カロミナ(よい月を)。4月になりました。
先週半ばくらいからぐんと暖かくなり、昼間外を歩いていると暑いぐらいです。
Χαλβάς σιμιγδαλένιος με μήλο και φουντούκια
イースターの投稿は?と思われた方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、今年の正教会の復活祭は5月5日で、日本のゴールデンウィークとイースター休みがほぼ重なります。パンデミック前の同じ頃に一時帰国したのですが、ギリシャのイースターっぽいことをしたり地元のお祭りを見に行ったのがとても懐かしいです。残念ながら今年は日本へは行けそうにないし、特別なことをする予定もないけれど、家でささやかに美味しいものでも食べたいなぁと思っています。
そんなわけでまだ1か月は断食期間なので、いくつか断食メニューも載せていく予定。カサリ・デフテラ(断食期間初日の祝日)の時に作ったセモリナ粉のハルヴァというお菓子を別記事で紹介しようと思っていたら月をまたいでしまいましたが、こちらは昔載せたレシピの改訂版になります。
ハルヴァというと米原万理さんのエッセイに登場した、ものすごく美味しい謎のお菓子としてご存知の方もいるでしょう。
彼女がソ連時代に食べたという、“噛み砕くほどにいろいろなナッツや蜜や神秘的な香辛料の味がわき出てきて混じり合う”ようなハルヴァがギリシャにあるかはわからないけど、スーパーでもよく売っているハルヴァはごまペーストのタヒニを主原料としたヌガーの一種のようなお菓子で、無骨でどっしりとしたブロック状の見た目と、口の中でサクッ・ホロッと溶ける食感のギャップが面白いです。
「ハルヴァ・トゥ・バカリ(食料品店のハルヴァ)」とも呼ばれるごまペーストのハルヴァは一応手作りもできますが、基本的にお店で買うもので、細かい繊維状に練り上げるには熟練の技と力を要します。ハルヴァというお菓子はそれ以外にもいろんな種類があるのですが、特によく知られるのはセモリナ粉のハルヴァや、ファルサラのハルヴァ(ギリシャ中部ファルサラ辺りの郷土菓子。スターチで作られるぷるんとしたハルヴァで、キャラメル化させてある)など。全国的によく食べられ、簡単なので家庭でよく作られるのはセモリナ粉のハルヴァです。
セモリナ粉のハルヴァをざっくり説明すると、炒ったセモリナ粉を砂糖と水で煮た簡単お菓子です。セモリナ粉の粒感とホロッとした食感が特徴で、素朴な味わいは日本の郷土菓子と言って出されても(油気が結構ある以外は)あまり違和感はないかもしれません。
りんごを加えたバリエーションは昔思いついてレシピ化したものですが、今回は微妙に違うので改訂版としてレシピを書いてみました。動物性の食品を摂らないギリシャ正教の断食ルールに沿ったお菓子で、ベジタリアンやヴィーガンの方にも食べていただけます。
レシピは関連記事のあとに続きます。
【関連記事】
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先週半ばくらいからぐんと暖かくなり、昼間外を歩いていると暑いぐらいです。
Χαλβάς σιμιγδαλένιος με μήλο και φουντούκια
イースターの投稿は?と思われた方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、今年の正教会の復活祭は5月5日で、日本のゴールデンウィークとイースター休みがほぼ重なります。パンデミック前の同じ頃に一時帰国したのですが、ギリシャのイースターっぽいことをしたり地元のお祭りを見に行ったのがとても懐かしいです。残念ながら今年は日本へは行けそうにないし、特別なことをする予定もないけれど、家でささやかに美味しいものでも食べたいなぁと思っています。
そんなわけでまだ1か月は断食期間なので、いくつか断食メニューも載せていく予定。カサリ・デフテラ(断食期間初日の祝日)の時に作ったセモリナ粉のハルヴァというお菓子を別記事で紹介しようと思っていたら月をまたいでしまいましたが、こちらは昔載せたレシピの改訂版になります。
ハルヴァというと米原万理さんのエッセイに登場した、ものすごく美味しい謎のお菓子としてご存知の方もいるでしょう。
彼女がソ連時代に食べたという、“噛み砕くほどにいろいろなナッツや蜜や神秘的な香辛料の味がわき出てきて混じり合う”ようなハルヴァがギリシャにあるかはわからないけど、スーパーでもよく売っているハルヴァはごまペーストのタヒニを主原料としたヌガーの一種のようなお菓子で、無骨でどっしりとしたブロック状の見た目と、口の中でサクッ・ホロッと溶ける食感のギャップが面白いです。
