ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:イースター

復活祭の日曜日は、一応それらしくラムを使った料理にしました。

2025.04.20 easter lunch
今年はアーティチョークも入れたクレフティコが食べたい気分だったので、長女と自分用に作り、ラムはあまり食べない夫と次女には豚肉ヴァージョン。同じ組み合わせを数年前にやったような気がするなぁと思って調べたら、2021年でした。この時と違う点は、今回ラム肉は骨つきのを使ったこと。トマトじゃなくレモンのスライスをのせたのは前と同じでした。レモンは少し厚めのスライスにし、よく焼けて柔らかくなった皮ごとラムと一緒に食べると美味しいんですよ。

2025.04.20 easter lunch1
肉と野菜の料理ってどちらかというと野菜の方が楽しみなんですが、このアーティチョークやポテトも最高。
添えてあるのはグリーンサラダと、お皿も白なのでちょっと見えにくいですがジャジキ(きゅうりとギリシャヨーグルトのにんにく風味ディップ)です。

2025.04.20 easter lunch2
こちらは豚肉を使ったクレフティコ。
夫も次女も肉の脂や筋などが苦手なのでもも肉使用です。長時間焼いたり煮たりする料理に使うと脂をしっかり除いたもも肉はパサつくのだけど、それをよしとする二人です。肉を捌いたときに分けた、ある程度脂のついた部分は後日私と長女用の別の料理にする予定。食べ物の好みが分かれてると面倒なことも多いけど、結構うまく回っている我が家です。

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クレフティコのレシピは、拙著「ギリシャのごはん」に掲載しています。

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フロニャ・ポラ!
田舎へ帰省したりしてる人が多いのか、うちの辺りは静かな復活祭の日曜です。

2025.05.19 vegan mageiritsa
最近の私は、張り切りすぎないのがモットー。家族みんなが好きなお菓子だけはいっぱい作って、料理はほどほどに準備します。昔は友人家族とギリシャの典型的なイースターホリデーを過ごしたりもしてたのだけど、フードファイト状態でなかなかハードなんですよね。

土曜から日曜に日付が変わり、教会から帰ってきて深夜に食べるマギリッツァという羊モツのスープは、長期間に渡る動物性食品の断食を破り肉料理でお祝いするウォームアップのような感じですが、真夜中だというのにマギリッツァだけでなく沢山の肉料理が並ぶことも珍しくありません。

そんな復活祭をちょっと懐かしく思いつつ、自分の中で定番化しつつあるのがヴィーガンマギリッツァです。モツを使った伝統的なマギリッツァは大好きなので何度か作ったこともあるんですが、うちは家族が誰も食べないので、自分だけのために作るのはモツの量的にかなり厳しいのです。日本みたいに少量パックなんてものは存在しないギリシャでは、羊モツはレバー、心臓、肺など繋がった状態で売られてます。ぜひ入れたい腸も、1頭分なので多い。いつだったか日本から妹が来た時に作ったのはなかなか楽しい思い出だけど、ふたりでもやはり持て余してしまいました。

ギリシャで長く暮らすうちに、鶏レバーとアヴゴレモノ(卵レモン)、きのことアヴゴレモノなど、羊モツの入らないマギリッツァをいろいろ試行錯誤した末、これが私なりの完成形かなと思えるのがきのことひよこ豆ピュレのヴィーガンマギリッツァ。

ちなみにマギリッツァは、スープというより煮込みみたいなものやトマト味のものなど地方バリエーションもいろいろあるのだけど、全国的に見られスタンダードとされるのは、モツのほかにレタスやハーブ、米を入れてアヴゴレモノ仕立てにしたタイプです。

また、ギリシャ人でもみんながマギリッツァを好きなわけではなく、モツが苦手な人や菜食主義者もいるので、伝統的でないマギリッツァも定番化しています。

2025.05.19 vegan mageiritsa1
ひよこ豆ピュレをアヴゴレモノの代わりに使ったのは我ながらいいアイデアだなと思ってるのですが、普通においしくヘルシーで、食べごたえもあるのでぜひベジタリアンやヴィーガン以外にも試してもらいたいレシピです。やさしい味と食感で、体調が悪いときの食事にもぴったりですよ。


2025.05.19 easter bread & biscuits
そして、今年のお菓子たち。
これも我が家の定番と呼べるものがほぼできあがっていて、違う種類のチュレキ(甘いパン)やフレッシュチーズのお菓子も作ろうかなと最後まで迷ったのだけど、無理なく作れる範囲にしようと思いとどまりました。なので、今回作ったのはサワーチェリー&チョコのチュレキと、ベーシックなイースタービスケット、シミ島のクルラキァ3種。一緒に並んでるイースターエッグはいつもの玉ねぎの皮でひたすら煮て染めたもので、卵同士をぶつけて勝者を競うゲーム用には市販の赤いイースターエッグも少し買ってます。

