ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:おつまみ

ビンチョウマグロでラケルダを作った話の続き。

2025.07.13
生っぽさが残りつつも熟成によるねっとりとした食感に変化し、しっかりと塩がきいたラケルダ。これをさらに乾燥熟成させたいなぁと、昔作ってみた“海のパストゥルマ”を思い出していたのでした。


2019.04.25 pastourma
(※これは、以前私が送ったレシピで妹が作った牛肉のパストゥルマ)

パストゥルマというのはアルメニアからトルコ、エジプト、ギリシャ辺りで食べられる干し肉の一種で、フェヌグリークやパプリカなどのスパイスペーストでコーティングされているため、独特の強い香りが特徴。牛肉をはじめ、水牛、ラクダ、羊などの肉でも作られます。

ギリシャで“海のパストゥルマ”と称した魚のを見かけるようになったのは、確か90年代終わりか2000年代に入ってから。魚版は他の国でもあるのか知りませんが、当時一回ぐらいお店で食べてみて「もうちょっとパストゥルマらしくできるのではないか」と思って自作したのが2017年のこと。ブログにも記録してあるので、まずはこちらの記事をご覧ください。




魚でパストゥルマを作るなら、赤身の本マグロがやはり一番適していそうで、スペインの「モハマ」、サルデーニャの「ムシャーメ」といった、マグロの生ハムのような保存食が思い浮かびます。自作してみた当時もそのように考えてたのだけど、値が張るのと、近所で売ってなかったため小さなハガツオを使ったのでした。普通のマグロなら肉のパストゥルマとほぼ同じ感じにこってりスパイスペーストで覆っても負けなさそうですよね。その数年後、パストゥルマで有名なデリがマグロのパストゥルマを売り出したので、やはり私の読みは間違ってなかったようです。

ラケルダに話を戻すと、またしても本マグロじゃないのですが、前回よりがっつりとスパイスをまぶしてみました。残っていた小さな身で作ったため、わざわざペーストにはしてませんが、しばらく熟成させるので、塩分も少し上げておこうと、スパイスミックスに塩も足しました。すりおろしにんにくをまずはすり込んで、スパイスミックスを全体にたっぷりまぶし、手でにぎってなじませます。


2025.07.13 pastourma tonou
そして、冷蔵庫で1週間くらい乾燥させたでしょうか(冷蔵庫がパストゥルマ臭くなるかなと少々心配だったけど、大丈夫でした)。切ってみると、前に作ったのよりいい感じ。そのままでも素晴らしいメゼですが、せっかくなので料理との組み合わせを楽しんでみることにしましょう。


2025.07.13 fava
まずはファヴァとあわせてみました。定番のおいしい組み合わせに、パストゥルマをトッピングしたフムスがありますが、フムスは今でこそギリシャでもよく見かけるようになったけど、ギリシャ料理ではないので、ファヴァで。シンプルな豆ペーストが、繊細な味わいの魚版パストゥルマにとてもよく合います。ペースト類だとメリジャノサラタ(焼きなすサラダ)もいいかなぁと思ったので、もしまた作る機会があれば試してみたいです。


2025.07.14 potato salad
次は、マヨネーズを使わないタイプのポテトサラダと。これも間違いない組み合わせだけど、ゆで卵のおつまみ(「おうちでギリシャ居酒屋」掲載レシピ)と合わせてみたかったなぁ……と、食べてる途中で思い出しました。

また長くなってしまったので、今日はこの辺で。パストゥルマの話はあと一回続きます。


【関連記事・書籍】



パストゥルマってどんな味?と気になった方は、拙著「おうちでギリシャ居酒屋」にパストゥルマもどきのミニパイ(スパイス香る干し肉とチーズのパイ)のレシピを掲載してますのでぜひ。

少し前のことですが、スーパーの魚コーナーで、なかなか良さそうなビンチョウマグロ(ビンナガマグロ)が目に留まりました。

2025.07.07 tonolakerda
夫と長女には、生トマトにオリーブやケイパーなど混ぜたソースを添えたソテーにして、血合いは角煮に。自分用は、塩漬けにすることにしました。

ハガツオを塩漬けにした、ラケルダというメゼがギリシャやトルコにあるのですが、ビンチョウマグロなどで作られることもあります。マグロのは、トノラケルダ。こういった塩辛い魚の保存食は、ウゾやチプロといった強いお酒によく合うおつまみです。

うちで作る場合は、少量仕込んで早めに食べてしまうので、大量の塩に長いこと漬けておく作り方はせず、粗塩を全体にまぶし、2日ぐらい置くだけ。最初、水分が出てくるので捨てて、必要なら塩をふり直します。塩が浸透して身が締まった感じになったら、オリーブオイルをからめてさらにひと晩〜1日ほどマリネしてできあがり。ちなみに本来の作り方だと、ひまわり油(オリーブオイルだと、冷蔵庫で固まってしまいます)に浸けて保存します。


