ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

カテゴリ: おすすめ食品・食材

色合いこそ地味めだけど、春を感じられる料理のひとつがこの煮込みです。

2025.04.11 aginarokoukia
冬のおわりの寒さが厳しい頃から、市場に並びだすアーティチョークとそら豆。どちらも初夏まで出回っているので長く楽しめますが、若いそら豆が食べられるのは限られた期間だけです。

走りの、指くらいの太さのものはとてもしなやか。中の豆はとても小さく、むいて食べるのには適さないので、さやごと煮たり揚げたりする料理に使います。

定番の組み合わせのアーティチョークとそら豆の煮込みには、もうちょっと大きくなって中の豆の存在感も増したものがいい。今年はもう時期を逃してしまったかなと思っていたところ、滑り込みで作ることができました。

そら豆はさやの手触りがベルベットを思わせる感じなら、ちょっと育ち気味に見えてもまだ大丈夫。両端の筋が硬くなってしまったものは丁寧に筋取りして、豆のふくらみのある部分を避けて食べやすい長さに切ります。さやがつるっとした感じになってしまったらもう硬いので、むいて中の豆を皮ごと使います。

日本では若いそら豆はあまり売ってないかもしれませんが、さやまで食べられるほどのは無理でも、まだ黒い筋が出てない皮ごと食べられるものに出会ったら、ギリシャの煮込みにしてみようかな......と、思い出してもらえるとうれしいです。

2025.04.11 aginarokoukia1
アーティーチョークも日本では入手が困難だったり値段が高かったりしますが、そら豆だけで作ったり、アーティチョークの代わりにじゃがいもを入れてもおいしいですよ。

レシピは以前載せたので、下記リンクからご覧ください。
今回ハーブはフェンネルを使いました。

【関連レシピ】



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この夏のバカンスではいつものシミ島のあと、サモス島にも立ち寄りました。そこの郷土料理のひとつが、細長い形をした玉ねぎに米などの詰め物をしたクレミドドルマデスです。

2024.09.05
Κρεμμυδοντολμάδες Σάμου

玉ねぎのドルマデスまたはイェミスタ(地方によってはそれ以外の名前で呼ばれることも)はギリシャの島々で結構よく見かける料理なのですが、サモス島のそれは特産品である細長い形をした玉ねぎを使うのが特徴です。


郷土野菜にはザキントス島のネロクレミド(水たまねぎ)のように全国のスーパーで見かけるようになったものもありますが、生産量が少なく地元でしか消費されないものもあり、サモス島の長い玉ねぎは現地でも売っているところが限られるよう。

samos onions
いくつか見て回ったスーパーや八百屋には普通の玉ねぎしか置いてなかったけど、夫の仕事関連でたまたま行ったカルロヴァシで、道を訊くために車を停めた場所にたまたま特産品マーケットがありそこで発見。早々に目的を果たすことができ、玉ねぎを旅の供にうきうきで島を巡ったのでした。

ちなみに特産品屋外市場という大きな看板が出ていたものの、駐車場の端に屋台がぽつんとひとつだけ。たまに来る客の相手をしつつ、店番の女性がのんびりといんげんのヘタ取りをしていました。

この玉ねぎは島の南東のクメイカという村やマラソカンボスの辺りで栽培されているそう。何曜日にやってるのかは知りませんが、青空市場でよく売っているようです。

2024.09.06a
今回の旅ではレストランで食べる機会はなかったので、市場の女性に聞いた話など参考に、アテネに戻ってから自作しました。「別に、ロールキャベツと同じだよ」とのことでしたが、風味付けにオールスパイスを使うのが特徴でしょうか。彼女はディルとパセリを入れると言っていましたが、ハーブはフェンネルを入れる人も多いみたいです。


2024.09.05a
まあまあな量の玉ねぎを買ってきたので、半量を炒めた挽き肉入り、半量を肉なしで。肉入りの方のハーブはフェンネルとパセリ、肉なしはディルとパセリにしてみました。どちらもちょっと多めのオールスパイスと、控えめな量のトマトペーストを使った味つけ。包むのに使えない玉ねぎの中の層(少なければ普通の玉ねぎも足し、玉ねぎ多めにして甘味を出します)は刻んで炒め、フィリングに加えます。

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こちらは肉なし。トマトペーストを入れたつもりだったけど、やけに白く見えるから忘れたのかも?


