ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:おつまみ

ぶどうの若葉の季節です。4月後半ぐらいから出ていて、買わなきゃ……とそわそわしてたのだけど、先週の市場でようやく購入。

2025.05.13 dolmadakia
シーズン最初に作ったのは、やっぱり肉の入らないハーブライスのドルマダキァ(ドルマデスという葉っぱ包み料理の、小さいものをそう呼びます)でした。

家族は肉入りトマト味のドルマダキァの方が好きなのだけど、それは次回にでも作ることにして、初夏を感じさせる薫り高いハーブライス詰めのをまずは味わっておきたいのです。


2025.05.13 vine leaves
ぶどうの葉は仄かな酸味と芳香があり、これで米を包んだドルマデスは、風味は違えど桜餅や柏餅、柿の葉寿司など季節を感じる日本の食べものを思い出させます。日本のことを懐かしく思いつつもギリシャの暮らしが私にとって心地いいのは、この国の「旬の味」によるところが大きいのでしょう。

ハーブライスのフィリングは、玉ねぎとハーブとオリーブオイル、どれもたっぷり加えます。その時の気分で、玉ねぎは生のまま混ぜたり炒めたりですが、今回は炒める方法で。玉ねぎが入ってますが、ねぎも必ず加えます。ハーブはパセリ、ディル、フェンネル、スペアミント。


2025.05.13 dolmadakia1
若葉と言っても結構大きかったりするので、うちは小さめのドルマダキァが好みだから半分に切った葉っぱで包んでいきます。手のひら大くらいの葉っぱは、そのままでOK。カランツ入りのも食べたかったので(松の実もあればよかったですが)、一部包んでいるときにパラパラと加えました。普通は葉っぱのツルツルの面が外にくるよう巻きますが、カランツ入りは区別できるよう裏面が表にくるよう巻きました。

伝統料理の多くがそうであるように、このドルマダキァも手間と時間が結構かかるのだけど、食べるのはあっという間。しかも、肉なしのものはメゼ(おつまみ)扱いでメインにはなりにくいのです。献立のルール的なものにこだわりのない我が家でも、さすがにこれだけではなぁ……と思い、ドルマダキァを煮てる間に急遽もう一品足すことにしました。

ちょうど豚肩肉の大きな塊をロースト用にと買ったところだったので、これを少し取り分け、ズッキーニとあわせて煮込みにしました。フライパンで焼き色をつけ、玉ねぎとにんにくを加え軽く炒めてから圧力鍋に移し、作り置きのトマトソース、ベイリーフ、割ったシナモンスティックをひとかけら。適当に水加減して圧力をかけて15分ほど煮たら肉が柔らかくなっているので、ズッキーニを加え再び圧力をかけてさっと煮ます。野菜は圧力鍋だと柔らかくなりすぎたりするので注意。また、最後汁気が多くなったりもするので、控えめに煮て、仕上げに汁気を飛ばしながら煮るなど調整します。

早い時間に夕食を食べる夫にこれらを急いで出し、自分用にはまたチプロ(グラッパのようなぶどうの蒸留酒)とメゼ。
豚肉とズッキーニの煮込みは、肉は脂があるところを少しと、ズッキーニのヘタの部分を選って盛りつけました。こう書くと主婦の自己犠牲みたいだけど、自分が好きな部分なのです。ズッキーニのヘタ、柔らかく煮るとおいしいのでぜひお試しを。


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「ぶどうの葉のハーブライス包み」や「ギリシャ風ロールキャベツ」はじめ、定番ギリシャ料理から珍しい郷土料理まで幅広く紹介しているレシピ本です。

新刊「おうちでギリシャ居酒屋」先週発売されました!そして、ちょうど同じ頃に私のところにも届きました〜

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ご購入のお知らせや、早速レシピをお試しいただいたというお知らせも沢山......どうもありがとうございます!今までに出した本全てを揃えてくださってる方も結構おられて感激です。

先月noteに掲載したお知らせ記事で、ざっくりと内容紹介をしてますので、こちらもよろしければご覧くださいね。



上の記事内に盛りつけ例の写真も載せていますが、小皿のメゼを沢山並べたり、逆にワンプレートにいろんな種類のメゼを盛っても楽しいです。

ワンプレートに盛りつけるのは、ギリシャでは“ピキリア”と呼ばれます。
簡素なものだと市販のハムやチーズ類、オリーブなどだけだったり、もうちょっと凝ったものだとミートボール、ミニパイ、ドルマダキァ(葡萄の葉の米詰め)やマリネなど入ってたりします。