2025.07.07 tonolakerda1
ギリシャではレモンを絞って食べる人も多いのだけど(ギリシャ人は、自動的にレモンをかける傾向があります……)、レモンはなしで、玉ねぎを添えてちびちび食べるのがおいしいです。

ウゾを飲みながらラケルダをつまんでいたら、残りのラケルダをもっといいものに展開しようと思いついたのですが、その話はまた次回に。

ぶどうの若葉の季節です。4月後半ぐらいから出ていて、買わなきゃ……とそわそわしてたのだけど、先週の市場でようやく購入。

2025.05.13 dolmadakia
シーズン最初に作ったのは、やっぱり肉の入らないハーブライスのドルマダキァ(ドルマデスという葉っぱ包み料理の、小さいものをそう呼びます)でした。

家族は肉入りトマト味のドルマダキァの方が好きなのだけど、それは次回にでも作ることにして、初夏を感じさせる薫り高いハーブライス詰めのをまずは味わっておきたいのです。


2025.05.13 vine leaves
ぶどうの葉は仄かな酸味と芳香があり、これで米を包んだドルマデスは、風味は違えど桜餅や柏餅、柿の葉寿司など季節を感じる日本の食べものを思い出させます。日本のことを懐かしく思いつつもギリシャの暮らしが私にとって心地いいのは、この国の「旬の味」によるところが大きいのでしょう。

ハーブライスのフィリングは、玉ねぎとハーブとオリーブオイル、どれもたっぷり加えます。その時の気分で、玉ねぎは生のまま混ぜたり炒めたりですが、今回は炒める方法で。玉ねぎが入ってますが、ねぎも必ず加えます。ハーブはパセリ、ディル、フェンネル、スペアミント。


2025.05.13 dolmadakia1
若葉と言っても結構大きかったりするので、うちは小さめのドルマダキァが好みだから半分に切った葉っぱで包んでいきます。手のひら大くらいの葉っぱは、そのままでOK。カランツ入りのも食べたかったので(松の実もあればよかったですが)、一部包んでいるときにパラパラと加えました。普通は葉っぱのツルツルの面が外にくるよう巻きますが、カランツ入りは区別できるよう裏面が表にくるよう巻きました。

伝統料理の多くがそうであるように、このドルマダキァも手間と時間が結構かかるのだけど、食べるのはあっという間。しかも、肉なしのものはメゼ(おつまみ)扱いでメインにはなりにくいのです。献立のルール的なものにこだわりのない我が家でも、さすがにこれだけではなぁ……と思い、ドルマダキァを煮てる間に急遽もう一品足すことにしました。

ちょうど豚肩肉の大きな塊をロースト用にと買ったところだったので、これを少し取り分け、ズッキーニとあわせて煮込みにしました。フライパンで焼き色をつけ、玉ねぎとにんにくを加え軽く炒めてから圧力鍋に移し、作り置きのトマトソース、ベイリーフ、割ったシナモンスティックをひとかけら。適当に水加減して圧力をかけて15分ほど煮たら肉が柔らかくなっているので、ズッキーニを加え再び圧力をかけてさっと煮ます。野菜は圧力鍋だと柔らかくなりすぎたりするので注意。また、最後汁気が多くなったりもするので、控えめに煮て、仕上げに汁気を飛ばしながら煮るなど調整します。

早い時間に夕食を食べる夫にこれらを急いで出し、自分用にはまたチプロ(グラッパのようなぶどうの蒸留酒)とメゼ。
豚肉とズッキーニの煮込みは、肉は脂があるところを少しと、ズッキーニのヘタの部分を選って盛りつけました。こう書くと主婦の自己犠牲みたいだけど、自分が好きな部分なのです。ズッキーニのヘタ、柔らかく煮るとおいしいのでぜひお試しを。


【PR】

「ぶどうの葉のハーブライス包み」や「ギリシャ風ロールキャベツ」はじめ、定番ギリシャ料理から珍しい郷土料理まで幅広く紹介しているレシピ本です。

新刊「おうちでギリシャ居酒屋」先週発売されました!そして、ちょうど同じ頃に私のところにも届きました〜

20250314_122524
ご購入のお知らせや、早速レシピをお試しいただいたというお知らせも沢山......どうもありがとうございます!今までに出した本全てを揃えてくださってる方も結構おられて感激です。

先月noteに掲載したお知らせ記事で、ざっくりと内容紹介をしてますので、こちらもよろしければご覧くださいね。



上の記事内に盛りつけ例の写真も載せていますが、小皿のメゼを沢山並べたり、逆にワンプレートにいろんな種類のメゼを盛っても楽しいです。

ワンプレートに盛りつけるのは、ギリシャでは“ピキリア”と呼ばれます。
簡素なものだと市販のハムやチーズ類、オリーブなどだけだったり、もうちょっと凝ったものだとミートボール、ミニパイ、ドルマダキァ(葡萄の葉の米詰め)やマリネなど入ってたりします。

