ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:カタツムリ

もう1週間経ってしまいましたが、先週土曜日に開かれたクレタ産養殖エスカルゴの新製品発表会にお招きいただきました。

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今回4度目の開催を迎えたギリシャ食品のイベントEllada-Giorti-Gefseis会場のプレゼンテーションルームにて。
Χοχλιοί Κρήτης - Escargot de Crete(ホフリィ・クリティス、クレタ島のエスカルゴ)は、私が注目しているギリシャ食品メーカーのひとつなのですが、品質と安全さへのこだわりがあり、そして新しい製品や新しい食べ方を提案していく意欲が強く感じられます。

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カタツムリ養殖の苦労話や、自社製品のコンセプトなど、創業者であるハラランボスさんの興味深いお話もいろいろ聞けました。

彼の生まれ故郷であるクレタ島は、地中海式ダイエットの基ともなった「長寿の島」。クレタ島で好まれいろんな調理法で食べられるカタツムリは、健康の鍵となる食品のひとつであると考えられています。しかし、それもカタツムリが綺麗な環境で育ったということが前提。排気ガスなどで汚染された道端でカタツムリを集めている人々を見てショックを受けたことも、養殖を始めるに至った大きなきっかけだそうです。
クレタ島の、そしてギリシャの人々は、自分達の国や文化に誇りを持っています。
しかし、素晴らしい国の素晴らしい伝統食品だからいいのではなく、本当に高品質のものを作りたい、ギリシャらしいユニークなものを作りたいというハラランボスさんの姿勢に感銘を受けました。

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お話のあと、いよいよ新製品のお披露目!
蜂蜜入りセージティーに漬かったエスカルゴです。

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既存製品である4種類のオイル漬けに加え、新製品はハーブティー漬け。う〜ん、なるほど。最近はハーブがきてますね〜。

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セージティー漬けエスカルゴ(左)と水煮缶詰(右)との比較。ホフリィ・クリティスで養殖しているエスカルゴは小振りで肉の色が薄めのものです。

エスカルゴの剥き身と言うと、一般的に出回っているのは水煮ですが、塩水ではなくギリシャの伝統的なハーブのお茶を使うというのはなかなか面白い。
さまざまな薬効があり不死のハーブとも呼ばれるセージは、ギリシャではお茶として飲むのが特に好まれます。セージそのものに防腐・殺菌・抗酸化効果もあるので、人工的な保存料などを使わない製品を実現させることができたそう。原材料はエスカルゴ剥き身、セージティー、タイム蜂蜜、レモン、塩です。

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会場では、試食品の準備も進行し……

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トラハナにトッピングされて出てきました。
お味の方は、ハーブティーの味は強調されることはなく、エスカルゴ本来のハーバルな風味を引き立てるデリケートな味わいでした。

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プレゼンテーション用にお洒落盛りも。
製品のプロモーションとしてモダンギリシャ風のいろんな料理も提案されていますが、既存製品はどれもオイル漬けだったので、結局そのまま食べるのが一番という感想だったのです。新製品はオイルを使っていないので、食べ方の幅もかなり広がりそう。料理ブロガーとしては、遊んでみたい製品ですね(予算が許せば、ですが^^;)。

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こちらは、一般的に小売されている瓶詰めです。剥き身50g(15〜20匹分)で、価格は種類や店によって違いますが6ユーロぐらい。
プレーン、ローズマリー&ビネガー(この伝統料理をもとにした味)、タイム&レモン、ガーリック&パセリ(おなじみブルゴーニュ風のギリシャ版)があり、いずれもクレタ産EXヴァージンオリーブオイル使用です。


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この料理、何度か写真も撮ってるのですが多分まだ載せてないはず。苦手な方はそっとブラウザを閉じて下さい^^;

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Χοχλιοί μπουμπουριστοί

フランスのエスカルゴはじめ、カタツムリを食用とする国はヨーロッパにいくつかありますが、ギリシャでも結構よく食べられます。特にクレタ島ではかなりの消費量で、オリーブオイルや野草と並び、クレタ人の健康と長寿の秘訣とも言われるヘルシーな食材なんです。

いろいろあるクレタのカタツムリ料理の中でも、私が好きなのが「ホフリィ・ブブリスティ」。料理名はクレタ島の方言で、「うつぶせになったカタツムリ」という意味です。その名の通り、カタツムリを伏せてフライパンに並べるのですが、一番本格的(?)な作り方だと、下茹でなしに生きたまま!殻から顔を出したカタツムリがフライパンの底に敷かれた塩にびっくりして引っ込む時に、自分で味つけしてしまうという仕組みだそうです。
下茹でするにしても生きたまま茹でられてしまうわけだし、どちらにしてもカタツムリにとっては災難ですね。

