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相方SPYは10代の頃、毎年夏休みは友達と一緒に島へ行ってたそうです。
その思い出話は、サントリーニのクラブでDJをしてた話だとか、一緒に遊んでたイタリア人観光客が一晩留置所に入れられたとかそういう話が多いものの、食べ物の話もちらほら出てきます。

その数少ない食べ物の思い出話の中で私が気になってたのが、キクラデス諸島はセリフォス島の生き埋めチーズ(穴チーズ?)。
もちろんこれは正式な名前ではなく、そもそも正式名称などないそうです。
当時のバンド仲間だったサナシスとバカンスに行った先で出会った「幻のチーズ」は、本当に幻なのかは知りませんが、私の中でも伝説になっていました。
そんな伝説のチーズが、突然我が家にやって来ることになりました。

夏も終わりに近付いたある日(そうです、これは去年の話^_^;)サナシスから電話があって、またあのチーズを入手したと言います。彼の話によると、これは普通店頭で販売されていなくて、島民が自分達で消費する分だけ作ってるそうです。私達の分もあるというので、早速、彼の住むフィロセイまで向いました。

スーパーの袋に入れられたそれは、更に別の袋に包まれていて、どんな姿をしてるのかは判断できません。


「それ、生きてるから気をつけて開けた方がいいよ」


チーズは確かに生きてるけど、まさか動き出すとかじゃ...と、サルデーニャの蛆虫入りチーズなんぞを想像して、ちょっと怖くなりました。よく考えると、蛆系だったらSPYが食べる筈はないんですが^_^;

で、勇気を出して開けてみたら...

cheese from Serifos1

こんなの出ました〜。

最初に説明するのを忘れてましたが、これは多分、普通のケファロティリグラヴィエラ(どちらもギリシャ全土で見かけるハードチーズ)と同じように山羊乳か羊乳を使い、製法もそれほど変わらないと思います。
このセリフォス島のチーズが普通のと違う点は、その熟成過程。麻袋のようなものに包み、土の中に埋めて数ヶ月熟成させるそうです。
セリフォス島はグリーンクォーツが産出されるので有名ですが、こんなチーズも土中に眠ってると思うと、何だか楽しくありませんか?

表面には茶色い粉のようなものが付いてます。まさか土じゃないし...もしかしたら、これが噂の粉ダニ
ミモレットというチーズは粉ダニを付けて熟成させてあるという話を 、フランス在住の方から聞いていました。ダニと聞くと引いてしまうんですが、見た目粉だし、食べても害はないそうです。とは言え、こういう事には敏感なSPYには、もちろんこのことは伏せておきましたが

cheese from Serifos2

外見を観察したあと、切ってみることにしました。しかしこれが石のように硬く、包丁で切るにも相当な力が要ります。食べてみると、まず、食感は乾いた感じでポロポロしてます。味はパルミジャーノ・レッジャーノとペコリーノを足して、さらにスパイシーにした感じ。よく熟成させたパルミジャーノに通じるものがあるかもしれません。とても深い味です。

cheese from Serifos3

クローズアップでもう一枚。細かい気泡がいっぱい入っています。

かなり強い味なので、私は小さいかけらで充分という気がしたけど、SPYは大きな塊を食べてしまいます。1kgほどあったのが、1週間でほぼなくなりました。「置いとくとガチガチになるから、早く食べた方がいい」とサナシスから聞いていたとは言え、ちょっと食べ過ぎ...。

少し余った分は、おろして冷凍庫へ。今気付いたんですが、オイルに漬けておけば長期保存できた筈...いいアイディアは、いつも後になって思いつくんですよね

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