ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:野菜料理

白あんを作りたくて買ってきたギガンデス豆。
お菓子作りへ向けるやる気はどこかへ行ってしまったので、とりあえず料理に使うことにしました。

2024.02.21 gigantes me prasa
Γίγαντες με πράσα στο φούρνο

ミートボールとポロねぎを煮込みかオーブン焼きにした料理があるのですが、それの菜食版のようなものをギガンデスで作ってみてもおいしいだろうなぁと思ってたのです。

味つけはトマトペーストを控えめな量使い、スパイスが程よく香る程度に。いずれもトマト味やスパイシーというほどでもないくらいに抑えたのが好みです。


2024.02.21 gigantes me prasa3
この料理は鍋で煮込むだけでもできるけど、ぜひオーブンで仕上げてみてください。ふっくら柔らかく煮えつつも、表面のこんがりパリッと焼けた部分がいいアクセントになります。煮込みのやさしい味わいも捨てがたいですが、オーブン焼き独特の“味がぎゅっと詰まった感じ”がスパイス風味によく合います。

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冬休みも、もう終わりですね。今日1月6日はギリシャでは神現祭(公現祭、主顕節)といって、ヨルダン川でキリストが洗礼を受けたことを記念する日。各地で水のお清めの儀式が行われます。

2024.01.03 lapas me horta1
行事食は、たとえばクレタ島ではいろんな豆や麦を煮た料理を食べたり、ルクマデスなど揚げ菓子を食べる地方があったりしますが、全国的に共通するこれと決まったものは特にないようです。神現祭の前日がニスティア(節食・断食)であることや、1月7日に七草粥を食べる日本の風習を思い出して、今週は青菜たっぷりの菜食料理ばかり作っていました。

もちろんギリシャに七草の概念はないのですが、日本と同じく現代においても野草を食べ、愉しむ食文化があります。なので、野山で草摘みをすることが容易でない街暮らしでも、市場へ出かければ七種類ぐらいはすぐに集めることができます。


2024.01.03 horta
青菜のパイや煮込みも食べたい気分だったので、献立の予定に沿って今回選んだのはこれらの青菜やハーブたち。他にもいろんな葉っぱが売っているし、綺麗な場所で摘めるならもっと選択肢は増えます。スイバ、ノゲシ、チコリやタンポポの類のほか、カブやラディッシュなどに、ディル、葉セロリ、パセリ、ミントなどおなじみのハーブ類。春菊(マルガリータ)やヒナゲシなどもいいですね。

※イラクサは触れるとチクチク痛くなる野草なのでちょっと注意。加熱することで安全に食べられるようになります。若く柔らかい部分は刺さないと言われますが、それでもチクッとするので触る時は手袋をはめて作業をした方がいいです。今回は生のまま他の青菜と刻んで入れましたが、さっと下茹でしておくと扱いやすいです。


2024.01.03 horta1
ただ、ちょっと予想はしてたことなのですが、ギリシャではハーブも一束がすごく大きいので、7種類も一度に買ったら下処理が大変で何時間もかかってしまいました(上の写真は作業途中)。ちょっと時間に余裕のある週の半ばにやっておいてよかった……。冷蔵庫にも収まらないし、買ったその日にほぼ全部洗い、ハーブはすぐ使わない分冷凍したり、青菜も後日使う分はさっと茹でて冷凍庫へ。全部あわせて刻んだ「七草ミックス」も何回分か作って冷凍したので、しばらく楽しめそうです。


2024.01.03 lapas me horta2
七草の節句ということで、やはりまずはお粥を作ってみました。
ギリシャでも米をやわらかく煮たお粥があるんですよ。米の種類が日本のより粘りが少ない種類だったり、味つけにレモンやオリーブオイルを入れるのがやはりギリシャという感じ。ちなみにレモンはかならず入れるのが基本のようで、オイルは体調によって(たとえばお腹を下しているなど)入れずに食べるそうです。

作り方は、お粥と同じように米がほどけるくらいまでお好みの状態に煮て、火からおろす少し前に塩と七草を加えただけです。細かく刻んでますが、全体が緑にならないよう粗めに刻んでも。お粥にレモン!?と思う方もいるかもしれませんが、日本でよくやるお粥に梅干しの組み合わせと、味も効能も共通するものです。


【関連記事】
過去記事から、七草っぽいものを集めてみました。ちょっと変化球な七草のヒントにどうぞ。







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暑い日が多くてバテ気味だったこの夏も、8月下旬に入って終わりが見えてきました。
とは言え、今週はまた少し暑さがぶり返しているし、ギリシャ各地が森林火災で大変なことになっているのですが……。