現地の人でも「そのまま派」と「下茹で派」がいて、作り方はお好みで……といった感じ。初心者にも食べやすいのは、下茹でしてしっかりぬめりを取った方です。今回は、ずっと前に下茹でして冷凍してあったカタツムリがあったので、もう一度軽く茹でてから使いました。

一般的なホフリィ・ブブリスティの味つけはオリーブオイルに塩、ローズマリー、ワインビネガーが基本で、これが一番美味しいと思います。人によってローズマリーは入れなかったり、ワインビネガーじゃなくラキ(グラッパのような蒸留酒)を入れたりするようです。ちなみにニンニクは入れません。味的にはとても合うとは思うのですが、シンプル・イズ・ベスト。


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では、作り方。
カタツムリは下処理(こちらの記事参照)をしたものを用意します。綺麗に洗ってあれば、下茹ではしてもしなくてもOK。ただし、そのままだとぬめりは出ます(茹でてよく洗っても多少はぬめるけど……)。

フライパンに塩を多めに振り、カタツムリを伏せて並べます。この時、生きてれば脱走しようとするカタツムリも居るでしょうが、塩でやられるので無駄な抵抗です。今回はカタツムリに軽く小麦粉をまぶしていますが、これはお好みで。

フライパンを強火にかけ、音がしてきたらオリーブオイルをたっぷり加えます。時々かき混ぜながら、カタツムリに火が通るまで(特に生の場合)5分ほど炒めます。

ローズマリーの小枝を数本加え、香りが立つまで炒めます。ワインビネガーをたっぷり加え、絡めながら手早く炒め煮します。ビネガーが煮詰まって、ほとんどオイルだけの状態になったらできあがり。エスカルゴフォークがなければ、安いフォークの端を少し曲げて使うか、竹串などを使うといいです。

熱いうちに、キンキンに冷やしたラキ(チクディア)と一緒にどうぞ〜♪

※味つけは塩、オリーブオイル、ビネガーともにきつめにする方が美味しいです。

【関連記事】
カタツムリのギリシャ風シチュー(ホフリィ・スティファド)
エスカルゴのオイル漬けと、割り豆バーグ


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またまたお久しぶりです。
ギリシャの学校は今月半ばから早くも夏休みに入り、子供たちに振り回される毎日。ブログに載せるような料理もあまり作れていませんが、載せそびれているものがいくつかあるので、気力のある時にでもアップできればと思います。

2014.03.29 meze

これは、とある春の日のおつまみプレート。記事タイトル(ちょっと抑え目の表現にしてみました^^;)で察して頂けたかと思いますがカタツムリの料理です。今回出てくるのは剥き身の画像だけですけど、苦手な方はそっとブラウザを閉じて下さいね。

カタツムリは後回しにすることにして、まずは割り豆バーグから。
ファヴァ」と呼ばれる黄色い割り豆は、私が一番好きな豆のひとつ。じっくり煮込んでピュレにしたのを玉ねぎ、レモン、オリーブオイルでサラダっぽく食べるのが基本形で、軽い食事にもおつまみにもぴったりな一品です。

ファヴァはこの食べ方の他に、丸めてケフテデス(ミートボールもしくは肉以外で作ったミートボール風の料理)にするのもポピュラーな食べ方。硬めに作ったファヴァのピュレがある時の展開料理としてもおなじみです。

この時も残り物のファヴァで作ったので分量は出してないのですが、作り方だけ……。

2014.03.29 favokeftedes

硬めに作ったファヴァに刻んだ玉ねぎとトマト(汁気の多い種は除き果肉部分だけ)、ハーブ類(ディル、オレガノ、ミント)を加えて塩胡椒でしっかり目に味付けし、べとつかない硬さになるまで小麦粉を加えます。平丸型に成形し、オリーブオイルできつね色になるまで揚げ焼きしたらできあがり。あまり厚くせず、薄い丸型にした方が香ばしくて美味しいです。
味つけは上記の通りでなくても、トマトなしで作ったり、クミンやホットパプリカを入れてスパイス風味にしてもいいです。ヨーグルトにミントとニンニクを加えたソースも合いますよ♪

【関連レシピ】
ひよこ豆バーグ(レヴィソケフテデス)


エスカルゴは、ギリシャにお住まいの方ならピンときたかもしれませんが、クレタ島のエスカルゴの瓶詰めにヒントを得て作ってみたものです。
あれってなかなかいいアイディアの製品だな〜と思うのですが、小瓶が約6ユーロと結構いいお値段なのですよ。だからと言って、自分で作るのも手間がかかるし気軽に食べられるわけではないのですが。
もうちょっと味がしっかりしてた方がいいなと思ったのと、ちょっと別のフレーバーを考えてみたので、自己流で作ってみました。

