ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:お菓子

8月27日は聖ファヌリオスの祝日だったので、聖人にちなんだファヌロピタというケーキをその前日に焼きました。

2024.08.27a
聖人の日はあまり覚えていることがないのですが、丁度去年の今頃に一時帰国し、その時に市販のファヌロピタを買って持って行ったなぁと思い出していたのです。

ほとんどのレシピがそうであるように、ファヌロピタも作り手や地方によってさまざま。でもいくつかの決まりがあって、そのうちのひとつは動物性の材料を使わないニスティシマ(節制のルールに従った)のケーキであること。また、材料の数は7、9、11のいずれかと決まっているそうです。



……と、そんな話とレシピを10年ちょっと前に出した「ギリシャごはんに誘われてアテネへ」という本のお菓子の章に書いたのも懐かしい。もう絶版になっている本ですが、そのレシピで作ったというご報告をいただいたり、未だにちらほらとご購入くださる方もいるようでありがたいです。

私はクリスチャンでもないし教会へは行かないのでただファヌロピタを作っただけですが、聖ファヌリオスの日に教会へ持って行き、祝福を受けたそれを切り分けて振る舞うのが習わしです。また、聖ファヌリオスは失せ物を見つけてくれる聖人なので、何か大事なものを無くしたときにも、ファヌロピタを教会へ持って行き願掛をします。

ファヌロピタは風味付けにシナモンやクローブが使われ、オレンジなども入れるレシピが多いです。そのためギリシャのお菓子によくある風味に仕上がります。

2024.08.27b
濃いギリシャコーヒーとの相性が抜群なので朝食やおやつにもいいですが、チーズやワインと一緒に楽しんでも。ずっと前に買ったヴァトペディ修道院伝統レシピの甘口ワインがあるのを思い出し、あわせてみました。

ちなみにヴァトペディ修道院は聖山アトス(アトス自治修道士共和国)の中でも最も規模の大きい修道院のひとつです。女人禁制で俗世とは切り離された祈りの生活をする聖地という認識ですが、かなり現代的になっている部分もあって、ヴァトペディのような大きな修道院にそれが顕著です。



アトスのことを紹介した書籍では村上春樹の「雨天炎天」が一番有名でしょうか。
そこに描かれているのは何十年も前のアトスなのでそれなりの変化も当然と言えば当然なのだけど、ヴァトペディ修道院の今風なウェブサイト(オンラインショップは洗練されたパッケージデザインの食品やコスメが多数あり、SNS展開も!)を眺めていると、時代は変わったものだなぁとつくづく感じます。


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無事に復活祭を迎えやれやれとひと息ついたら、疲れがどっと出てしまいました。

2024.05.12 ekmek me tsoureki
Εκμέκ με τσουρέκι

だるい〜と思いつつもなぜかお菓子作りスイッチは入ったままだったので、復活祭のお菓子盛り合わせに参加させたかったけどできなかったクルラキァ(ビスケット、クッキー)を追加で作ったり、引き続きお菓子祭り開催中。

最初に作ったクルラキァやチュレキ(菓子パン)はすぐになくなってしまいましたが、焼き菓子ばかりだと飽きるので、取り分けておいたプレーンなチュレキで「エクメック」というデザートを作りました。

エクメック(エキメッキ)はトルコ語でパンの総称ですが、ギリシャではシロップを染み込ませたカダイフィという細麺状のペストリーまたはパンの上にクリームを重ねたデザートのこと。カダイフィを使った「エクメック・カダイフィ」の方が一般的で、お菓子屋さんではこちらのタイプをよく見かけます。


2024.05.12 ekmek me tsoureki1
パンの方は、復活祭の時などに余ったチュレキの再利用法としてもポピュラー。ちょっと硬くパサついてきたチュレキが丁度いいのです。ギリシャ以外ではまずチュレキが家にあるということは滅多にないかと思いますが、硬くなったブリオッシュでも同じように作れそうです。


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この一週間はかなり慌しく過ごしていましたが、無事に復活祭を迎え、ようやくひと息ついているイースターマンデーです。

2024.05.04 easter sweets
うちは家族の食べ物の好みが結構バラバラなため、こういう行事の時はみんなが好きなお菓子の方に力が入ります。今年も沢山作りましたが、オーブンから出た途端に手が伸びてくるので「すぐ食べてもいい分」をキッチンに置いておくのは必須です。


2024.05.04 easter sweets1
ほんのり甘く、香りのいい菓子パンのチュレキと、イースタービスケットは絶対に外せない定番。どちらもやさしい甘さなので、日本人にも受けるギリシャのお菓子です。我が家オリジナルのサワーチェリーとチョコのチュレキは家族の大好物なのでできれば2つは欲しいのだけど、今年は控えめに1個だけにしたら案の定足りなかったみたい。もうすぐサワーチェリーの時期なので、ドライチェリーを多めに作らなければ。


2024.05.04 easter sweets2
チョコは中に入れてるダークチョコだけでもいいかなとも思いましたが、やっぱりホワイトチョコはあった方が断然おいしいです。ビニール袋に入れて溶かし、そのままかけるだけと簡単ですしね。

イースタービスケットは昔知人のお母さんに教えてもらったレシピでずっと作っています。他のレシピを試してみたり、このレシピをアレンジや改良してもいいのだけど、こういうお菓子って思い出も味のうちなのですよね。日本向けに膨張剤をアンモニアの代わりにベーキングパウダーにした(うちではアンモニアで作っています)以外は配合はいじってなくて、やさしい味のビスケットです。バターはギリシャならケルキラ島タイプなど、ミルクの香りがしっかり感じられるものを使うのがポイントです。

