ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:ギリシャの美味しいもの

ギリシャで暮らすようになってから、特に好きになった果物がメロン。今の季節は晩生品種のがまだ売っているので、時期が長いのもうれしいです。

2020.10.20 salad
私は果物そのままよりも塩気のあるものとあわせるのが好きなので、サラダに入れたりします。写真は、ルッコラ&フェタチーズとの組み合わせ。肉系のものも入れるつもりが買い忘れたのでシンプルになってしまったけど、これだけでも満足度高いです。


2020.10.20 salad1
今回のドレッシングはレモンも少し入れたハニーマスタードヴィネグレットにしました。ハニーマスタードやバルサミコのドレッシングはギリシャでもポピュラーでレストランでも(特にモダンギリシャ系では)よく見かけるものですが、甘すぎる場合も結構あるんですよね。私はちょっと甘い程度のが好きです。


2020.10.13 melon
使ったメロンはこちら。以前も多分載せたことがあるけどトラキアメロン(ペポニ・スラキスまたはスラキオティコ・ペポニ)と呼ばれるもので、北ギリシャのトルコとの国境辺りで古くから栽培されているメロンです。「ゴールデンヘッド」という保護された品種のこのメロンは夏の終わりから秋にかけて出回る晩生メロンのひとつで、かぼちゃのようなユーモラスな見た目ですが、口の中に広がる香りがとてもよくデリケートな味わい。


2020.10.17 melon
買って結構すぐ食べちゃうのですが、涼しい場所に置いておくと冬まで持ちます。晩生メロンは、地方によってはクリスマスに食べたりもするそうです。


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前回の記事でちょっと触れた「チチラヴラ」。テレヴィンソスという木の新芽のことで、ピリオ山の特産品です。

2018.02.08 tsitsiravla

学名はウルシ科カイノキ属のPistacia terebinthus。和名はテレビンノキ(?)ですが、聖書に出てくるテレビンノキはパレスチナのテレビンノキ(Pistacia palestina)で別物らしいです。

ギリシャ人でも誰もが知っているメジャーな食材ではないのですが、それもそのはず。この木自体はギリシャ中で見られるものの、食用とされるのはピリオだけだそう。貧しい時代、深刻な食糧不足に苦しんでいた人々は、野山に生えるあらゆる植物を食べていました。チチラヴラもそのひとつでしたが、現代ではピリオの名物として定着しています。チプロ(ギリシャのポマースブランデー)のおつまみに最高とされ、チプラディコ(チプロとおつまみを出すヴォロス風の居酒屋)でも定番。ヴォロス以外にあるチプラディコでもよくメニューに載っているので、見かけたら食べてみてください。


2017.04.23 tsitsiravla

食用となるのは、柔らかい新芽の部分。4月に新芽を収穫し、茹でてサラダのように食べたりピクルスにして保存食に。ピクルスは、茹でた新芽をビネガー入りの塩水と一緒に瓶詰めにします。個人的には、あまりビネガーっ気がない方が好みです。


2018.02.08 tsitsiravla1

チチラヴラは独特な風味があり好き嫌いが分かれそうなのに加え、売っているのは結構当たりはずれがあったりもします。ブログ初期の記事に書いた、アニリオという村のがとてもおいしかった記憶があるのですが、あの癖になる感じは何だったんだろう?


2017.04.23

今回のこれはずいぶん前にアテネのエクサルヒア地区の公園で開かれてたマーケットで見かけて買ったのですが、しばらく経ってから開けてみたらちょっと膜ができていたので、売ってたそのままの状態では味見はしてないのです。膜自体は漬物によく発生する害のないものなので、もう一度茹でて漬け直しました。
カビたりしないよう油を少し注いで空気に触れないようにし、さてこれで安心……と、冷蔵庫に入れて食べる機会を逃したままとなっていたのですが、また忘れないうちに食べてしまわないと^^;

似たものを日本でも食べるのかなと思い調べてみたところ、カイノキについてはあまり情報がなかったのですが、ウルシの新芽については天ぷらなどにして食べるという情報が結構たくさんヒットしました。ちょっと読んだ感じ、チチラヴラの味はカイノキに近いのかもしれません。

http://forestermaeda.blog46.fc2.com/blog-entry-1366.html
カイノキ新芽の天ぷら
http://waurusi.sblo.jp/article/3652816.html
ウルシの芽の天ぷら