チュレキは2個作ったけど、これは真っ先になくなりますね。ビスケットも朝食やおやつにつまんでどんどん減っていきます。

【関連レシピ】





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イースターサンデーの料理部門。直前までどうするか決めかねて、やっつけで作った復活祭メニューらしきものです。

2024.05.05 easter1
昨日の記事でも触れましたが、復活祭のお菓子は我が家の伝統と言えるような定番ができあがっているけれど、料理は毎年どうしようか悩みます。
ギリシャの復活祭の料理はラムや仔山羊の丸焼きが有名。丸焼きでなくともこれらのお肉を使った料理が定番で、伝統的な食卓には欠かせないものとなっています。それに加え他の肉料理やレバーなど内臓の料理が前菜に出てきたりと、胃袋の限界が試されます。

とは言え、近年はそんなに大量の肉を買っている人はあまり見なくなりました。昔は復活祭前に市場やスーパーへ行くと、丸ごとのラムをカートに積んだり抱えて運んでいる人をよく見かけたものですが。経済的な理由が一番大きいのでしょうけど、他にもさまざまな要因がありそうですね。

うちの場合、私と長女しかラムを好んで食べないし、モツが好きなのは私だけ。それでもちょっと何か作りたいしラムレッグでも買おうかなと迷っているうちに買いそびれてしまいました。全部のお店がというわけではないはずですが、復活祭直前は抱き合わせ商法で頭も付けられてしまうので、それは今いらないなぁと。

ヴィーガンの復活祭メニューも随分前に考えてたのだけど、詰め物をしたラムが食べたい気分でもあったので、雰囲気だけでもと思い冷凍庫にあった鶏もも肉を捌いて作ったのが今回のメイン。ラムや仔山羊に詰め物をして焼いた料理は島でよく見かける気がしますが、一頭丸ごとだったり、小規模に腿や肩肉で作ったり。詰め物も、地方によっていろいろです。今回はナクソス島風に、ふだんそうとハーブと米のフィリングで。少し前に載せたふだんそうパイのフィリングと同じような材料ですが、肉に詰める場合はレバーなど入れたりもします。


2024.05.05 easter2
こんな感じで、なんとか閉じてたこ糸で縛ったけど、針と糸で縫うとか楊枝で留める方がよさそう。ちょっと心許なかったので、とじ目を上にして焼き途中で一回ひっくり返しました。


2024.05.05 easter3
焼き上がりを切ってみたところ。チキンヴァージョンもおいしいのだけど、やはりラムで作ったのが食べたい……チキンでもせめてレバーを入れたかったなぁ。


2024.05.05 easter4
もう一品は考えてたヴィーガンメニューからひとつ、ジゲロサルマデス。羊モツを米やハーブとあわせたフィリングを網脂で包んで焼いたものです。かなり前の復活祭に作ったことがあるので、興味のある方は関連記事をご覧ください。ヴィーガンヴァージョンは網脂の代わりにライスペーパーで包んでみたのだけど、焼いてるうちにちょっと破れてしまいました。味はよかったのだけど、材料をシンプルにするため省いた材料はやはり入れるべきだったかも。こちらもちょっと課題の残る仕上がりでした。


【関連記事】

2024年の復活祭、お菓子部門はこちら


ジゲロサルマデスを作った時の記事です(レシピはなし)


今回作った詰め物料理と似たフィリングを使った植物性材料だけのパイ。ナクソス島ではふだんそうをよく食べます

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この一週間はかなり慌しく過ごしていましたが、無事に復活祭を迎え、ようやくひと息ついているイースターマンデーです。

2024.05.04 easter sweets
うちは家族の食べ物の好みが結構バラバラなため、こういう行事の時はみんなが好きなお菓子の方に力が入ります。今年も沢山作りましたが、オーブンから出た途端に手が伸びてくるので「すぐ食べてもいい分」をキッチンに置いておくのは必須です。


2024.05.04 easter sweets1
ほんのり甘く、香りのいい菓子パンのチュレキと、イースタービスケットは絶対に外せない定番。どちらもやさしい甘さなので、日本人にも受けるギリシャのお菓子です。我が家オリジナルのサワーチェリーとチョコのチュレキは家族の大好物なのでできれば2つは欲しいのだけど、今年は控えめに1個だけにしたら案の定足りなかったみたい。もうすぐサワーチェリーの時期なので、ドライチェリーを多めに作らなければ。


2024.05.04 easter sweets2
チョコは中に入れてるダークチョコだけでもいいかなとも思いましたが、やっぱりホワイトチョコはあった方が断然おいしいです。ビニール袋に入れて溶かし、そのままかけるだけと簡単ですしね。

