ヨーロッパ各地の猛暑より少し遅れ、先週末ぐらいからじわじわ気温が上がっているギリシャ。しばらく暑い日が続きそうです。

2014.11.20 tsitsibira
Τσιτσιμπύρα

暑い時に、やっぱり欲しくなるのが冷たいドリンク。
水やお茶など、なるべく甘くないもので済ませたいのですが、水が一番好きという次女はともかく、長女は全く逆なので困ります。あまり我慢させすぎても反動がきそうなので(笑)なるべく市販の炭酸飲料などは避け、若干ヘルシーな自家製のレモネードやチチビラを飲ませています。

チチビラ(ジジビラとも呼ばれる)は、ケルキラ島(コルフ島)で好まれるジンジャービールのことです。19世紀、イオニア諸島がイギリスの保護領であった時代にイギリス軍によりジンジャービールもたらされましたが、とりわけケルキラ島の人々に気に入られました。ギリシャ風に訛った「チチビラ」としてそのまま定着し、島の名物のひとつとなっています。

ジンジャービールの製法はいくつかありますが、ケルキラ島で作られるチチビラは酵母で発酵させるタイプ。ジンジャーパウダー、砂糖、レモン汁、イースト、水のみで作られるヘルシーなドリンクで、近年の伝統食品ブームによりギリシャ全土でも知名度が上がりました。

市販のチチビラは通年売られていますが、伝統的には復活祭のころから秋までの暖かい(暑い)時期の飲み物です。冷蔵庫のなかった時代は、春に作ったチチビラを井戸に沈め夏まで保存したそう。

チチビラは自然な発酵飲料で、また、生姜の効果もあり、消化を助けると言われ健康を気にする人にも好まれる飲み物です。胸焼けがしたりお腹の調子が悪い時に飲むと、心なしかすっきりするような?
発酵させる期間は1〜数日と短く、アルコールは発生しないので、子供にも飲ませることができるソフトドリンクです。

材料は、もともとはジンジャーパウダーを使用するようですが、現在のアテネでは生の生姜の方が手に入りやすいので、我が家ではフレッシュジンジャーのチチビラが定番となっています。酵母は生姜から起こしてもいいですが、お手軽な市販イースト使用のレシピをご紹介します。

とっても簡単なので、ぜひお試しください。


※阪急交通社の現地情報ブログで、ギリシャで売られているソフトドリンクをいくつかご紹介しています。→ギリシャのソフトドリンク事情


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ケルキラ島のジンジャービール(チチビラ)

材料:(約450ml分)
生姜...正味25g
砂糖...40〜45g
インスタントドライイースト...少々
水...400ml
レモン汁...大さじ1
レモンの皮(好みで)...1x3cmぐらい

生姜は皮を剥いた状態で計量(オーガニックのものなら皮付きでもOK
)。千切りにする。

炭酸飲料の入っていたペットボトルに、砂糖とイーストを入れる。生姜、水、レモン汁とレモンの皮も加え、蓋をして振り混ぜる。

暖かい場所に置いて発酵させる。ボトルを触って硬くなっているようなら発酵しているので、吹きこぼれないよう気をつけて蓋をあけ、味を見る。

別のボトルに漉し入れるか、漉したのを元のボトルに戻す(ボトルは水ですすぐ)。またガスが発生してくるまで常温に置いたあと、冷蔵庫で冷やしてから飲む。再びボトルがパンパンになったら飲み頃。

MEMO:1.5リットルボトルの場合は3倍量で作ります。
炭酸ガスが発生するので、ボトルは必ず強度のあるものを使ってください。生姜の切り方は何でもいいのですが、千切りが詰める時も取り出す時も一番楽です。砂糖の量は45gだと市販品ぐらいの甘さ、40gだとあっさりです。イーストは多く入れると匂いが気になるので、耳かき1杯程度を加えています。天然の酵母で作りたい場合はこのレシピをイーストなしで発酵させるよりも、あらかじめ生姜で酵母を起こしておいてそれを適量加えた方が仕上がりがいいかと思います。