復活祭前の食事節制、始まっております。
細かい食事節制の決まりがある断食期間の本格スタートは来週月曜からですが、今週はすでに肉は禁止されていて、その代わりに乳製品や卵を思いっきり食べておくチーズ週間。定番料理はチーズをたっぷり使ったパイや、このミルクパイなどです。

2015.02.18 galatopita
Γαλατόπιτα

ギリシャ人は「クレマ」(クリーム)が好きで、クリームプディング系のデザートがいろいろあります。シンプルなものでは牛乳にコーンスターチなどでとろみをつけたクレマ、ライスプディングなど。少し凝ったものではガラクトブレコをはじめとしたフィロ生地のカスタードパイが何種類もあります。

ガラトピタは、そんなカスタードパイのひとつ。たっぷりのミルクや卵が入り栄養価が高く、またシロップをかけず甘さが控えめなので子供のおやつとしてもポピュラーです。
作り方はさまざまで、フィロ生地を底だけに敷いたもの、上にもかぶせたもの、お手軽なクラストレスパイなど。カスタードも、セモリナ粉、小麦粉、米粉など、加えるでんぷん質によって食感や味わいが違ってきますし、たっぷりの卵だけで固めるタイプも。また、ガラトピタは一般的に甘いものが多いですが、塩味バージョンもあります。

フィロ生地から作ろうとすると結構手間がかかりますが、カーニバルシーズンのチーズ週間には食べておきたいお菓子です。と言いつつ、作ったのはもう何年ぶりか……という感じですが^^;

うちでは私と長女しかクリーム系は好きじゃないので、このサイズのを2人で食べてしまいます。焼きたてで温かいのは、ふわっと柔らかいカスタード。冷たくなって、しっかり固まったのもおいしい。
セモリナ粉のカスタードは日本では馴染みのないものですが、普通の小麦粉よりだまになりにくく、ぷるんとした独特の食感に仕上がります。


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ミルクパイ(ガラトピタ)

材料:(直径18〜20cm1台分)
フィロ生地:
中力粉...150g
塩...ひとつまみ
卵...M〜L半分強
水...卵と合わせて80〜90ml
レモン汁またはワインビネガー...小さじ1/2
 
フィリング:
砂糖...50〜60g
セモリナ粉...50g
牛乳...400ml
バター...15g
バニラオイルまたはエッセンス...少々
卵...M〜L1個

その他:
バター(塗り用)...約40g
コーンスターチ(打ち粉用)...約1/2カップ
砂糖(トッピング用)...大さじ1
シナモンパウダー(トッピング用)...小さじ1/2
卵...M〜L半分弱

フィロ生地を作る。ボウルに中力粉と塩を入れ、卵、水、レモン汁またはビネガーを溶き合わせたものを加える。大体水分が行き渡るまでスプーンで混ぜ、手で捏ねる。この時、必要なら水を適量足してベタベタにならない程度に柔らかく滑らかな生地を作る。覆いをして約1時間休ませる。

フィリングを作る。砂糖とセモリナ粉は合わせておく。牛乳を鍋に入れて中火で温め、湯気が立ってきたら泡立て器でよくかき混ぜながら砂糖&セモリナ粉を加える。そのままかき混ぜながらとろみがつくまで煮、火から下ろす。
バター、バニラを加え、表面に膜が張らないようかき混ぜながら冷ます。粗熱が取れたら、よく溶いた卵を加え手早く混ぜ合わせる。

塗り用に、バターを温めて溶かす。砂糖とシナモンパウダーは合わせておく。

休ませた生地を6つに分けて丸める。コーンスターチで打ち粉をして、手打ちパスタの生地ぐらいの薄さに麺棒でのばす。全ての生地を同様にのばす(コーンスターチで打ち粉をするとくっつきにくいので重ねて大丈夫)。

のばした生地を1枚手に持って、右手から左手、左手から右手に叩きつけるようにしたり指の腹と手のひらを使って引っぱったりしてできる限り薄くのばす。残りの生地も同様にのばす。生地の大きさはパイ皿よりひと回りは大きくなるようにする。

オーブンを180℃に予熱する。

生地を一枚、余分な打ち粉を払って台の上に置く。溶かしバターを薄く塗り(まばらな塗り方でOK)、生地をもう一枚重ねる。さらに溶かしバターを塗り、シナモンシュガーを1/3量ふりかける。その上に生地を2枚、それぞれバターを塗って重ね、さらにシナモンシュガーを1/3量ふりかける。残りの2枚の生地もバターを塗って重ね、一番上はバターのみ塗る。

パイ皿にバターを塗り、重ねた生地を敷く。端はパイ皿の上から少し垂れた状態。フィリングを入れて、真ん中が若干窪むように表面をならす。生地が余りすぎるようなら余分を切り落として、フィリングより生地が高くなるように端を巻いて留めるか、フィリングに生地を2〜3cmかぶせるように端処理する。

残りの溶き卵をフィリングの表面にそっとのばし、残りのシナモンシュガーをふりかける。

オーブンに入れ、きつね色になるまで30〜40分焼く。

MEMO:完成品写真は直径18cmのパイ皿で焼いたもので、カスタードの層が厚めになります。このパイは温かくても冷めてもおいしいです。温かいうちに食べたい場合も、少し休ませて粗熱をとってから切り分けてください。好みで粉砂糖とシナモンパウダーをふりかけてどうぞ。

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