ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:煮込み料理

前回の記事でお知らせしました「ギリシャのごはん」レシピ本、27日に無事発売されました。発売日に買いに行って下さったり、早速本を見て料理を作ったという嬉しいご報告もいただいています。

2020.09.02 psari me bamies0

発売日には私はシミ島にいたのですが、それについてはまた別の機会に。上の画像はバカンスから帰ってきて最初に作った料理です。

去年と今年はバカンスの日程が短かったこともあり、シミ島滞在中に自炊はしなかったのです。なので、約一週間ぶりのちゃんとした料理。夏の間ずっと食べたかったけどなかなか機会が巡ってこなかった魚とオクラのオーブン焼きを作りました。


2020.09.02 psari me bamies1

ギリシャでオクラというとトマト味で煮込むかオーブン焼きにするというのが一般的です。オクラだけのベジタリアン料理にしてもいいし、チキンや肉とあわせるのもポピュラー。魚と一緒に焼くのはクレタ島でよく見られる料理で、オクラ以外にも魚と野菜の組み合わせは特にクレタ料理に多いです。

煮込みかオーブン焼きかというのは好みですが、魚は崩れやすいのでオーブンがいいですね。うろこと内臓を取った丸ごとの魚(今回はスズキ)は、レモンでこすって塩こしょうし、お腹にも好みでレモンスライスをはさんでローストパンか天板に置きます。周りにオクラを並べ、玉ねぎとフレッシュトマトのシンプルなソース(好みでパセリやにんにくも入れて)を回しかけて焼くだけです。


2020.09.02 psari me bamies2

オクラも、オーブン焼きだと崩れないのがいいです。


2020.09.02 psari me bamies

長女と私で半分こして、盛りつけたところ。


2020.09.02 fish

オクラを食べない夫と次女にはスズキだけそのまま焼いて、骨を取って別の料理にしました。フライパンで玉ねぎとにんにく、青唐辛子を炒め、トマトを加え煮てソースを作ります。煮詰まったらソースを端に寄せて、空いたスペースに魚の身を並べ温まる程度の蒸し焼きに。器にソースを先に盛り、魚をのせてパセリを散らしできあがり。骨が残ってないか食べる時に最終チェックしやすい盛り付けです(笑)


2020.09.04 kotopoulo me bamies1

オクラが半分残ったので、別の日にチキンヴァージョンも。こちらは本でも紹介している煮込みのレシピです。


ギリシャのごはん (うちで楽しむ、とっておきレシピ65)


サイドディッシュはどちらも同じで茹でた葉アマランサスのサラダなのですが、魚の時はズッキーニと、チキンの時は去年漬けたオリーブとあわせてみました。自分で漬けたオリーブは作った満足感もありおいしい!今年ももうすぐやってくるオリーブの季節が楽しみです。





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初夏のギリシャ。毎年この季節は去りゆく春が名残惜しく、慌てて春野菜をせっせと料理します。

2020.05.09 asparagus ala polita2
Σπαράγγια αλα πολίτα

先週末は、市場で買ってきたアスパラガスをシンプルな煮込みにしました。
通常アーティチョークで作られる「コンスタンティノープル風」をアスパラに置き換えただけなのですが、これなら日本でも作りやすいと思うのでレシピを書いておきます。


アスパラガスのコンスタンティノープル風(スパラギア・アラ・ポリタ)

材料:(2人分)
アスパラガス...1束
玉ねぎ...中1/2個
にんじん...小1本
じゃがいも...小2個
オリーブオイル...大さじ2
ディルみじん切り...大さじ2
塩...小さじ1/3
胡椒...少々
レモン汁...大さじ11/2
コーンスターチ...小さじ1

アスパラガスは下の硬い部分を除き、5〜7cmぐらいに切る。玉ねぎは粗みじん切り、にんじんは5mm強ぐらいの輪切りにする。じゃがいもは皮をむいて4〜6分割のくし切りにする。


2020.05.09 asparagus ala polita3

鍋に玉ねぎ、にんじん、オリーブオイルを入れて混ぜ、蓋をして弱火にかける。時々かき混ぜながら、野菜の水分で蒸すように炒める。この時、ほとんど色づかせないよう注意。


2020.05.09 asparagus ala polita4

玉ねぎとにんじんが柔らかくなったら中火にし、アスパラガス、じゃがいも、ディル、塩を加え水をひたひたぐらい(約1カップ)加える。煮立ったら火を弱め、蓋をしてじゃがいもが柔らかくなるまで煮る。

