ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:おつまみ

4月の終わりに、1リットルの牛乳瓶ひとつ分残っていたグリーンオリーブをようやく使い切りました。これで何品か作ったので、他の話題も挟んで飛び飛びに投稿していく予定です。

2023.04.26 tarama-stuffed fried olives
Τηγανητές ελιές γεμιστές με ταραμά

秋のお楽しみ、大量に漬けるオリーブ。
最初に出てくる粒が小さめで丸っこいグリーンオリーブは、ペットボトル漬けも何本か仕込むのですが、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)で渋抜きして、いわゆる「新漬け」として食べられる薄味に仕上げるのが好きです。

あまり塩辛くしてない新漬けオリーブは、塩分量にもよりますが年明けぐらいまでに消費した方がいいらしいです。牛乳瓶いっぱいに詰めたのが2本、ゆっくり使う用に置いてあったのですが、12月ぐらいに様子を見たら1本は少し果肉がやわらかくなりつつあるように感じたのでキムチに加工して消費。
もう一本がその後冷蔵庫の主と化していたので、さすがにもう使ってしまわないと。一気に消費できるよう使い道を考えたうち、まず作ったのがおつまみにぴったりなオリーブフライでした。



オリーブフライは自家製のアパキ(クレタ島風のスモークポーク)を使ったフィリングのを以前載せましたが、今回は別のフィリングにしてみようとタラマ入りにしました。

2023.04.26 tarama-stuffed fried olives1
田舎パンの白い部分1切れを水に浸けてふやかしてからしっかり絞り、タラマを大さじ1〜2ぐらい、おろしにんにくと刻んだフレッシュオレガノ各少々、オリーブオイル少しを加えフォークでつぶしながら混ぜます。レモンの皮のすりおろしとレモン汁もお好みの量加えますが、しっかり目の味つけがおいしいと思います。

前回はオリーブに切り目を入れて開き、フィリングたっぷりにしましたが、今回は普通に詰めたので上記の分量で小さめオリーブ30〜35粒分ぐらいです。


2023.04.26 tarama-stuffed fried olives2
種を抜いたオリーブにフィリングを詰め(小さいスプーンの柄を使いましたが、もちろん絞り袋でも)、小麦粉、卵、細かいパン粉を順につけます。パン粉はギリシャで「フリガニェス」(トーストしたパンと同じ呼び名)と言われるトランプのカードぐらいの長方形の軽いラスク(※)を細かく砕いたもので、ギリシャでは粉状にしたのも売られています。

※このラスクは日本でもたまに売っているようです。


2023.04.26 tarama-stuffed fried olives4
シーフード系なので、ウゾと一緒に。
やっぱりアパキとチーズのやつの方が好きだな〜と思いつつ、パクパク食べてしまいました。揚げたてもいいけど、タラマフィリングのは冷めてからの方がおいしいかも?


2023.04.26 tarama-stuffed fried olives3
ちなみにタラマとフレッシュオレガノの組み合わせは、タラマ入りで作られることもあるピリオのリガノケフテデスをイメージしてみました。よさがわかりたくてたまにやってみるのだけど、控えめに入れてもオレガノの主張が強い気がして、個人的には何度食べてもいまいちピンとこない味(そして、首をかしげながら結局いっぱい食べてしまう……)。ギリシャ料理では乾燥オレガノが多用されますが、生のオレガノは使い方や量にちょっと注意が必要な気がします。


ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ
人気blogランキングへ

自分のためにチーズのサガナキを作ったのって、いつぶりでしょう?