イースタービスケットは昔知人のお母さんに教えてもらったレシピでずっと作っています。他のレシピを試してみたり、このレシピをアレンジや改良してもいいのだけど、こういうお菓子って思い出も味のうちなのですよね。日本向けに膨張剤をアンモニアの代わりにベーキングパウダーにした(うちではアンモニアで作っています)以外は配合はいじってなくて、やさしい味のビスケットです。バターはギリシャならケルキラ島タイプなど、ミルクの香りがしっかり感じられるものを使うのがポイントです。

もうひとつ、ここ何年か復活祭のお菓子盛り合わせに参加させてるのがシミ島のブティレーニャです(奥の大きな輪っか)。夏のバカンスの時は島のベーカリーで買ったのを朝食やスナックにいつも食べているお気に入り。シミ島には他にもいろんな伝統的なお菓子があって、今回はザハレーニャという粉砂糖をまぶしたクルラキァも食べたくなったので作りました(一番手前に並んでいるもの)。レシピはそのうちどこかで紹介しようと思いつつ、載せてませんが……いつか機会があれば。

あとは復活祭といえばフレッシュチーズのお菓子も欲しいなと作ったサントリーニ島のメリティーニャという甘いチーズパイと、いつもの茶色いイースターエッグ。カラフルなイースターエッグも巷に溢れてますが、やはりギリシャのイースターエッグといえば伝統的な赤。染料を買って作るほど大量にもいらないし、玉ねぎの皮で赤茶〜茶色になるまで煮て作ります。赤いのは出来合いのを少しだけ買ってくるのだけど、今回は気が変わって自作のだけ。ちょっとヒビが入ってしまった(そして色が薄い)のをチュレキの飾りにしました。


2024.05.05 easter breakfast
ささやかな朝食バイキングがちょっとうれしい、復活祭の連休です。


【関連記事】




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フリストス・アネスティ!(ハリストス復活)
今日は、ギリシャ正教含む東方教会のイースターサンデーです。

2023.04.15 easter
ギリシャで最も盛大にお祝いされる大きな行事が復活祭(ギリシャ語ではパスハ)。行事食としては、動物性の食品を節食する長い断食が明けた途端に肉料理のオンパレードになります。
特にラムや仔山羊の料理が定番で、豪快に丸焼きをするおうちも多いですが、うちは家族がラム肉をあまり食べないので、代わりにお菓子を沢山作ります。


2023.04.15 easter1
毎年必ず作るのは、チュレキという菓子パンとイースタービスケットです。チュレキは我が家オリジナルのサワーチェリーとチョコのが大人気なのでブログに載せてるレシピの分量よりも多く作るんですが、それでもすぐなくなるから最近は違う種類のも。今回はスタンダードなスパイス類(マスティハ、マプレピ、カルダモン)とオレンジで香りをつけたプレーンなチュレキにしました。


2023.04.15 easter2
サワーチェリー&チョコのチュレキは巻き込む作り方にしたけど、練り込んだ方がちょっと潰れたチェリーが生地になじんで美味しい気がします。練り込むと飛び出したチェリーやチョコが焦げやすいという難点があるので、どちらにするか悩むところですが……。
プレーンなチュレキは久々にイースターエッグを埋め込んで焼いてみましたが、こちらは生地が開いてしまったので出来がいまいち。

イースタービスケットは、夫の友人のお母さんに教えてもらったのを作り続けています。これもオレンジ風味などバリエーションがあるんですが、バターと卵とバニラのやさしい風味のが好きすぎてずっとこれ。

ビスケットのお皿で、後ろに並んでいる風合いが少し違う輪っかはここ数年復活祭にも作っているシミ島のクルラキァ。ブティレニァ(バター風味の)と呼ばれるけど前述のイースタービスケットよりもかなりリーンな感じでチーズなんかと一緒に軽食にもぴったりな味わいです(これはかなり試作を重ねたレシピで、大事にしすぎて今のところ未発表。作り方が気になっている方すみません)。

フレッシュチーズを詰めたお菓子も2種類。葉っぱの下に隠れてるのはレシピ未発表ですが、レシピ本にはクレタ島のリフナラキァというお菓子を自家製チーズで作る方法で掲載、CLASS101ではサントリーニ島のメリティーニャ(今回も作ったお菓子のひとつで、手前の方)をご紹介しています。このようなチーズのお菓子は特にエーゲ海の島々に多くのバリエーションが見られ、復活祭の定番お菓子でもあります。ちなみに似たようなお菓子がイタリアのプーリア地方やサルデーニャ、シチリア辺りにもあり、復活祭によく作られるそうです。


【関連記事】

ギリシャでのイースターの祝い方などご紹介した記事です。


イースターに食べる定番ビスケットのレシピ。


イースターに欠かせない菓子パン「チュレキ」。伝統的なものはマスティハやマフレピといった香料を入れますが、こちらは日本で入手しやすい材料で作ったアレンジです。


我が家で一番人気の変わりチュレキのレシピ。


Twinkle Japanのブログ記事「イースターエッグのまとめ」にて拙ブログをご紹介いただきました。



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