかもしれませんね。でも蟻は怖い^^;
2. Posted by min   2009年05月04日 18:20
これが生なんですね。はじめてみました。どんなものなのかなと思っていましたので、とっても貴重な写真です。へーと思いながら眺めています!!
3. Posted by poronliha   2009年05月05日 03:42
へーへーへーっていいながら読ませていただきました。何しろ夫がケイパー中毒なので、栽培してっていうんですよ。もちろんフィンでは無理なので、実家の東京で、と。それも無理じゃない?といってるのですが・・・どうなんでしょうね。

でもこんなに工程があるとは知らなかったです。塩漬けはたべたことがないので、どんな味なのか、一度はたべてみたいです。私もケイパー好きなので。
4. Posted by tongshin   2009年05月05日 04:24
こんな姿をしているんですか!!花も丸い葉っぱもかわいい〜観葉植物にもなりそうですね。

私はスウェーデンに来るまで実の方を食べたことがなかったんですけれど、今ではこちらを食べる機会のほうが多いです…なんだか口の中がしょっぱくなってきました。
5. Posted by salahi   2009年05月05日 04:36
ポプラさん、こんにちは。

考えてみたら漬ければ味が変化するのは当たり前なんですが、成分が変化する過程で独特な風味が出てくるんでしょうね。ケイパーってよく見ると白い点々みたいな模様がありますけど、あれも漬けたら出てくるんです。葉っぱもあの模様になるんですよ。

ケイパー、南仏にもきっと生えてますね。
行く機会があれば探してみて下さい♪
6. Posted by salahi   2009年05月05日 04:43
minさん、こんにちは。

ケイパーって育つ環境が限られてるようなので、自生する地域以外ではあまり馴染みが無いですね。花の写真がちゃんと撮れてなくてすみません^^;
7. Posted by salahi   2009年05月05日 13:42
poronlihaさん、こんにちは。

ケイパーの栽培、温室で出来そうな気もするんですが…それでもフィンランドでは寒すぎるでしょうか?
↓こちらに育て方などが載っていました。
http://www.caperplants.com/index.htm

種はすぐに蒔かないと発芽率がすごく低くなるそうなので、刺し芽などで増やすのがいいようです。
8. Posted by salahi   2009年05月05日 13:48
tongshinさん、こんにちは。

可愛いので観葉植物によさそうですが、適応できる環境が限られるのが残念ですね。

そちらではケイパーの実をよく食べるんですか?
ギリシャでは、市販のケイパーベリーはあまり見かけないです。ちなみに実もピクルスにしたんですが、写真を撮り忘れました^^;
お正月に作った“ギリシャおせち”にちょっと登場しています。
9. Posted by tuguki   2009年05月05日 13:49
ケイパー。
>岩がちで乾燥していて日当たりの良い環境を好む
ってことは、この辺りでも育つのかな...。
これ、うちの庭で摘んだケイパーなの...なんて言ってみたい!
10. Posted by salahi   2009年05月05日 14:14
tugukiさん、こんにちは。

そちらでも育ちそうですよね!
もし苗が手に入るなら、植えてみて下さい♪
11. Posted by レイコ   2009年05月06日 18:54
ケイパー、すごく勉強になりました。たまに使う食材ではあるのですが、どんなものなんだろうと思いながら確認したことがなくて…(笑) とってもかわいい植物なんですね。お庭にあったら楽しそう〜^^
いつも酢漬けをいただくんですが、塩漬けだと、たしかにまた別の味わいがありそうですねー。

あたたかいコメントをいただいて、本当にありがとうございました。感謝です♪
12. Posted by ポメマル   2009年05月07日 10:49
ケイパーの花白くてかわいいんですね。この蕾が市販されてるケイパーなんですね。ちょっと目にはグリーンピースみたい。
ケイパーは酢漬けのものしか知りませんでした。この独特な風味が鋤です。
そちらでは塩漬けが主流なのですね。どんな味なのでしょうか。

13. Posted by 五階のユーコ   2009年05月07日 12:05
こんにちは。
ケイパーの木、初めて見ました
葉っぱも可愛いですね。いつか私も漬けてみたい。
(スーパーで割りと高いんですねよ。こっち
14. Posted by salahi   2009年05月07日 12:08
レイコさん、こんにちは。

ケイパーって可愛いですよね^^
日本でも暖かい地域なら育つ気はするんですが…。

そら豆ご飯、今日作る予定です。
いつも美味しそうなお料理参考になります♪
15. Posted by salahi   2009年05月07日 13:17
ポメマルさん、こんにちは。

花弁が白、おしべがピンクっぽい紫で、とっても可愛い花が咲きます^^
スーパーで売ってるのは塩水に漬かったものと(酸味料は少し入ってますが、酸っぱくはないです)、あと量り売りですごくしょっぱいのがあるんですが、こちらが塩漬けなんでしょうね。イタリアのもの(?)でよくあるような塩がまぶされてるのはあまり見かけません。
16. Posted by salahi   2009年05月07日 13:21
ユーコさん、こんにちは。

ケイパーって特徴のある姿をしているので、どんなものか知ってればすぐに見つけられますよ^^

>いつか私も漬けてみたい
サントリーニ辺りで、地元の人と仲良くなればケイパー採集に連れて行ってもらえるかも?
17. Posted by ごまっち   2009年05月18日 16:16
はじめまして。
いつも楽しく読ませて頂いています。
ケイパー大好きです。
イタリアの食材を輸入している会社に勤めています。
美味しい岩塩で漬けたイタリアのケイパーを
炊きたての白いご飯でおにぎりにするのがケイパー部門のオススメです。
ケイパーの塩だけで握るのですが
ケイパーって白いご飯に合いますよ。
ケイパーに塩が付き過ぎなら塩を軽く落として握るのですが、とっても美味しいです。
それにしても自家製ケイパー 凄すぎです。
自家製ケイパーでおにぎり握ってみたいです。
18. Posted by salahi   2009年05月19日 14:22
ごまっちさん、はじめまして。コメントありがとうございます!

ケイパーとご飯、合いますね!
いつもシュニッツェルの時はアンチョビ&ケイパーに白いご飯の組み合わせで食べてるんですが、シンプルにおにぎりっていいですね〜。
是非試してみます!

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