もうひとつ、ここ何年か復活祭のお菓子盛り合わせに参加させてるのがシミ島のブティレーニャです(奥の大きな輪っか)。夏のバカンスの時は島のベーカリーで買ったのを朝食やスナックにいつも食べているお気に入り。シミ島には他にもいろんな伝統的なお菓子があって、今回はザハレーニャという粉砂糖をまぶしたクルラキァも食べたくなったので作りました(一番手前に並んでいるもの)。レシピはそのうちどこかで紹介しようと思いつつ、載せてませんが……いつか機会があれば。

あとは復活祭といえばフレッシュチーズのお菓子も欲しいなと作ったサントリーニ島のメリティーニャという甘いチーズパイと、いつもの茶色いイースターエッグ。カラフルなイースターエッグも巷に溢れてますが、やはりギリシャのイースターエッグといえば伝統的な赤。染料を買って作るほど大量にもいらないし、玉ねぎの皮で赤茶〜茶色になるまで煮て作ります。赤いのは出来合いのを少しだけ買ってくるのだけど、今回は気が変わって自作のだけ。ちょっとヒビが入ってしまった(そして色が薄い)のをチュレキの飾りにしました。


2024.05.05 easter breakfast
ささやかな朝食バイキングがちょっとうれしい、復活祭の連休です。


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カロミナ(よい月を)。4月になりました。
先週半ばくらいからぐんと暖かくなり、昼間外を歩いていると暑いぐらいです。

2024.03.20 semolina halva with apple
Χαλβάς σιμιγδαλένιος με μήλο και φουντούκια

イースターの投稿は?と思われた方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、今年の正教会の復活祭は5月5日で、日本のゴールデンウィークとイースター休みがほぼ重なります。パンデミック前の同じ頃に一時帰国したのですが、ギリシャのイースターっぽいことをしたり地元のお祭りを見に行ったのがとても懐かしいです。残念ながら今年は日本へは行けそうにないし、特別なことをする予定もないけれど、家でささやかに美味しいものでも食べたいなぁと思っています。

そんなわけでまだ1か月は断食期間なので、いくつか断食メニューも載せていく予定。カサリ・デフテラ(断食期間初日の祝日)の時に作ったセモリナ粉のハルヴァというお菓子を別記事で紹介しようと思っていたら月をまたいでしまいましたが、こちらは昔載せたレシピの改訂版になります。


ハルヴァというと米原万理さんのエッセイに登場した、ものすごく美味しい謎のお菓子としてご存知の方もいるでしょう。



彼女がソ連時代に食べたという、“噛み砕くほどにいろいろなナッツや蜜や神秘的な香辛料の味がわき出てきて混じり合う”ようなハルヴァがギリシャにあるかはわからないけど、スーパーでもよく売っているハルヴァはごまペーストのタヒニを主原料としたヌガーの一種のようなお菓子で、無骨でどっしりとしたブロック状の見た目と、口の中でサクッ・ホロッと溶ける食感のギャップが面白いです。

「ハルヴァ・トゥ・バカリ(食料品店のハルヴァ)」とも呼ばれるごまペーストのハルヴァは一応手作りもできますが、基本的にお店で買うもので、細かい繊維状に練り上げるには熟練の技と力を要します。ハルヴァというお菓子はそれ以外にもいろんな種類があるのですが、特によく知られるのはセモリナ粉のハルヴァや、ファルサラのハルヴァ(ギリシャ中部ファルサラ辺りの郷土菓子。スターチで作られるぷるんとしたハルヴァで、キャラメル化させてある)など。全国的によく食べられ、簡単なので家庭でよく作られるのはセモリナ粉のハルヴァです。


2024.03.18 semolina halva with apple

セモリナ粉のハルヴァをざっくり説明すると、炒ったセモリナ粉を砂糖と水で煮た簡単お菓子です。セモリナ粉の粒感とホロッとした食感が特徴で、素朴な味わいは日本の郷土菓子と言って出されても(油気が結構ある以外は)あまり違和感はないかもしれません。

りんごを加えたバリエーションは昔思いついてレシピ化したものですが、今回は微妙に違うので改訂版としてレシピを書いてみました。動物性の食品を摂らないギリシャ正教の断食ルールに沿ったお菓子で、ベジタリアンやヴィーガンの方にも食べていただけます。

レシピは関連記事のあとに続きます。

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アポクリエス(カーニバル)最終日。みんなが実践するわけではないですが、明日から復活祭までは動物性食品を摂らない長い断食期間に入ります。

2024.03.16 galatopita
前回の記事ではティリニ(チーズ週間)によく食べるものについてちょっと書きました。我が家ではティリニらしいものは食事パイを2種類作り、甘いミルクパイも作りたかったな……という心残りがあったのですが、やはり食べたい気持ちが勝って昨日の午後にえいやっと作りました。

フィロ生地も自作でというとかなり手間がかかるように思われるかもしれないけど、一番のハードルは“作ろうという気持ちに持って行くこと”のような気がします。特に私はお菓子作りってあまり気乗りがしないので、ようやくスイッチが入って作り始めたら意外とすぐだったということの繰り返しです(でもまたすぐ腰が重くなる)。

レシピは以前載せたので、記事最後の関連リンクからご覧くださいね。フィロ生地のはやはり作ったその日がおいしいので、食べるのは私と長女の2人だけだから、今回は2/3ぐらいの量でちょっと小さめに作りました。クラストレスのもあまり日持ちはしませんが、2、3日くらい冷蔵庫で置いてもそれほど味は落ちません。

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