チーズ週間にはやっぱりチーズパイを焼かないと……というわけで、どうせなら手間のかかるのをと頑張って作ってみました。

2015.02.20 kasiata
Κασιάτα

ヴラフ語でチーズという意味のカーシュから「カシャータ」と呼ばれるこのパイは、イピロス地方のメツォヴォ辺りの伝統的なチーズパイのひとつで、自家製フィロでしか作れないものです。
薄〜くのばしたフィロ生地にフェタチーズ(フェタチーズとポロネギを入れる場合も)を散らしながら何層にも重ねていくという方法。

生地を10個程度に分けてのばし、それにフィリングを挟んでから折りたたみ層の数を稼ぐ方法もあるのですが、今回は18等分した生地を一枚一枚のばしました。
かなり疲れたので、大きくのばしてから折りたたむ方がいいかも?レシピではフィリングを重ねてから2つ折りにする方法でご紹介しています。

2015.02.20 kasiata4

フィロ生地とバターとフェタチーズだけのごくシンプルなパイですが、上手に作れたらとってもおいしいです。
時間に余裕のある時にでも、ぜひ挑戦してみてください。


ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
人気blogランキングへ
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ

ヴラフ風チーズパイ(カシャータ)

材料:(33cmx23cmぐらいのローストパン1台分)
中力粉...300g
塩...小さじ1/3
水...150ml+適量
ワインビネガー...小さじ1弱
オリーブオイル...大さじ11/2
フェタチーズ...500g
バター...50g
癖のない植物油またはオリーブオイル...大さじ2
コーンスターチ...適量

ボウルに小麦粉と塩を入れて混ぜ合わせ、真ん中を窪ませる。水にワインビネガーを合わせたものとオリーブオイルを加え、スプーンでざっくり混ぜる。

大体水分が行き渡ったら手で捏ね始める。この時、必要に応じて水を大さじ1ずつぐらい足して、ベタベタにならない程度に柔らかい生地を作る。なめらかになるまで捏ねたら丸め、ボウルに覆いをして30分以上休ませる。

フェタチーズはフォークで砕いておく。バターは油と一緒に小鍋に入れ、溶けるまで温める。オーブンは180℃に予熱する。

生地を10等分して丸め、コーンスターチで打ち粉をしてパスタ生地ぐらいの厚さにのばす。のばした生地は順に重ね、全ての生地をのばす。
生地を右手から左手、左手から右手に軽く叩きつけるようにしたりひっぱったりしてさらに薄くのばす。この時、なるべく均一な厚さになるよう分厚い部分があれば丁寧にのばしていく。紙のように薄くなり、サイズは使用する型の倍くらいが目安。

2015.02.20 kasiata1

作業台の上でパイを成形していく。生地を一枚広げ、溶かしバターをごく薄く塗る。全ての面にしっかり塗らず、点々と塗る感じでOK。その上にフェタチーズをまばらに散らす。生地、バター、フェタチーズ……と、全ての生地とチーズがなくなるまで同様に重ねていく。

2015.02.20 kasiata2

重ねた生地を半分に折り、バターを塗った型に入れる。端は下に折り込む。型の大きさいっぱいになるまで手で押してのばし、表面には多めにバターを塗る。

2015.02.20 kasiata3

予熱したオーブンに入れ、全体がきつね色になりしっかり火が通るまで約40分焼く。粗熱が取れるまで休ませてから切り分ける。

MEMO:日本の一般的な家庭用オーブン付属の天板にも、この分量だと丁度いけると思います。型いっぱいいっぱいに入れなくてもちゃんと焼けるので、量が多すぎるなら半量で作ってもいいです。

生地ののばし方について:細い麺棒を使って作業します。ある程度の厚さになるまで丸くのばし、麺棒に生地を巻きつけた状態で両手を中心から外側に滑らせる動きをくり返します。生地を開いて位置を少しずらし(回転させ)て生地を巻きつけ……とくり返し、薄くのばしていきます。麺棒が太めだったりこの動きが難しい場合は普通にのばしてその後のひっぱりのばしを丁寧にやってみてください。