ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:モダンギリシャ料理

アラホヴァ、パルナソス山辺りに縁のある方からフォルマエラチーズをいただきました。うちでは普段買わないチーズなので、食べるのは何年ぶりでしょう?

2023.07.04 saganaki
フォルマエラ(φορμαέλαまたはφορμαέλλα)は、中央ギリシャに位置するヴィオティア県アラホヴァの伝統的なセミハードチーズ。羊乳や山羊乳を原料とするチーズで、約500gの円柱形に作られます。細長い籠に入れて成形するため、ぎざぎざとした模様が特徴的です。
フォルマエラチーズはペロポネソス半島のカラヴリタでも作られますが、アラホヴァのものが特に有名で、PDO(原産地名称保護制度)認証を受けています。

食感はキプロスのハルミチーズやペロポネソス半島メッシニア県のタラガニチーズのようにキュッキュッとした歯応え。そのままでも食べることはできますが、サガナキやグリルなど加熱調理して食べる場合が多いです。

というわけで結局簡単にサガナキで全部消費してしまったのですが、ちょっと甘いソースで食べたい気分だったので、2種類作ってみました。

トップの画像は、セモリナ粉衣のサガナキにチリトマトジャム添え。フォルマエラチーズを厚めにスライスし、さっと濡らしてセモリナ粉をまぶします。きつね色になるまでオリーブオイルで揚げ焼きにしてできあがり。セモリナ粉があったのでそれを使いましたが、コーンミールでもいいですよ。
チリトマトジャムはこれ用にごく少量作ったので適当ですが……トマトと生唐辛子と玉ねぎ少しを刻んで鍋に入れて煮詰め、味つけは蜂蜜と塩を使いました。


2023.06.29
こちらは衣はつけず、フライパンで焼いたサガナキ。ちょっとだけ食べたいなと思ってたら薄めに切れてしまいましたが、もうちょっと厚く切った方がいいです。

フォルマエラは加熱しても溶けないので、衣なしでそのまま焼いても形は保ったままになります。夏らしく桃の簡易ジャムですが、ウゾと粗びきこしょう入りで大人の味に。チリトマトジャムと同じく、甘味は最後に蜂蜜を加えています。

今回は甘いソースというテーマでやってみましたが、シンプルにバターで焼いて唐辛子フレークかパプリカを少し散らしたり、オリーブオイルで焼いてレモンで食べるのもいいし、サラダや料理に加えても楽しめるチーズです。


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今年はなんだかギリシャらしいカラッとした天気じゃないのですが、ようやく夏らしくなってきました。

2023.04.26 melitzanes pastitsada
暑い時こそしっかり食べて……というのはもちろん心がけているけれど、気温が高いとあまり肉は触りたくないというのが本音。私も夫も肉料理は週に1、2回でいいので、子供たちにだけ用意する場合も多いです。

今日ご紹介する料理は、本来牛肉や鶏肉(特に雄鶏)で作られるコルフ島の郷土料理を菜食アレンジしてみたものです。ワインやスパイスを加えたトマトソースでじっくり肉を煮込んだ料理はギリシャでは全国的に見られる定番ですが、コルフ島のパスティツァーダはより多くのスパイスをブレンドした複雑かつスパイシーな味が特徴。




菜食ヴァージョンはきのこなんかもおいしいですが、夏らしくなすで。
トマト系ソースやスパイスとの相性は言うまでもなく、これからの季節にぴったりな一品になりました。

2023.04.26 melitzanes pastitsada1

なすのパスティツァーダ風(メリジャネス・パスティツァーダ)

材料:(2人分)
なす...3〜4本(250〜300g)
玉ねぎ...中1/2個(80g)
にんにく...1〜2かけ
完熟トマト...350g
トマトペースト...大さじ2
オリーブオイル...大さじ4〜5
赤ワイン...大さじ2
ワインビネガー...大さじ1/2
塩...約小さじ3/4

スパイス:
パプリカ、カイエンペッパー、シナモン、オールスパイス、こしょう...各小さじ1/4
クローブ、ナツメグ...各小さじ1/8
ベイリーフ...1枚

ブカティーニまたは好みのパスタ...約180g
すりおろしチーズまたはチーズ代替品...好みで適量


なすは大ぶりに切り、軽く塩をふってしばらく置いておく。
玉ねぎ、にんにくはそれぞれみじん切り、トマトはすりおろしておく。スパイスはあわせておく。

なすから出た水気をキッチンペーパーで拭く。フライパンを中火で熱してオリーブオイル大さじ1〜2を入れなすを並べて焼く。全面に程よく焼き色がついたら鍋に移す。

なすを焼いたフライパンにオリーブオイル大さじ2〜3と玉ねぎを加え弱火でじっくり色づかせないよう炒める。玉ねぎがやわらかくなったらにんにくを加え、香りが立つまで1〜2分炒める。

