ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

カテゴリ: 料理・食べ物について

カサラ・デフテラのメニューに使うために茹でた白花豆を、ちょっと取り分けておいて野菜のメゼにしました。

2026.02.25a
ギリシャではギガンデスと呼ばれる白花豆。粒が大きく食べごたえがあるので、フライにしたりも。北ギリシャのプレスペスやカストリアで生産されるギガンテスが有名で、それぞれ原産地名称保護認証、地理的表示保護認証を受けています。

あの辺りの特産品つながりでフロリナペッパー(赤いバナナピーマンのような甘唐辛子)で作ったソースを添えるつもりだったのですが、食材が余り気味だしまた買い足したくないなぁ……と迷っていたところ、「マカロ」はどうだろう?と思いつきました。

マカロと呼ばれる料理は、北マケドニア共和国と北ギリシャのマケドニア地方の両方にあり、にんにくを効かせた味つけが特徴。北マケドニア共和国ではディップソースのようなものですが、北ギリシャ料理のマカロは小麦粉でとろみをつけたソースなので、同じ名前でも結構違った料理になるようです。マカロの味つけや色合いは地方による傾向や個人の好みによりさまざまで、油、小麦粉、にんにくという基本の材料に、ブイヨン、ワインビネガー、トマト(ペーストなど加工品、もしくは生トマト)、パプリカ(マイルドなもの、もしくは辛いもの)などが副材料として加えられることにより、バリエーションが生まれます。

最も一般的には揚げミートボールのソースとして、その他、チキンのソースとして使われることが多いです。ミートボールの場合、揚げ油をそのまま利用するのが本来の作り方のようで、食材を無駄にしない工夫から生まれたのでしょう。


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今回はモダンギリシャ料理のアプローチで豆とあわせるということで、マカロは酸味(ワインビネガー、トマトペースト)・うまみ(トマトペースト)・辛味(ホットパプリカ)・色味(トマトペースト、ホットパプリカ)の4要素を加えたパンチのあるものにしてみました。


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茹で豆を揚げるときの衣にはシンプルに小麦粉をまぶしただけですが、薄く小麦粉をはたいてから、小麦粉を炭酸水で溶いた衣にくぐらせると、もっとパリッとした仕上がりになります。

乾燥ミントを揉んで粉状にしたものと、胡椒、塩少々をボウルにあわせておき、揚げて油を切った豆を加えまぶしつけます。これも思いつきでやってみたもので、ミートボールの味つけを意識したのですが、見た目も味も断然よくなるのでおすすめ。

揚げ油でマカロを作るので、豆が冷めないうちに手早く作業します。鍋に残った油が多すぎたら減らし、底にたまった小麦粉で足りなそうなら衣に使った小麦粉を少し足します。すりおろしたにんにく(完成品写真の量なら、あまり大きくない1片ぐらい)を加え香りが立ったら、トマトペースト、ワインビネガー、パプリカ(辛いのでもマイルドなのでも好みで)を加え水でのばします。とろみが出るまで煮、塩で味をととのえます。器に豆のフライとマカロを好きなように盛りつけてできあがり。


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この日のもう一品は、そら豆とアーティチョークの煮込み。カサラ・デフテラのメニューに加えようかなと、土曜の市場でそら豆を衝動買いしてたのだけど、結局使わず持ち越したのでした。柔らかいさやごとの若いそら豆とアーティチョークとあわせた煮込みは、春を感じられる伝統的なギリシャ料理です。


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今週からサラコスティ(レント)。

2026.02.24
復活祭に向けて、節制を心がける期間で、食生活の面では「血が出ない・背骨がない」シーフードや魚卵を除いた動物性食品を断ちます。その初日となるカサラ・デフテラ(クリーンマンデー)は、断食をきちんとやる人もそうでない人も、ニスティシマ(断食メニュー)料理の並んだ食卓を囲む日。祝日ということで、ちょっと奮発してシーフードたっぷりのごちそうをお酒とともに楽しむ人も多いです。

我が家の場合、私以外は誰もシーフードを食べないので、いまいち盛り上がりに欠ける日。それでも以前はシーフードチャンス!と自分だけ張り切っていたりもしたのですが、別に他の日に食べればいいよなぁ……と、ここ数年は地味メニューで済ませています。

カサラ・デフテラの行事食の基本はラガナという平たく大きなパン。そのお供にタラモサラタ(これも、家族は食べないけど)、オリーブ、ピクルス、豆料理やシーフード料理といったものをあわせます。お菓子はハルヴァ、特に胡麻ペーストで作ったサクサク食感のヌガーのようなタイプがよく食べられます。


