先月、干し鱈がちょっと安くなってた時に買ったのですが、袋のまま冷蔵庫に放り込んだきりだったので、そろそろ何とかしないと。
たっぷり粗塩をまとった干し鱈は、袋のまま長いこと放置してると塩が滲出してきたりするんですよね。適当な大きさに切り分けて、使わない分はとりあえず保存容器へ。小さめの4切れは塩抜きして煮込みを作ることにしました。
最初は鱈だけでシンプルなおつまみっぽい煮込みを作るつもりだったのですが、うずら豆が食べたい気分だったので、あわせて煮ようか。魚と豆だけより、たっぷりの青菜とハーブも入れたのがいいなぁ……と、私が好きなタイプのギリシャ料理を形にしたのが今日ご紹介する料理です。青菜と煮込んだ料理は以前も載せましたが、そのバリエーションですね。普段あまりパンを食べない私でも、「この料理には絶対パン!」という場合があるのですが、これもそう。天然酵母の田舎パンをちぎって、汁に浸しながら食べると最高です。
今回使った青菜は癖がなく柔らかなふだんそう。ほうれんそうでもいいし、あればノゲシ(ギリシャではゾホスという名前で青空市場で売っている)を少し混ぜるとほろ苦さも加わりおいしいです。春先なら、まだ花を咲かせてない若いヒナゲシの葉っぱで作りたいところ。ヒナゲシは苦くはないですが、少し野性味のある食感と味わいになります。
ハーブはチャービルとフェンネルを使いました。チャービルはギリシャではパイや煮込み、スープなどに入れますが、フレッシュハーブの中ではそれほど登場回数は多くない気がします。もちろん、地方や人にもよるけど。カフカリスラというハーブとセットで使われることが多いですが、今回はフェンネルと組み合わせてみました。フェンネルは葉がディルと変わらないくらい柔らかなものと、野生種もしくはそれに近いのか少しごわごわしたのがあります。どちらに出会うかはその時の運次第ですが、今週の青空市場で売ってたのはとても柔らかい葉っぱ。これはサラダに入れてもおいしそうです。
干し鱈に話は戻って。3月25日の独立記念日はギリシャ正教の生神女福音祭(聖母マリアの受胎告知の日)という祝日でもあり、この日の行事食と言っていいほどよく食べられるのが干し鱈のフライなのです。それでギリシャ国家の重要な行事に干し鱈のイメージがついてしまったのか、最近では10月のオヒ・デー(参戦記念日)にも干し鱈を食べる人が増えているよう。うちは別にその日に干し鱈は食べないけど、スーパーで特売になるので助かります。
ヨーロッパの干し鱈料理というとポルトガルの干し鱈コロッケなどが日本の人にはよく知られますが、前述の干し鱈フライなど、ギリシャにも干し鱈を使ったおいしい料理が沢山あります。日本ではちょっと入手が難しい食材かもしれませんが、ぜひお試しください。
【関連記事】
鱈と青菜煮込み別ヴァージョンと、その他おすすめのレシピです。今回の記事のレシピは続きをご覧ください。
ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
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たっぷり粗塩をまとった干し鱈は、袋のまま長いこと放置してると塩が滲出してきたりするんですよね。適当な大きさに切り分けて、使わない分はとりあえず保存容器へ。小さめの4切れは塩抜きして煮込みを作ることにしました。
最初は鱈だけでシンプルなおつまみっぽい煮込みを作るつもりだったのですが、うずら豆が食べたい気分だったので、あわせて煮ようか。魚と豆だけより、たっぷりの青菜とハーブも入れたのがいいなぁ……と、私が好きなタイプのギリシャ料理を形にしたのが今日ご紹介する料理です。青菜と煮込んだ料理は以前も載せましたが、そのバリエーションですね。普段あまりパンを食べない私でも、「この料理には絶対パン!」という場合があるのですが、これもそう。天然酵母の田舎パンをちぎって、汁に浸しながら食べると最高です。
今回使った青菜は癖がなく柔らかなふだんそう。ほうれんそうでもいいし、あればノゲシ(ギリシャではゾホスという名前で青空市場で売っている)を少し混ぜるとほろ苦さも加わりおいしいです。春先なら、まだ花を咲かせてない若いヒナゲシの葉っぱで作りたいところ。ヒナゲシは苦くはないですが、少し野性味のある食感と味わいになります。
ハーブはチャービルとフェンネルを使いました。チャービルはギリシャではパイや煮込み、スープなどに入れますが、フレッシュハーブの中ではそれほど登場回数は多くない気がします。もちろん、地方や人にもよるけど。カフカリスラというハーブとセットで使われることが多いですが、今回はフェンネルと組み合わせてみました。フェンネルは葉がディルと変わらないくらい柔らかなものと、野生種もしくはそれに近いのか少しごわごわしたのがあります。どちらに出会うかはその時の運次第ですが、今週の青空市場で売ってたのはとても柔らかい葉っぱ。これはサラダに入れてもおいしそうです。
干し鱈に話は戻って。3月25日の独立記念日はギリシャ正教の生神女福音祭(聖母マリアの受胎告知の日)という祝日でもあり、この日の行事食と言っていいほどよく食べられるのが干し鱈のフライなのです。それでギリシャ国家の重要な行事に干し鱈のイメージがついてしまったのか、最近では10月のオヒ・デー(参戦記念日)にも干し鱈を食べる人が増えているよう。うちは別にその日に干し鱈は食べないけど、スーパーで特売になるので助かります。
