ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

カテゴリ: 季節もの

この一週間はかなり慌しく過ごしていましたが、無事に復活祭を迎え、ようやくひと息ついているイースターマンデーです。

2024.05.04 easter sweets
うちは家族の食べ物の好みが結構バラバラなため、こういう行事の時はみんなが好きなお菓子の方に力が入ります。今年も沢山作りましたが、オーブンから出た途端に手が伸びてくるので「すぐ食べてもいい分」をキッチンに置いておくのは必須です。


2024.05.04 easter sweets1
ほんのり甘く、香りのいい菓子パンのチュレキと、イースタービスケットは絶対に外せない定番。どちらもやさしい甘さなので、日本人にも受けるギリシャのお菓子です。我が家オリジナルのサワーチェリーとチョコのチュレキは家族の大好物なのでできれば2つは欲しいのだけど、今年は控えめに1個だけにしたら案の定足りなかったみたい。もうすぐサワーチェリーの時期なので、ドライチェリーを多めに作らなければ。


2024.05.04 easter sweets2
チョコは中に入れてるダークチョコだけでもいいかなとも思いましたが、やっぱりホワイトチョコはあった方が断然おいしいです。ビニール袋に入れて溶かし、そのままかけるだけと簡単ですしね。

イースタービスケットは昔知人のお母さんに教えてもらったレシピでずっと作っています。他のレシピを試してみたり、このレシピをアレンジや改良してもいいのだけど、こういうお菓子って思い出も味のうちなのですよね。日本向けに膨張剤をアンモニアの代わりにベーキングパウダーにした(うちではアンモニアで作っています)以外は配合はいじってなくて、やさしい味のビスケットです。バターはギリシャならケルキラ島タイプなど、ミルクの香りがしっかり感じられるものを使うのがポイントです。

もうひとつ、ここ何年か復活祭のお菓子盛り合わせに参加させてるのがシミ島のブティレーニャです(奥の大きな輪っか)。夏のバカンスの時は島のベーカリーで買ったのを朝食やスナックにいつも食べているお気に入り。シミ島には他にもいろんな伝統的なお菓子があって、今回はザハレーニャという粉砂糖をまぶしたクルラキァも食べたくなったので作りました(一番手前に並んでいるもの)。レシピはそのうちどこかで紹介しようと思いつつ、載せてませんが……いつか機会があれば。

あとは復活祭といえばフレッシュチーズのお菓子も欲しいなと作ったサントリーニ島のメリティーニャという甘いチーズパイと、いつもの茶色いイースターエッグ。カラフルなイースターエッグも巷に溢れてますが、やはりギリシャのイースターエッグといえば伝統的な赤。染料を買って作るほど大量にもいらないし、玉ねぎの皮で赤茶〜茶色になるまで煮て作ります。赤いのは出来合いのを少しだけ買ってくるのだけど、今回は気が変わって自作のだけ。ちょっとヒビが入ってしまった(そして色が薄い)のをチュレキの飾りにしました。


2024.05.05 easter breakfast
ささやかな朝食バイキングがちょっとうれしい、復活祭の連休です。


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明日はラザロの土曜日(ラザリのスボタ)。日曜は聖枝祭でいよいよ復活祭まであと一週間となります。

2024.04.24 lazarakia1
行事にちなんだ食べ物としては、レシピ本で紹介したラザラキァというパンを作る地方がいくつかあります。夫の母方の家族に縁のあるシミ島はじめドデカニサ諸島ではよく見られるものですが、全国的にはあまり知られていなかった風習。近年はギリシャのレシピサイトやニュースサイトなどで紹介されてたりして知名度が上がっているようです。

本当は金曜に焼けたらよかったのだけど、いつも金土は慌しいのでなかなか時間が取れず……今年は前倒しで週の半ばに作ってしまいました。

布でぐるぐる巻きにされたラザロの姿を模した形をしていればいいので、生地の配合などはこれと決まっているものはなく、スパイスがほんのり香るタイプが多いよう。リーンな生地にする人もいますが、うちでは菓子パンっぽく作っています。復活祭までは動物性食品を摂らない期間なので、卵やバター、ミルクなどは入れないこと。


2024.04.24 lazarakia2
今回はココナッツのフィリング(※)入りで。本に載せてるのはくるみや干しぶどうを使ったものですが、どちらもおいしいです。

※フィリングは必ずしも入れるというわけではなく、味的にはあった方がおいしいですが、なしで作る人の方が多いです。

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ラザロのパンのレシピはこちらに掲載しています(リンクはAmazon)。ポピュラーな定番ギリシャ料理から珍しい郷土料理まで幅広く紹介していますので、ぜひご活用ください。

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今週はティリニと呼ばれる一週間。ギリシャ語でチーズを意味するティリに由来し、復活祭前の断食期間に入る前に乳製品や卵を食べておく週です。


2024.03.13 pies
特にこれらの材料を使ったパイやパスタ、お菓子などをよく食べますが、私がこの時期だけ作りたくなるのがマカロノピタ(マカロニパイ)。普通の焼きパスタのようなクラストレスのタイプもポピュラーだけど、フィロ生地で包んだものがなんとなく食べたい気分になるのです。他にはチーズたっぷりのポテトパイやトラハナパイなど、あえてダブル炭水化物+乳脂肪に挑みたい。

2024.03.13 makaronopita
今回はフジッリに、チーズはアンソティロ(リコッタのようなチーズ)を多めに使用。リコッタのようなチーズだとあっさりドライな感じになってしまうので、ほんとはフェタや溶けるタイプのチーズたっぷりの方がいいのですが。