2022.09.28 saganaki
Τυρί σαγανάκι με σταφύλια

チーズのサガナキは夫と次女の好物。特に去年ぐらいから次女の中でブームが来ているようで、もう嫌というほど作らされています。

両手つきの小さなフライパンのことを、ギリシャ語でサガナキといいます。料理名としてのサガナキは、チーズを焼いたものだったり、サガナキで出されるさまざまなメゼ(おつまみ)だったりとかなり幅広いものです。もはやサガナキではなく違う容器で出てきたりもしますが。

ギリシャで一般的なチーズのサガナキは、小麦粉をまぶしたチーズを揚げ焼きにしてレモンを添えたシンプルなもの。
海外のギリシャレストランではファイヤー!して出てくるパフォーマンスがあったり、蜂蜜など加えたモダンギリシャ料理の方がよく知られているところもあるようで、ギリシャの素朴なレストランで頼むと拍子抜けする人も居そう。

と、そんなことを言いつつ今回ご紹介するのは、旬のぶどうをチーズと一緒に焼いたモダンギリシャ料理のサガナキのレシピです。私は果物ってそのままよりも料理やお菓子に使う方が好きなので、チーズにもよくあわせて食べています。

このサガナキは短い調理時間で作れる料理なので、下準備が大事。慌てず済むよう前もって材料はきちんと揃えておき、手早く仕上げて熱々を食べてくださいね。


チーズとぶどうのサガナキ(ティリ・サガナキ・メ・スタフィリア)

材料:(1人分)
グラヴィエラまたはケファログラヴィエラチーズ...1切れ(60g)
小麦粉...適量
ぶどう...60g
ローズマリー...穂先1〜2本
蜂蜜...小さじ1/2
レモン汁...小さじ1
オリーブオイル...大さじ1
黒こしょう...適量

チーズは水にくぐらせ、小麦粉を全体にまぶしつける。余分な粉ははたき落とし、使うまで冷蔵庫に入れておく。

ぶどうとローズマリーは洗って水気を拭いておく。蜂蜜はレモン汁とあわせておく。

2022.09.28 saganaki1
サガナキまたは小さなスキレットを中火で熱し、オリーブオイルをひいてチーズを焼く。底になっている面がきつね色になったらひっくり返して端に寄せ、ぶどうとローズマリーも加える。

2022.09.28 saganaki2
チーズはいじらず、ぶどうとローズマリーは軽く混ぜながら焼く。チーズのもう片面も焼けてぶどうが少し弾けたようになってきたら、蜂蜜とレモン汁を回しかけ、こしょうを挽きかけて火からおろす。

MEMO:このサガナキは少しチーズが溶け出していいので、普通にチーズのサガナキを作る時と比べ薄い衣にしています。
果物は、ぶどうの代わりにネクタリン、いちじく、プラム、洋梨など合いそうなものに変えて作ってもいいです。また、仕上げには蜂蜜とレモンの代わりにバルサミコクリーム(煮詰めたバルサミコビネガー)を少量、細い線状にかけても。


ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ
人気blogランキングへ

オーブンを使ったついでに焼きなす。

2022.08.10 aubergine salad
暑い時期にオーブンをつけるのだからと、熱を最大限に活用したいところですが、いろいろ仕込む気力もなく……。いっぱい買ってあったなすを放り込みました。

ギリシャ風の焼きなすの料理はいろいろあるのですが、粗くつぶしてディップ状のサラダにするのが定番。でもにんにく風味のはちょっと食べたくない気分だったので(ギリシャの焼きなすサラダは基本的に生のにんにくを効かせます)、温かい焼きなすのおいしさを生かしたこちらを。



レシピは以前載せたので、上記リンクを参照してください。

あちらの記事ではフェタチーズをたっぷりのせてますが、ケファロティリやケファログラヴィエラ(どちらも羊乳や山羊乳で作られるハードチーズ)をちょっとアクセントになる程度にトッピングするのが好みです。

焼きなすは軽く押さえてつぶしますが、ヘタ付きで丸ごとなすの形を生かして盛りつけてくださいね。
もちろん炭火焼きのなすだと最高ですが、皮が焦げて中身がトロトロになるまでオーブンやグリルでじっくり焼いたのも十分においしいですよ。


【PR】

書籍版「ギリシャのごはん」
9品レシピを追加した増補新装版が8月29日に発売になります!
野菜をたっぷり使ったレシピもいろいろ掲載
まだお持ちでない方はぜひこの機会に読んでいただけるとうれしいです。


ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ
人気blogランキングへ

先日は、ちょっと用事があって(一応出張・実質遠足)数年ぶりにピリオ山へ行ってきました。

2022.05.09 mezedes1a

日帰りだったので観光する時間はなかったのだけど、食べ物関連は一応目的を果たすことができて満足。持ち帰った食材でいろいろ作っているので、しばらくお付き合いください。


写真のメゼ(おつまみ)いろいろは、チプラディコで食べ切れなかった料理も活用したメニュー。
出張先のピリオで晩ごはんを食べるかヴォロスの街へ下りてきて食べるかちょっと迷ったんですが、久々にチプラディコの気分だったので。チプラディコとはギリシャ版居酒屋のひとつで、ぶどうの蒸留酒「チプロ」を飲みながらおつまみを楽しめるお店。料理はメニューから頼むことも、チプロにあわせておまかせで出してもらうこともできます。


2022.05.09 mezedes2
メニューから選んだ料理もおまかせの料理もかなり量が多かったので、魚のフライとイソギンチャクは半分取り分けておいてお持ち帰りにしました。
イソギンチャクはギリシャではヴォロスのチプラディコでしか見たことがないですが、小麦粉をまぶして揚げて食べられます。私はちょっとアレンジして、唐辛子やこしょうを効かせたスパイシー味にしてみました。


2022.05.09 mezedes3
魚フライはそのままじゃなく、ギリシャ風南蛮漬けのようなサヴォロにしておきました。レストランの揚げ魚は量が多くて持ち帰ることがよくあるんですが、私はサヴォロにリメイクするのがお気に入りなんです。おいしいのはもちろん、ビネガーやローズマリーの効果で傷みにくくなりそうだし。


2022.05.09 mezedes4
野菜系は簡単に、トマトのサラダと出発前に作ってあったファヴァ。トマトのサラダは、ピリオで買ってきたチチラヴラのピクルスと自分で漬けたオリーブをトッピングしました。

チチラヴラはピリオやヴォロスへ行ったらいつも食べるんだけど、独特な風味がチプロにぴったりな木の芽のおつまみです。
今回のは下山途中でさっと寄ったお店で買ったのだけど、食感は柔らかすぎた……でも味はよかったです。

一番手前の料理に触れてませんが、長くなるのでこれはまた次回に。


ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ
人気blogランキングへ

ここのところは暑いぐらいの日も多くなってきました。

2022.04.28 オヴリェスケフテデス
好きな春の野草のひとつ、オヴリェス(アヴロニェス、ブラックブライオニー)もそろそろ終わり。実はあることを思いついて、滑り込みで1束買ってきました。

書籍版「ギリシャのごはん」(イカロス出版)のメゼの章に「アスパラガスのケフテデス」のレシピを載せているんですが、これはピリオ山の郷土料理のわらびのケフテデスをアスパラに置き換えたもの。

わらびって私が住んでいるところには売ってなくて、かと言って摘みに行くこともなかなかできないので、未だ自分では作れずにいる料理です。
日本に住む妹に作り方を教えたら、それ以来わらびの季節に一回は作っているとのことで、毎年羨ましく思っています。

ふと、「わらびとはまた違った味わいだけど、オヴリェスでもいけるのでは?」と気付いて、早速作ってみたのがこちら。
ケフテデス(ミートボール、もしくはミートボールを模した料理)って何で作ってもおいしい気がしますが、ほろ苦い山菜を使ったものも当然いけますね。

ちなみにオヴリェスの料理で一番好きなのは、ギリシャ料理だとタコと一緒に煮込んだものです。私はどちらかと言うと和食によく使ってますが。


2022.04.27 オヴリェスたたき
今回は茹でたのをちょっと取り分けて、味噌味のたたきにしました。炊き込みごはんも大好きなのでかなり迷ったんですが、また来年かな……?

【関連記事】




ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ
人気blogランキングへ

↑このページのトップヘ