ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

カテゴリ: 献立

娘の試験期間が終わり、いち早く(ほぼ)夏休みに突入。同じタイミングで本格的な暑さがやって来ました。

2024.06.05a
あまり規模の大きくない近所の青空市場では、そろそろ終わりのぶどうの若葉を売っている屋台がひとつだけありました。


2024.06.04 vine leaves
近寄ってよく見たら柔らかそうな葉っぱだったので、まだ作ってなかったハーブライス入りドルマダキァに決定。肉なしドルマデスの一番ベーシックなタイプで缶詰も売られてますが、手作りは格別です。


2024.06.05b
夏季に一番よく食べる青菜はアマランサスですが、立派なふだんそうもまだ売られてたので一束購入。いろんなハーブとフェタチーズをあわせてホルトピタ(青菜パイ)にしました。このタイプのホルトピタも多分シーズン最後ですね。春と初夏の名残を惜しむような献立になりました。


2024.06.05c
ドルマダキァは、自分用にえび入りも少し。ハーブライスのフィリングに粗く刻んだ生のえびを混ぜ込んだだけですが、シーフードの旨味が加わったこちらもおいしかったです。


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今日はあまり作りたいものがないので、こういう時のために冷凍しておいたミートソースでとりあえずのパスティチオ。

2024.05.28a
ムサカのパスタ版のような……といつも説明してますが、多分ムサカよりよく食べられている料理です。野菜を焼くより若干手間が少ないし、パスタはみんな好きですものね。ギリシャの多くの料理がそうであるように、熱々焼きたてを出さなくてもいいので、結構バラバラな時間に食事をとる我が家では、好きな時に食べてね〜とばかりに作って置いておきます。

もちろん焼きたてには焼きたてのおいしさはあり、真っ先に食べるのは大体いつも夫ですが。なぜか日本人の私の方が「熱いものは熱々のうちに、冷たいものはよく冷やして」というこだわりが(少なくともギリシャ料理に関しては)なくなっている気がします。


2024.05.28b
オーブンついでのもう一品は、早く使わなきゃいけないマッシュルーム消費のために作ったマニタロピタ(きのこパイ)。これも適当なもので、玉ねぎとマッシュルームを炒めてセモリナ粉を振り入れ、牛乳とチーズを少し加えて塩こしょうで味つけ。小麦粉に塩少々と水を加えて捏ねた生地を薄くのばしてオイルを塗って包んでオーブンで焼いたらできあがり。生地を薄くのばすのに慣れが必要だけど、習得すればありあわせの材料であまり時間もかからず作れますよ。ブログ・書籍ともに、生地を一枚一枚薄くのばさなくていい方法も紹介していますので、ぜひお試しください。


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イースターサンデーの料理部門。直前までどうするか決めかねて、やっつけで作った復活祭メニューらしきものです。

2024.05.05 easter1
昨日の記事でも触れましたが、復活祭のお菓子は我が家の伝統と言えるような定番ができあがっているけれど、料理は毎年どうしようか悩みます。
ギリシャの復活祭の料理はラムや仔山羊の丸焼きが有名。丸焼きでなくともこれらのお肉を使った料理が定番で、伝統的な食卓には欠かせないものとなっています。それに加え他の肉料理やレバーなど内臓の料理が前菜に出てきたりと、胃袋の限界が試されます。

とは言え、近年はそんなに大量の肉を買っている人はあまり見なくなりました。昔は復活祭前に市場やスーパーへ行くと、丸ごとのラムをカートに積んだり抱えて運んでいる人をよく見かけたものですが。経済的な理由が一番大きいのでしょうけど、他にもさまざまな要因がありそうですね。

うちの場合、私と長女しかラムを好んで食べないし、モツが好きなのは私だけ。それでもちょっと何か作りたいしラムレッグでも買おうかなと迷っているうちに買いそびれてしまいました。全部のお店がというわけではないはずですが、復活祭直前は抱き合わせ商法で頭も付けられてしまうので、それは今いらないなぁと。

ヴィーガンの復活祭メニューも随分前に考えてたのだけど、詰め物をしたラムが食べたい気分でもあったので、雰囲気だけでもと思い冷凍庫にあった鶏もも肉を捌いて作ったのが今回のメイン。ラムや仔山羊に詰め物をして焼いた料理は島でよく見かける気がしますが、一頭丸ごとだったり、小規模に腿や肩肉で作ったり。詰め物も、地方によっていろいろです。今回はナクソス島風に、ふだんそうとハーブと米のフィリングで。少し前に載せたふだんそうパイのフィリングと同じような材料ですが、肉に詰める場合はレバーなど入れたりもします。


2024.05.05 easter2
こんな感じで、なんとか閉じてたこ糸で縛ったけど、針と糸で縫うとか楊枝で留める方がよさそう。ちょっと心許なかったので、とじ目を上にして焼き途中で一回ひっくり返しました。


2024.05.05 easter3
焼き上がりを切ってみたところ。チキンヴァージョンもおいしいのだけど、やはりラムで作ったのが食べたい……チキンでもせめてレバーを入れたかったなぁ。


2024.05.05 easter4
もう一品は考えてたヴィーガンメニューからひとつ、ジゲロサルマデス。羊モツを米やハーブとあわせたフィリングを網脂で包んで焼いたものです。かなり前の復活祭に作ったことがあるので、興味のある方は関連記事をご覧ください。ヴィーガンヴァージョンは網脂の代わりにライスペーパーで包んでみたのだけど、焼いてるうちにちょっと破れてしまいました。味はよかったのだけど、材料をシンプルにするため省いた材料はやはり入れるべきだったかも。こちらもちょっと課題の残る仕上がりでした。


