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今までにもいろいろ紹介してきましたが、ギリシャではパイがとってもポピュラー。特に甘くない食事用のパイは地方や料理人によって数え切れないほどのバリエーションがあります。

2010.06.25 kolokithopita1
Κολοκυθόπιτα

今回ご紹介するのは、旬のズッキーニを使ったコロキソピタ。正確には、チーズも加えたものはコロキソティロピタ(コロキスィ[ズッキーニ]とティリ[チーズ]のピタ[パイ]という意味)と呼ばれます。

ほうれん草のパイポロ葱のパイと並んで、ズッキーニパイはギリシャの3大野菜パイのひとつに数えられると思うのですが、手に入りやすい材料で簡単に作れるという点は、ギリシャのみならず日本で作る場合にも当てはまりますよね。
手打ちフィロが面倒なら市販のパイシートやパート・フィロでも美味しくできますので、気軽にお試し下さい。

そうそう、手打ちフィロについても少し触れておかなければ。
パイのバリエーションがいろいろあるように、フィロ生地の配合や延ばし方、またその厚さなどもさまざまです。最もシンプルなものは小麦粉と水だけだったり、風味や食感をよくする為に蒸留酒・オリーブオイル・酢又はレモン汁などの副材料を加えたり。タルト生地のように分厚く延ばすタイプのは、当然ながら油脂の多いリッチな配合になります。

私がいつも使う生地は薄く延ばすタイプで、上記の副材料を加えています。作るパイによって生地を延ばす方法を変えれば変化が楽しめるので、今回は今までに紹介したものとはまた違った作り方のをどうぞ。初心者でも簡単に薄く延ばせる方法です。


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レシピがとても長く見えますが、パイの縁の処理を3種類書いてある為で作業自体は特に難しくありません。なるべく写真を多くしてわかりやすくしたつもり^^;

2010.05.28 kolokithopita2

私はこの雑な縁処理のが多分一番、次に下の完成品写真のが好きなんですが、お好みでどうぞ♪
あまりきっちり巻いてしまわずに、緩めの方がサックリ仕上がります。

2010.07.10 kolokithopita3


ズッキーニのパイ(コロキソピタ)

材料:(直径約18cmの1台分)
フィロ生地:
強力粉...1カップ
薄力粉...1/2カップ
水...約80ml
塩...小さじ1/4
オリーブオイル...大さじ1
レモン汁...小さじ1
小麦粉(打ち粉用)...適量
コーンスターチ(打ち粉用)...適量

フィリング:
ズッキーニ...正味250〜300g(2〜3本)
塩...小さじ1/2弱
玉ねぎ...小1個
オリーブオイル...大さじ1
ミント(ドライ)...砕いて小さじ1/2(生なら微塵切り小さじ1)
フェタチーズ...100〜130g
胡椒...少々
卵...S1個

仕上げ用:
バター...20g
オリーブオイル...大さじ2

生地を作る。強力粉と薄力粉を合わせてボウルに入れる。水〜レモン汁までの材料を混ぜ合わせ、小麦粉に加える。まず最初は粉全体に水分を行き渡らせるように混ぜ、もし必要なら水又は小麦粉で硬さを調節してから捏ね始める。生地の硬さはベタつかない程度に柔らか目。なめらかになるまで捏ねたら、ラップで包み1時間またはそれ以上休ませる。

フィリングを作る。ズッキーニは西洋おろし金(ボックスグレーター、チーズおろし)の粗い目で細長くおろすか、包丁で薄切りにする。塩をまぶし、水分が出るまで30分〜1時間ほど置く。

玉ねぎはみじん切りか薄切りにして鍋に入れ、オリーブオイルを加え蓋をして弱火にかける。時々蓋を取ってかき混ぜながら、色づかせないように蒸し炒めにする。玉ねぎが柔らかくなったら、汁気をしっかり絞ったズッキーニを加え、蓋をせずに中火で軽く炒め火から下ろし冷ます。

砕いたミントとフェタチーズ、胡椒少々を加える。塩は味を見て必要なら加える。卵を加え混ぜ合わせる。

2010.05.28 pie process1生地を8つに分け、それぞれ丸める。小麦粉で控えめに打ち粉をし、ひとつひとつを麺棒である程度薄く延ばす。延ばした生地はコーンスターチを多めにまぶして重ねる。


2010.05.28 pie process2全ての生地を延ばし終わったら、4枚ずつ重ねた生地をまとめて延ばす。なるべく下に向けて力を加えないように気をつけながら、生地を回転させたり重ねる順番を入れ替えつつ(くっつきそうならコーンスターチを振る)、直径18〜20cmの型よりひと回り大きくなるまで延ばす。


2010.05.28 pie process3延ばした生地は結構雑に扱っても大丈夫。使う時に余分な粉は払い落とす。また、麺棒で生地が延ばしきれなかったら手でそっと引っ張って延ばす。


オーブンは180度に予熱する。
生地に塗るバターは溶かし、オリーブオイルを加え混ぜ合わせる。

2010.05.28 pie process4型に油脂(溶かしバター&オイル)を刷毛で塗り、生地を1枚敷く。この時、生地に付いている余分なコーンスターチは払い落とす。油脂塗りをし、生地を重ね…を繰り返し、4枚重ねたところでフィリングを加える(生地の端は型の周りに垂れた状態)。


2010.06.25 pie process5a閉じ方1(完成品写真1):
フィリングの上にも同様に油脂塗りをしながら残りの生地を重ねていくが、うち3枚は、型の直径より微妙に大きいぐらいに切り、型の側面に沿ってフィリングを包み込むような感じで下に押し込む。一番上の生地は型の底に敷いた4枚と合わせて折り返し、縁を軽く閉じる。



2010.05.28 pie process5b閉じ方2(完成品写真2):
フィリングの上にも同様に油脂塗りをしながら残り4枚の生地を重ねる。型からはみ出た生地が多すぎる場合はキッチンばさみで切り取り、上の生地4枚と下の生地4枚を合わせて折り返し軽く閉じる。



2010.07.10 pie process4b2010.07.10 pie process5c

閉じ方3(完成品写真3):
フィリングを加え表面をならした後、下の生地の端を、フィリングを包み込むように折り返す(フィリングの端が覆われた状態)。残り4枚の生地にも油脂塗りをしながら重ね、型からはみ出た部分が多すぎればキッチンばさみで切り取る。上4枚の生地の端を型の底に押し込んで閉じる。


表面や縁には少し多めに油脂塗りをし、焼き上がった時に切り分けたい大きさに軽く切り目を入れる(下までは切らない)。オーブンに入れ50分〜1時間ぐらい、全体がきつね色になるまで焼く。

焼き上がったら取り出し、粗熱が取れるまで冷ましてから切り分ける。

MEMO:生地に塗る油脂はこれで丁度いいくらいなはずですが、もし途中で足りなくなった場合はオリーブオイルを適量足して下さい。特にフィリングの無い縁の部分は油脂塗りを多めにした方が美味しく食べられます。

バリエーション:折りパイ生地(普通のパイシート)で作っても美味しいです(折りパイヴァージョンの写真はこちら)。また、市販のフィロ生地(パート・フィロ)を使う場合は、薄いので上下各6枚ぐらい重ねて下さい。