ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

カテゴリ: レシピ

春らしいパスタをもうひとつ。

2025.05.10 pasta with artichoke,peas and vine leaves
くたっと煮た野菜はそれだけでいくらでも食べられますが、パスタのソースにするのも好きです。アーティチョークとソーセージミートのパスタを作っていて、そういえばグリーンピースとの組み合わせも食べたいのだったと思い出したのでした。


2025.05.10 pasta with artichoke,peas and vine leaves1
みずみずしい新玉ねぎか、ねぎの淡い色の部分を控えめな量、刻んでフライパンに入れます。にんにくはなくてもいいのだけど、入れたかったら小さいのをひとかけ、叩いてこれも放りこみ、オリーブオイルを多めに加え弱火で色づかせないようやさしく炒めます。

しんなりしたら、硬い部分や毛羽を除いて薄切りにしたアーティチョーク、グリーンピース、塩ひとつまみと水適量を加えふたをして煮込みます。

アクセントになるハーブも何か入れたいですが、この時期ならではのギリシャらしい食材、ぶどうの葉をハーブ的に使いました。旬素材と言いつつ、実は去年の残りなのですが……ほんの数枚余ったのを冷凍しておいて、結局使わないうちに次のシーズンが巡ってきてしまったパターンです。


2025.05.10 pasta with artichoke,peas and vine leaves2
ぶどうの葉というと、ドルマデス(ドルマダキァ)をはじめ「包む」イメージが強いけど、こんな風に使うのも結構おすすめですよ。パッと見、何かわからないので意外性があり、独特な風味も効果的です。


2025.05.10 pasta with artichoke,peas and vine leaves3
パスタはパッケリをあわせてみましたが、ギリシャ風にこだわってヒロピテスでも、他の合いそうなものなんでもいいです。
茹であがったパスタを野菜のソースに加え軽く煮てなじませ、すりおろしたチーズを加え和えてできあがり。丁度うちにあったクレタ島のグラヴィエラチーズ(羊乳ハードチーズ)が風味の面でも主張しすぎず、淡雪のように溶けて理想的な仕上がりになってくれました。

バリエーション:野菜だけでおいしいパスタだけど、シーフード入りで作るのも好きです。やわらかい小さなえびか、もしくはいかでも。シーフード入りの場合は仕上げのチーズは不要です。


【関連記事】

アーティチョークの下処理方法はこちらを参考に

ギリシャのパスタ、ヒロピテスのレシピ

シーズン終わりの追い込みでアーティチョークの料理が続きます。

2025.05.06 pasta with artichoke and fennel sausage
これは、先日のランチに作ったパスタ。
アーティチョークとえびか何かをあわせたいなと思ってたのだけど、私しか食べられないのでソーセージミートに変更。ソーセージといっても適当に作る気軽なもので、粗びきの豚肉に塩、こしょう、粗く砕いたフェンネルシードとおろしにんにくを加え一日寝かせておきました。

フライパンでちょっと平たくしたソーセージミートを焼き、色づいてきたら木べらで割りながらさらに炒めます。薄切りのアーティチョーク(※)と粗く刻んだフェンネルの葉も加え炒めあわせ、水か白ワインを少し加えふたをしてアーティチョークがやわらかくなるまで蒸し煮にします。
茹でたパスタを加え和え、お好みで仕上げにチーズを。


2025.05.06 pasta with artichoke and fennel sausage1
あわせたパスタはタリアテッレやフェトチーネよりもう少し幅広に切った自家製のものです。
卵だけで捏ねたのは私の好みには卵の風味が強すぎるので、生地には水か牛乳も加えています。普段計量して作ることはほぼないのですが、昔ご紹介したヒロピテス(ギリシャでよく食べられる平たいパスタ)のような感じなので、作ってみたい方は関連記事を参考にどうぞ。

※フレッシュなアーティチョークには劣りますが、缶詰のアーティチョークを使っても結構いけます。

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自家製パスタのレシピ

アーティチョークの下処理はこちらを参考に

今日は、キリストのエルサレム入城を記憶する日である聖枝祭。
ギリシャ語ではキリアキ・トン・ヴァイオン(棕櫚の日曜日)といいます。

2025.04.13
復活祭前の断食期間中に魚食が許される日は3月25日の生神女福音祭と聖枝祭の2日。聖枝祭は移動祝日である復活祭に連動して毎年日付が変わるのですが、復活祭の前の日曜にあたります。

ギリシャの独立記念日と重なる3月25日はとにかく干し鱈フライ!という感じなのに対し、聖枝祭の魚食はそこまで力が入ってないような気がします。私の身近な範囲に限っていえば、夫の家族はあまり行事の時の料理など張り切るタイプではないので、聖枝祭に魚料理を食べていたという記憶もないそう。

まあでも行事食には乗っかりたい日本人の性で、今日は昼ごはんを魚のメニューにしてみました。プタスダラ(ギリシャ語ではプロスフィガキ=難民の子という名前)に小麦粉をまぶして揚げたのをメインに、オリーブオイルとレモンをかけて食べる茹で野草(ホルタ)。あと何か豆料理も欲しいな〜と結構直前になって思い立ち、すぐできる黒目豆ごはんも追加しました。

シンプルな豆ごはんは付けあわせとしても汎用性が高いので、分量は出してないですが作り方を記しておきます。パラッと仕上げても汁気多めでリゾット風でもおいしいので、ざっくりレシピに恐れずお試しを。

