ギリシャの春の味覚のひとつ、アーティチョーク。

2024.04.02 stuffed artichoke
子供の頃に読んだギリシャ神話に出てきて、どんな植物なんだろうと想像を巡らせたり、料理本のエッセイに書かれていた丸茹でアーティチョークの食べ方が気になって憧れたりしたものですが、ギリシャで長く暮らすうちにすっかり身近になった食材です。

旬は結構長く、最盛期の春からシーズン終わりの初夏までは値段もかなり下がるので、やる気のある年にはいろんな調理法で楽しみます。

というのも、アーティチョークは下処理がなかなか面倒なんですよね。可食部だけを使う場合は硬い部分をバリバリむしったりナイフで削いだりして、中の毛羽も取らないといけないし、丸ごと茹でるにしても洗うのが結構大変。おまけに可食部が少なく、筍の下処理の時みたいにごみの山ができます。

去年は終わりかけの時期にちょっとやる気が出たものの買いそびれたので、暑くなってきた今週ちょっと焦って市場で買ってきました。

ギリシャで一番よく食べられるアーティチョークの料理は、コンスタンティノープル風と呼ばれる煮込みや、柔らかなそら豆と一緒に煮込んだ料理です。
それも好きなんだけど、去年食べたかった米詰めをまず作ることにしました。


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これには緑の丸いアーティチョークではなく、紫がかった色で少し縦に長いものが適しています(他の料理にも私はいつも後者を使いますが)。今回は結構しっかりと先の部分を切り落としてしまったのだけど、棘の部分だけちょんと切って長く残した方が見た目はいいですね。茎もあれば捨てないで、外側の筋っぽい部分をナイフでメリッと剥がすように剥いて一緒に煮ます。

フィリングは肉なしドルマデス(ぶどうの葉の米包み)と同じような感じのハーブライス。オリーブオイルで玉ねぎのみじん切りを炒め、米も加え炒めて水を適量加え表面が柔らかくなる程度に煮て刻んだハーブ(ねぎ、パセリ、ディル、ミント、フェンネルなど)を加え塩こしょうでしっかりめに味つけします。また、お好みで細かくすりおろすか刻んだにんじんやトマトを少し入れても。米の量はアーティチョーク1個につき、大さじ2杯ぐらい。中心の空洞だけでなくガクの間にもフィリングを挟み、塩とレモン汁とオリーブオイルを加えた水をアーティチョークの“台の部分”が浸るぐらい加え蒸し煮にします。

米がしっかり蒸されるよう、ふたをして強めの火加減で40分ぐらいでしょうか。途中、空焚きにならないようチェックがてら煮汁を2回ぐらい回しかけます。

米にしっかり火が通り、ガクが容易に剥がせるほど柔らかく煮えたらできあがり。煮汁にもレモン汁を入れますが、食べるときにもレモンを添えてどうぞ。粗熱が取れて味がなじむまで休ませてからすぐ食べても、余って冷蔵庫で冷やされたのもそれぞれおいしいです。


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ガクの部分を食べるのに手が汚れるし、あまりスマートに食べられるものではありませんが、合間にワインを飲み飲み、フェタチーズやオリーブをつまみつつ……春のよろこびを感じられる一品です。


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