ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:おうちごはん

イースターサンデーの料理部門。直前までどうするか決めかねて、やっつけで作った復活祭メニューらしきものです。

2024.05.05 easter1
昨日の記事でも触れましたが、復活祭のお菓子は我が家の伝統と言えるような定番ができあがっているけれど、料理は毎年どうしようか悩みます。
ギリシャの復活祭の料理はラムや仔山羊の丸焼きが有名。丸焼きでなくともこれらのお肉を使った料理が定番で、伝統的な食卓には欠かせないものとなっています。それに加え他の肉料理やレバーなど内臓の料理が前菜に出てきたりと、胃袋の限界が試されます。

とは言え、近年はそんなに大量の肉を買っている人はあまり見なくなりました。昔は復活祭前に市場やスーパーへ行くと、丸ごとのラムをカートに積んだり抱えて運んでいる人をよく見かけたものですが。経済的な理由が一番大きいのでしょうけど、他にもさまざまな要因がありそうですね。

うちの場合、私と長女しかラムを好んで食べないし、モツが好きなのは私だけ。それでもちょっと何か作りたいしラムレッグでも買おうかなと迷っているうちに買いそびれてしまいました。全部のお店がというわけではないはずですが、復活祭直前は抱き合わせ商法で頭も付けられてしまうので、それは今いらないなぁと。

ヴィーガンの復活祭メニューも随分前に考えてたのだけど、詰め物をしたラムが食べたい気分でもあったので、雰囲気だけでもと思い冷凍庫にあった鶏もも肉を捌いて作ったのが今回のメイン。ラムや仔山羊に詰め物をして焼いた料理は島でよく見かける気がしますが、一頭丸ごとだったり、小規模に腿や肩肉で作ったり。詰め物も、地方によっていろいろです。今回はナクソス島風に、ふだんそうとハーブと米のフィリングで。少し前に載せたふだんそうパイのフィリングと同じような材料ですが、肉に詰める場合はレバーなど入れたりもします。


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こんな感じで、なんとか閉じてたこ糸で縛ったけど、針と糸で縫うとか楊枝で留める方がよさそう。ちょっと心許なかったので、とじ目を上にして焼き途中で一回ひっくり返しました。


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焼き上がりを切ってみたところ。チキンヴァージョンもおいしいのだけど、やはりラムで作ったのが食べたい……チキンでもせめてレバーを入れたかったなぁ。


2024.05.05 easter4
もう一品は考えてたヴィーガンメニューからひとつ、ジゲロサルマデス。羊モツを米やハーブとあわせたフィリングを網脂で包んで焼いたものです。かなり前の復活祭に作ったことがあるので、興味のある方は関連記事をご覧ください。ヴィーガンヴァージョンは網脂の代わりにライスペーパーで包んでみたのだけど、焼いてるうちにちょっと破れてしまいました。味はよかったのだけど、材料をシンプルにするため省いた材料はやはり入れるべきだったかも。こちらもちょっと課題の残る仕上がりでした。


【関連記事】

2024年の復活祭、お菓子部門はこちら


ジゲロサルマデスを作った時の記事です(レシピはなし)


今回作った詰め物料理と似たフィリングを使った植物性材料だけのパイ。ナクソス島ではふだんそうをよく食べます

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復活祭前ですが、うちは普段の食生活と変わりなしで節制はしていません。と言っても、元々肉料理は週に2回程度。特に私と夫は野菜や穀物中心の食事です。

2024.04.17 meze
昨日はみんな大好きなケフテダキァ(揚げミートボール)を作りました。
少し前にSNSで日本の学校の給食メニューにケフテデスが出たというのを見たのですが、ギリシャ語でミートボールがケフテス、複数形だとケフテデスになります。

さまざまな種類や食べ方のあるミートボールですが、ギリシャのものはミントやオレガノなどハーブの程よく香るタイプが基本(クミンなど入れる場合も)で、一番ポピュラーなのは小麦粉をまぶして揚げたものです。私のブログや本では普通のひき肉のミートボールのことはケフテダキァという表記になっていますが、これはギリシャで一般的な呼び方で、特にこのような揚げミートボールのことは「小さいミートボール」やただ単に愛称のような感じでケフテダキァ(ケフテダキャ)といいます。ちなみにぶどうの葉で米を包んだ料理をドルマデスといいますが、これも同じ感じでドルマダキァ(ドルマダキャ)と呼ぶ方が一般的です。

前置きが長くなりました。料理写真のミートボールは本当に小さなひと口サイズですが、レギュラーサイズの半分くらいの大きさです。ミートボールは食べムラのある次女の分がいっぱいあった方がいいなと思って、多めに作っても私は少しつまむ程度。別に我慢してるわけではなく、これぐらいの量を豆サラダなんかと一緒に盛り合わせたおつまみプレートで楽しむのが好みなのです。

このような盛り合わせはピキリアといって、ギリシャの居酒屋的なお店や昔ながらのカフェニオン(主に男性が集うカフェ)でもよく出てきます。ウゾに合うメゼのピキリアだとシーフードが中心だったり、その時にあるメゼを適当に盛り合わせただけなんですが、ワンプレートにいろいろまとまってるとなんだか楽しくて、軽く一杯飲むのにいいんですよね。

ケフテダキァのほかにはティロカフテリ(フェタチーズと唐辛子のスプレッド)、ペットボトル漬けカラマタオリーブ、レンズ豆のサラダ、にんじんとチーズのサラダ。これはほんの一例なので、みなさんもギリシャのメゼをいろいろお好みで組み合わせて楽しんでみてください。