黒目豆ごはん(マヴロマティカ・メ・リジ)

1.黒目豆は水戻ししなくてもOK。洗って鍋に入れ、かぶるくらいの水を加え沸かして一度茹でこぼします(アク抜きと、色が黒くなりすぎるのを防ぐため)。もう一度水を加えやわらかくなるまで20〜30分茹でます。

2.その間に、豆と同じくらいの量の米を洗ってしばらく水に浸け、ざるに上げておきます。今回は炊いて冷凍してあったごはんを使ったのでその場合の作り方も書いておきますが、どちらでもお好みで。

3.フライパンに刻んだ玉ねぎとオリーブオイルを入れ、あまり色づかないように炒めます。やわらかくなったらにんにくも刻み入れて香りが立つまで炒め、お好みで赤唐辛子フレークも加えます。

4a.生米の場合はここで加えオイルが回るまで炒め、茹でた豆も加え適当に水加減して塩こしょうを加えふたをして炊きます。パラッと仕上げの場合は5分くらいで炊けるので、しばらく蒸らしてからかき混ぜ、味見して足りなければ塩こしょうでととのえます。

4b.ごはんで作る場合、3に豆と水または茹で汁を加え塩こしょう(ピラフのように仕上げたい場合はごはんがやわらかくならないよう水分量控えめに)加え数分煮、ごはんを加え混ぜふたをしてごく弱火にして、全体が熱くなるまで炊いて火からおろししばらく蒸らします。

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カロミナ!(月初めの挨拶)
断食期間のうちにベジ料理をもっと載せたかったのだけど、あっという間にイースターになりそう。今年は西方教会と東方教会ともに4月20日です。

2025.03.18 fasolia me lahano toursi
今日ご紹介する料理は自分でキャベツを漬けようと思うと少し日数がかかってしまうのですが、素朴ながらもおいしい豆の煮込みです。

スラブ系の食文化に近いものも多い北ギリシャではキャベツの漬物を使った料理があると以前書きましたが、これもそのひとつ。普通にキャベツと豆を煮込んだだけでもおいしいけど、発酵により醸し出される酸味と複雑な風味が、フレッシュなキャベツをそのまま使うのとはひと味違った料理に変身させてくれます。

作り方はいろいろあり、トマト味、トマトなしでパプリカだけの味つけ、米も加えたラハノリゾ(キャベツごはん)のバリエーションのようなタイプ、豆スープの残りに発酵キャベツを加えて展開料理として作るパターンなど。それぞれのおいしさがあってどれも捨てがたいです。


2025.03.18 fasolia me lahano toursi1
レシピは一番シンプルなパプリカ味で書いてみたので、興味のある方はお試しください。


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出かける用事や仕事などでちょっと慌しかった週の、ありあわせ野菜料理。

2025.01.30a
乾燥豆の料理や煮込み料理は、世間一般ではどちらかというと「手間がかかる料理」に分類されるようです。
確かにどちらも調理に時間はかかるし、外で働いてる人が帰宅後すぐに用意できるものではないですが、作業時間自体は短いので、私にとっては楽な料理です。夜寝る前や隙間時間に、ちょこっと仕込みをしたりというのが苦にならない性格というのもあるでしょうね。

作るものが思い浮かばなかったので、豆があればそれなりにボリュームのある料理が作れるな……と、乾燥ひよこ豆を水に浸けたのが月曜の夜。
火曜の午前中にでも圧力鍋で茹でるつもりが、買い物、料理、仕事などで朝から夜までバタバタしていたら、結局丸一日ぐらい経ってしまいました(夏場は発酵しやすいので、あまり長く置く場合は冷蔵庫へ移した方がいいです)。

火曜の夜に茹でたひよこ豆は、半分をサラダにしました。刻んだ玉ねぎとパセリだけ入れて、味つけは塩こしょうとワインビネガー、オリーブオイルのシンプルな豆サラダ。水曜は留守にするから、早い時間に食事をとる夫に「好みで他の具材など足してカスタマイズして」と託しておきました。

残りの豆はカレーにでもしようか、それともなすと一緒にギリシャ料理の煮込みかオーブン焼きにする?と考えていたのだけど、次女が食べたいと言っていたシーザーサラダ用に買ったロメインレタスの外葉を分けて洗ってあったのを使ってしまわなければいけなかったので、この2つをあわせることに決定。

刻んだ玉ねぎと多めのオリーブオイルを鍋に入れ、ほとんど色づかせないように、やさしく炒めます。玉ねぎがやわらかくなったらにんにくも刻み入れ、香りが立つまで炒めたらグレーターで粗くすりおろしたトマトを加えます。

トマトが崩れてソースっぽくなるまで軽く煮たら、ざく切りにしたロメインレタス、茹でひよこ豆と煮汁を適量加え煮ます。この時、あればハーブも刻んで加えます。今回はパセリとディルを入れましたが、セロリの葉っぱやフェンネルの葉でも。味付けは塩こしょうだけでもいいし、酸っぱめが好きならレモンを、ピリッとしてるのがいいなら赤唐辛子フレークを控えめに加えます。

2025.01.30b
レタスがくたっとし、汁が程よく煮詰まったらできあがり。こういう煮込みは火からおろして少し置くと味がなじんで美味しくなります。

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