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もうすでに旬も終わりに近付きつつあるのですが、前回に引き続き葡萄の話題です。

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(写真はマスカット)

その発祥地ではないものの、古代からワイン造りを続けてきたギリシャ人は葡萄という植物(実だけでなく)を丸ごと活用する術に長けています。春の新芽は料理やピクルスに、初夏の未熟な果実の絞り汁(アグリーダ)は酸味料として、夏から秋にかけて熟した果実は食用(そのまま、又は加工して)やワイン醸造に、そして実の終わってしまった蔓は焚き木にしたり籠を編んだり…と、ほとんど捨てるところがないのです。
さらに付け足すと、ワイン用の葡萄の絞り滓は蒸留酒にされるし、ワインそのものはワインビネガーに、ワインの底に溜まった澱はチーズに利用されたりもするのですから、葡萄がいかにギリシャの食文化において重要かというのがわかります。

前置きが長くなりましたが、ギリシャの秋の訪れを感じさせるのが、葡萄を使ったお菓子です。葡萄の収穫のピークは夏の終わりから秋の初め頃。ワイン造りに携わるのは男性が多いですが、女性達は葡萄の絞り汁(ムストス)を使ってお菓子や保存食作りに取り掛かります。その中でも、最も親しまれているのがムスタレヴリアというプディングと、ムストクルラというビスケットでしょう。ムストクルラは写真を撮っていないので、今回はムスタレヴリアをご紹介します。

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9月頃になると、スーパーでも初物のムストスで作ったムスタレヴリアやムストクルラが山積みにされていたりして、何となく買ってみたくなります。市販のものは、砂糖が少し足してあったりするんですけど...。


興味のある方の為に、簡単に作り方を説明します。
葡萄の汁は、ただ絞っただけでは灰汁が強いので、木灰またはアスプロホマと呼ばれる土(注1)を少量加えて澄ませてから漉し、発酵を止める為に煮ておきます。この時、用途や好みによって煮詰めておき、下準備の終了です。

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朝市では、こんな風に下処理済みのムストスが売られていたりもします。

ムスタレヴリアの材料はシンプルで、本来は葡萄の汁と小麦粉だけです。語源の通りだと葡萄の汁と小麦粉(ムスト+アレヴリ)ですが、セモリナ粉を使ったり、また最近ではコーンスターチを使う人の方が多いかもしれません。作り方のバリエーションを挙げていくときりがないので省きますが、基本的には葡萄の汁5:粉1ぐらいの割合でしょうか。粉に葡萄の汁を少しずつ加えて溶き、鍋に入れてかきまぜながら加熱します。粉っぽさがなくなり、透き通ってきたら火から下ろし、容器に流しいれます。お好みで、砕いた胡桃や胡麻、シナモンなどをトッピングして出来上がりです。

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Μουσταλευριά

ムスタレヴリアは写真のもののように柔らか目に作ってプディングとして食べてもいいし、硬く作って日干しにしたら冬に向けての保存食にもなります。


petimezi保存食と言えば、もっと幅広く使える食材がこちら。ムストスをトロリとした蜜状になるまで煮詰めて作ったペティメジ(注2)です。上で紹介したムスタレヴリアやムストクルラもペティメジで作ったりしますが、それ以外にもヘルシーな甘味料としてとても便利なものです。蜂蜜と並んで、このペティメジも古代ギリシャから使われていたのでしょうね。シンプルにヨーグルトやパンにトッピングしても美味しいし、料理に使っても面白いです。

注1:英語ではフラーズアース。石鹸作りなどにも使われるもので、汚れを吸着する働きがあるそうです。
注2:ギリシャのペティメジは葡萄が主ですが、他の果物で作ったシロップも指します。関連記事→ザクロの自家製ペティメジを使ったドレッシング

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