ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

カテゴリ: おすすめ食品・食材

loukoumiトルコ語ではロクム、英語ではターキッシュ・ディライトと呼ばれるものです。砂糖や澱粉(コーンスターチ)を長時間火にかけて練って作られます。仕上げに加える香料やナッツで、いろんなバリエーションがありますが、最もポピュラーなのはローズウォーターで香りを付けたものでしょうか。私のお気に入りもこれです。

ギリシャではシロス島のものが有名で、これは1920年代にトルコから引き上げてきた人々によって伝えられたそうです。

...と、思ってたらギリシャのサイトではちょっと違う説明でした。まずその名前。ギリシャコーヒーをトルココーヒーと呼ぶのが禁句なのと同じく、ルクミの英訳も「グリーク・ディライト」とされています。そして、
トルコではなくヒオス島からの移民によって伝えられたということになっていました。

どちらの説を信じるかはともかく、確かにシロス島のルクミは美味しいです。どこにでも売ってるというわけではないので、たまに他のを買うと、はっきり違いがわかります。

ところでギリシャでは、とろけるように柔らかく煮込まれた肉の食感を表現するのに「ルクミ」という言葉を使います。こちらのお菓子の多くがそうであるように、ルクミもかなり甘いのですが、まったりとした食感は癖になります。

sour cherry夏の果物の中でも、私が毎年楽しみにしてるのはヴィシノ(βύσσινο,βύσινο)。サワーチェリーのことです。ちなみにアメリカンチェリーのようなダークチェリーはケラシ(κεράσι)、日本のさくらんぼに似てるものはペトロケラソ(πετροκέρασο)といいます。ヴィシノは大体6月下旬〜7月頃に出回り、シーズン中は毎週1kgは買って保存食作りをしています。

私が作るのはシロップ煮。ギリシャでは果物、野菜、ナッツなどをシロップで煮たものをグリコ・トゥ・クタリウー (γλυκό του κουταλιού) と呼びます。スプーン・スウィーツという意味で、その名の通りティースプーンで食べます。最近では少なくなりましたが、客をグリカでもてなすのが昔からの習慣です。色とりどりの果物のシロップ煮は宝石のように美しいのですが、蜂蜜のようにとろりとしたシロップに漬かっているので、すご〜く甘いです。


sour cherry spoon sweetsグリカはそのまま食べる他にはヨーグルトやアイスクリームにかけたりします。ヴィシノはカイマキ・アイスクリームにかけるのがポピュラーですが、私達はチョコレートアイスとの組み合わせも好き。特に手作りのシロップ煮だと、香りも酸味も格別です。アイスクリームにかけるにはギリシャの伝統的なグリカ・クタリウーだと甘すぎ・ヘビー過ぎなので、私はかなり軽めのシロップにしています。


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1813292f.JPG私が好きな清涼飲料、クレタ島のゲラニ(Γεράνι)というメーカーのビラルです。色は茶色くて、コーラ?って思いますが、味は風邪シロップを思わせるような感じ。ビラルってクレタ島のものなんでしょうか?クレタ島の他のメーカーからも出ています。

前にクックパッドでもちょっと紹介したのですが、ブログでも...と思ってたら、ギリシャについてのサイトを持っていらっしゃるXasimotoさんが、丁度この会社について詳しく書いていらっしゃいました。その記事はこちらです。

最近ちょっとデザインが変わりましたが、このかわいいロゴは健在です。

buttermilk1バターミルクはギリシャ語では普通「クシノガラ」や「クシノガロ」と呼ばれ、酸っぱい牛乳という意味です。本来バター製造の際に出来る副産物で、ヨーグルトのように牛乳を発酵させた後、攪拌して脂肪分を取り出します。これがいわゆる発酵バター。バターは水洗いして余分な成分を除き、塩を練り込んで保存します。

そしてバターを取り出した後に残った液体がバターミルクです。現在売られているのは、このような伝統的な製法で作られたものではなく、低脂肪乳に乳酸菌を加えて発酵させてあります。成分は水分が90.5%、蛋白質が3.6%、乳脂肪が1.5〜2%です。

同じようなもので、地方によっていろいろな呼び名があります。タン、アイラニ、アリアニなどが思い浮かびますが、アイラニやアリアニはトルコ〜中東で飲まれるヨーグルトドリンク「アイラン」から来たものでしょうか?タンはアルメニア語に由来するようです。

buttermilk2タンをさらに加工したものに「パスキタン」というものがあります。北ギリシャ〜黒海沿岸辺りに見られるもので、これはタンを15分くらい煮てから漉してあり、チーズに近いものです。パスキタンは「シロン」という、薄いパンかパスタのようなもの(ぐるぐる巻いたのを切って、焼いてあります)にかけて食べたりします。

こちらで売ってるバターミルクをいろいろ味比べしてみました。私がよく買うのはファゲ(写真2の左)かオリボス(写真3)のものです。ちなみにオリボス=オリンポス山のことで、あの辺りにある牧場で生産されてます。この二つはどちらも微炭酸っぽく、舌にピリッとくる感じが好きです。ロンドンの健康食品店でよく買っていたケフィールを思い出しました。

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efd28496.JPGドライトマトというとイタリアを連想しますが、ギリシャでも作られます。強烈な太陽の下で熟し、そして干されたトマトは、イタリアのものに負けず劣らず美味しいです。

瓶詰めになったオイル漬けのものもあるけど、私は乾燥させたそのままのものが好きです。エヴリピドゥ通りの乾物&スパイス店、地方特産品の店、デリカテッセンなどに売ってます。

そのまま食べても美味しいドライトマト。うちでは他にもドレッシングに加えたり、またこんな料理もよく作ります。簡単で美味しいのでおすすめです。

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