レモン汁でコーンスターチを溶いて加え、軽くとろみがつくまで煮る。胡椒と、必要なら塩とレモン汁を足して味をととのえる。火から下ろし、少し冷めるまで置いて味をなじませる。

バリエーション:アヴゴレモノソース仕立てにしてもおいしいです。卵1個をボウルに入れて白身の存在感がなくなるまでよく溶き、レモン汁で溶いたコーンスターチも加えしっかり混ぜます。野菜が煮えたところに加え手早く混ぜ、とろみがつくまで静かに煮てできあがりです。

MEMO:ギリシャでは市場でも売られている野生アスパラ風に、細いアスパラで作ってみました。太いアスパラの場合はもう少し短めに切った方が食べやすいです。

【関連レシピ】




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なすを使って、肉も入ったボリュームのある料理を作りたいなと考えていて、チョブレキのことをふと思い出しました。

2019.07.13 tsobleki
Τσομπλέκι

北ギリシャのマケドニア地方、特にエデッサでよく見られる郷土料理なのですが、試しに検索してみても少ししか情報が出てこないので全国的な知名度は低そうな料理です。牛肉のトマト煮をなすやポテトと重ねたもので、なんとなくムサカを思い出させるものがあります。

そうそう。大事なことなので最初に言っておきますが、「チェブレキ」ではなく「チョブレキ」なのでお間違えなく。


2019.07.15 giouvetsi

この料理の特徴のひとつとして、基本的にひとり分ずつ小さな土鍋や金属製の丸型に入れて作り、食べる時は容器のまま食卓に出すのではなくひっくり返して皿に出します。容器の底にはフェタチーズをひと切れ、その上に真っ赤なフロリナペッパーをひと切れ。控えめな量のそれらの色合いと味がアクセントになっています(※)。


2019.07.13 tsobleki2

チョブレキにまつわる思い出……というほどのことでもないのですが、いつだったか夫がサッカー仲間か誰かと話していてこの料理のことを聞いたと言っていました。その時に、「どんな料理か知ってるから作ってあげよう!」と思いつつ忘れてしまって早数年。このエピソードはもう夫の記憶からはすっかり消えてしまったようですが、チョブレキは大好評でした。


2019.07.13 tsobleki3

久しぶりにレシピを書いてみましたので、ぜひお試し下さいね。ボリュームはあるのだけど重すぎず、とってもおいしい料理です!肉の煮込みを作って、野菜を焼いて……と少し手間と時間のかかるこの料理。全工程を一気にすると大変ですが、分けて作業すると結構簡単ですよ。

ちなみに牛肉の煮込み単品だとタス・ケバップ(タス・ケバブ)という料理になります。今回はひと粒で2度おいしいレシピ(笑)実はタス・ケバップは昔クックパッドに載せてたのですが、ブログに移行してからなんとなく再掲載してなかったもののひとつ。焼きなすとチーズをたっぷり加えたベシャメルソースの上に盛り付けると、ギリシャではコンスタンティノープル料理として知られるヒュンキャル・ベエンディ(ヒュンカル・ベエンディ)という料理になります。


※フェタチーズやフロリナペッパーはもっと多く加える人もいますが、基本的に少なめの量にするのが様式美という気がします。


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先日は結局オーブン焼きタイプにしたスタッフドベジタブル(イェミスタ、ゲミスタ)。やはり煮込みも食べたくなったので、今週も作りました。

2016.05.18 kolokythakia gemista1

「よくばり」……と言うより「もったいながり」な気もしますが、実と花の両方にフィリングを詰めたスタッフドズッキーニを作りました。

ギリシャの市場では花がついたままのズッキーニがよく売られています。
鮮度のよさをアピールするため、花も食べたい人は食べてもらうため、花の分だけ重くなるので量り売りで儲けがアップするように……など、さまざまな理由があるのでしょうけど、おいしく食べられるものは捨てずに利用したい派な私には、花つきズッキーニはうれしいです。


2016.05.18 kolokythakia gemista2

ズッキーニ本体と花とを別々の料理にすることもありますが、今回はせっかくなので丸ごとスタッフドズッキーニにしてみました。
前にも書いたとおり、煮込んで作るスタッフドズッキーニには、生のひき肉に米などを混ぜたフィリングがよく使われます。