2023.07.25 vlita tsigariasta
気持ち的に落ち着かない日が多かったり体調もいまいちだったりで、この夏は料理も最低限、「いつものメニュー」みたいなものの繰り返しで乗り切っています。
なので目新しいものはご紹介できないのですが、「とりあえず何か野菜を」の一品に、この時期助かるのが葉野菜のアマランサスです。


2023.07.25 vlita (2)
ギリシャの市場で売ってる葉野菜って泥がついてたり洗うのが大変なものが多いのですが、草丈が高いアマランサスは洗うのが楽なのでうれしい。穂先以外は筋があったりするけれど、泥だらけのほうれん草を洗うのに比べたらこれぐらいすぐにできますしね。ちゃんと筋取りすれば、太い茎もおいしく食べられます。


2023.08.11 horta
一番シンプルな温サラダのような食べ方は、ただ茹でて塩とオリーブオイルとレモンでもいいのだけど、この日は茹でた黒目豆と一緒に。刻みにんにくとあわせておいたビネガーとオリーブオイルをかけました。
アマランサスだけでもいいのだけど、こんな風に他の茹で野菜や豆と一緒に食べるのが好きで、メインはいらないくらいです(焼き魚でもあれば、それはそれで最高)。


2023.07.25 vlita
そして、くたっと煮た青菜もおいしいですよね。
日本だと出汁を含ませて炊くところだけど、ギリシャ風のトマト味もおいしいですよ。「ギリシャのごはん」本の増補新装版で追加したレシピのひとつ、「アマランサスとオリーブの煮込み」は我が家の定番でシーズン中何度も作る料理のひとつです。


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来週はまたちょっと暑くなるようですが、もうこの夏のピークは過ぎた感じ。

2023.08.09
さすがにオーブン料理はまだ気合が必要だけど、家族が好きなものをいろいろ作る元気が戻ってきました。

夏休みで暇なせいか子供達が食べる量も増えているので、まとめて作っておいて勝手に食べてもらうスタイルが気楽です。今週某日に作ったのは、なすのパスティチオとアマランサス&フェタチーズのパイ。

パスティチオは、前にも作ったのをリピート。今回はじゃがいもなしで、底に敷くのもなすにしました。

パイはスパナコティロピタ(ほうれん草&チーズのパイ)と同じような感じなのですが、夏の代表的なホルタ(青菜や野草の総称)であるヴリタ(アマランサス)とフェタチーズをたっぷり入れて作りました。野菜のアマランサスは日本ではあまりなじみがありませんが、ほうれん草よりもちょっとほろ苦い味わいの、とってもおいしい青菜です。ギリシャ料理では茹でて温サラダのように食べたり、煮込みやソテーなどいろいろ使える野菜なので、売ってるのを見かけたらぜひお試しください。

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記録的猛暑にバテ気味ながらも、食べたい気持ちが勝って久々にイェミスタを作りました。

2023.08.02 gemista
イェミスタは「詰め物をした」という意味でいろんな種類があるのですが、一般的にただ“イェミスタ”といえばトマトやピーマンといった野菜に米などを詰めた料理を指します。

似たような詰め物料理は多くの国にあり、特にトルコや中東で作られるものはギリシャのイェミスタに近いよう。しかし、安易に「同じ」と言ってしまうなかれ。それぞれの国・地方で味つけが少し違ったり、調理法も鍋で煮るかオーブン焼きにするかでかなり味わいが変わってくるのです。

ギリシャ風のイェミスタの特徴は、オーブンでじっくり焼くため野菜のうまみがぎゅっと濃縮されるというのが第一でしょうか。詰め物にはハーブも結構たっぷり入れるのだけど、生だったりさっと加熱した時の味わいとは違って、お米や野菜と渾然一体となったおいしさ。食べると「これこれ!」と細胞がよろこぶ感じで、少なくとも味覚的にはギリシャは私のふるさとのひとつになったのだなぁと思います。

2023.08.02 gemista1
かなり久しぶりに作ったイェミスタは、米と野菜とハーブだけの菜食ヴァージョン。ベーシックなイェミスタはひき肉も入れるタイプだという説も聞いたことがあるのですが(私の師の一人である叔母さんのイェミスタも肉入りだった)、お店でも家庭でも肉なしの方がよく作られているようです。


2023.08.02 gemista2
日本のオーブンで作る場合はスペースも限られるかと思いますが、イェミスタは多めに作るのがおすすめです。焼き時間が結構長いので少量だともったいないという以外に、作りたてよりも時間が経ってなじんだのがおいしいというのも大きな理由。私もその一人なのですが、ギリシャでは大量に作って冷蔵庫に入れておいたイェミスタを冷たいまま食べるのが好きという人も多いんですよ。冷えたイェミスタは、子供の頃からの夏を思い出させるノスタルジーも味の秘密なのでしょう。


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