去年の夏、密かにこんなものを仕込んでいました。
“自家製ケイパー”の塩漬けではなくて、“自家製”ケイパーの塩漬けです(念の為…)。
地中海沿岸が原産のケイパー(ケッパー、学名はCapparis spinosa)は、半蔓性の小潅木。岩がちで乾燥していて日当たりの良い環境を好む為にギリシャでは多くの島で自生し、特にキクラデス諸島のサントリーニ島、ティノス島、シフノス島、シロス島、セリフォス島、キモロス島、アンドロス島などでは多く見られ、現地の郷土料理にも多用されます。
上の写真のようにケイパーは横にもかなり広がりますが、根がとても深く、石垣の隙間なんかでも逞しく育っているのをよく見かけます。
ケイパーはかなり特徴のある姿をしているので、見つけるのは簡単。長く伸びた茎に丸い葉、そしてこんな綺麗な花を咲かせます。
料理に使うケイパーは硬く閉じた小さな蕾の部分をピクルスや塩漬けにしたものですが、最近ではケイパーベリー(ケイパーの実)も結構よく見かけるようになったのではないでしょうか。ギリシャでは若い穂先の部分をピクルスにしたものもよく見かけます。
ケイパーの花は1日ほどで萎んでしまうのですが、とても沢山花をつけるので、初夏〜夏のシーズン中は次々に咲いていきます。蕾を採集するなら硬く閉じたものを、穂先は柔らかい部分のみを摘みます。
摘む時は棘に気をつけて。大きな蟻がたかってることも多いので、払い落としながらの採集は結構大変です。
摘んできたケイパーはそのままでは苦いだけで風味にも欠けるので、加工する必要があります(※)。ケイパーの漬け方はいろいろあるようですが、今回は一番手っ取り早く保存性の高い塩漬けにすることにしました。
摘んできた蕾を綺麗に洗って、しばらく日に当てて乾かします(このプロセスは省く作り方もあり)。清潔な瓶に粗塩を少し入れ、その上にケイパー、塩、ケイパー…と重ねていきます。穂先の部分は茹でてから漬けると聞きましたが、私が採ったのはごく少量だったので、生のまま蕾と一緒に塩漬けしました。
瓶いっぱいに詰め、一番上は塩になるように重ねます。ちなみに上の写真では塩をパラパラと振っただけの状態ですが、撮り終わった後にケイパーが隠れるぐらいの塩を振りました。
1〜2週間もすると塩が溶けてきて塩水漬けっぽくなるので、このまま保存するか、又は汁を捨てて新しい塩をまぶした状態で保存します。漬け方にもよるのでしょうか、私が漬けたケイパーは1ヶ月以上漬けた時点でまだ苦味が残っていました。それで、後者の方法をとり今まで放置していたというわけ。先日ちょっと味見をしてみたのですが、さすがに苦味は抜けていました(笑)
味は、当然ながらケイパーのあの独特な風味。ちなみに“あの風味”は生のケイパーには無く、加工する過程で出てくるそうです。上で挙げたキクラデスの島では乾燥ケイパーもよく使われるそうですが、そうやって保存したケイパーにもあの風味があるのか気になるところです。日干しにすらせず、そのまま茹でて野菜として食べることもあるとかで、それだとただの苦い葉っぱ?今度、ちょっと試してみたい気もします。
さて、こうして塩漬けにしたケイパーは、もちろんとても塩辛いので使う前に塩抜きをする必要があります。何度か水を替えながら数時間置けば適度な塩気になるはずですが、ズボラな私はケイパーの量に対し、かなり多目の水に浸けて冷蔵庫で放置。こちらで普通に売ってる塩水漬けのケイパーと同じような状態になり、この状態でも結構保存が利きます。
ところでギリシャでもっともよく見かけるタイプのケイパーは塩水漬けか塩漬けで、酢漬けにしたものはあまり無いようです。塩水漬けや塩漬けのは、より純粋なケイパーの風味が感じられ、時には邪魔になる酢の酸味も無いので使用範囲も広がる気がするのですが、いかがでしょう?
