2009年07月09日

ルピーニの“三度目の正直”

皆さんは、一度食べてみて苦手だった食べ物をまた食べてみたくなりますか?
私の場合、トラウマになるほど不味かったものを除いては(もしかしたら、トラウマになるほど不味いものでも?)「今食べたら苦手じゃなくなってるかも?」と思わずにはいられない。要するに食い意地が張ってるということですが(笑)良く言えば食に関する好奇心が強いのです。

2009.04.13 lupini1

今までに二度食べてみて、どうも美味しさがわからなかったものの一つがこのルブーニャ(ウチワマメ、ルピーニ)。地方によって呼び名がいろいろあり、ギリシャ語で一般的にはルピナと呼ばれます。地中海沿岸に自生するマメ科ルピナス属の植物から採れる種子で、スペインやイタリア辺りでよく食べられるのか、私が初めてこれを見たのはロンドンのスペイン食品店でした。
丸くて艶々とした可愛い姿に惹かれて、真空パックになったルピーニを買ってみたものの、味の方は「かなり微妙…」。ロンドン在住時代は、それ以来ルピーニを見かけても再び手を出すことはありませんでした。

2006.09.04 beach snack

そして、それから10年以上も経って再び試してみたのが数年前、シミ島のぺディでのこと。海辺の売店に置いてあるのを見て、「これはビーチで寝そべりながらつまむのにいいわ」と買ったのだけど、やはりお味の方は「…(変な味…しかも何だか磯臭いし)」と、ガッカリだったのです。ルピーニは海水に漬ける場合もあるので、謎の磯臭さは海水によるものだったのかも?

ちなみに現代ギリシャではルピーニをそれほど見かけないようですが、古くから食用とされているものです。蛋白質を多く含むルピーニは貧しい人々の間で重要な栄養源として重宝され、特にペロポネソス半島のマニの人々は“ルピノファゴス”(ルピーニ食い)と呼ばれるほどに常食していたそうです。

古代ギリシャの哲学者ゼノンは、ワインを飲むと柔和になる自分を、水に浸すことにより苦味を失うルピーニに例えたと言われています。
また、アケロンのネクロマンテイオン(死霊託宣所)ではその儀式の前にルピーニが振舞われたとか。ルピーニに含まれる各種アルカロイドの幻覚作用が死者の霊との交信を助けると信じられていたそうですが、そういう効果を期待するには普通に食用とする為の下処理を省いていたのかもしれませんね。と言うのも、ルピナス属は全草にアルカロイドを含む為に、食用にするにはしっかりとこの毒を抜くことが必要。まあ、ただ茹でただけで食べようと思っても、あまりに苦くて食べることが出来ないのですが。苦味がしっかり抜ければ食べても安全ということです。

2009.04.17 lupini3

さて、タイトルの“三度目の正直”に話を戻して。



これは中東スーパーで見かけた乾燥ルピーニでした(一番上の写真)。今まではすでに茹でられているものしか試したことがなかったので、もしかして自分で茹でたら美味しいかも…?と少量を買ってみたのが今年の復活祭前のこと。早速調理して試食してみると、「うん。なかなかいける」。ほんのり苦味が残ってる時点では、何とな〜く銀杏を思い出させるような後味?味や食感は全然違うんですけどね。ポリポリ食べてると、結構後を引きます。

そんなわけで、我が家のレギュラーおつまみの二軍入りしたルピーニでした。調理法を書いておきますので、興味のある方はお試し下さい。

2009.04.15 lupini2


ルピーニの茹で方・苦味抜きの方法

1.普通の乾燥豆と同じように、洗ってから一晩〜それ以上、ふっくらと戻るまで水に浸けます。

2.笊にあけてすすぎ、鍋に入れてたっぷりの水を加え1時間〜1時間半茹でます。ルピーニは茹でても豆のように柔らかくはならず、少しカリッとした食感です。

3.茹で上がったら笊にあけてすすぎ、容器に入れてかぶるくらいの水と塩を適量加え(※)冷蔵庫で保存します。

4.毎日水を換え、苦味が抜けたら食べることができます。塩加減は味を見て適当に。もし塩気を強くし過ぎたら、次は塩加減を薄くした水に浸けて調節して下さい。

5.豆の種類にもよるようですが、私が買ったのは4〜5日で食べられるようになりました。苦味が抜けてからも毎日水を換えれば数週間持つようです。

※ギリシャでは海水を使うこともあります。ルピーニを入れた布袋を綺麗な海に浸けておくと、水を換える手間が省け塩味もついて一石二鳥というわけ。

2009.04.20 lupini4食べ方は普通に塩味のが一番かと思いますが、ニンニクとオレガノを加え、オリーブオイルで和えたりしても(上から3番目の写真)。濃い目に味付けした出汁に浸けて、ひたし豆のようにしたのもなかなかでしたよ。


