聖土曜日夜のミサのクライマックスである、キリストの復活を祝った後はキャンドルに火を点して家に持って帰ると前回書きました。その後にもうひとつ重要な儀式があるのですが、それが40日の長い断食を破る食事です。

こちらのイースターの目玉は羊の丸焼きですが、その羊の内臓を使って作る「マギリッツァ」というスープを断食明けに食べる習慣が全国的にあります。臓物は丁寧に洗ってから小さく切り、ねぎやディルなどのハーブ、米などを加えて煮込みます。これを前もって作っておいて、食べる直前に卵とレモンを溶いたものを加えます。

この「卵とレモン」は、有名なギリシャ料理の一つ「アヴゴレモノ」のことです。アヴゴレモノはスープとして、また煮込み料理などのソースとしても使われますが、かき玉状態になってはいけないので必ず仕上げに加えます。

友人の母・ポリさん作のマギリッツァにはレタス(ロメインレタス)やディルはたっぷり入ってますが、米は入っていませんでした。他の料理もそうですが、マギリッツァにも作る人の個性が出て面白いです。数年前に食べた、友人の姉の義母が作ったものは臓物が大き目にカットされていて、とても食べ応えのあるものでした。どちらも甲乙つけ難く美味しかったです。

マギリッツァの他には山羊のローストとサラダが出ました。夜中だというのに、かなりヘビーな食事です。私は今回マギリッツァ目当てで来たと言ってもいいほどなので、遠慮もせずにおかわりをたっぷり頂きました。「もっと食べていいのよ」と、ポリさんは言ってましたが、もちろんお腹に余裕があれば鍋ごとかっさらって食べたいくらいです!

mageiritsa


これだけ食べたら翌日は胃もたれ確実!でも羊の丸焼きに始まり、ひたすら肉〜な昼食が待ってます