ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

お久しぶりです。しばらく投稿してませんでしたが、6月終わりに一時帰国していました。

2026.07.10 xortorizo me vlita ke feta
梅雨で涼しかった日本からギリシャへ戻ったら、丁度暑くなるタイミングで、軽めの野菜料理をたっぷり食べたい気分。夏の間、毎週のように買う葉野菜がヴリタ(アマランサス)です。

日本では沖縄野菜としてちらほら売られているらしいアマランサス(雑穀じゃなく葉野菜の方)ですが、今回の一時帰国での収穫は、実はその辺に雑草として生えているアオゲイトウやイヌビユと同じか近縁種だと気付いたこと。
実家の畑に生えていたのを摘んで作った料理をnoteの記事に書いたので、関連リンクからご覧ください。


2026.07.09 vlita
ヴリタの最もベーシックなギリシャ料理は、茹でてサラダのように食べるというもの。レストランのメニューでもよく見かけるホルタ(野草や青菜総称、それを茹でたサラダも指す)は、夏季だとヴリタが定番です。

ホルタは基本的に塩とオリーブオイル、レモンをかけて食べるんですが、ヴリタの場合はレモン派とワインビネガー派に分かれます。ワインビネガーをかけて食べる場合は特に、生にんにくを加えることも。


2026.07.16 vlita with grated tomato
また、茹でヴリタは他の青菜のホルタと比べ食べ方のバリエーションが多く、スティフノス(イヌホオズキ)と混ぜたり、ズッキーニやじゃがいもを茹でたものも足したり、トマトと食べたりも。トマトは生をすりおろすか、軽く茹でて潰したのをソースのようにします。
生トマトのすりおろしをあわせるのが私の一番お気に入りの食べ方で、トマトの甘酸っぱさが、ほろ苦くワイルドな味わいのヴリタと相性抜群。皺の寄った塩漬けオリーブを添えるのが、私的にはマストです!お好みでフェタチーズを添えても(もしくは砕いたのをかけても)おいしいですよ。

茹でサラダ以外には、炒め煮、パイ、リゾット風などもよく作ります。ギリシャ料理以外だと、ガーリック炒め、パスタの具材として、おひたしやごま和え、ナムルなど、いろんな料理で楽しめる青菜です。

【関連リンク】




4月の下旬ぐらいから出始め、5月が最盛期となるぶどうの若葉。
まだ売ってますが、そろそろ旬も終わりなので、今シーズン作ったドルマデスのまとめを載せておきます。

2026.04.30 dolmadakia yialantzi
まず最初に作りたいのは、ハーブライス詰めのドルマダキァ・ヤランジです。
薫り高い数種類のハーブに、玉ねぎやねぎの甘味、オリーブオイルのふくよかさ、レモンのさわやかな酸味が、ぶどうの若葉のフルーティーかつハーバルな風味とあわさって絶妙な味わいを生み出します。
ハーブライスだけのと、松の実&カランツ入り、どちらも捨てがたいので半々ずつ作りました。


2026.05.07 dolmadakia with salt cod
2回目は、干し鱈入り。干し鱈を入れたドルマデスは、いくつかの地方で見られる郷土料理です。初めて作った時は、それほど好きではないなぁという感想だったのだけど、懲りずに何度か作っているうちに自分なりの最適解が見えてきた感じ。


2026.05.07 dolmadakia with salt cod1
ハーブやスパイスはその時にあるものや気分で少し変えたりしますが、カランツ入りのがうちの定番となっています。


2026.05.12 dolmadakia
3回目は肉入りとレンズ豆入りの2種類にしました。


2026.05.12 dolmadakia with meat
ひき肉と米のフィリングを入れたドルマデスは、アヴゴレモノ(卵レモン)ソースで仕上げる方がどちらかといえば一般的なのですが、我が家のはトマト風味。夫の母方の叔母さんが作ってたのを真似て、レシピ化したものです。


2026.05.12 dolmadakia with lentils
レンズ豆入りは、シミ島の郷土料理です。夫の母方の家族に縁のあるシミ島にはドルマデスの独特な地方バリエーションが複数あって、レンズ豆やファヴァを米とあわせてフィリングにすることも。私のレシピのお手本としたのは島のビーチタベルナで昔出会ったものですが、オレンジの香りがアクセントの洗練された味わいです。


【関連記事・リンク】






ぶどうの葉のハーブライス詰め(ドルマダキァ・ヤランジ)は、「ギリシャのごはん」レシピ本にも掲載。定番料理から、お店の再現料理や郷土料理など満載なので、お手に取っていただけると嬉しいです。

もう暑くなってトラハナを食べたいような気候じゃないのだけど、4月に作って載せそびれていた料理です。

2026.04.22 trahanas me thalassina
「干し鱈と青菜の煮込み」を作ったとき、いつもより水を多めに入れて作ってしまったので、煮汁をとっておいて翌日はシーフードトラハナにしました。

ギリシャ料理の食材で「トラハナス」とカテゴライズされるものにはいろんな種類があり、小麦を主材料とするものですが、小麦粉に発酵乳または発酵させてない乳(主に山羊乳や羊乳)をあわせたもの、挽き割り小麦を使ったもの、乳製品を加えず野菜の水分を使った断食仕様のものなどさまざまです。詳しくは関連記事リンクにありますので、興味のある方はそちらをご覧ください。