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sevam_a at 16:28コメント(18)トラックバック(0)料理・食べ物について | レシピ  このエントリーをはてなブックマークに追加

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コメント一覧

1. Posted by セシリア   2009年07月09日 19:42
これ、凄く興味がありますが・・・日本で買えるかしら?ネットで検索してみよう。
私は、好き嫌いは、そんなに無いですが、どうだろう?食べられない程苦手って物もないしなぁ?
あ、くちこは、もういいかな?食べざるをえない場面でしたら、食べます、自らは手が出ないです。
いわしは、先日チャレンジしたら、焼いたのは大丈夫でした。それにしても、この豆、欲しいわ〜
2. Posted by タヌ子   2009年07月10日 04:57
レバノン料理屋さんでいただくルビーには苦味が殆どないので、じっくり苦味を抜いたものなのでしょうね。
3度目の正直で苦手だと思っていたものが、美味しく食べられて良かったですね。
私も最初に不味いと思っても、何度か食べてみる方で、徐々に苦手なものが減ってきましたが、未だにセロリだけは美味しいと思えません・・・
3. Posted by tuguki   2009年07月10日 13:36
>食に関する好奇心が強い
いいですね...その表現。
今度からは、わたしもそう言うことにします。
なんせ、どんなにまずいと思ったものでも、機会があれば...などと消極的なものではなく、自らすすんで、何度でも挑戦したがるタイプなんです、わたし...。

このルピーニなる物も、ぜひ、食べてみたい。
アラビックのスーパーに行ったらあるかな...。
4. Posted by christine   2009年07月10日 14:30
暑中お見舞い!昨日アテネは40度Cでした。アチチ。ところでルピーニなるもの、ギリシャにいながら知りませんでした。今度見かけたら挑戦してみようかな。このものの栄養分とか効能とかはどんなものでしょうか?
ルピナスの花の群生をミコノスの丘で見ました。一面の水色の原、幻想的でした。
5. Posted by melocoton   2009年07月10日 15:04
ルビーニ、見るのも聞くのも初めてです!

へぇー。
ものすごく興味あるので、早速探してみます。

でも苦いの苦手かも(春菊もクレソンも駄目なので)。

私も嫌いなものでも何度かトライしますが、
市販のpickled eggsだけは二度とイヤです(汗)。

6. Posted by ポプラ   2009年07月10日 15:51
乾燥ルピーニって初めて見たかも。瓶詰めはうちの方でも売っているのですが・・・。
でもそれが結構大瓶なので、まずかったら嫌だなと思って、気になってはいたのですがずっと購入は控えてたんです。今度勇気を出して(?)買ってみようかなぁ。

>食に関する好奇心が強いのです。
びみょ〜なもの、まずいもの、嫌いなもの・・・ほとんどが二度目以上のお試しチャンスがやってくることが多いのですが、私もどちらかというとそういう機会に何度かトライしてみる方です。そういう自分を「自虐的なのか?」(笑)と思っていたのですが、そうかこの様にに表現すればいいのですね^^
7. Posted by cosdina   2009年07月10日 22:11
こんなお豆があるなんて!
このあたりでは見かけたことないです。

次の記事で文中リンクさせていただきたいのですがよろしいでしょうか?^^
8. Posted by 楽子   2009年07月11日 12:32
ルビーニなんてはじめて聞きました〜!
写真を見て一瞬、乾燥の空豆?って思いましたが、ポコッと小さな穴が空いているんですね。
これってヒヨコマメのくちばしの部分(?)みたい♪
日本の豆だとこういう風に穴が空いたのってないですよね。
銀杏っぽい味って言うのになんだか惹かれる〜〜〜。
ちょっと検索してみようかな。
9. Posted by salahi   2009年07月11日 12:37
セシリアさん、こんにちは。