スパイス類、トマトペーストを順に加え、オイルになじませるように炒める。少し火を強め、ワインとワインビネガーを加えアルコールが飛ぶまで軽く炒め煮にする。

トマトと塩小さじ1/2を加え、つぶすように数分煮てからなすの入った鍋に加える。鍋を火にかけ、くつくつ沸騰してきたらふたをして弱火で20〜30分煮る。なすがとろけるようにやわらかくなり、ソースの味がなじんだらできあがり。味をととのえ、火からおろす。

パスタを茹でて水気を軽く切り、パスタを茹でた鍋に戻す。パスティツァーダのソースだけを適量加え和え、器に盛る。パスタの上か脇になすを盛りつけ、ソースをかける。食べる時に好みでチーズをふりかける。

MEMO:伝統的なパスティツァーダと混同されないように、「パスティツァーダ風」としました。なすを大ぶりに切ることと、それを単品で具材とすることでパスティツァーダらしさを出しています。彩りや栄養バランスが気になる人はサラダなどサイドディッシュで補ってください。

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代表的なギリシャ料理のひとつとして知られる、ぶどうの葉で米などのフィリングを包んだドルマデス(ドルマダキァ)。

2023.06.14a
やっぱりとれたての生葉を使ったものは格別なので、出回る時期には作っておきたい料理です。ぶどうの若葉は市場では7月ごろまで見かけますが、旬は4月終わりから5月。今年も余裕がなくちょっと出遅れ気味で、先週やっと作ることができました。

せっかくなので、ラキを一杯。ドルマダキァとケフテダキァ(ギリシャ風ミートボール)で、とってもギリシャらしいおつまみセットです。


2023.06.14c
いつも最初に作る「ドルマダキァ・ヤランジ」は、肉なしでハーブたっぷりの薫り高いドルマデス。ドルマデスというのはぶどうの葉に限らずキャベツ(特に冬によく使われる)など他の葉っぱでも作れますが、このハーブライス入りのはぜひぶどうの葉でお試しいただきたいものです。ぶどうの葉自体もハーバルな風味と酸味があり、それがフレッシュハーブやレモンとあわさって複雑な味わいを生みます。


2023.06.14b
ちなみに作り始めるまでは面倒だなと思って実はなかなか重い腰が上がらなかったりするんですが、私にとってはとてもリラックス効果がある料理です。ひとつひとつ包んで巻いていく作業は瞑想のように心が静まるし、作っているときの香りはまさにアロマセラピー。
日本ではぶどうの葉の入手が若干困難ではありますが、レシピ本にも作り方を掲載していますので、機会があればぜひお試しください。


2023.06.15a
我が家の超定番のもうひとつ、ひき肉入りトマト風味のドルマダキァはとても小さいサイズに包まないと気が済まないので、今回はパスして……代わりに干し鱈入りのを作りました。


2023.06.15b
干し鱈入りはその時の気分で副材料を変えるのでレシピは定まっていないのだけど、よく作っているドルマダキァのひとつです。


2023.06.15c
今回はハーブをたっぷり目に入れ、ヤランジの配合に近い感じで。玉ねぎ、刻んだ干し鱈(塩抜きしたもの)を炒め、トマト少しと米も加え炒めて、ハーブ(パセリ、ディル、スペアミント)とひまわりの種、干しぶどうを加えました。塩こしょうで味をととのえますが、塩の量は干し鱈の塩気によって加減します(煮ると味が薄まるので濃い目に)。


2023.06.15d
ドルマダキァ・ヤランジには松の実と干しぶどう(カランツ)をよく入れるのですが、今回なしで作ったので鱈の方に入れたくなりました。いきなり思い立ったので、松の実の代わりにひまわりの種を炒って使いましたが、これも十分おいしい。ひまわりの種は、自分の中で「貧乏人の松の実」と呼んでいます(笑)


2023.06.15e
この日のもう一品は、レンズ豆のサラダ。茹でたレンズ豆に、玉ねぎ、パプリカ、トマト、フェタチーズ、ディルをシンプルなワインビネガー&オリーブオイルのドレッシングで。ビネガーはバルサミコを使って甘めに仕上げてもおいしいです。


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レンズ豆のレシピ、せっかくなのでもうひとつ載せておきます。

