ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:果物

冬場は、いきなり沢山のレモンがやってくることが度々あります。

2023.12.20 samali1
レモンと言うと暑い時期に特によく使いたいイメージだけど、旬は冬なんですよね。木を植えているおうちも多いので、いっぱい採れすぎたのを頂くこともこの時期よくあります。

野菜室に入りきらない分は、いろんな保存食や加工品に。巨大化したレモンは皮がとても分厚いのでピールにすると美味しいですが、今回は逆にミニサイズのが結構あったので、丸ごとのシロップ煮を作ってみました。

季節の果物のほか、ナッツや野菜でも作られるシロップ煮は「グリコ・クタリウ」(スプーンスイーツ)と呼ばれ、ギリシャの伝統的な甘味のひとつです。とても濃く甘いシロップで煮てあるため長期間もつ保存食。家庭に常備されたそれは来訪者に振る舞われることが多く、ギリシャのおもてなし文化の象徴とも言えるでしょう。

私が作ったレモンのシロップ煮は伝統的なグリコよりは若干軽めに仕上げてみました。皮をすりおろして別の用途に使ってしまったのだけど、本当は表皮そのままのレモンで作った方がいいです。


2023.12.16 greek yoghurt with lemon glyko
グリコはそのままでも食べますが、ギリシャヨーグルトに添えるのも定番です。丸ごとレモンのシロップ煮も、やっぱりこの食べ方が一番好きでした。


2023.12.20 samali2
ヨーグルトと食べる以外には、サマリというセモリナ粉のケーキにも使ってみました。ギリシャでよく食べられる似たようなセモリナケーキは、レヴァニまたはラヴァニと呼ばれるものもあります。どちらも似たような見た目でシロップをたっぷり染み込ませるのも共通しますが、レヴァニは生地に卵が入りふんわりしているのに対し、サマリは卵なしで厚みも薄めに焼き上げます。また、サマリは風味付けにマスティハを使うのも特徴。生地にはヨーグルトを入れる場合も多いですが、今回はニスティシマ(動物性食品を使わない)にしたので乳製品も不使用のシンプルかつ素朴なお菓子です。

ところで丸ごとレモンでシロップ煮を作る場合の難点は、種が結構ある個体だと食べる時によけるのが面倒ということですが、同じ木に生ったであろうレモンでも、種が全く無いのと多めに入ってるのがあって不思議。


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先週は首を盛大に寝違えてしまい大変だったんですが、1週間でなんとか復活。日頃からもっと気をつけようと反省した出来事でした。

2023.03.20 bergamot
そんなわけでブログも更新できなかったので、ちょっとネタが渋滞しています。

上の写真は先月作っていたベルガモットピール。また時期を逃してしまう〜!と、焦って買った食材のひとつです。


2023.03.16
ベルガモットはキロ1ユーロちょい。左の食材も今の時期のもの。

そこそこ長いこと売ってますが、優先順位や手間を考えると今週は見送ろう……ってなってしまいがちなんですよね。

ピールは家族が好きなチョコがけを多めに作ったら、フルーツのお菓子がどちらかというと苦手(でもチョコは大好き)な次女もすごい勢いで食べて、あっという間に売り切れてしまいました。


2023.03.25 cake
粗く刻んだベルガモットピールを混ぜ込んだシンプルなケーキは、長女とふたりでゆっくりと消費。


※今回のピール入りケーキは生地1.5倍量、粉の一部をアーモンドプードルに、水分量少し調整しました。


普段うちで作るケーキのひとつがこれなんですが、

・油脂や砂糖たっぷりじゃない(特にバターは材料費が高くなるので)
・混ぜるだけで簡単
・程よくおいしいので瞬殺されない、普段のごはん的なお菓子

……というのがポイントです。同じ理由でアメリカンなコーヒーケーキも気に入っています。


2023.03.24 marmalade
ピールを作る時に残ったシロップを入れて、ブラッドオレンジのマーマレードも。長期保存目的ではなく冷蔵庫に入れてすぐに食べ始めるので、ジュースを絞ったときに出た果肉も加えたり適当な作り方です。


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唐揚げ用に鶏もも肉を捌いてたら、ちょっと多すぎたので煮込みに。ひとつだけ残ってたマルメロをあわせました。

2022.12.01 chicken with quince


作り方は豚肉ヴァージョンのこちらとほぼ同じです。



その時の気分で甘味や酸味の調味料を変えたりしていて、今回は結晶化してしまった蜂蜜をお醤油に溶かしてあったものとギリシャのバルサミコビネガーを少し入れました。


マルメロはギリシャではおなじみの秋冬の果物。市場でもスーパーでもよく見かけます。木に生っている状態では細かい毛に覆われてくすんだ色に見えるのですが、こすり落とすとぴかぴかの黄色い皮が現れるので、お店に並んでいる姿は大体こちら。