ヨーロッパの干し鱈料理というとポルトガルの干し鱈コロッケなどが日本の人にはよく知られますが、前述の干し鱈フライなど、ギリシャにも干し鱈を使ったおいしい料理が沢山あります。日本ではちょっと入手が難しい食材かもしれませんが、ぜひお試しください。
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干し鱈と豆と青菜の煮込み(バカリァロス・メ・ファソリァ・ケ・ホルタ)
材料:(4人分)
干し鱈...4切れ(ひとつ80〜100g)
乾燥うずら豆(白いんげんかひよこ豆でも)...150g
ベイリーフ...1枚
青菜(ふだんそう、ほうれん草など)...400g
ハーブ(チャービル、フェンネル、ディルなど)...あわせて80〜100g
トマト...中1個
玉ねぎ...小さめ1個
にんにく...2片
トマトペースト...大さじ1/2
オリーブオイル...大さじ6
塩、こしょう
干し鱈は水に浸けて冷蔵庫で1日半くらいかけて塩抜きする。途中何度か水を換え、程よい塩気が残るぐらいになったら水気を切っておく。
豆は一晩水に浸けて戻す。すすいで鍋に入れ、かぶるくらいの水とベイリーフを加え中火にかける。沸騰したら弱火にし、アクをすくってからふたをして弱火でやわらかくなるまで茹でる。
青菜はほうれん草などシュウ酸が多く含まれたりアクが強いものはさっと下茹でし、ざく切りにする。ハーブもごく粗く刻む。トマトはすりおろすか皮をむいて刻んでおく。
玉ねぎは薄切りにし、にんにくは刻んで大きめの鍋に入れる。オリーブオイルを加え、玉ねぎがやわらかくなるまで弱火でじっくり炒める。トマトペーストとトマトを加え、崩れてソース状になるまで中火で炒め煮にする。
青菜とハーブを加え混ぜ、しんなりしてきたら豆を加え混ぜあわせる。こしょうを適量加え、鱈を豆と青菜の下に埋めるようにして加える。豆の煮汁(足りなければ水も)をひたひたに加え、ふたをして弱〜中火で約20分煮る。こしょうと必要なら塩も加え味をととのえる。
火から下ろし、時間があれば30分くらい置いて味をなじませる。
MEMO:今回は、青菜はふだんそう、ハーブはチャービルとフェンネルを使いました。ディルはもうちょっと香りの主張が強いので、お好みで入れる量を加減してください。干し鱈を入れず豆と青菜の煮込みにしてもおいしいです。その場合はトマトを加える時点で塩も適量加えます。
材料について:ギリシャの干し鱈は棒鱈のようにカチカチではなく、たっぷりの粗塩をまとった柔らかいタイプです。味や食感は少し変わりますが、棒鱈や甘塩鱈で作ってもOK。甘塩鱈は干し鱈より身がやわらかいので崩さないよう注意。青菜もふだんそうなど柔らかいものを使った場合は煮る時間は短めで大丈夫ですが、火から下ろして休ませる時間をしっかり取った方がおいしくなります。
材料:(4人分)
干し鱈...4切れ(ひとつ80〜100g)
乾燥うずら豆(白いんげんかひよこ豆でも)...150g
ベイリーフ...1枚
青菜(ふだんそう、ほうれん草など)...400g
ハーブ(チャービル、フェンネル、ディルなど)...あわせて80〜100g
トマト...中1個
玉ねぎ...小さめ1個
にんにく...2片
トマトペースト...大さじ1/2
オリーブオイル...大さじ6
塩、こしょう
干し鱈は水に浸けて冷蔵庫で1日半くらいかけて塩抜きする。途中何度か水を換え、程よい塩気が残るぐらいになったら水気を切っておく。
豆は一晩水に浸けて戻す。すすいで鍋に入れ、かぶるくらいの水とベイリーフを加え中火にかける。沸騰したら弱火にし、アクをすくってからふたをして弱火でやわらかくなるまで茹でる。
青菜はほうれん草などシュウ酸が多く含まれたりアクが強いものはさっと下茹でし、ざく切りにする。ハーブもごく粗く刻む。トマトはすりおろすか皮をむいて刻んでおく。
玉ねぎは薄切りにし、にんにくは刻んで大きめの鍋に入れる。オリーブオイルを加え、玉ねぎがやわらかくなるまで弱火でじっくり炒める。トマトペーストとトマトを加え、崩れてソース状になるまで中火で炒め煮にする。
青菜とハーブを加え混ぜ、しんなりしてきたら豆を加え混ぜあわせる。こしょうを適量加え、鱈を豆と青菜の下に埋めるようにして加える。豆の煮汁(足りなければ水も)をひたひたに加え、ふたをして弱〜中火で約20分煮る。こしょうと必要なら塩も加え味をととのえる。
火から下ろし、時間があれば30分くらい置いて味をなじませる。
MEMO:今回は、青菜はふだんそう、ハーブはチャービルとフェンネルを使いました。ディルはもうちょっと香りの主張が強いので、お好みで入れる量を加減してください。干し鱈を入れず豆と青菜の煮込みにしてもおいしいです。その場合はトマトを加える時点で塩も適量加えます。
材料について:ギリシャの干し鱈は棒鱈のようにカチカチではなく、たっぷりの粗塩をまとった柔らかいタイプです。味や食感は少し変わりますが、棒鱈や甘塩鱈で作ってもOK。甘塩鱈は干し鱈より身がやわらかいので崩さないよう注意。青菜もふだんそうなど柔らかいものを使った場合は煮る時間は短めで大丈夫ですが、火から下ろして休ませる時間をしっかり取った方がおいしくなります。