【関連記事】

2024年の復活祭、お菓子部門はこちら


ジゲロサルマデスを作った時の記事です(レシピはなし)


今回作った詰め物料理と似たフィリングを使った植物性材料だけのパイ。ナクソス島ではふだんそうをよく食べます

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復活祭前ですが、うちは普段の食生活と変わりなしで節制はしていません。と言っても、元々肉料理は週に2回程度。特に私と夫は野菜や穀物中心の食事です。

2024.04.17 meze
昨日はみんな大好きなケフテダキァ(揚げミートボール)を作りました。
少し前にSNSで日本の学校の給食メニューにケフテデスが出たというのを見たのですが、ギリシャ語でミートボールがケフテス、複数形だとケフテデスになります。

さまざまな種類や食べ方のあるミートボールですが、ギリシャのものはミントやオレガノなどハーブの程よく香るタイプが基本(クミンなど入れる場合も)で、一番ポピュラーなのは小麦粉をまぶして揚げたものです。私のブログや本では普通のひき肉のミートボールのことはケフテダキァという表記になっていますが、これはギリシャで一般的な呼び方で、特にこのような揚げミートボールのことは「小さいミートボール」やただ単に愛称のような感じでケフテダキァ(ケフテダキャ)といいます。ちなみにぶどうの葉で米を包んだ料理をドルマデスといいますが、これも同じ感じでドルマダキァ(ドルマダキャ)と呼ぶ方が一般的です。

前置きが長くなりました。料理写真のミートボールは本当に小さなひと口サイズですが、レギュラーサイズの半分くらいの大きさです。ミートボールは食べムラのある次女の分がいっぱいあった方がいいなと思って、多めに作っても私は少しつまむ程度。別に我慢してるわけではなく、これぐらいの量を豆サラダなんかと一緒に盛り合わせたおつまみプレートで楽しむのが好みなのです。

このような盛り合わせはピキリアといって、ギリシャの居酒屋的なお店や昔ながらのカフェニオン(主に男性が集うカフェ)でもよく出てきます。ウゾに合うメゼのピキリアだとシーフードが中心だったり、その時にあるメゼを適当に盛り合わせただけなんですが、ワンプレートにいろいろまとまってるとなんだか楽しくて、軽く一杯飲むのにいいんですよね。

ケフテダキァのほかにはティロカフテリ(フェタチーズと唐辛子のスプレッド)、ペットボトル漬けカラマタオリーブ、レンズ豆のサラダ、にんじんとチーズのサラダ。これはほんの一例なので、みなさんもギリシャのメゼをいろいろお好みで組み合わせて楽しんでみてください。


【関連記事】
夫の叔母さんの揚げミートボール。チーズは入れなくてもおいしいです。

こちらのレシピではクリームチーズも入れてますが、いつもはフェタチーズと唐辛子だけかギリシャヨーグルトも少し加えて作ってます。

豆サラダはいろんなバリエーションを載せていて、これが今回のにちょっと近い感じです。トマトやルッコラ、バルサミコは入れてませんが。


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今年は3月後半の月曜がどちらも祝日でした。

2024.03.25a
移動祝日である復活祭に連動する大斎(断食期間)のはじまりが先週の月曜、そして昨日は毎年3月25日にお祝いされる生神女福音祭とギリシャ独立記念日(オスマン帝国の支配下にあったギリシャで革命が起き、独立戦争を開始したことを記念する日)。

動物性の食品を摂らない断食期間中には魚も禁止食品に含まれるのですが、特別に魚食が許される2日のうちの1日が生神女福音祭なのです。特に干し鱈のフライにガーリックソースを添えた「バカリァロス・スコルダリァ」が定番。なぜ干し鱈を食べるのが伝統なのかというのは以前にも何度か書いていますが、流通が発達していなかった時代において、干し鱈はギリシャ中どこでも入手しやすい魚だったというのが大きな理由でしょう。

ギリシャで長く暮らしていて気付いたのが、似たテーマの記念日と料理のイメージが結びついたのか、近年はオヒ・デー(第二次世界大戦への参戦を記念する日)や生神女就寝祭(聖母マリアの永眠を記憶する日)にもバカリァロス・スコルダリァを食べる人が増えているらしいことです。おかげでスーパーの特売品に干し鱈を見かける回数も増えたので助かりますが。

我が家ではフライ以外の干し鱈料理を作ったりする方がどちらかというと多いのだけど、今年は久々に超ベーシックなバカリァロス・スコルダリァが食べたくなりました。


2024.03.22 garlic
関連記事のレシピに近いですが、炭酸水で小麦粉を溶いたシンプルな衣にくぐらせてサクッと揚げた干し鱈は、熱々にスコルダリァをたっぷりつけて食べると最高。スコルダリァは茹でたじゃがいもを主に、パンとアーモンドも少し加えたものにしました。今の時期は丁度、ジューシーな新にんにくが出てきたところなのでスコルダリァを作るのにもってこいです。


2024.03.25b
バカリァロス・スコルダリァと一緒によく食べられるのがビーツのサラダです。ギリシャでは、ビーツは葉付きで売られているのがうれしい。根はオーブン焼きまたは茹で、葉も別に茹でるのですが、このサラダにもスコルダリァをつけながら食べるととてもおいしいので、ぜひこの組み合わせでお試しを。スコルダリァはたっぷり添えるのがおすすめです。


【関連記事】




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