「ハルヴァ・トゥ・バカリ(食料品店のハルヴァ)」とも呼ばれるごまペーストのハルヴァは一応手作りもできますが、基本的にお店で買うもので、細かい繊維状に練り上げるには熟練の技と力を要します。ハルヴァというお菓子はそれ以外にもいろんな種類があるのですが、特によく知られるのはセモリナ粉のハルヴァや、ファルサラのハルヴァ(ギリシャ中部ファルサラ辺りの郷土菓子。スターチで作られるぷるんとしたハルヴァで、キャラメル化させてある)など。全国的によく食べられ、簡単なので家庭でよく作られるのはセモリナ粉のハルヴァです。
セモリナ粉のハルヴァをざっくり説明すると、炒ったセモリナ粉を砂糖と水で煮た簡単お菓子です。セモリナ粉の粒感とホロッとした食感が特徴で、素朴な味わいは日本の郷土菓子と言って出されても(油気が結構ある以外は)あまり違和感はないかもしれません。
りんごを加えたバリエーションは昔思いついてレシピ化したものですが、今回は微妙に違うので改訂版としてレシピを書いてみました。動物性の食品を摂らないギリシャ正教の断食ルールに沿ったお菓子で、ベジタリアンやヴィーガンの方にも食べていただけます。
レシピは関連記事のあとに続きます。
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りんごとヘーゼルナッツのセモリナ粉ハルヴァ(ハルヴァス・シミグダレニョス・メ・ミロ・ケ・フンドゥキ)
材料:(4〜6人分)
りんご(※)...1個(正味約180g)
ヘーゼルナッツ...15粒
砂糖...1/2カップ
水...11/4カップ
癖のない植物油...大さじ2
粗びきセモリナ粉...1/2カップ
シナモンパウダー...小さじ1/2
りんごは皮をむいて、小さなさいの目切りにするか、グレーターの大きい方の丸穴で細長くすりおろす。
ヘーゼルナッツは粗く刻んでおく。
鍋にりんごを入れ、分量の砂糖から大さじ2程度をとって加え混ぜる。中火にかけて炒め、鍋底の汁が少し色づくくらいになったら残りの砂糖と水を加える。砂糖を煮溶かし火からおろす。
別の鍋か、ある程度深さのあるフライパンにセモリナ粉と油を入れて弱めの中火にかける。木べらでかき混ぜながら、きつね色になるまで5分くらい炒める。ヘーゼルナッツを加え、香ばしい香りがするまでもう少し炒める。
りんご入りのシロップ、シナモンパウダーを加え、かき混ぜながら煮る。
ひとまとまりになり鍋肌から離れてくるようになったら火からおろす。
好みの型か保存容器に詰め、表面を平らにならす。食べる時に好みでシナモンパウダー(分量外)をさらにふりかける。
MEMO:りんごは品種によって果肉が煮溶けますが、果肉がしっかりしたものも溶けて一体化するものもそれぞれおいしいです。ナッツはアーモンドやくるみでも。
スパイス風味強めがお好きな方は、クローブパウダー少々をシナモンと一緒に加えても。
材料:(4〜6人分)
りんご(※)...1個(正味約180g)
ヘーゼルナッツ...15粒
砂糖...1/2カップ
水...11/4カップ
癖のない植物油...大さじ2
粗びきセモリナ粉...1/2カップ
シナモンパウダー...小さじ1/2
りんごは皮をむいて、小さなさいの目切りにするか、グレーターの大きい方の丸穴で細長くすりおろす。
ヘーゼルナッツは粗く刻んでおく。
鍋にりんごを入れ、分量の砂糖から大さじ2程度をとって加え混ぜる。中火にかけて炒め、鍋底の汁が少し色づくくらいになったら残りの砂糖と水を加える。砂糖を煮溶かし火からおろす。
別の鍋か、ある程度深さのあるフライパンにセモリナ粉と油を入れて弱めの中火にかける。木べらでかき混ぜながら、きつね色になるまで5分くらい炒める。ヘーゼルナッツを加え、香ばしい香りがするまでもう少し炒める。
りんご入りのシロップ、シナモンパウダーを加え、かき混ぜながら煮る。
ひとまとまりになり鍋肌から離れてくるようになったら火からおろす。
好みの型か保存容器に詰め、表面を平らにならす。食べる時に好みでシナモンパウダー(分量外)をさらにふりかける。
MEMO:りんごは品種によって果肉が煮溶けますが、果肉がしっかりしたものも溶けて一体化するものもそれぞれおいしいです。ナッツはアーモンドやくるみでも。
スパイス風味強めがお好きな方は、クローブパウダー少々をシナモンと一緒に加えても。