2024.12.21 pikiria
こちらの写真のピキリアの内容は、フォークのところから時計回りに、以下の通りです。

・ギリシャ風ポテトサラダ(p.50)
・レンズ豆サラダ(p.51)
・小いわしのマリネ(p.71)
・ムール貝の炒めマリネ(p.75)
・フェンネルのケフテデス(p.36)
・田舎風ソーセージ(p.81)
・ゆで卵のおつまみ(p.14)
・とりあえずのきゅうり(p.12)
・塩漬け黒オリーブ(市販品。これはクレタ島の小粒オリーブです)


※レンズ豆サラダはスモークにしん添えでご紹介していますが、豆サラダだけでも、このピキリアのように他の魚マリネなどとあわせても。サラダは他の豆で作ってもよく、私は黒目豆で作るのも好きです。

※液体に漬かってない塩漬け黒オリーブは、日本では「ギリシャ風」と記載して売られてたりします。ギリシャのオリーブでは、カラマタオリーブも食べやすくおすすめ。こちらはビネガー入りの塩水に漬けてあり、さっぱりとした味わいです。


上の例以外にも、ぜひお好きな組み合わせで自由に楽しんでくださいね。
読者の皆さんが作った「おうちメゼ」も、見せていただけると嬉しいです(インスタなどに投稿される場合、タグ付けしてくだされば見に行きます)。

ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ
人気blogランキングへ

今日はチクノペンプティなので肉のメニューにしました。

2025.02.20 tsiknopempti
ギリシャはカーニバルシーズンの真っ只中。
カーニバルはギリシャ語でカルナヴァリですが、この期間はアポクリエスとも呼ばれます。アポクリエスは“肉から離れる”みたいな意味で、復活祭前の長い節制生活に向けての準備期間のようなもの。今週は思いっきり肉を食べておく肉週間、来週は肉断ちに入っているけど卵や乳製品を使った料理やお菓子を食べるチーズ週間と続きます。

カーニバルの間は仮装してパーティーやパレードにも繰り出すのだけど、インドア派な私は子供たちが大きくなって、「今年のコスチュームはどうしよう?」というような悩みからも解放されほっとしているところ。行事食だけは気になるので、無理なくできる範囲で楽しんでいます。

“肉を焼く煙の匂いの木曜日”というような意味のチクノペンプティは、煙をモクモクあげて焼いた肉類を食べるのが伝統。庭やバルコニーでバーベキューをしたり、レストランに食べに行ったりする人が多いです。

うちはベルコニーでバーベキューをしないし、お店もこういう日は混雑のあまり質がいまいちだったりするので、グリルやフライパンで簡単に肉料理を作ることが多いです。炭火じゃないけど、煙は出てるのでまあいいでしょう(笑)




今年は、来月発売の新刊「おうちでギリシャ居酒屋」掲載レシピでチキンのミニコンドスブリを作りました。コンドスブリというのは本来はげんこつ大の肉を大きな串に刺して焼き上げたもの。かなりボリュームがあるけど復活祭の時なんかは丸焼きラムが焼けるまでのメゼ(おつまみ)として出されたりします。
最近はミニコンドスブリというのを居酒屋で見かけるので、なんだか矛盾するのでは?と思いつつも採用してみました。

コンドスブリは普通のスブラキ(串焼き肉。竹串に刺してあるのがスタンダード)よりも味つけに凝っていたりするのでそのままで十分おいしいのだけど、ディップやソースを添えて味変しても。定番かつ人気のジャジキ(きゅうりとヨーグルトのディップ)のほか、トマトとパプリカの赤いソースもご紹介してますので、ぜひお試しを。

トップの写真の一番奥に写ってるのは本に掲載している料理ではないのですが、焼肉料理の時にいつも夫が食べる刻みサラダです。その時によって若干材料が変わるのだけど、基本は玉ねぎ、青唐辛子、トマト、ロメインレタス、レモン、オリーブオイル、ビネガー、塩。今日はコリアンダーの葉とホットソース(唐辛子が少ししかなかったので)、スマックも入れました。

ちなみに、あまり知られてないかもしれませんが、スブラキなどのピタサンドも赤いソースで提供する店が結構あるんですよ。店によって普通のトマトソースのようだったり、パプリカがメインだったり。日本ではラーメンの食べ比べを楽しんだり推しラーメン屋があったりする人が多いけど、ギリシャ人はスブラキに対しそれに似たこだわりを持っている気がします。


2024.07.09
こちらは以前撮った写真なのですが、食べやすく切った肉(こちらは豚肉で作ったもの)にレッドソースをかけて、新刊掲載レシピのイーストを使わない簡単ピタパン、オニオンスライス、トマト。
おつまみとしては、こんな風に小さな皿盛りにするのもおすすめです。


ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ
人気blogランキングへ

↑このページのトップヘ