ムスカリの季節が終わらないうちに……。

2017.03.23 volvoi avga1
Βολβοί με αυγά και φέτα

メガリ・サラコスティ(イースター前の断食期間)の食卓によくのぼるムスカリの球根。毎年一度は食べておきたいものですが、下処理に少し手間がかかるので、ちょっと腰を据えて取りかかる必要がある食材です。また今度にしようとか思っていると、うっかり旬を逃してしまうことも。


2017.03.21 volvoi1

キロ4〜7ユーロぐらい。イタリア、モロッコ、チュニジア辺りからの輸入品もあり、国産の方が高いです。
これをせっせと剥くわけですが、ネバネバの液が出るので指先がコテコテになります。洗ってから剥いた方がましかなと思いつつ、泥をいっぱい流したくないし、どちらにせよコテコテにはあまり変わりないし、剥いてから洗う派です。


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剥き終わったら苦味抜きの作業に入ります。まずは水に浸し、ひと休み。ムスカリの球根はそのままだとものすごく苦いため、上手く苦味を抜いて食べやすくする必要があります。古代ギリシャでのムスカリの料理を調べていると、そのままっぽい記述もあったりするのですが。さまざまな疾患に効く薬としてや、強壮剤・精力剤としても用いられていたので、苦味が効く!みたいな感じだったのかも。

苦味抜きの方法としては、水に浸ける、何度か茹でこぼすなど。浸さずすぐ茹でる人あり、長くて2日ぐらいも水に浸けてから茹でる人ありといろいろですが、私は1日ぐらい浸けてから3回茹でこぼす場合が多いです。


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ギリシャではムスカリ球根は主にピクルスにします。また、茹でたものにビネガーやオイルで味付けしたサラダにも。ピクルスは瓶詰めのがスーパーにも売ってますが、自分で作ったのは格別です。私は、茹でて塩とビネガーで漬けたのをオイル漬けにするのが気に入っています。長女もこれが好きで、いつも取り合い(笑)
医学的に証明されているのかは知りませんが、ギリシャ人いわく、健康にもいいらしいですよ。コレステロール値を下げたり、血糖値を正常にする、胃腸の働きをととのえる効果があるそうです。


2017.03.23 volvoi avga 2

トップ画像のはあまりギリシャではやらない食べ方ですが、卵でとじたもの。イタリアでこういう料理があるのですよね。フェタチーズを入れてギリシャっぽくしてみました。ムスカリと卵と言うと、球根ではなく花穂の料理があります。花穂をくたくたに煮て卵を落とすのですが、これはきれいなムスカリを摘んでこられる場合にしか作れない料理。球根は市場で売ってるのだけど、花はないのです。その辺に生えてるのは、いろいろかかってそうでちょっと食べられませんしね^^;

作り方:
ムスカリの球根は、食べておいしい程度に苦味が抜けるまで数回茹でこぼします。4つぐらいに切って、オリーブオイルで炒めます。好みでバターも。卵は塩、胡椒、おまじない程度のワインビネガーを加え溶いておきます。ムスカリを炒めたところに、粗く砕いたフェタチーズと卵を加え、好みの状態に火が通るまでざっと混ぜてできあがり。


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