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ご無沙汰しております。
家のことだけでいっぱいいっぱいな夏休み。「市場の日」「スーパーの特売」「ピッツァの日」で、かろうじて曜日の感覚が保てています。

2017.06.06 avocado tarama gunkan
Gunkan-maki with Avocado & Tarama

たまに料理の写真を撮っても載せそびれてばかりで、今回の画像は先月はじめに作ったお寿司です。アボカド、今シーズンは高かったなという印象(前も書いた気がするけど)。もっと食べたかったな〜。

家で作るお寿司と言うと、最近は生魚欲が薄れてきているので、魚以外のものが多いです。アボカドはもちろん定番のひとつ。めずらしく軍艦巻きな気分だったので、小さく切ったアボカドをギリシャのタラマと合わせて使ってみました。

タラマは、ご存知タラモサラタの材料。このギリシャ料理の語源は当然ながら「たらこ+いも」じゃなくて、タラマスと呼ばれる塩漬け魚卵を使うから……というのは、最近ではそこそこ知れてきているような気がしますが、どうでしょう?主にコイやタラの卵を使うそうですが、普通に見かけるのはタラの卵のようです。味は塩がきつめのたらこで、ギリシャ在住者にとっては、たらこの代用品としてなかなか重宝するものです。

さて、アボカドタラマ軍艦の作り方。
タラマは粒々が半分潰れたようなペースト状になっているので、酒でのばします。料理用にしてる自家製の清酒を使いましたが、白ワインやラキまたはチプロでも。今回はシンプルに、香り付け程度の醤油を加えただけにしましたが、ギリシャ風にしたければ刻んだディルやレモン、オリーブオイルなど、それらしいものを加えてもよく合います。小さく切ったアボカドを加え、さっくりと和えて軍艦巻きにトッピングしてできあがり。ねぎの小口切りをたっぷりと散らしてどうぞ。すでに味が付いているので、このままお醤油なしで食べられますよ。食べやすいよう、一口でパクッといけるサイズに作るのがおすすめです。

完全にギリシャ風アレンジを加えたお寿司にしたい場合、海苔の代わりにごく薄く切ったきゅうりで巻くといいと思います。ギリシャらしい食材といえばのブドウの葉ももちろんありなのですが、軍艦巻きにはちょっと頼りないのと、この組み合わせにはきゅうりのさわやかな味と食感が合うので。

あぁ、書いていたらまた食べたくなってきた……。次回はギリシャ風のを作ろうと思います。


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一昨日から妹が遊びに来ています。

妹がこちらに来る時はいつも「どこ(観光地)へ連れて行こう」よりも「何を食べさせよう」というのが最優先になってしまう、食いしん坊の私達^^;
もちろん、おうちごはんも堪能してもらうつもりだけど、着いたその日はとりあえず街へ繰り出すことにしました。

今回行ってみようと思ってたレストランが、入ってみれば印象悪すぎで早々に退散することにしたので、それじゃあどこへ行こうかとシンダグマ周辺をさまよい...次女の洗礼式の小物を買った店の近くに美味しいメゼドポリオンがあったのを思い出して、そこに決定!

2009.02.25 filema1

食べたのは、キャベツサラダ、ビーツのサラダ、アルメニア風ケバブ(主に夫用)、フライドポテト2つ、アセリナ(小魚)のフリット、ムール貝のサガナキ。結構控え目に注文したつもりだったのだけど、ここのは量が多めなのです。出てくる料理の盛りの豪快さに負けじと挑むも、敢無く敗退。無理に食べるよりはと、半分以上残った小魚はお持ち帰りしました。

残った...と書くとイマイチだったように誤解されるかもしれませんが、小魚は私達(夫と長女は除く)が一番気に入ったもので、とっても新鮮なのを軽〜く揚げてあるのです。これだけならいくらでも食べられそうなんですが、他の料理をやっつけないといけなかったので^^;
ムール貝のサガナキもボリューム満点!たっぷり入ったフェタチーズがとろけてクリーミーになったトマトソースはクミンの風味。そこにムール貝の身がゴロゴロ入ってます。