2024.12.21 pikiria
こちらの写真のピキリアの内容は、フォークのところから時計回りに、以下の通りです。

・ギリシャ風ポテトサラダ(p.50)
・レンズ豆サラダ(p.51)
・小いわしのマリネ(p.71)
・ムール貝の炒めマリネ(p.75)
・フェンネルのケフテデス(p.36)
・田舎風ソーセージ(p.81)
・ゆで卵のおつまみ(p.14)
・とりあえずのきゅうり(p.12)
・塩漬け黒オリーブ(市販品。これはクレタ島の小粒オリーブです)


※レンズ豆サラダはスモークにしん添えでご紹介していますが、豆サラダだけでも、このピキリアのように他の魚マリネなどとあわせても。サラダは他の豆で作ってもよく、私は黒目豆で作るのも好きです。

※液体に漬かってない塩漬け黒オリーブは、日本では「ギリシャ風」と記載して売られてたりします。ギリシャのオリーブでは、カラマタオリーブも食べやすくおすすめ。こちらはビネガー入りの塩水に漬けてあり、さっぱりとした味わいです。


上の例以外にも、ぜひお好きな組み合わせで自由に楽しんでくださいね。
読者の皆さんが作った「おうちメゼ」も、見せていただけると嬉しいです(インスタなどに投稿される場合、タグ付けしてくだされば見に行きます)。

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今日はチクノペンプティなので肉のメニューにしました。

2025.02.20 tsiknopempti
ギリシャはカーニバルシーズンの真っ只中。
カーニバルはギリシャ語でカルナヴァリですが、この期間はアポクリエスとも呼ばれます。アポクリエスは“肉から離れる”みたいな意味で、復活祭前の長い節制生活に向けての準備期間のようなもの。今週は思いっきり肉を食べておく肉週間、来週は肉断ちに入っているけど卵や乳製品を使った料理やお菓子を食べるチーズ週間と続きます。

カーニバルの間は仮装してパーティーやパレードにも繰り出すのだけど、インドア派な私は子供たちが大きくなって、「今年のコスチュームはどうしよう?」というような悩みからも解放されほっとしているところ。行事食だけは気になるので、無理なくできる範囲で楽しんでいます。

“肉を焼く煙の匂いの木曜日”というような意味のチクノペンプティは、煙をモクモクあげて焼いた肉類を食べるのが伝統。庭やバルコニーでバーベキューをしたり、レストランに食べに行ったりする人が多いです。

うちはベルコニーでバーベキューをしないし、お店もこういう日は混雑のあまり質がいまいちだったりするので、グリルやフライパンで簡単に肉料理を作ることが多いです。炭火じゃないけど、煙は出てるのでまあいいでしょう(笑)




今年は、来月発売の新刊「おうちでギリシャ居酒屋」掲載レシピでチキンのミニコンドスブリを作りました。コンドスブリというのは本来はげんこつ大の肉を大きな串に刺して焼き上げたもの。かなりボリュームがあるけど復活祭の時なんかは丸焼きラムが焼けるまでのメゼ(おつまみ)として出されたりします。
最近はミニコンドスブリというのを居酒屋で見かけるので、なんだか矛盾するのでは?と思いつつも採用してみました。

コンドスブリは普通のスブラキ(串焼き肉。竹串に刺してあるのがスタンダード)よりも味つけに凝っていたりするのでそのままで十分おいしいのだけど、ディップやソースを添えて味変しても。定番かつ人気のジャジキ(きゅうりとヨーグルトのディップ)のほか、トマトとパプリカの赤いソースもご紹介してますので、ぜひお試しを。

トップの写真の一番奥に写ってるのは本に掲載している料理ではないのですが、焼肉料理の時にいつも夫が食べる刻みサラダです。その時によって若干材料が変わるのだけど、基本は玉ねぎ、青唐辛子、トマト、ロメインレタス、レモン、オリーブオイル、ビネガー、塩。今日はコリアンダーの葉とホットソース(唐辛子が少ししかなかったので)、スマックも入れました。