2026.02.23
今年のメニューは、ラガナ、タラモサラタ、白花豆のオーブン焼き、茹でカリフラワーのサラダ、アボカドとタヒニのディップでした。夫の分を先に分けてしまったので、ラガナはちぎってあります。ラガナとタラモサラタだけでも私は結構お腹いっぱいになってしまうので、やはりシーフードは別の日にして正解だったかも……。

トップの写真は、余ったタラモサラタで翌日作った野菜のメゼです。
私はタラモサラタをパンよりも野菜や豆と一緒に食べる方が好きで、一番お手軽なものだときゅうりにつけるのがおすすめなんですが、今回は、カリフラワーとかぶと若いそら豆をスキレットで焼いたものに添えてみました。

上にかかっている黒いのは、オリーブの粉。少量作ったから手揉みなのとオイル分でしっとりしてるので綺麗な粉になってませんが。
ずっと前に買ったクレタ島の小粒黒オリーブ(ドライキュアタイプ)が、残り少なくなり乾いてきたので、いっそ潰して粉末にすれば?と思ったのでした。開いて種をはずして低温オーブンで乾かし、細かく潰してあります。

これがとてもいいアクセントになり、大正解!あと少しだけオリーブが残ってるので、何か別のものにもあわせてみようかなと考えています。

アポクリエス最後のチーズ週間でした。

2026.02.17 pies
カーニバルシーズンもクライマックスですが、うちの辺りはあまり飾りつけをしてるお店もなくて、いまいち雰囲気を感じられないままに過ぎてしまったな〜という感じ。

料理は一応、チーズや卵を使ったものを意識して作っていました。ギリシャ正教の食事節制ルールを守ってる人は、肉週間が過ぎたら復活祭まで肉は口にしませんが、チーズ週間(ティリニ・エヴドマダ)と呼ばれる最後の週は、魚、乳製品、卵はまだ許可されていて、特にチーズをたっぷりのパスタやパイといった料理がよく食べられます。うちは動物性食品の断食はしないのだけど、普段はあまり食べないマカロニパイやミルクパイなどを行事食としてチーズ週間に作る年が多いです。


2026.02.17 pies1
今年はしばらくお休みしてたパイ作りの記録を再開したのですが、カセロピタ(カセリというチーズを入れたパイ)の作り方を見直したくなったので、それを作ることにしました。チーズパイがリッチなタイプだし、バランスを取るためにもうひとつは粗食系のものに。こちらも随分長いこと作ってなかったコーンミールクラストの青菜パイにしました。


2026.02.17 plastos
青菜のパイは、野草やハーブをいろいろあわせて作ると、とてもおいしいのです。今回入れたのは、ヒナゲシ、ふだんそう、シロガラシ、ソレル、フェンネル、ディル、カフカリスラ、チャービル。


2026.02.11 plastos
すこし見た目の違うこちらは、先週作ったもの。フィリングは上記の青菜&ハーブの組みあわせとほぼ同じで、ソレルじゃなくイラクサ入り。コーンミールのクラストの配合や作り方を、違ったヴァージョンで試したかったので続けて作ったんですが、今年はパイ以外に、コーンミールを使ったレシピをもうちょっと考えてみようかなと。ここ何年か考えつつも、そこまで食べたい気分にならなかったので機会を逃していたんですよね。やる気が萎んでしまわないうちに、どんどん作っていこうと思います。

もう4か月ぐらいになるでしょうか。
次女がオーブン焼きポテトにはまっていて、毎週リクエストされています。

2026.02.04 fish with potatoes
レモン味の酸っぱいローストポテトはギリシャ料理の定番のひとつ。肉や魚と一緒に焼く方がどちらかというと多い気がしますが、ポテトだけで焼いてもおいしいものです。

うちの娘たちは鶏肉か豚肉をあわせたのが好きなのだけど、肉ばっかりもなぁ……と思い、たまに魚の日も挟んでいます。扱いにくくクオリティも微妙な冷凍の魚を敢えて使ってみようという気分に、ここ数年なぜかなっているので(そういう時ってありませんか?)今回は冷凍パーチ使用。


2025.11.27 fish with potatoes
気軽に作れるようベーシックな材料でレシピをご紹介しますが、ハーブを変えたりしてもいいですよ。2枚目の写真は焼く時にパセリもたっぷり加えたもの。ハーブはタイム、ローズマリー、ディルなんかも合います。


