ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

buttermilk1バターミルクはギリシャ語では普通「クシノガラ」や「クシノガロ」と呼ばれ、酸っぱい牛乳という意味です。本来バター製造の際に出来る副産物で、ヨーグルトのように牛乳を発酵させた後、攪拌して脂肪分を取り出します。これがいわゆる発酵バター。バターは水洗いして余分な成分を除き、塩を練り込んで保存します。

そしてバターを取り出した後に残った液体がバターミルクです。現在売られているのは、このような伝統的な製法で作られたものではなく、低脂肪乳に乳酸菌を加えて発酵させてあります。成分は水分が90.5%、蛋白質が3.6%、乳脂肪が1.5〜2%です。

同じようなもので、地方によっていろいろな呼び名があります。タン、アイラニ、アリアニなどが思い浮かびますが、アイラニやアリアニはトルコ〜中東で飲まれるヨーグルトドリンク「アイラン」から来たものでしょうか?タンはアルメニア語に由来するようです。

buttermilk2タンをさらに加工したものに「パスキタン」というものがあります。北ギリシャ〜黒海沿岸辺りに見られるもので、これはタンを15分くらい煮てから漉してあり、チーズに近いものです。パスキタンは「シロン」という、薄いパンかパスタのようなもの(ぐるぐる巻いたのを切って、焼いてあります)にかけて食べたりします。

こちらで売ってるバターミルクをいろいろ味比べしてみました。私がよく買うのはファゲ(写真2の左)かオリボス(写真3)のものです。ちなみにオリボス=オリンポス山のことで、あの辺りにある牧場で生産されてます。この二つはどちらも微炭酸っぽく、舌にピリッとくる感じが好きです。ロンドンの健康食品店でよく買っていたケフィールを思い出しました。

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efd28496.JPGドライトマトというとイタリアを連想しますが、ギリシャでも作られます。強烈な太陽の下で熟し、そして干されたトマトは、イタリアのものに負けず劣らず美味しいです。

瓶詰めになったオイル漬けのものもあるけど、私は乾燥させたそのままのものが好きです。エヴリピドゥ通りの乾物&スパイス店、地方特産品の店、デリカテッセンなどに売ってます。

そのまま食べても美味しいドライトマト。うちでは他にもドレッシングに加えたり、またこんな料理もよく作ります。簡単で美味しいのでおすすめです。

sun-dried okra暑〜い夏。せっかくの太陽、利用しない手はない!とばかりに日干しに凝ってます。毎日ベランダの物干しにいろんなものをぶら下げてるので、何だか怪しい光景になってます。

これはオクラのネックレス。こちらではオクラと肉の煮込みなんかを作る時、こんな風にネックレス状にしたり、串に刺したりして使う人が結構います。これは最初にソテーする時に全部まとめてひっくり返すのに便利だとか、煮込み中に鍋の中身をかき混ぜる時、オクラが煮崩れてしまわないようにまとめて一旦取り出す為だったりします。

私が今回やってるのはそれではなく、完全に乾燥させた保存食です。ギリシャではこういう使い方をするのか知らないけど、トルコではよくやります。イギリスに住んでた時、よく行ったトルコ食材店でも乾燥オクラや、中身をくり貫いた筒状ナスのネックレスがいっぱいぶら下がってました。オクラはスープや煮込み料理に、ナスは米などを詰めた料理にします。

そう言えば今思い出した葡萄の保存法、ギリシャの島では葡萄の葉を乾燥させて保存する所があります。今まではフリージングや瓶詰めしか試したことがなかったから、これもやってみようかな?まだ葡萄の葉が売ってるといいんだけど...。市場へ行ってきます。

vlita & stifnos1雨がほとんど降らない夏の間は、ほうれん草や野草も市場からほとんど姿を消してしまいます。代わりに登場するのがブリタ(アマランサス)やグリストリーダ(スベリヒユ)。今回はブリタについて書きます。

ブリタ(写真:下左)は上にも書いたようにアマランサスのことで、色鮮やかな鑑賞用のものもあれば、緑や赤っぽい色の葉を食用にしている国も多いです。日本では南米原産のアマランサスが雑穀・スーパーフードブームでよく知られるようになりました。ギリシャで普通見かけるのは、地中海原産のAmaranthus blitum。葉や柔らかい茎が食用にされ、古くから食べられています。

各種ビタミンの他、鉄分やカルシウムも多く含み、栄養たっぷりのブリタは、暑い夏を乗り切るのにもぴったりです。
味は少しほろ苦いもののマイルドで滋味があり、茹でて「ホルタ」として食べる他、ガーリックオイルで炒めたり、パイのフィリングにしたり、また煮込みに入れても美味しいです。

ブリタよりマイナーな存在のスティフノス(写真:下右)は、ほろ苦い味がブリタとよく合うとされています。私もブリタを茹でサラダ(ホルタ)として食べる時は、よくスティフノスとズッキーニを一緒に茹でます(写真:オイルをかける前の状態です)。もう少しボリュームが欲しい時は、ジャガイモも茹でるといいです。私はどちらかと言うとレモンやビネガーは加えずに、塩とオリーブオイルのみで食べるのが好きです。

スティフノスはナス科のSolanum nigrum。和名ではイヌホオズキと呼ばれ、日本全土でも見られる史前帰化植物です。アルカロイド系の毒であるソラニンが含まれるため毒草として知られますが、ギリシャでは食用とされアテネの青空市場でもよく見かけます。今回気になって少し調べてみたのですが、漢方でも使われるんですね。生薬名は龍葵(リュウキ)で、利尿・解熱・強壮の薬として、あと口角ヘルペス・たむし・ものもらいなどにも効くそうです。古代ギリシャでも同様に、薬として用いられていたようです。

毒性植物なので使い方に注意が必要ですが、ギリシャの、特にクレタ島では割と普通に食用にしています。若い葉や茎のみを使い、ギリシャ流に長時間茹でる方法だと毒が抜けるのでしょうね。上に書いた茹でサラダの他、夏野菜の煮込みなどに加えても美味しいです。他にも毒のある植物はよく食用にされていて、その調理方法もさまざまで興味深いです。

※アマランスは妊婦や授乳中の女性は食べない方がいいという説もあります。
※ブリタは正確には「ヴリタ(βλήταもしくはβλίτα)」ですが、オリーヴ=オリーブなどと同じく「ブリタ」にしてみました。ブログ内の他の記事と統一されてなくて読みにくいかもしれませんが、ご了承下さい。

vlita & stifnos2

apricots & pear初夏から市場に出回るアンズと、一年中見かける梨。どちらにも、美味しいとされる品種があります。

アンズは「ディアマンドプルゥ」という、黄色っぽい色で小粒のもの。甘くて風味が良いと言われ、他のアンズよりも格上です。でも私は、もう少し大粒でオレンジ色の濃いものの方が、酸味も甘味も強いように感じられて好みです。

梨は「コンドゥーラ」と呼ばれるもの。形が独特です。この写真のは横幅が広いですが、普通はもっと縦に長いものが多いです。他の時期にもずっと見かけるものがなめらかな果肉なのに対し、こちらは果肉の中の粒々(日本の梨に見られるような)がはっきりしてて、ラフな感じです。お値段も普通のと比べかなり高いんですが、それほど美味しいのか、私にはよくわかりません。

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