ちなみに、あまり知られてないかもしれませんが、スブラキなどのピタサンドも赤いソースで提供する店が結構あるんですよ。店によって普通のトマトソースのようだったり、パプリカがメインだったり。日本ではラーメンの食べ比べを楽しんだり推しラーメン屋があったりする人が多いけど、ギリシャ人はスブラキに対しそれに似たこだわりを持っている気がします。


2024.07.09
こちらは以前撮った写真なのですが、食べやすく切った肉(こちらは豚肉で作ったもの)にレッドソースをかけて、新刊掲載レシピのイーストを使わない簡単ピタパン、オニオンスライス、トマト。
おつまみとしては、こんな風に小さな皿盛りにするのもおすすめです。


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一部SNSではすでに告知していましたが、ギリシャのおつまみ本が来月発売されます!

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お酒を飲む人はもちろん、飲まない方にも「居酒屋メニュー」や「小皿料理」って魅力的ではないでしょうか?

西洋料理で居酒屋のおつまみに似たものは、スペインのタパスやピンチョスなど思い浮かべる方も多いでしょう。
ギリシャを含め、東地中海の辺りでは「メゼ」と呼ばれるものが居酒屋メニューのような感じです。

国や文化によってそれぞれ違いはあれど、お酒のお供に控えめな量で出されいろんな味を楽しむことができたり、親しい人と過ごす楽しい時間やひとりのリラックスタイムをさらに素敵なものにしてくれる、そんな料理や食べ物たち。


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ギリシャのメゼも、小皿料理やおつまみという風に訳される場合が多いのですが、実際のところそう呼ぶにはいささかボリュームのありすぎる量で出てきたりも。明確な定義がちょっと難しいものだけど、逆に言えば自由度も高いような気がします。


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本書ではギリシャの居酒屋的なお店で出てくる定番料理から、メゼとして食べたい郷土料理、他の国の料理をギリシャ風にした料理など……なるべく手に入りやすい材料で、難しいテクニックを必要とせず、比較的短時間で作れるレシピを80品ご紹介します。ちょっと時間がかかる料理も実際の作業時間はそんなにかからないので、休日などゆっくりできる時にお試しください。

また、ギリシャの居酒屋のイメージも掴んでいただけるよう、コラムもいくつか掲載しています。もし実際に体験してみたくなった方は、ぜひギリシャへいらしてくださいね。

発売は3月12日頃の予定。オンライン書店や全国の書店に置いていただけるはずですが、予約してくださると関心度も高いということで、ギリシャ料理普及活動の応援になります。



掲載している料理やそれにまつわるエピソードなどもブログでご紹介していこうと予定していますので、どうぞよろしくお願いします。


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とても慌しかった10月。
いろんな人に会う機会があったり、クレタ島へ出張で(たった1日だけど)行ったりもしてました。

2024.10.26
クレタ島はたぶん18年ぶりくらいなんですが、もうちょっとゆっくりできたらよかったなぁ……でも昔行った教会を再訪したり、なかなか楽しかったです。食べ物的には、自分が行きたい場所を回ったりはほとんどできなかったのが少し残念だったけど、クレタ料理のお店や食料品店はアテネにも沢山あるし、まあよしとしましょう。

トップの写真は、アテネのクレタカフェニオンからお持ち帰りしたミルクフェッドラム腸のフライのリメイク。羊腸は裏返したりしてよくよく洗う下処理が必要ですが、乳飲み仔羊はほぼそのままでも大丈夫なのだそう。確かに臭みがほとんどないです。
シンプルに小麦粉をまぶして端がカリッとするまで揚げたのに塩とレモンだけでもおいしいのだけど、持ち帰った分は揚げ直してスモークパプリカを少し。自家製のハラペーニョソースを添えました。
この日は揚げ魚のマリネも作ったのですが、一部は漬けずにその場でおつまみに。


2024.10.31 dakos
一番よく知られるクレタ料理は、たぶんダコスでしょう。大麦パンなどで作られるラスクにトマトやチーズをのせたパンサラダっぽい一品ですが、今やその辺のスブラキ屋さんなんかでもメニューに載ってたりするほど一般的になりました。


2024.10.31 kavroumadakia with graviera cheese
ダコスに使ったラスクは買ってきたものだけど、クレタ島のグラヴィエラチーズ入りのカヴルマダキァという固焼きパンを久しぶりに作りました。結構日持ちするし、オリーブなんかと一緒におつまみに重宝するものですが、作った端からすぐに手が出てなくなってしまいます。


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