2024.03.13 armiopita
もうひとつのパイは、発酵キャベツ(アルミア)を使ったアルミオピタ。北ギリシャのカストリア辺りでよく食べられる郷土料理です。チーズと卵入りのをいつも作っているのですが、久々にニスティシマ(断食仕様の料理)のも作ってみたくなりました。


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冬場は、いきなり沢山のレモンがやってくることが度々あります。

2023.12.20 samali1
レモンと言うと暑い時期に特によく使いたいイメージだけど、旬は冬なんですよね。木を植えているおうちも多いので、いっぱい採れすぎたのを頂くこともこの時期よくあります。

野菜室に入りきらない分は、いろんな保存食や加工品に。巨大化したレモンは皮がとても分厚いのでピールにすると美味しいですが、今回は逆にミニサイズのが結構あったので、丸ごとのシロップ煮を作ってみました。

季節の果物のほか、ナッツや野菜でも作られるシロップ煮は「グリコ・クタリウ」(スプーンスイーツ)と呼ばれ、ギリシャの伝統的な甘味のひとつです。とても濃く甘いシロップで煮てあるため長期間もつ保存食。家庭に常備されたそれは来訪者に振る舞われることが多く、ギリシャのおもてなし文化の象徴とも言えるでしょう。

私が作ったレモンのシロップ煮は伝統的なグリコよりは若干軽めに仕上げてみました。皮をすりおろして別の用途に使ってしまったのだけど、本当は表皮そのままのレモンで作った方がいいです。


2023.12.16 greek yoghurt with lemon glyko
グリコはそのままでも食べますが、ギリシャヨーグルトに添えるのも定番です。丸ごとレモンのシロップ煮も、やっぱりこの食べ方が一番好きでした。


2023.12.20 samali2
ヨーグルトと食べる以外には、サマリというセモリナ粉のケーキにも使ってみました。ギリシャでよく食べられる似たようなセモリナケーキは、レヴァニまたはラヴァニと呼ばれるものもあります。どちらも似たような見た目でシロップをたっぷり染み込ませるのも共通しますが、レヴァニは生地に卵が入りふんわりしているのに対し、サマリは卵なしで厚みも薄めに焼き上げます。また、サマリは風味付けにマスティハを使うのも特徴。生地にはヨーグルトを入れる場合も多いですが、今回はニスティシマ(動物性食品を使わない)にしたので乳製品も不使用のシンプルかつ素朴なお菓子です。

ところで丸ごとレモンでシロップ煮を作る場合の難点は、種が結構ある個体だと食べる時によけるのが面倒ということですが、同じ木に生ったであろうレモンでも、種が全く無いのと多めに入ってるのがあって不思議。


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フリストス・アネスティ!(ハリストス復活)
今日は、ギリシャ正教含む東方教会のイースターサンデーです。

2023.04.15 easter
ギリシャで最も盛大にお祝いされる大きな行事が復活祭(ギリシャ語ではパスハ)。行事食としては、動物性の食品を節食する長い断食が明けた途端に肉料理のオンパレードになります。
特にラムや仔山羊の料理が定番で、豪快に丸焼きをするおうちも多いですが、うちは家族がラム肉をあまり食べないので、代わりにお菓子を沢山作ります。


2023.04.15 easter1
毎年必ず作るのは、チュレキという菓子パンとイースタービスケットです。チュレキは我が家オリジナルのサワーチェリーとチョコのが大人気なのでブログに載せてるレシピの分量よりも多く作るんですが、それでもすぐなくなるから最近は違う種類のも。今回はスタンダードなスパイス類(マスティハ、マプレピ、カルダモン)とオレンジで香りをつけたプレーンなチュレキにしました。


2023.04.15 easter2
サワーチェリー&チョコのチュレキは巻き込む作り方にしたけど、練り込んだ方がちょっと潰れたチェリーが生地になじんで美味しい気がします。練り込むと飛び出したチェリーやチョコが焦げやすいという難点があるので、どちらにするか悩むところですが……。
プレーンなチュレキは久々にイースターエッグを埋め込んで焼いてみましたが、こちらは生地が開いてしまったので出来がいまいち。

イースタービスケットは、夫の友人のお母さんに教えてもらったのを作り続けています。これもオレンジ風味などバリエーションがあるんですが、バターと卵とバニラのやさしい風味のが好きすぎてずっとこれ。

ビスケットのお皿で、後ろに並んでいる風合いが少し違う輪っかはここ数年復活祭にも作っているシミ島のクルラキァ。ブティレニァ(バター風味の)と呼ばれるけど前述のイースタービスケットよりもかなりリーンな感じでチーズなんかと一緒に軽食にもぴったりな味わいです(これはかなり試作を重ねたレシピで、大事にしすぎて今のところ未発表。作り方が気になっている方すみません)。

フレッシュチーズを詰めたお菓子も2種類。葉っぱの下に隠れてるのはレシピ未発表ですが、レシピ本にはクレタ島のリフナラキァというお菓子を自家製チーズで作る方法で掲載、CLASS101ではサントリーニ島のメリティーニャ(今回も作ったお菓子のひとつで、手前の方)をご紹介しています。このようなチーズのお菓子は特にエーゲ海の島々に多くのバリエーションが見られ、復活祭の定番お菓子でもあります。ちなみに似たようなお菓子がイタリアのプーリア地方やサルデーニャ、シチリア辺りにもあり、復活祭によく作られるそうです。


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ギリシャでのイースターの祝い方などご紹介した記事です。


イースターに食べる定番ビスケットのレシピ。


イースターに欠かせない菓子パン「チュレキ」。伝統的なものはマスティハやマフレピといった香料を入れますが、こちらは日本で入手しやすい材料で作ったアレンジです。


我が家で一番人気の変わりチュレキのレシピ。


Twinkle Japanのブログ記事「イースターエッグのまとめ」にて拙ブログをご紹介いただきました。



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