今回使ったのは、そぼろのような形状のサワートラハナ(トラハナス・クシノス)で、これは煮るとどろっとしたお粥のような仕上がりになります。ちなみにモダンギリシャ料理に「トラハノット」という、リゾットのトラハナ版のような料理があります。トラハノットには粒のしっかりしたパスタのようなタイプのトラハナがよく使われるのですが、お粥タイプのトラハナを、(通常のトラハナスープは比較的シンプルに仕上げるのに対し)こんな風にフレーバー盛り盛りで作るのもいいものです。

2026.04.22 trahanas me thalassina1
サワートラハナにシーフードやサフランを入れた料理は昔ロドス島のリゾートホテルで食べたものを参考にしていて、材料の説明的でない料理名が確かあったと記憶してるんですが、忘れてしまいました。ロドス島の料理ではなく、北ギリシャかどこかの郷土料理と書いてあったような?……本当にそうなのかはわかりませんが。


【関連記事】



「オレンジページの学校」のオンライン料理講座、一昨日開催でした。

2026.05.21
写真は講座で作った料理(青菜とトマトのは急遽増やした1品)。思ったよりかなり多くの方が参加してくださったようで、どうもありがとうございます。ライブ配信は初めてのことで、いろいろ心配でしたが、時間内に仕上げることができました。

ただ、今回の講座のテーマだった「イカリア島の長寿の秘訣やライフスタイル」についてはあまりお話しできなかったなぁというのが反省点。この記事で少し補足もしておこうかと思います。

イカリア島は北エーゲ海の小さな島で、その名前はギリシャ神話の登場人物イカロスに由来します。100歳以上の長寿人口が多い地域「ブルーゾーン」に挙げられたことから注目され、世界中から多くの人が訪れるようになりました。

以下の項目が、イカリア島の特徴として挙げられます。

・野菜・豆・穀物が中心の質素な食生活
・自家菜園を持ち、自給自足に近い
・動物性の食品は主に山羊肉や魚介類など
・ハーブをお茶として飲んだり料理によく使う
・家族や友人とテーブルを囲むのが日常
・労働や徒歩移動が日々の運動となる
・小さな島ながら、水資源に恵まれている
・島ならではの環境によるリラクゼーション効果
・コミュニティの団結力はあるが、個人主義なのでストレスが少ない
・時間や義務に縛られない
・平等であることを重んじ、欲があまりない

食生活の面ではギリシャの他の島々や田舎のそれとあまり変わらず、「地中海式ダイエット」の基となったクレタ島も健康的な食生活で知られますが、クレタ島は大きな島で食料も豊富な分、肉や動物性脂肪の摂取はイカリア島より多そうです。

人々の気質に関しては、もしその通りならかなり独特だと思うので、重要ポイントのような気がします。

興味深いのが、海賊の襲撃を避けるため、イカリア島の住民は数世紀に渡って隠れて生活していたという話。エーゲ海では古代から近代に至るまで海賊が見られ、多くの島々では内陸部に集落を作ったり、要塞を築いて対策していました。一方イカリア島では、多くの人々は島の中でも特に山がちでアクセスの悪い場所に住むことを選び、大きな岩や鬱蒼と茂る木々でカモフラージュされた小さな家を建てました。そのような家は海からは目視することができず、煙を出したりという生活の気配も極力消してひっそりと暮らしていたため、イカリア島は無人島だと思われていた時代もあったそう。

そんなイカリア島も近代化やツーリズムの波に吞まれ、島民の食生活やライフスタイル、気質も変わってきていそうです。そもそもブルーゾーンの研究結果がどれぐらい信用できるものかはわかりませんし、何をすれば・しなければ健康で長生きできるという確証もないですが、豊かな人生を送るヒントになりそうです。

野草や青菜が豊富な時期に作っておきたい料理。

2026.04.21 bakaliaros me horta
ギリシャの干し鱈料理というとバカリァロス・スコルダリァ(干し鱈フライのガーリックディップ添え)が有名だけど、私は煮込みやオーブン料理の方が好きです。


2026.04.21 bakaliaros4
青菜やハーブと一緒に煮込んだものは、お気に入りのひとつ。3月に買い込んだ干し鱈で、春が終わらないうちに……と、慌てて作るのが恒例となっています。


2026.04.21 horta
今回は、やわらかな食感のふだんそうに、古いロメインレタスの芯の部分と、新しく買ってきたロメインレタスの少しごわごわした外葉。あとはノゲシやヒナゲシ、フェンネルなどを混ぜました。ハーブはカフカリスラも入れたかったんだけど、時期を逃してしまって残念。


2026.04.21 bakaliaros me horta1
この料理はどこでも手に入りやすいほうれんそうで作ってもいいですが、ちょっとほろ苦い葉っぱや香りのいいハーブをあわせると、いろんな味が重なってさらにおいしくなりますよ。


ところで少し前に、「かつては安価で庶民的な食材だった干し鱈がどんどん値上がりしている」という話をしましたが、鱈と、それに似たリングという魚の食べ比べをしてみました。こちらはnoteにレポートを書いたので、興味のある方はあわせてご覧ください。


【関連記事】

鱈とリングの比較


レシピはこちら


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干し鱈でもうひとつ。

2026.04.16
お正月に食べそびれた「いもぼう」を少し前にやっと作りました。
これに使う干し鱈はギリシャで手に入る干し塩鱈ではなく、塩をせずにカチカチに干したタイプなので食感や味わいが違うと思いますが、これもおいしくて満足。また作ろう〜。

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