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ここアテネでも、秋が深まってきました。日本のような紅葉はほとんど見られないものの、市場に並ぶ秋の果物や、街角の焼き栗売りに秋を感じる今日この頃です。

秋の果物と言えば、何を思い浮かべますか?

時期的には、葡萄や梨にはじまって柿に終わるという感じでしょうか。朝市にはリンゴ、梨、マルメロ(※)、ザクロ、栗、胡桃など、宝石のように美しい秋の果物や木の実が並びます。名前を書き出していて気付いたけど、夏の果物は大抵そのまま食べられるのに対し、秋の果物は調理が必要だったり、剥くのに手間がかかったりするのが多いですね。寒くなってくると食べたくなる、煮込み料理や焼き菓子にもぴったりなので、自然って上手くできているなぁと感心します。

quince

秋の果物で、私が特に好きなのは上の写真にあるマルメロやザクロです。特にマルメロはキッチンに置いておくだけでもいい香りが楽しめますが、もちろん料理にも使います。マルメロの実は渋味があり、生では美味しくないので、果実酒などを作る以外は専ら加熱用にされます。ギリシャではシロップ煮、オーブン焼き、ジュレ、ペーストなどの他、肉と一緒に煮込んだ料理もポピュラー。今回は、豚肉と合わせた煮込みをご紹介します。

pork with quince
Χοιρινό με κυδώνια

柔かく煮えた豚肩肉に、甘酸っぱいマルメロとスパイスの風味がとてもよく合った一品です。肌寒い夜、ワインと一緒にいかがでしょうか?

※マルメロ(Cydonia oblonga)は英語でクインス(quince)ギリシャ語ではキドニ(κυδώνι、複数形κυδώνια. キドニとキゾニの中間のような発音)と呼ばれる果物。カリン(Pseudocydonia sinensis)とよく混同され、果実も似ていますが別の植物です。

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豚肉とマルメロの煮込み(ヒリノ・メ・キドニア)

材料:(4人分)
豚肩肉ブロック...600g
塩、胡椒
玉ねぎ...中1個
オリーブオイル...大さじ11/2
トマトペースト...大さじ1強
シナモンスティック...1/2本
クローブ...3粒
白ワイン(または軽い赤でも)...1/2カップ
マルメロまたはカリン...大1個
バター...大さじ1/2
グラニュー糖...約小さじ1
ナツメグ...少々

豚肉は余分な脂を取り除き、12等分に切る。塩、胡椒をしっかり目に振って揉み込み、できれば数時間冷蔵庫で寝かせる。

フライパンを熱し、オリーブオイル大さじ1/2で豚肉を焼く。全体に焼き色を付けたら、火から下ろす。

玉ねぎは薄切りにし、オリーブオイル大さじ1、塩少々をふりかけて蓋をし、火にかける。時々蓋を取ってかき混ぜながら弱火で炒め、柔かくなったらトマトペースト、シナモン、クローブを加える。

トマトペーストがオイルに馴染んだら豚肉を加え、中火で炒め合わせワインを加える。煮立ったら弱火にし、蓋をして豚肉が柔かくなってくるまで1時間ほど煮込む。

マルメロはくし切りにし、芯を取り除く(皮は剥いてもそのままでも)。フライパンにバターを溶かし、マルメロを加えてあまり焦がさないように焼き付ける。軽く焼き色が付いたらグラニュー糖をまぶして炒め、豚肉を煮込んでいる鍋に加え、ナツメグをおろしかける。

汁気が少ないようなら少し水を加え、再び落とし蓋と蓋をして30〜40分煮込む。途中、マルメロが底にくっつかないように時々鍋をゆする。豚肉とマルメロが柔らかくなり、煮汁にとろみが付いたら出来上がり。塩、胡椒で味をととのえ、火から下ろし少し置いて味を馴染ませる。

MEMO:砂糖の代わりに蜂蜜を加えてもいいです。多分カリンでも作ることができますが、マルメロよりも酸味がきつくなるようです。


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