ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:スープ

今日は、ティリニスの日曜日。
ギリシャ正教の決まりでは、復活祭まで肉食の禁止が始まっていますが、今日まではまだチーズ(ティリ)をはじめとした乳製品や卵は許可されているので、それらを使った料理やお菓子が沢山食べられた一週間でした。

ティリニを締めくくり断食期間を迎えるのにふさわしい、乳製品を使ったシンプルなスープをご紹介します。

2016.03.09 tanomenon chorba1
Τανομένον σορβά

先日、撮影でお世話になったディレクターのマリアは北ギリシャカヴァラの出身。
とっても気さくで楽しい方で、いろんな話で盛り上がったのですが、私が動画用に作ったギリシャヨーグルトとキャラメルオニオンのパスタを見て、おばあちゃんがよく作ってくれたスープを思い出したと話してくれました。

「プリグリ(バルガー小麦、ブルグル)を煮て、そこにヨーグルトや炒めた玉ねぎを入れるの」という作り方を聞き、それは確かあれだ。知ってるんだけど……とっさに名前が出てこなくて反応しそびれたのが残念!
以前、乳酸菌飲料のリサーチをしてた時に資料にまとめたポントス料理でした。

ポントスは現トルコの黒海沿岸地域。そこに住んでいたギリシャ人をポントス人といいますが、マリアのおばあちゃんもポントス人だったのかもしれません。このスープは、本来はポントスの伝統食品であるタン(バターミルク)やパスキタン(タンから作られるヨーグルトチーズ、塩ヨーグルトの一種)を使うようですが、ギリシャヨーグルトやプレーンヨーグルトでも作ることができます。


2016.03.09 tanomenon chorba2

作り方はとっても簡単なので、分量は出してないのですがレシピをご紹介しておきます。


ポントス風・バルガー小麦とヨーグルトのスープ(タノメノン・ショルバ)

材料:
バルガー小麦(ひき割り小麦、ブルグル)

塩、胡椒
玉ねぎ
ギリシャヨーグルト
バター
ミント(生でも乾燥でも)

バルガー小麦は笊に入れてすすぎ、鍋に入れる。水と塩適量を加え、バルガー小麦が柔らかくなるまで煮る。

ギリシャヨーグルトはボウルに入れ、バルガー小麦の煮汁を少しずつ加えてのばす。これを鍋に加え、煮立てるとヨーグルトが分離するので注意しつつ手早く混ぜる。スープが温まったら火から下ろす。

小鍋かフライパンにたっぷりのバターを溶かし、刻んだ玉ねぎを炒める。玉ねぎが柔らかくなり、少し色づいたらミントも加え軽く炒める。

スープを再び弱火で温め、玉ねぎとミントをバターごと加え混ぜる。塩、胡椒で味を調える。

MEMO:バルガー小麦はポントス語でコルコトと呼ばれるもので、日本で一般的に手に入るブルグルより粒が粗く食べごたえがあります。粗挽きのブルグルもしくは丸麦で作ってもよさそうです。また、このスープは米で作る場合もあります。


ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ
人気blogランキングへ

春っぽい、爽やかな豆のスープを食べたかったので。

2015.04.15 white bean soup with kafkalithra

少しの玉ねぎだけ入れて白く仕上げた豆スープに、カフカリスラとオリーブオイルのペーストとレモンの皮のすりおろしをトッピング。
好みでレモンを絞っていただきます。

カフカリスラというハーブについては以前ちょっと書いてますので、こちらの記事を参照。

ひなげしパイと豆スープ

カフカリスラの香りは何と表現していいのかわかりませんが、ちょっと蒸れたような感じもして、そのままだと果たしていい匂いなのか……?
ギリシャでは春の野草や青菜のパイに入れるのが定番。他には煮込みに入れたりもします。

オイルと一緒にペーストにしたのは、刻んだそのままとは香りが違ってしまう気がしますが、そろそろ花が咲いてシーズンも終わりなので保存したかったというのもあります。これはシーフードと合わせてみてもよさそう。


ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
人気blogランキングへ
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ


少し前にギリシャ風のチキンスープを載せましたが、牛肉を使ったこちらも「おふくろの味」のひとつです。

2015.01.11 kreatosoupa1
Κρεατόσουπα

ギリシャ語ではクレアトスパ(肉スープ)またはヴラスト(別の表記でブラスト。「茹でた」という意味)と呼ばれるもので、ざっくり説明すると「ギリシャ風ポトフ」といった感じ。ほろっと柔らかくなるまで煮込まれた肉のスープなのですが、ポトフのように肉や野菜とスープを別盛りにしたり、ギリシャ独特のアヴゴレモノ(卵レモン)仕立てにしたり、いろんなバリエーションがあります。

また、肉は牛肉に限らず、たとえば山羊肉を使ったギダ・ヴラスティは田舎の方へ行くとタベルナのメニューでもよく見かける料理で、冬のスキー旅行の時はこれが食べたくなります。スープはそのままでもとってもおいしいのですが、トラハナを入れてお粥状にしたものは食べごたえもあり、冷えた体を温めるのにぴったり。意外と癖はないので、ギリシャに来る機会があればぜひ食べてみてください。

牛肉のスープは気軽に作れ、万人受けする味。
近所に住む夫の叔母も昔はたまに作って差し入れてくれていましたが、肉や野菜の具は入ってなくて、クリサラキ(麦粒型パスタ)を入れたスープだけでした。いい出汁が出るためスープによく使われるのはすね肉などですが、潔癖症なところがある叔母が料理する肉は基本的に脂や筋のない赤味の牛肉だけだったので、スープをとったあとの肉は義父母宅の犬のエサになっていたようです。叔母さんのクレアトスパは、フレッシュトマトのほのかな酸味でさっぱりとしていて、シンプルながらもおいしかったです。


2015.01.11 kreatosoupa2

私が自分でよく作るのは、マギリオ(大衆食堂)の大鍋で煮込まれていそうな、肉も野菜もごろごろ入ったスープです。
調味料は塩胡椒だけですが、素材のうまみがたっぷり。特別な材料は全く必要ないので、この冬ぜひお試しください。


ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
人気blogランキングへ
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ

続きを読む

本日のパイ。

2014.12.17 pites


次女はほうれん草パイやチーズパイ以外はほとんど食べないので、今日はほうれん草パイ(スパナコピタ)。やっぱり定番は美味しい♪

2種類のパイを作ったのですが、もうひとつは挽き肉パイ(キマドピタ)。相変わらずバナナピーマンがいっぱいあるので、ピーマン入り挽き肉パイ(キマドピタ・メ・ピペリェス)にしました。


2014.12.17 kotosoupa

長女が風邪気味なのでチキンスープも。
「チキンスープやのにお肉ないの?」と聞かれたけど、手羽先で作ったから出汁だけで肉は入ってません^^;


ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
人気blogランキングへ
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ

今年は夏頃からやけにファヴァが食べたい気分で、一時期は主食か!?ってぐらい食べていました。
さすがにそれだけ食べたら少し落ち着いてたのですが、ちょっと久しぶりに作ってみたら……ひんやりとしたファヴァはこの時期食べると寒い!

2013.10.22 fava soup

というわけで、温かいスープにリメイクしました。
ちなみにファヴァとは以前の記事でもご紹介しましたが、ギリシャではそら豆ではなく小さな黄色い割り豆のことです。
サントリーニ島では特によく食べられ、一般的なピュレのほか、スープや豆コロッケのような料理にもされます。

上のスープは春にフードフェスで食べたのを参考にアレンジしたもの。
シンプルなファヴァのスープをベースに、ミント&レモンで風味をつけたオイルとカリカリに焼いたアパキ(クレタ島の豚肉加工品。ハーブやワインビネガーを加えマリネした肉をスモークして仕上げたもの)をトッピングしてあります。


2013.10.26 fava soup

もうひとつは、トマトペーストと乾燥ミントをオリーブオイルで炒めたものを加え、小さく切ったカリフラワーも足して煮たスープ。
ピュレ状にするつもりだったのですが、気が変わってカリフラワーはそのままの形で残しました。
味付けはトルコの剥きレンズ豆スープっぽくしています。
実は先月このトルコスープを作りたくて剥きレンズ豆を買いに行ったのですが、近所のスーパーで見つからなかったのです。ギリシャではレンズ豆スープと言うと皮付き豆で作るので、需要がなかったんでようね……。
中東系やインド系の食品店や青空市場などでは売ってましたが、とりあえずファヴァのスープで満足♪
また食べたくなったら剥きレンズ豆も買いに行こうと思います。


ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
人気blogランキングへ
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ

↑このページのトップヘ