【関連記事】
夫の叔母さんの揚げミートボール。チーズは入れなくてもおいしいです。

こちらのレシピではクリームチーズも入れてますが、いつもはフェタチーズと唐辛子だけかギリシャヨーグルトも少し加えて作ってます。

豆サラダはいろんなバリエーションを載せていて、これが今回のにちょっと近い感じです。トマトやルッコラ、バルサミコは入れてませんが。


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週末ぐらいから少し涼しくなりそうですが、最近はもう外を歩いていると半袖でも結構暑いぐらいの気候です。

2024.04.16 vegetable pastitsio
復活祭もまだなのに(今年は復活祭が遅めではあるけど)早すぎでは!?と不安になりますが、夏野菜が安くなってきたのはうれしい。今の時期はまだオーブン料理が苦にならない室温なので、いろいろ作っておこうと思っています。

昨日の晩ごはんは、比較的手間がかからない野菜のパスティチオを久々に作りました。レシピは以前に載せたので、下記リンクからご覧ください。


こちら乳製品を使ったレシピですが、ニスティシマやヴィーガン版は植物性の材料に置き換えて作ってください。


野菜とパスタとベシャメルソースという3つのパーツを準備するので面倒に感じるかもしれませんが、野菜は切って味つけをしてオーブンに入れるだけ。うまく同時進行でやれば、野菜が焼けた端からパスタとベシャメルソースを重ねて焼く工程に進めるので、1時間もあれば作れます。


2024.04.16 vegetable pastitsio1
手際よくやれる自信がなければ、先にパスタを茹で、ベシャメルソースを作っておいても。オーブンをつけている時間をできるだけ短くしたいので、野菜をローストしたあとすぐに組み立てて焼くのが理想です。

ちなみに茹で上がったパスタは水気を切って野菜を混ぜたボウルに入れ、パスタを茹でた鍋は熱で乾くので洗わずそのままベシャメルソースを作るのに使うと洗い物も減らせますよ。巷に溢れてるワンパンで……みたいな超お手軽なレシピじゃないですが、そこそこの手間でおいしいものが食べたい時にぴったりな一品です。


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今週はティリニと呼ばれる一週間。ギリシャ語でチーズを意味するティリに由来し、復活祭前の断食期間に入る前に乳製品や卵を食べておく週です。


2024.03.13 pies
特にこれらの材料を使ったパイやパスタ、お菓子などをよく食べますが、私がこの時期だけ作りたくなるのがマカロノピタ(マカロニパイ)。普通の焼きパスタのようなクラストレスのタイプもポピュラーだけど、フィロ生地で包んだものがなんとなく食べたい気分になるのです。他にはチーズたっぷりのポテトパイやトラハナパイなど、あえてダブル炭水化物+乳脂肪に挑みたい。

2024.03.13 makaronopita
今回はフジッリに、チーズはアンソティロ(リコッタのようなチーズ)を多めに使用。リコッタのようなチーズだとあっさりドライな感じになってしまうので、ほんとはフェタや溶けるタイプのチーズたっぷりの方がいいのですが。


2024.03.13 armiopita
もうひとつのパイは、発酵キャベツ(アルミア)を使ったアルミオピタ。北ギリシャのカストリア辺りでよく食べられる郷土料理です。チーズと卵入りのをいつも作っているのですが、久々にニスティシマ(断食仕様の料理)のも作ってみたくなりました。


【関連記事】









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セロリをたっぷり食べたくなったので、冬の定番煮込み、ヒリノ・メ・セリノを作りました。

2024.01.16 hirino me selino1a
豚肉とセロリの煮込みで、ポロねぎを入れることも多く、その場合はヒリノ・メ・プラソセリノといいます。ギリシャ語のセリノはセロリのことですが、中国野菜の芹菜に似た、茎が細いタイプです。地中海沿岸地域が原産地と言われるセロリは、古代ギリシャでは薬用や魔よけなどに使われていたそう。冠にしてかぶったという記述もあるようですが、原種は茎が細いものだったと知ると想像しやすいですね。現代のギリシャで見かけるセリノも、原種に近いものです。

日本でよく知られる茎を太く品種改良したセロリも売っていて、こちらはセレリと呼ばれ区別されます。豚肉とセロリの煮込みはセレリで作ることも多いのですが、その場合も料理名はヒリノ・メ・セリノ。太いセロリも日本で見かけるものより緑色が濃くワイルドな姿をしていて、葉っぱも付いたままなので全部使います。


2024.01.16 hirino me selino2
今回はセレリに、根セロリ(セリノリザ)も入れてトマト仕立てで作ってみました。この煮込みはアヴゴレモノ(卵レモンソース)で仕上げる場合も多いのですが、夫がアヴゴレモノを食べないのでシンプルな塩味にして、私と長女が食べる分は取り分けてアヴゴレモノにすることが多いです。今回のはトマト風味だけど、やっぱりアヴゴレモノに。


2024.01.16 hirino me selino3
トマト味で煮たのをアヴゴレモノで仕上げる料理は以前にも載せたことがありますが、そんなにメジャーではないものの“あり”な料理です。豚セロリではあまりやらない気はしますが……。


2024.01.16 hirino me selino4
アヴゴレモノにした分が少し余ったので翌日トラハナスープにリメイク。実際のところ、トラハナに入れたくて少し残したのですが。大抵の煮込みは翌日トラハナや米、パスタなど入れて食べたくなります。日本で鍋のあとに雑炊を作ったりしますが、その感覚でやりたくなるんですよね。翌日の煮込みは根セロリに味が染み染みでおいしかったです。


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