2024.09.05b
お味の方は、特にひき肉入りのが親しみやすい甘辛味といった感じでよかったです。


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サラダはトマトときゅうりにスベリヒユ。暑いのにうんざりしながらも、食べものに関しては、秋の実りよりも夏をもうしばらく感じていたい気持ちが優勢です。


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まだ6月だと言うのに、先週はアテネでも40℃超えという熱波に見舞われ完全に夏になってしまいました。

2024.03.24 mastiha soda
暑さ寒さどちらにも弱い私はすでにバテ気味ですが、今週は暑さが若干ましになりひと息ついているところです。料理をする気力も少し戻ってきたので、今日は果敢にもオーブンフル稼働でイェミスタ(スタッフドベジタブル)を作ったり、余熱を利用して保存用にサワーチェリーを干したり。

それはまた次回にでも載せるとして、写真は春に作っていたマスティハソーダです。確か、日本のテレビ番組でマスティハソーダが紹介されていたとかで、妹が飲んでみたいと言っていたのでした。

「前に持って行ったマスティハ、どうせ使わないなら砕いて炭酸水に浸けてみたら?」

……と思いつきで提案した手前、自分でもちゃんと試してみました(妹はやらないだろうけど)。

作り方は簡単で、細かく砕いたマスティハをお茶パックに入れて炭酸水に丸一日ほど浸けておいただけ。量は、1リットルの炭酸水に小さじ1/2ぐらいの粒を入れたでしょうか?一応、ちゃんとマスティハ風味の炭酸水になりました。

マスティハ風味の炭酸水はギリシャだとスーパーで普通に売ってるのでわざわざ作る必要はなく、そして日本ではマスティハ自体入手が少し難しそうなので、特に誰かの役に立つ情報ではないですけど。持て余しているマスティハがあれば、こういう使い方もいいかもしれません。


【関連記事】

マスティハの飲み物と言えば、以前リキュールも作っていました


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ひな祭りに作りたかったお菓子。少し遅れたけどできました。

2024.03.06 daifuku
2年前に発表したものなので新しいレシピではありませんが、ベルガモットピールを入れて作りたいなとずっと思ってたのをようやく(レシピではレモン使用です)。
冬と春の間ぐらいの比較的短い時期に出回るベルガモットは、レモンとはまた違ったタイプのよい香りで、ギリシャではグリコ・クタリウ(スプーンスイーツ)と呼ばれるとても甘いシロップ煮にするのが定番です。

2006.02.15 bergamot
<ベルガモットの写真、すごーく昔に撮ったのしかなかった……>

私がこの大福に使っているピールは、一般的なグリコよりもしっかり酸味を効かせているのがポイントなので、自作推奨。ベルガモットの実も全部絞って入れています(もしくは剥いて種を除いた果肉をそのまま加えても)。

出来上がった大福もちは、マスティハやウゾにオレンジフラワーウォーターなどギリシャらしい「香りもの」をあわせたフュージョン菓子ですが、どの香りもあまり突出することはなくいいバランスで仕上がっていると思います。
今回、お友達にちょっとだけ味見してもらったのですが、気に入ってもらえたようなのでもっとお渡しすればよかったなぁ……人にあげるとなると、自信がなくなりどうも腰が引けてしまう私です。



ギリシャな大福の詳しい説明は、noteに載せたこちらの記事からどうぞ。レシピ部分は有料に設定していますが、その手前まで読めます。


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暑い日が多くてバテ気味だったこの夏も、8月下旬に入って終わりが見えてきました。
とは言え、今週はまた少し暑さがぶり返しているし、ギリシャ各地が森林火災で大変なことになっているのですが……。

2023.07.25 vlita tsigariasta
気持ち的に落ち着かない日が多かったり体調もいまいちだったりで、この夏は料理も最低限、「いつものメニュー」みたいなものの繰り返しで乗り切っています。
なので目新しいものはご紹介できないのですが、「とりあえず何か野菜を」の一品に、この時期助かるのが葉野菜のアマランサスです。


2023.07.25 vlita (2)
ギリシャの市場で売ってる葉野菜って泥がついてたり洗うのが大変なものが多いのですが、草丈が高いアマランサスは洗うのが楽なのでうれしい。穂先以外は筋があったりするけれど、泥だらけのほうれん草を洗うのに比べたらこれぐらいすぐにできますしね。ちゃんと筋取りすれば、太い茎もおいしく食べられます。


2023.08.11 horta
一番シンプルな温サラダのような食べ方は、ただ茹でて塩とオリーブオイルとレモンでもいいのだけど、この日は茹でた黒目豆と一緒に。刻みにんにくとあわせておいたビネガーとオリーブオイルをかけました。
アマランサスだけでもいいのだけど、こんな風に他の茹で野菜や豆と一緒に食べるのが好きで、メインはいらないくらいです(焼き魚でもあれば、それはそれで最高)。


2023.07.25 vlita
そして、くたっと煮た青菜もおいしいですよね。
日本だと出汁を含ませて炊くところだけど、ギリシャ風のトマト味もおいしいですよ。「ギリシャのごはん」本の増補新装版で追加したレシピのひとつ、「アマランサスとオリーブの煮込み」は我が家の定番でシーズン中何度も作る料理のひとつです。


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