ルピナスを植えたら収穫できる気がしますが、食用に適する品種は決まってるのかもしれませんね。普通、「豆」として見かけるのは上の写真のように白っぽいもので、戻すと黄色くなります。

イワシ、焼いたのは大丈夫だったんですね^^
10. Posted by salahi   2009年07月11日 12:44
タヌ子さん、こんにちは。

これ、復活祭前に撮った写真なんですけど、載せるの後回しにしてたら夏になってしまいましたサラコスティによく食べられるものなので、その時期に載せたかったんですが…。
 
大人になって苦手なものが減ってきたので、昔嫌いだったものもいろいろ食べてみたいです。まだ一部の漬け物(大根系や糠漬、奈良漬など)は克服出来てない気がしますが。
11. Posted by salahi   2009年07月11日 12:48
tugukiさん、こんにちは。

これ、私がいつも行くアラビックスーパーでは量り売りコーナーに置いてあります。イタリアンやスパニッシュ系の店にもあると思いますよ^^

結構おつまみにいい感じ…。皮は食べないそうなんですが、別に食べれる硬さです。
12. Posted by salahi   2009年07月11日 13:02
christineさん、こんにちは。

昨日は40度行ってましたか〜!一時期結構涼しかったですが、最近また暑いですよね。

ギリシャでもルピナスは多く自生するので、昔はもっと食べられていたようです。
この豆をルブーニャと義母は呼んでますが、地方によって呼び名はいろいろでしょうね。現代ギリシャではあまり食べないもので(田舎に行くとありそうですが)、ギリシャ人でも知らない人は多そうです。私が今までこれを見たのはクレタ料理の本、地方特産品などを扱う店(茹でて瓶詰になったもの)、シミ島ぺディの売店だけです。

栄養分は、蛋白質、繊維、必須アミノ酸を多く含むそうです。湿疹やアレルギーにもいいそうですが、これは茹で汁を外用にするのかも?(未確認)
13. Posted by salahi   2009年07月11日 13:12
meloさん、こんにちは。

すごい昔のことですが…私が初めて買ったのはLadbroke Groveのスペイン食品店でした。その店にはいっぱい置いてあったので、何だか気になって仕方なかったんです^^

味は、苦味抜きしてないと食べれないものなので苦くはないですよ。美味しいかどうかはわからないけど(笑)

>市販のpickled eggs
試してみたいような、やっぱり怖いような…
14. Posted by salahi   2009年07月11日 13:25
ポプラさん、こんにちは。

自虐的に何度も試してみたくなるものの、無駄にはしたくないので買うのを踏みとどまることが結構ありますよね。ルピーニは、あの形が可愛くてすごく魅力的に見えるんですが…。シミ島のは海の香りで駄目でしたが、普通のは食べれないほどではないかと思います。

ちなみに乾燥のは、もし美味しくなかったら残りは蒔けばいいや〜と思って買ってみたんです(緑肥としても使われるそうですし)。
15. Posted by salahi   2009年07月11日 13:29
cosdinaさん、こんにちは。

この豆、北の方では食べないかもしれませんね。アテネでも滅多に見かけないですが。

文中リンク、ありがとうございます。
いつでもご自由にして下さって結構ですよ^^
16. Posted by salahi   2009年07月11日 13:46
楽子さん、こんにちは。

この形、何とも可愛いでしょ♪
皮が厚いところもヒヨコマメに似ていて、味もそういうのを期待したんですが、ポリポリとした食感からして全然違います。

銀杏っぽい味と言うわけでもないんだけど(何となく、銀杏を思い出したという程度で)…なかなか面白いですよ。そちらへ行く時にまだ入手出来たら持って行きましょうか?
17. Posted by sarah   2009年07月12日 03:07
乾物屋さんで、可愛い形だなー♪と思っていました。
ルピーニ豆の栄養価・ギリシャでの歴史文化背景も興味深かったです。
ベジタリアンのおともだちにも伝えたいとおもいます^^。
苦み抜きの仕方を参考にさせていただいて、試してみます☆
トダ・ラバ(Thank you so much)!
18. Posted by salahi   2009年07月12日 16:31
sarahさん、こんにちは。

そちらの乾物屋さんには置いてあるんですね〜。
苦味抜きが面倒なようですが、毎日水を換えるだけなので手間はかかりません。
機会があればお試しください。

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