置いておくと辺りに芳香を漂わせていかにもおいしそうだけど、果肉がパサパサしているので基本的に生では食べられません(私は切りながら結構つまみ食いしてしまいますが)。生食に適さないせいか日本では普及してなくて、カリンと混同されることもあるマルメロ。加熱すると梨のようなざらざら感もありつつ、ねっとりとした食感になります。

シロップ煮、焼きマルメロ、マルメロペーストといったお菓子系のほか、料理では肉とあわせて煮込みやローストによく使われます。スパイスで香りを添えたマルメロの料理は、もうすぐやってくるクリスマスやお正月にもぴったり。もし売ってるのを見かけたら、ぜひお試しください。


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自分のためにチーズのサガナキを作ったのって、いつぶりでしょう?

2022.09.28 saganaki
Τυρί σαγανάκι με σταφύλια

チーズのサガナキは夫と次女の好物。特に去年ぐらいから次女の中でブームが来ているようで、もう嫌というほど作らされています。

両手つきの小さなフライパンのことを、ギリシャ語でサガナキといいます。料理名としてのサガナキは、チーズを焼いたものだったり、サガナキで出されるさまざまなメゼ(おつまみ)だったりとかなり幅広いものです。もはやサガナキではなく違う容器で出てきたりもしますが。

ギリシャで一般的なチーズのサガナキは、小麦粉をまぶしたチーズを揚げ焼きにしてレモンを添えたシンプルなもの。
海外のギリシャレストランではファイヤー!して出てくるパフォーマンスがあったり、蜂蜜など加えたモダンギリシャ料理の方がよく知られているところもあるようで、ギリシャの素朴なレストランで頼むと拍子抜けする人も居そう。

と、そんなことを言いつつ今回ご紹介するのは、旬のぶどうをチーズと一緒に焼いたモダンギリシャ料理のサガナキのレシピです。私は果物ってそのままよりも料理やお菓子に使う方が好きなので、チーズにもよくあわせて食べています。

このサガナキは短い調理時間で作れる料理なので、下準備が大事。慌てず済むよう前もって材料はきちんと揃えておき、手早く仕上げて熱々を食べてくださいね。


チーズとぶどうのサガナキ(ティリ・サガナキ・メ・スタフィリア)

材料:(1人分)
グラヴィエラまたはケファログラヴィエラチーズ...1切れ(60g)
小麦粉...適量
ぶどう...60g
ローズマリー...穂先1〜2本
蜂蜜...小さじ1/2
レモン汁...小さじ1
オリーブオイル...大さじ1
黒こしょう...適量

チーズは水にくぐらせ、小麦粉を全体にまぶしつける。余分な粉ははたき落とし、使うまで冷蔵庫に入れておく。

ぶどうとローズマリーは洗って水気を拭いておく。蜂蜜はレモン汁とあわせておく。

2022.09.28 saganaki1
サガナキまたは小さなスキレットを中火で熱し、オリーブオイルをひいてチーズを焼く。底になっている面がきつね色になったらひっくり返して端に寄せ、ぶどうとローズマリーも加える。

2022.09.28 saganaki2
チーズはいじらず、ぶどうとローズマリーは軽く混ぜながら焼く。チーズのもう片面も焼けてぶどうが少し弾けたようになってきたら、蜂蜜とレモン汁を回しかけ、こしょうを挽きかけて火からおろす。

MEMO:このサガナキは少しチーズが溶け出していいので、普通にチーズのサガナキを作る時と比べ薄い衣にしています。
果物は、ぶどうの代わりにネクタリン、いちじく、プラム、洋梨など合いそうなものに変えて作ってもいいです。また、仕上げには蜂蜜とレモンの代わりにバルサミコクリーム(煮詰めたバルサミコビネガー)を少量、細い線状にかけても。


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夏の果物が好きなので、いろいろ出てくるこの時期は大量に買ってしまいます。

2022.07.04 pasta flora
大抵の場合はとてもおいしくてパクパク食べちゃうんですが、あんずはいまいちなのに当たることも。先日買ったのがそれで、モサモサの粉っぽい食感……。

2022.06.30 apricots
でも、そんなあんずは惜しみなく加工できるチャンス。加熱したら酸味や香りが出ておいしくなるので、ジャムにしておきました。

うちではパンにつけたりしてジャムを食べることはあまりないので、一気に使いたいときはパスタ・フローラ(ジャムタルト)にしてしまいます。

レシピはこちら。


ジャムは市販のを使ってもいいけど、自家製ジャムで作るとやっぱり格別。はずれのあんずもおいしく生まれ変わりました。


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