魚とポテトのオレガノレモン風味オーブン焼き

材料:(4人分)
魚切り身...4切れ(約600g)
じゃがいも...大きめ4個(700〜800g)
塩、こしょう
ディジョンマスタード...大さじ1
にんにくみじん切り...1〜2片分
オレガノ...小さじ1
レモン汁...大さじ3〜4
白ワイン(あれば)...大さじ3
オリーブオイル...大さじ4
レモンスライス...4切れ
パセリ...好みで適量

魚に塩こしょう適量をふり、しばらく置いておく。

じゃがいもは皮を剥いて、1cmぐらいの厚さの輪切りにして耐熱容器に入れる。オーブンは200℃に予熱する。

ディジョンマスタード〜オリーブオイルまでの材料、塩小さじ1/2、こしょう適量を混ぜあわせる。魚から出た水気をキッチンペーパーで拭き取り、あわせた調味料を少しとって絡める。

残りの調味料に水1/2カップを加え混ぜ、じゃがいもにかける。ホイルをかぶせ、オーブンに入れ30〜40分、やわらかくなるまで焼く。

一旦取り出してホイルを取り、焼き汁をスプーンですくってじゃがいもにかける。じゃがいもの上に魚を並べ、レモンスライスをのせる。覆いをせずに、魚とじゃがいもに火が通り少し色づくまで10〜20分焼く。好みで刻んだパセリを散らす。

MEMO:魚はパーチをよく使っていますが、お好みのもので。肉質のしっかりした魚がおすすめです。ワインがなければ水を少し増やしてください。焼いてる途中で汁気が飛びすぎて底が焦げそうなら、適宜水(ガラス容器の場合はお湯)を足してください。

ギリシャのカーニバルシーズン、アポクリエスの二週目。昨日はチクノペンプティでした。

2026.02.12a
移動祝日である復活祭に連動してアポクリエスの時期も毎年ずれるのですが、今年は2月のはじめからとなっています。盛り上がってくるのは、肉料理を食べて楽しく過ごすのがならわしのチクノペンプティ辺りから。いつも書いているけれど、チクノペンプティは「肉を焼く煙の匂いの木曜日」というような意味で、焼き肉料理が定番となっています。外でバーベキューをやっているおうちやお店も多いので、文字通り、煙の匂いがあちこちに漂う日です。

この週が終わるとギリシャ正教の決まりでは肉食を断つことになっているので、食べ物的にアポクリエスのハイライトとなるのはやはりチクノペンプティでしょうか。平日ですが、肉料理専門店をはじめ飲食店も賑わいます。

「今年は別になにもやらなくていいかな……」と、火曜にテンション低く近所へ買い物に出かけた私。どういうわけか2往復するほど食材を買い込んでしまったので、結局それっぽいメニューになりました。


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メインはコンドスブリ風豚肉のオーブン焼き。拙著「おうちでギリシャ居酒屋」に短時間で焼きあがるチキンヴァージョンをご紹介していますが、うちは全員が食べられる肉というと豚肉になるので、げんこつ大に切ってマリネした肩肉をオーブンでじっくり焼いています。ちなみにコンドスブリは大きな串に刺して炭火焼きにするのが本来の作り方。

今週はお持たせ用にキマドピタ(ひき肉パイ)を頼まれてたので、ひき肉を買ったついでにケバピア(フロリナ風ミニケバブ)も久しぶりに作りました。こちらも「おうちでギリシャ居酒屋」に掲載している一品です。


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ギリシャ風スブラキ用ピタパンは、ちょっと小振りのを10枚。
居酒屋本にイースト不使用のレシピも載せてますが、おすすめはやはり普通にイーストで発酵させたものです。少し時間がかかるというだけで難しくはないので、ぜひお試しを。「ギリシャのごはん」本ではこのピタパンのレシピほか、スブラキ(串焼き肉)数種+一緒に食べるディップ類などご紹介しています。


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ピタパンを焼いたのは、コンドスブリ・ピタも食べたかったからでした。
ジャジキが隠れて見えないけど、今回はレッドソースとジャジキ両方入ってるタイプ。アテネのスブラキ屋さんにはトマトや唐辛子の入ったレッドソースを出してるところもあり、店によって普通のトマトソースのようだったり、コーンスターチでとろみをつけた唐辛子やパプリカベースのものだったりいろいろです。レッドソースのスブラキがすごく好きというわけでもないのだけど、居酒屋本を書くにあたって注目してみようと思って積極的に食べ比べていたら、なんとなくそのまま自分の中で課題のようになっているもののひとつです。


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