2016.05.18 kolokythakia gemista3

ズッキーニは、花と本体を切り離しても、このようにつなげたままでも。くりぬいたズッキーニ、めしべとガクを取り除いた花にそれぞれフィリングを詰めて鍋に並べます。くりぬく時に切り落としたヘタの部分も、煮込むとおいしいので一緒に入れるのがおすすめ。
ひたひたぐらいのブイヨンで煮て、アヴゴレモノソース(卵レモンソース)で仕上げます。このソースは煮汁に卵とレモンだけで作る場合は温めなおしがききませんが、コーンスターチなどで卵のたんぱく質を安定させておくと、加熱しすぎても分離しないので前もって作っておくことができます。

詳しいレシピはこちらを参照してください。
ズッキーニの肉詰め(コロキサキァ・イェミスタ)


2016.05.18 kolokythakia gemista4

この完成品画像のように、花つきの姿そのままで作りたい場合、一番難しいのはやわらかく煮えたズッキーニの取り扱いです。
かなり気をつけないと、実と花が分かれてしまったり、もっとひどい場合は実がポッキリいってしまいますので、そーっと鍋から取り出してくださいね。


2016.05.18 kolokythakia gemista5

中身はこんな感じ。
くりぬいたズッキーニの中身を刻み、汁気もそのままフィリングに加えるとジューシーに仕上がります。

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みなさんは、花と実のどちらから食べたいですか?
私はどちらも好きで悩むのと、連結部分が一番好きなので、ちょっとお行儀が悪いのだけど、両端から真ん中へ徐々に攻めていく感じで食べてしまいます……。



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エヴィア島バカンス記事の続きです。
旅に出ると、私にとって一番の関心ごとはその土地の郷土料理。残念ながら今回食べることができなかったものの、ヴィキちゃんのパパがカリストスの名物料理についていろいろ話してくれたので、日本でも再現できそうなこれをご紹介します。

2015.09.28 kourkoumbines me kokora krasato
Κουρκουμπίνες με Κόκορα Κρασάτο

南エヴィアのカリストスやその周辺で食べられる郷土パスタで、「クルクビネス」もしくは「ゴグリェス」と呼ばれるもの。
イタリア料理にちょっと詳しい方ならレシピを見てすぐ気付かれるかと思いますが、カヴァテッリによく似ています。同じような成形のパスタはギリシャでもいろんな地方で見られ、クレタ島の「スキュフィフタ」ペロポネソス半島ラコニアの「ゴーゲス」などがあります。
それぞれ、サイズや材料が少しずつ違ったりするのですが、カリストスのクルクビネスはヴィキちゃんパパいわく「とてもヘビーな食べ物だよ」とのこと。実際作って食べてみて納得。ちょっとお団子っぽい、どっしりとした素朴なパスタです。

クルクビネスの生地の配合は人によって少し違うようで、基本の材料は小麦粉、塩、オリーブオイル、牛乳または水。粉自体、オールパーパスフラワーを使う人あり、セモリナ粉を使う人あり。生地にチーズを練り込んだり、ニョッキのようにポテトを加えたりイーストを加えるレシピもリサーチ中に見かけました。茹で時間だって、パスタが浮き上がってすぐに引き上げる派から、30分以上も茹でる派までさまざまのようです。

2015.09.28 kourkoumbines me kokora krasato2

最初に作るまではなかなか重い腰が上がらない私ですが、一旦作り出すと止まらないのがいつものパターン……続けて10回ぐらい作って子供たちに呆れられました(笑)
いろいろ試した結果、生地にチーズを少し加える方法が、食感がよくなる気がして我が家の定番に。手打ちパスタの中では多分一番簡単なので、ぜひお試しください。成形が楽しく、うちは次女がいつもやってくれるようになりました^^

クルクビネスは茹でてチーズと交互に重ね、上から溶かしバターをたっぷりかけるのが最もシンプルな食べ方ですが、「コキニスト」や「クラサト」といった煮込みと一緒に食べるのも定番です。コキニストは、シナモンやクローブなど甘いスパイスの香るトマトソースで塊肉をじっくり煮込んだ料理で、特にワイン(クラシ)を使ったものはクラサトと呼ばれることも(トマトの入らないクラサトもありますが)。雄鶏のクラサトはパスタと一緒によく食べます。

クルクビネスと鶏のクラサト、ぜひ両方一緒にどうぞ。煮込みは前もって作っておけるので、それほど手間もかかりません。
週末、ギリシャの田舎気分のランチやディナーにいかがでしょうか?


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