そもそも、カタツムリを捕ってきたり生きたのを入手して作ってみようという方はほとんどいない気がしますが……作り方を書いておきますので参考にどうぞ。


エスカルゴのオイル漬け

下処理は、以前に載せた「カタツムリのギリシャ風シチュー」の記事に書いてあるのでそちらを参照。
今回は剥き身にするので、茹でたら殻から身を取り出します。ワタの部分を取り除き、ぬめりもしっかり洗い落として水気を切っておきます。

ローズマリー&ビネガー風味

上記某社の製品にもあるフレーバーですが、ビネガー味があまり感じられないので自作のはしっかり味でいきます。

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カタツムリの剥き身を袋に入れ、塩とワインビネガー適量を加えます。冷蔵庫に入れて数時間マリネし、汁気を切って鍋に移します。

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オリーブオイルをひたひたに加え、ローズマリーも入れて弱火でじっくり加熱。この時、オイルが沸騰しないよう気をつけます。
カタツムリの身が好みの柔らかさになったらできあがり。瓶詰めにして冷蔵保存します。


スモークドパプリカ&ガーリック風味

お気に入りのスペイン食材、スモークドパプリカは以前ムール貝のオイル漬けにも使いましたが、カタツムリにももちろん合いますよね^^
こちらはビネガーを入れず、塩とスモークドパプリカをまぶし下味をつけておきます。
鍋に移し、オリーブオイルと叩いて軽く潰したニンニクを加え、沸騰させないように加熱。好みの柔らかさになったらできあがりです。

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【次回用メモ】
オイル煮という形で作ってみましたが、ワインか何かで煮て汁気を飛ばしたものを生のオイルで漬ける方法でもいいかも?


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記事タイトル、「エスカルゴのギリシャ風シチュー」とした方が美味しそうに見えると思うのですが、「カタツムリはカタツムリ」〜ってことで……苦手な方はタイトル見ただけで避けて頂けるかと^^;
ちなみに私の家族はタコもカタツムリもビジュアルからしてダメなので、先週の土曜日、みんながパーティーに出かけている間のひとり酒盛りでした。

2014.01.25 snail stifado
Χοχλιοί στιφάδο

カタツムリ(エスカルゴ)はギリシャでも結構よく食べられますが、特にクレタ島で好まれる食材で、調理法もかなりバリエーションに富んでいます。
私の一番のお気に入りは、ローズマリー&ビネガー風味。去年だったかに写真は撮っていたものの、載せそびれてしまったので、またいつか気が向いたらアップしようかと思います。

全国的に一番ポピュラーなカタツムリ料理はトマト煮でしょうか。これはタベルナのメニューでもたまに見かけます。

今回作ったスティファドも、美味しいカタツムリ料理のひとつです。
たっぷりの玉ねぎを入れて煮込むスティファドは、ウサギや牛肉で作るのが最も一般的ですが、以前ご紹介したタコやカタツムリで作るのもおすすめ。タコやカタツムリはギリシャでは精進料理とみなされるので、断食期間中にもOKなメニューです。


2014.01.25 snail stifado2

カタツムリを使う場合は下処理に少し手間がかかるのですが、それさえやってしまえばあとは簡単。

カタツムリは、ちゃんと生きているものを使用。もしくは瓶詰めなどの剥き身でもOKです。生カタツムリの場合、すぐに調理できる状態(※)か、お店の人に聞くといいです。

殻の口のところが膜で閉じている場合はぺティナイフで取り除きます。ここで生存確認。水を適量張ったボウルか洗面器にカタツムリを入れ、蓋をして(←重要!)置いておきます。30分もすれば生きているカタツムリは這い出してくるので使って大丈夫。そうでないカタツムリはつついてみたりして生きているか確認しましょう。
殻をこすってよく洗い、5分ほど下茹でしてから流水でぬめりをよく洗い流します。殻の尖ってる部分を割るか切り落としておくと食べる時に身が取り出しやすいですが、面倒ならそのままでもOK。

玉ねぎはくし切りにして鍋に入れ、オリーブオイルをたっぷり回しかけます。中火で炒め、しんなりしたらトマトペーストと好みのスパイス(今回はクミンですが、シナモンやクローブでも、無しでもいいです)を加えオイルになじむまで炒めます。すりおろしトマトも加え少し炒め、カタツムリを加え軽く炒めます。

白ワインをジャッと入れ、アルコールが飛んだら水をひたひたに加え、塩とベイリーフを加え蓋をして強めの弱火で煮込みます。
玉ねぎがトロトロになり、汁気が少なくなったらできあがり。塩、胡椒で味をととのえますが、甘味が足りなければ砂糖を、味が締まらない感じならワインビネガーを加えるといいです。

※野生のカタツムリは捕ってきてからすぐに調理はできず、綺麗なエサを与えたり絶食させたりしてお腹の中のものを出させる必要があるのですが、養殖だとこのプロセスなしですぐに調理できる状態にされていることが多いようです。


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