ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

カテゴリ: 料理・食べ物について

sun-dried okra暑〜い夏。せっかくの太陽、利用しない手はない!とばかりに日干しに凝ってます。毎日ベランダの物干しにいろんなものをぶら下げてるので、何だか怪しい光景になってます。

これはオクラのネックレス。こちらではオクラと肉の煮込みなんかを作る時、こんな風にネックレス状にしたり、串に刺したりして使う人が結構います。これは最初にソテーする時に全部まとめてひっくり返すのに便利だとか、煮込み中に鍋の中身をかき混ぜる時、オクラが煮崩れてしまわないようにまとめて一旦取り出す為だったりします。

私が今回やってるのはそれではなく、完全に乾燥させた保存食です。ギリシャではこういう使い方をするのか知らないけど、トルコではよくやります。イギリスに住んでた時、よく行ったトルコ食材店でも乾燥オクラや、中身をくり貫いた筒状ナスのネックレスがいっぱいぶら下がってました。オクラはスープや煮込み料理に、ナスは米などを詰めた料理にします。

そう言えば今思い出した葡萄の保存法、ギリシャの島では葡萄の葉を乾燥させて保存する所があります。今まではフリージングや瓶詰めしか試したことがなかったから、これもやってみようかな?まだ葡萄の葉が売ってるといいんだけど...。市場へ行ってきます。

vlita & stifnos1雨がほとんど降らない夏の間は、ほうれん草や野草も市場からほとんど姿を消してしまいます。代わりに登場するのがブリタ(アマランサス)やグリストリーダ(スベリヒユ)。今回はブリタについて書きます。

ブリタ(写真:下左)は上にも書いたようにアマランサスのことで、色鮮やかな鑑賞用のものもあれば、緑や赤っぽい色の葉を食用にしている国も多いです。日本では南米原産のアマランサスが雑穀・スーパーフードブームでよく知られるようになりました。ギリシャで普通見かけるのは、地中海原産のAmaranthus blitum。葉や柔らかい茎が食用にされ、古くから食べられています。

各種ビタミンの他、鉄分やカルシウムも多く含み、栄養たっぷりのブリタは、暑い夏を乗り切るのにもぴったりです。
味は少しほろ苦いもののマイルドで滋味があり、茹でて「ホルタ」として食べる他、ガーリックオイルで炒めたり、パイのフィリングにしたり、また煮込みに入れても美味しいです。

ブリタよりマイナーな存在のスティフノス(写真:下右)は、ほろ苦い味がブリタとよく合うとされています。私もブリタを茹でサラダ(ホルタ)として食べる時は、よくスティフノスとズッキーニを一緒に茹でます(写真:オイルをかける前の状態です)。もう少しボリュームが欲しい時は、ジャガイモも茹でるといいです。私はどちらかと言うとレモンやビネガーは加えずに、塩とオリーブオイルのみで食べるのが好きです。

スティフノスはナス科のSolanum nigrum。和名ではイヌホオズキと呼ばれ、日本全土でも見られる史前帰化植物です。アルカロイド系の毒であるソラニンが含まれるため毒草として知られますが、ギリシャでは食用とされアテネの青空市場でもよく見かけます。今回気になって少し調べてみたのですが、漢方でも使われるんですね。生薬名は龍葵(リュウキ)で、利尿・解熱・強壮の薬として、あと口角ヘルペス・たむし・ものもらいなどにも効くそうです。古代ギリシャでも同様に、薬として用いられていたようです。

毒性植物なので使い方に注意が必要ですが、ギリシャの、特にクレタ島では割と普通に食用にしています。若い葉や茎のみを使い、ギリシャ流に長時間茹でる方法だと毒が抜けるのでしょうね。上に書いた茹でサラダの他、夏野菜の煮込みなどに加えても美味しいです。他にも毒のある植物はよく食用にされていて、その調理方法もさまざまで興味深いです。

※アマランスは妊婦や授乳中の女性は食べない方がいいという説もあります。
※ブリタは正確には「ヴリタ(βλήταもしくはβλίτα)」ですが、オリーヴ=オリーブなどと同じく「ブリタ」にしてみました。ブログ内の他の記事と統一されてなくて読みにくいかもしれませんが、ご了承下さい。

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vine leaves for freezingドルマデスってあまり作らないんだけど、たま〜に食べたくなる時の為に葡萄の葉を保存しておきます。よくやる保存方法は前にも書いたフリージングです。

私はどちらかと言うと、冬にドルマデスを作ることが多いかな?Diane Kochilasさんのギリシャ料理の本に載ってる「カボチャのドルマデス」がお気に入りです。これは水っぽいギリシャのカボチャが美味しく頂けるレシピ。柔らかい葡萄の葉に包まれた米・カボチャ・ハーブのフィリング、その甘味と葡萄の葉&レモンの酸味が絶妙なバランスです。

私が紹介してるのはドルマダキァ・ヤランジと言って、肉無しバージョンです。日本で作った肉入りのも好評だったので、そのうちレシピを載せてみようかと思います。

tools前に、ギリシャの米はおいしいと書きました。特にミディアムグレインの米(グラッセ)は日本米に似てるから、こちらに住んでる日本人の方もよく食べてるようです。

ある日、いつものようにA社の米を炊いたら、何か様子がおかしい!炊きかたも普段通りなのに、バサバサ・ボロボロの食感に炊き上がってしまいました。失敗したかな?と思って炊き直してみても、仕上がりは同じです。

「A社の米は何故か突然まずくなった」という結論に落ち着き、最近品質が良くなったと思われるK社の米に変えました。そしてしばらくは満足してたのですが、また同じ事が!まずくてとても食べられません。

納得がいかず、同じK社の米を今日別のスーパーで買って来ました。種類もパッケージも賞味期限も全く同じものです。でも、よ〜く見ると米の色が少し違うのに気付きました。まずかった方は白っぽく、新しく買った方は透明がかった色をしています。

さっき炊いてみた所、今日買った米は普通にもっちり美味しかったです。これでひと安心ですが、何故同じブランドの同じ米でこれだけの違いがあるのか、どうしてもわかりません。他の人も同じ体験をしているのかなぁ...?と考えてると、どうも附に落ちない今日のランチタイムでした。

drying okra日本ではその粘りを最大限に生かした使い方が好まれるオクラ。ギリシャでは逆に粘りを極力押さえる工夫をします。その方法は酢に浸ける、数時間日干しにするなど、料理人によってさまざまです。

これはそら豆やズッキーニなど他の野菜にも言えることですが、ギリシャで売られているオクラは若い時期に収穫した小さなものが多いです。その小さなオクラを丸ごと使うわけですが、ヘタを取る時も、中の空洞になってる部分に達しないように気をつけて硬い部分のみを除くようにします。これも粘りを押さえるコツのひとつ。

kotopoulo me bamies最もポピュラーなオクラ料理はトマト煮でしょうか。これを基本に、肉やチキンと合わせたりバリエーションが豊富です。クレタ島では特に魚やカタツムリと組み合わせたりもします。

夏になり、オクラの値段も下がってきたので、私も今年になって最初のオクラ料理を作りました。チキンとオクラのオーブン焼きです。これは鍋で煮ても出来ますし、肉無しで野菜料理としても楽しめます。

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