2023.05.02 lentils with vegetables
Φακές με λαχανικά

今日ご紹介する料理は、これからの季節にぴったりな夏野菜を使った煮込みです。野菜はオーブン焼きにするのが好きですが、暑い時期にもあまり苦にならず作れるよう、フライパンひとつでできるレシピにしました。

ところで、2つ前の記事でご紹介したレンズ豆とマッシュルームのラグーソースは、使用する豆の量が少ないので「レンズ豆は戻して使うか、多めに茹でて他の料理にも使いまわすのがおすすめです」というようなことを書きました。




今回の料理の場合はレンズ豆の形を残したいので、できればまず「水戻しして使う」方法でお試しください。茹でてから使う方法だとどうしても皮が剥けたり煮崩れてるのが個体差によって出てしまうのですが、酸味の素材が入ったソースで煮ると、「やわらかくなりにくい」というのが逆にメリットとして働いて、豆の粒がしっかりとした仕上がりになります。


2023.05.02 lentils with vegetables1
温かくても冷たくてもおいしいし、軽いメインディッシュとしても、シンプルな肉や魚介料理のつけあわせにも活躍する一品です。


レンズ豆と夏野菜の煮込み(ファケス・メ・ラハニカ)

材料:(2〜4人分)
レンズ豆...1/2カップ
なす...130g
ズッキーニ...130g
パプリカ...60g
トマト...正味150〜160g
玉ねぎ...小1/4個20g
にんにく...大1かけ
オリーブオイル...大さじ4〜
塩...約小さじ1/2
こしょう
バルサミコビネガー...大さじ11/2
はちみつ...小さじ1
パセリみじん切り...大さじ3

レンズ豆は洗って水に浸けてふっくらとするまで(約3時間〜)戻しておく。

なすは1.5〜2cm角のさいの目切りにし、軽く塩をふって混ぜておく。ズッキーニ、パプリカもなすと同じくらいの大きさに切る。トマトは皮をむいて1cm角くらいに切る。玉ねぎとにんにくはみじん切りにする。

中サイズのフライパン(直径24〜26cm)を中火で熱し、オリーブオイル大さじ2を加える。なすの水気をキッチンペーパーで拭いてから加え、ズッキーニとパプリカも加え炒める。野菜に火が通り少し色づいたら、一旦取り出す。

同じフライパンにオイル大さじ2を足し、玉ねぎとにんにくを弱〜中火で色づかせないように炒める。にんにくの香りが立ち玉ねぎがやわらかくなったらトマトを加え、軽く炒める。

レンズ豆と水1/3カップを加え、ふたをして弱〜中火で煮る。3分程度煮てレンズ豆がやわらかくなったら、塩、こしょう、バルサミコビネガー、はちみつ、パセリ、先に炒めておいた野菜を加え混ぜあわせる。

レンズ豆と野菜が程よいやわらかさになり、味がなじむまでさらに数分煮る。この時、汁気が残っているようならふたを取って水分を飛ばすようにする。最後にもう一度味見をして必要なら調整し、火からおろす。

MEMO:メインディッシュとしてなら2人分になります。
レンズ豆を浸水することによりとても早く煮えますが、戻すのを忘れた場合は下茹でする方法でも。やっと柔らかくなったぐらいまで茹でて使います。豆と同時に調味料と野菜を加え(茹で汁は不要もしくは少量加える)数分炒め煮にしてください。
また、レンズ豆をたっぷり茹でておいて複数の料理(スープ、サラダ、ピラフなど)に使うのもおすすめ。すでに茹でてあるレンズ豆を計量する場合、約1カップ使います。
ヴィーガンの方は、はちみつを他の甘味料に置き換えてください。


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夏の果物がいろいろ出てきました。

2023.05.23 salad
いちごはそろそろ終わりなので、子供にリクエストされてたデザートなど、忘れず作っておかなければ……というのが最近の課題のひとつ。

買ってきたいちごは仕分けて、綺麗なのは保存容器に並べて冷蔵庫へ。傷みそうなのはその日のうちに食べるか加工してしまいます。

いちごミルク用にピュレを作ったので、それをちょっとサラダにも使ってみました。うちの定番サラダのひとつがレンズ豆とビーツのサラダなんですが、その時の気分でいろいろアレンジしています。

今回は、バルサミコのドレッシングにいちごのピュレを加え、カットしたいちごも少し。前もって和えておくとすべてがビーツ色になるので、染まって欲しくない材料は食べる直前にあわせます。


【関連記事&リンク】

※サラダの作り方やアレンジをいくつか紹介している記事。


※CLASS101のオンデマンド型レッスンでは、動画でご紹介しています。



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