アルメニア風ケバブも程よいスパイシーさで美味しかったです。これは普通ヨーグルトが添えられてるそうですが、あまりヨーグルトを食べない夫の好みでピリ辛のトマト系ソースだけにしてもらってます。

2009.02.25 filema2娘用にと、野菜で作った女の子もサービスして下さいました


"Filema"(フィレマ)
16 Romvis Street

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もうすでに旬も終わりに近付きつつあるのですが、前回に引き続き葡萄の話題です。

moshato
(写真はマスカット)

その発祥地ではないものの、古代からワイン造りを続けてきたギリシャ人は葡萄という植物(実だけでなく)を丸ごと活用する術に長けています。春の新芽は料理やピクルスに、初夏の未熟な果実の絞り汁(アグリーダ)は酸味料として、夏から秋にかけて熟した果実は食用(そのまま、又は加工して)やワイン醸造に、そして実の終わってしまった蔓は焚き木にしたり籠を編んだり…と、ほとんど捨てるところがないのです。
さらに付け足すと、ワイン用の葡萄の絞り滓は蒸留酒にされるし、ワインそのものはワインビネガーに、ワインの底に溜まった澱はチーズに利用されたりもするのですから、葡萄がいかにギリシャの食文化において重要かというのがわかります。

前置きが長くなりましたが、ギリシャの秋の訪れを感じさせるのが、葡萄を使ったお菓子です。葡萄の収穫のピークは夏の終わりから秋の初め頃。ワイン造りに携わるのは男性が多いですが、女性達は葡萄の絞り汁(ムストス)を使ってお菓子や保存食作りに取り掛かります。その中でも、最も親しまれているのがムスタレヴリアというプディングと、ムストクルラというビスケットでしょう。ムストクルラは写真を撮っていないので、今回はムスタレヴリアをご紹介します。

moustalevria2

9月頃になると、スーパーでも初物のムストスで作ったムスタレヴリアやムストクルラが山積みにされていたりして、何となく買ってみたくなります。市販のものは、砂糖が少し足してあったりするんですけど...。


興味のある方の為に、簡単に作り方を説明します。
葡萄の汁は、ただ絞っただけでは灰汁が強いので、木灰またはアスプロホマと呼ばれる土(注1)を少量加えて澄ませてから漉し、発酵を止める為に煮ておきます。この時、用途や好みによって煮詰めておき、下準備の終了です。

moustos
朝市では、こんな風に下処理済みのムストスが売られていたりもします。

ムスタレヴリアの材料はシンプルで、本来は葡萄の汁と小麦粉だけです。語源の通りだと葡萄の汁と小麦粉(ムスト+アレヴリ)ですが、セモリナ粉を使ったり、また最近ではコーンスターチを使う人の方が多いかもしれません。作り方のバリエーションを挙げていくときりがないので省きますが、基本的には葡萄の汁5:粉1ぐらいの割合でしょうか。粉に葡萄の汁を少しずつ加えて溶き、鍋に入れてかきまぜながら加熱します。粉っぽさがなくなり、透き通ってきたら火から下ろし、容器に流しいれます。お好みで、砕いた胡桃や胡麻、シナモンなどをトッピングして出来上がりです。

moustalevria
Μουσταλευριά

ムスタレヴリアは写真のもののように柔らか目に作ってプディングとして食べてもいいし、硬く作って日干しにしたら冬に向けての保存食にもなります。


petimezi保存食と言えば、もっと幅広く使える食材がこちら。ムストスをトロリとした蜜状になるまで煮詰めて作ったペティメジ(注2)です。上で紹介したムスタレヴリアやムストクルラもペティメジで作ったりしますが、それ以外にもヘルシーな甘味料としてとても便利なものです。蜂蜜と並んで、このペティメジも古代ギリシャから使われていたのでしょうね。シンプルにヨーグルトやパンにトッピングしても美味しいし、料理に使っても面白いです。

注1:英語ではフラーズアース。石鹸作りなどにも使われるもので、汚れを吸着する働きがあるそうです。
注2:ギリシャのペティメジは葡萄が主ですが、他の果物で作ったシロップも指します。関連記事→ザクロの自家製ペティメジを使ったドレッシング

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