瓶詰めなので重いのが難点ですが、ギリシャ旅行のお土産にもケイパーはおすすめ♪普通のものならスーパーマーケットで小瓶のもありますし、ちょっと珍しい穂先ケイパーなどは地方特産品の店やデリで見つけることができますよ。
ケイパーを使ったおすすめレシピ
・キクラデス風ポテトとケイパーのスプレッド(カパロサラタ)
・キクラデス風の焼きナスディップ(メリジャノサラタ・キクラディティキ)
・サントリーニ風ケイパーソース(カパリ・ヤフニ)
・チキンとケイパーのアンチョビガーリックソテー
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“自家製ケイパー”の塩漬けではなくて、“自家製”ケイパーの塩漬けです(念の為…)。
地中海沿岸が原産のケイパー(ケッパー、学名はCapparis spinosa)は、半蔓性の小潅木。岩がちで乾燥していて日当たりの良い環境を好む為にギリシャでは多くの島で自生し、特にキクラデス諸島のサントリーニ島、ティノス島、シフノス島、シロス島、セリフォス島、キモロス島、アンドロス島などでは多く見られ、現地の郷土料理にも多用されます。
上の写真のようにケイパーは横にもかなり広がりますが、根がとても深く、石垣の隙間なんかでも逞しく育っているのをよく見かけます。
ケイパーはかなり特徴のある姿をしているので、見つけるのは簡単。長く伸びた茎に丸い葉、そしてこんな綺麗な花を咲かせます。
料理に使うケイパーは硬く閉じた小さな蕾の部分をピクルスや塩漬けにしたものですが、最近ではケイパーベリー(ケイパーの実)も結構よく見かけるようになったのではないでしょうか。ギリシャでは若い穂先の部分をピクルスにしたものもよく見かけます。
ケイパーの花は1日ほどで萎んでしまうのですが、とても沢山花をつけるので、初夏〜夏のシーズン中は次々に咲いていきます。蕾を採集するなら硬く閉じたものを、穂先は柔らかい部分のみを摘みます。
摘む時は棘に気をつけて。大きな蟻がたかってることも多いので、払い落としながらの採集は結構大変です。
摘んできたケイパーはそのままでは苦いだけで風味にも欠けるので、加工する必要があります(※)。ケイパーの漬け方はいろいろあるようですが、今回は一番手っ取り早く保存性の高い塩漬けにすることにしました。
摘んできた蕾を綺麗に洗って、しばらく日に当てて乾かします(このプロセスは省く作り方もあり)。清潔な瓶に粗塩を少し入れ、その上にケイパー、塩、ケイパー…と重ねていきます。穂先の部分は茹でてから漬けると聞きましたが、私が採ったのはごく少量だったので、生のまま蕾と一緒に塩漬けしました。
瓶いっぱいに詰め、一番上は塩になるように重ねます。ちなみに上の写真では塩をパラパラと振っただけの状態ですが、撮り終わった後にケイパーが隠れるぐらいの塩を振りました。
1〜2週間もすると塩が溶けてきて塩水漬けっぽくなるので、このまま保存するか、又は汁を捨てて新しい塩をまぶした状態で保存します。漬け方にもよるのでしょうか、私が漬けたケイパーは1ヶ月以上漬けた時点でまだ苦味が残っていました。それで、後者の方法をとり今まで放置していたというわけ。先日ちょっと味見をしてみたのですが、さすがに苦味は抜けていました(笑)
味は、当然ながらケイパーのあの独特な風味。ちなみに“あの風味”は生のケイパーには無く、加工する過程で出てくるそうです。上で挙げたキクラデスの島では乾燥ケイパーもよく使われるそうですが、そうやって保存したケイパーにもあの風味があるのか気になるところです。日干しにすらせず、そのまま茹でて野菜として食べることもあるとかで、それだとただの苦い葉っぱ?今度、ちょっと試してみたい気もします。
さて、こうして塩漬けにしたケイパーは、もちろんとても塩辛いので使う前に塩抜きをする必要があります。何度か水を替えながら数時間置けば適度な塩気になるはずですが、ズボラな私はケイパーの量に対し、かなり多目の水に浸けて冷蔵庫で放置。こちらで普通に売ってる塩水漬けのケイパーと同じような状態になり、この状態でも結構保存が利きます。
ところでギリシャでもっともよく見かけるタイプのケイパーは塩水漬けか塩漬けで、酢漬けにしたものはあまり無いようです。塩水漬けや塩漬けのは、より純粋なケイパーの風味が感じられ、時には邪魔になる酢の酸味も無いので使用範囲も広がる気がするのですが、いかがでしょう?
瓶詰めなので重いのが難点ですが、ギリシャ旅行のお土産にもケイパーはおすすめ♪普通のものならスーパーマーケットで小瓶のもありますし、ちょっと珍しい穂先ケイパーなどは地方特産品の店やデリで見つけることができますよ。
ケイパーを使ったおすすめレシピ
・キクラデス風ポテトとケイパーのスプレッド(カパロサラタ)
・キクラデス風の焼きナスディップ(メリジャノサラタ・キクラディティキ)
・サントリーニ風ケイパーソース(カパリ・ヤフニ)
・チキンとケイパーのアンチョビガーリックソテー
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