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「祖母ログ」チチさんからリクエストを頂いていたネランジの花の写真、何とか間に合いました。

neranji blossoms1

こちらではよく街路樹として植えられているネランジ(注1)は、丁度今の時期に花を咲かせています。その木によって花の時期が少し違うらしく、ひとつ向うの通りでは咲き始めたばかりですが、うちの前のは盛りを過ぎて散り始めたところ。それでも香りはまだ衰えておらず、4階のベランダまで甘い香りが漂ってきます。

neranji blossoms2

もう一枚、クローズアップで。位置が高くてあまりいい写真が撮れませんでした。

ネランジについては何度か記事にしましたが、果実が食用(注2)にされる他、花から抽出される精油(注3)や花水、果皮から抽出される精油(注4)もさまざまな用途に使われます。

薬効としては果皮が消化器系の疾患に効く他、花や葉(注5)にも薬効があるとされ、頭痛、不眠症、吐き気止め、食欲増進などの民間薬として、古代ギリシャ・ローマ時代から使われていたそうです。また、ホメオパシーでは果皮と花が痛み止めに使われます。

上で挙げたのは穏やかそうな薬効ですが、果皮に含まれるシネフリンという成分は交感神経・副交感神経混合型興奮作用があり、脂肪分解を促すダイエットサプリメントに使われたりしています。しかし、このサプリメントは数々の副作用が報告され、死亡例もあるとか。何事もほどほどが良さそうです。

orange blossom water

ちょっと怖い話はさて置いて、オレンジの花水を使って何か作ってみることにしました。これはギリシャで普通に売られてるオレンジフラワー(オレンジブロッサム)ウォーター。食用としても化粧品としても使えるので、同じのが薬局にもスーパーの製菓材料売り場にも売られています。

どうせなら、古代から作られているお菓子にしよう...と、作ったのがこちら。メリティーニャと呼ばれる、サントリーニ島のチーズタルトレットです。

melitinia

ギリシャでは古代からフレッシュチーズのお菓子が作られていて、チーズケーキの先祖のようなものが現代ギリシャでも各地で見られます。この間、harulaさんの所でチーズケーキの話題を見て、私も作ってみたくなったので丁度よかったです。オレンジの花についても詳しく書かれているので、こちらからどうぞ

リコッタに似たミジスラチーズに蜂蜜で甘味をつけ、オレンジの花水を少々...これは入れすぎると大変なことになるので注意が必要です。生地は小麦粉、水、オリーブオイルのシンプルなものですが、もうちょっとオイルを入れた方がよかったかも。いつか写真で見た、生地が薄くて素朴な星型を目指して作ったんですが、ちょっと素朴過ぎ...。ビスケットのようで、子供には好評でした。

このチーズタルトもそうですが、復活祭にはよくチーズのお菓子が作られます。ギリシャ正教の復活祭は今度の日曜日。今回はこのチーズタルトをリベンジするか、はたまた別の地域のチーズタルトを作るか迷うところです。

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注1:別名ビターオレンジ、サワーオレンジ、ビガラードなど。和名はダイダイ。学名Citrus bigaradia, Citrus aurantium var. bigaradia, Citrus vulgaris, Citrus aurantium var. amara,

注2:若い果実...丸ごとシロップ煮にされます。
熟した果実...皮をシロップ煮、製菓用のピールにされる他、マーマレードにも。果汁は料理に酸味を加える為レモンのように使われ、日本ではポン酢などに利用されます。

注3:アロマセラピーで使われるネロリオイルはビターオレンジの花弁を蒸留して抽出されます。甘く優雅な花の香り。

注4:こちらもアロマセラピーで使われますが、果皮から抽出されるオレンジオイル。スイートオレンジとビターオレンジがあり、どちらも爽やかな柑橘系の香りがします。

注5:メキシコや南米では葉を強壮剤、下剤に使う他、神経を落ち着ける働きがあるとされ、不眠症の民間薬としても使われるそうです。果皮は腹痛や高血圧に効くとされます。
ヨーロッパではバスク地方で、葉が腹痛や不眠症の民間薬として用いられます。また、果皮は痙攣を押さえる作用があるとされます。
漢方では未熟果(場合によっては熟した果実)の皮を消化促進、腹痛、便秘解消などに用いられるそうです。