artichokeギリシャでは冬〜初夏まで出回ります。私は春に値段が下がりだしてから買う事が多いです。こちらでは値段も安いので、中心の柔らかい部分のみ使った料理も数多くあります。

私がよく作るのは米とハーブを詰めて煮たものや、空豆・グリーンピース・ロメインレタスなどと合わせてクタクタに煮たものなど。蜂蜜を加えたワインビネガーで煮てからオイルに漬けたのも、毎年作る定番保存食です。

アーティチョークは普通の緑のものも売ってますが、やはり野生のものの方がおいしい気がして、そちらを選んでしまいます。よく見かけるのは紫っぽいものです。これはペロポニソスへ遊びに行った時にも見かけました。もうちょっと珍しいのは、小さなミカンくらいの大きさで棘だらけのもの。扱いにかなり気を付けないといけませんが、風味がよくおいしいです。

10年以上前にロンドンで買って今でも時々読み返す、ギリシャについてのお気に入りのエッセイに、メソロンギのアーティチョーク売りのおじさんのことが書いてありました。メソロンギはバイロンが亡くなった地として有名ですが、からすみの名産地でもあります。からすみはギリシャでも高価ですから、地元の人はほとんど食べません。その代わりというわけでもないですが、みんなが楽しみにしているのが、このおじさんが売りに来るアーティチョーク。おじさんは野生アーティチョークを自分で採ってきて、茹でて紙袋に詰め、夕暮れ時に広場のカフェニオンに売りに来ます。彼は自分の仕事に誇りを持っているのです...というお話でした。

今度野生アーティチョークを見かけたら、こんな風にシンプルに食べてみようかな?