ギリシャで復活祭に食べる最初の食事として定番なのが、マギリッツァという羊モツのスープです。

2023.04.11 vegan magiritsa
ギリシャ正教の決まりを守っていた場合、復活祭前40日以上の長いあいだ動物性の食品を口にしませんが、この断食を破る最初の食事として食べるのがマギリッツァです。真夜中を過ぎて教会から戻ってきての食事なので、食べ始めるのが早くても12時半ぐらいになってしまうのですが、ギリシャの家庭ではマギリッツァに加え肉のオーブン焼きやレバーのワイン煮といったヘビーなメニューをいきなりこなすことも多いです。

もちろんギリシャ人がみんなマギリッツァを好きなわけではなく、モツは苦手という人も。また、少人数向けには作りにくいスープであること、とても手間がかかるという理由などから、お店で出来合いのを買ったり、羊や山羊のモツを使っていないアレンジヴァージョンのマギリッツァを作るという人も増えています。


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アレンジヴァージョンのマギリッツァではマッシュルームを使ったものがすでに伝統的なマギリッツァに並ぶ定番となっている気がします。これは、近年ベジタリアンやヴィーガンが増加していることも関係しているでしょう。

うちは家族が誰もモツを食べないので、私も昔からさまざまな非伝統的マギリッツァを考え出してきました。夫と次女はアヴゴレモノも苦手なためアレンジヴァージョンでも食べるのは私だけ、もしくは私と長女だけなのですが。


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今年はちょっとひらめいて、アヴゴレモノなしのヴィーガンマギリッツァが初登場。
タヒニを使うのは断食期間によく食べるタヒノスパっぽくなってしまうし、デルビエ(小麦粉やスターチでとろみをつけただけ)はもうひと工夫欲しい感じだし......ということで、ひよこ豆のピュレを控えめな量入れてみたら、かなり好きな感じに仕上がりました。


ヴィーガンマギリッツァスープ

材料:(2人分)
茹でたひよこ豆...1/2カップ
ひよこ豆の茹で汁...豆と一緒にカップに入れて1カップ
レモン汁...大さじ1
コーンスターチ...小さじ1強
きのこ(今回マッシュルームとヒラタケを使用)...150g
万能ねぎ...1本
ロメインレタス...外側の大きな葉2枚
オリーブオイル...大さじ2
塩、こしょう...適量
水...300ml
米...大さじ2
ディル...3〜5本
レモン...適量(食べる時に好みで)

ひよこ豆を計量し、豆が入ったままのカップに茹で汁を200mlのところまで加える。スティックブレンダー(またはミキサーなど)でなめらかなピューレ状にする。レモン汁とコーンスターチも加え混ぜる。

きのこは食べやすく切るか手で裂いておく。万能ねぎは小口切り、ロメインレタスは縦半分に切ってから1cm幅くらいに切る。

鍋にオリーブオイルを入れて温め、きのこを加え弱めの中火で炒める。出てきた汁気が飛んで少し色づいてくるまで、鍋底を焦がさないよう(焦げ味が出るため)気をつけて炒める。ねぎとレタスを加え、オイルが回ってしんなりするまで軽く炒める。塩小さじ1/2とこしょう適量を加える。

さっと洗った米、水を加えふたをして弱火で約20分、米がやわらかくなるまで煮る。ディルを刻んで加え、ひよこ豆のピュレもかき混ぜてから加える。少しとろみがついて味がなじむまで2分ほど煮る。味をととのえて火から下ろす。

器に盛り、好みでレモンを添える。

MEMO:酸味があまり得意でない人が結構いるようなので、レシピではレモン控えめにしています。最後に味をととのえる時か、もしくは食卓で各自好みの酸味に調整してください。

このレシピに使うひよこ豆は少量なので、多めに茹でて(圧力鍋がおすすめ。10分程度で茹であがります)残りは他の料理に使ってください。自分で乾燥豆を戻して茹でるのが面倒なら、缶詰を使ってもいいです。

【余ったひよこ豆の使用例】
一番簡単で美味しい料理のひとつがサラダです。
汁気を切った茹でひよこ豆をボウルに入れ、玉ねぎ(赤玉ねぎがおすすめ)とパセリのみじん切り、塩、こしょう、ワインビネガー、オリーブオイルを加え和えます。ハーブを変えたり他の具材を足したりのアレンジもいろいろ楽しめます。



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