ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:ギリシャ料理

昨日3月25日はギリシャの独立記念日と生神女福音祭だったので、魚のメニューでした。

2026.03.25
この日に魚を食べるのは、正教の断食期間において例外として魚食が許されるためで、断食はやってなくても(我が家もそう)行事食として楽しむ人が多いです。

正教の決まりに沿うならその他の動物性食品を含まない料理ならなんでもいいのですが、定番となっているのがバカリァロス・スコルダリァ(干し鱈フライのガーリックディップ添え)です。

かつては安価な食材だった干し鱈も年々高くなるので、私にとっては、行事にかこつけてこの時期に干し鱈を買うのが毎年の楽しみ。スーパーマーケットでは3月25日を前に特売をやるので、それを狙います。しかし、今年は大幅に値上がりしたらしく、スーパーの特売といえど気軽に買えるものではなくなったのが残念。「本物」の「最高品質」とされるものは店によってはキロあたり30ユーロ近くまで値上がりしているとニュースになっていました。

それでもせっかくだから……と買ってきたのだけど、鱈はまた後日好きな料理で楽しもうと気が変わったので、干し鱈フライのように見せかけて違う魚で作ったのが昨日のメニューです。ちなみにパーチという白身魚ですが、ヨーロピアンパーチかナイルパーチかは不明。

干し鱈フライ(今回はパーチだけど)は小麦粉をはたいただけの軽いタイプがどちらかというと好みですが、最近イギリスのフィッシュ&チップスが恋しくなっていたというのもあり、バッター液の衣にしました。スコルダリァはマッシュポテトをベースにしたのもポピュラーですが、どっちがいいかな〜とちょっと迷って、パンとくるみを使ったものに。

サイドディッシュはビーツのサラダ。手抜きしてパックの調理済ビーツも便利に使っている私ですが、このメニューの時は葉付きのビーツでちゃんと作ります。

香ばしく揚がった魚のフライと自然な甘味のあるビーツのサラダ両方にスコルダリァが最高の相性なので、たっぷり添えるのがおすすめ。飲み物は松脂風味のワイン、レツィーナがよく合います。


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今回の記事に関連して、干し鱈の話をnoteにも書きました。
こちらもあわせて読んでいただけると嬉しいです。

冬と春の境い目ぐらいに出回る食材のひとつが、ハネムスカリの球根です。

2026.03.17 volvoi me koukia
春に花が咲く植物なので、本来の旬ではない気がしますが、復活祭前の断食期間に特によく食べられる食材だから2月3月ぐらいに売っているのでしょう。

ギリシャでハネムスカリ球根は、ピクルスにして食べるのが一般的です。動物性食品を断ち、質素な食事を心がける断食期間において、ピクルスは欠かせないもののようで、普段より消費が伸びます。よく売ってるのはミックスピクルス、きゅうり、唐辛子辺りですが、ハネムスカリ球根のピクルスを置いている店も。クレタ島などいくつかの島々や田舎の方だと遭遇率が高そうだけど、アテネでは置いている店がかなり限られそうです。

そういえば、カサラ・デフテラ前に近所の小さなスーパーへ買い物に行った時、「ヴォルヴィ(球根)はある?」と訊いているおばあさんがいました。店の人はハネムスカリ球根自体を知らなかったのか、首をひねっていましたが。

生の球根も、今シーズンは私の行動範囲内では少ししか見かけなくて、3月も半ばになってようやく買うことができました。ピクルスよりも、他の食べ方をするのにはまっていて、気分にまかせていろんな食材との組み合わせや調理法を試しています。


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まずは、そら豆と煮たもの。この組み合わせは好きで、サラダのようにしてもいいのだけど、今回はフェンネルを加えた塩味の煮込みです。


2026.03.17 volvoi
剥いて水に晒しておいた球根を下茹でなしでオリーブオイルで蒸し焼きにし、そら豆とフェンネル、水、塩を加えやわらかく煮てできあがり(好みでワインビネガー少々を加えても)。そら豆は、若いものだとさやごと使っても美味しいです。


2026.03.12 volvoi me horta
もうひとつは何かホルタ(野草)とあわせたのが食べたいなぁと思い、作ってみました。


2026.03.11poppy
ホルタは今年なぜかよく売っているヒナゲシを使いましたが、他の野草や青菜でも。アクが強いものやシュウ酸が多いものはさっと下茹でするといいです。これもまず球根が少しやわらかくなるまでオリーブオイルで焼いて、青菜とハーブ(今回はカフカリスラ、チャービル、フェンネル)、塩、水を加え、全体がくたっとするまで煮込みます。

敢えて味つけを塩だけにしたのは、私が何にでも胡椒を入れるのを好まないのと、ハネムスカリ球根を調理してると古代に思いを馳せてしまうからです(前にも書いてるけど)。と言っても、古代の食文化にそんなに詳しいわけではなくて、「現代人が食べるような食材に見えない……」と感じるからなんですが。自然とあわせたくなるのも、ギリシャに古くからある食材がしっくりくるような気がします。


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カサラ・デフテラのメニューに使うために茹でた白花豆を、ちょっと取り分けておいて野菜のメゼにしました。

2026.02.25a
ギリシャではギガンデスと呼ばれる白花豆。粒が大きく食べごたえがあるので、フライにしたりも。北ギリシャのプレスペスやカストリアで生産されるギガンテスが有名で、それぞれ原産地名称保護認証、地理的表示保護認証を受けています。

あの辺りの特産品つながりでフロリナペッパー(赤いバナナピーマンのような甘唐辛子)で作ったソースを添えるつもりだったのですが、食材が余り気味だしまた買い足したくないなぁ……と迷っていたところ、「マカロ」はどうだろう?と思いつきました。

マカロと呼ばれる料理は、北マケドニア共和国と北ギリシャのマケドニア地方の両方にあり、にんにくを効かせた味つけが特徴。北マケドニア共和国ではディップソースのようなものですが、北ギリシャ料理のマカロは小麦粉でとろみをつけたソースなので、同じ名前でも結構違った料理になるようです。マカロの味つけや色合いは地方による傾向や個人の好みによりさまざまで、油、小麦粉、にんにくという基本の材料に、ブイヨン、ワインビネガー、トマト(ペーストなど加工品、もしくは生トマト)、パプリカ(マイルドなもの、もしくは辛いもの)などが副材料として加えられることにより、バリエーションが生まれます。

最も一般的には揚げミートボールのソースとして、その他、チキンのソースとして使われることが多いです。ミートボールの場合、揚げ油をそのまま利用するのが本来の作り方のようで、食材を無駄にしない工夫から生まれたのでしょう。


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今回はモダンギリシャ料理のアプローチで豆とあわせるということで、マカロは酸味(ワインビネガー、トマトペースト)・うまみ(トマトペースト)・辛味(ホットパプリカ)・色味(トマトペースト、ホットパプリカ)の4要素を加えたパンチのあるものにしてみました。


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茹で豆を揚げるときの衣にはシンプルに小麦粉をまぶしただけですが、薄く小麦粉をはたいてから、小麦粉を炭酸水で溶いた衣にくぐらせると、もっとパリッとした仕上がりになります。

乾燥ミントを揉んで粉状にしたものと、胡椒、塩少々をボウルにあわせておき、揚げて油を切った豆を加えまぶしつけます。これも思いつきでやってみたもので、ミートボールの味つけを意識したのですが、見た目も味も断然よくなるのでおすすめ。

揚げ油でマカロを作るので、豆が冷めないうちに手早く作業します。鍋に残った油が多すぎたら減らし、底にたまった小麦粉で足りなそうなら衣に使った小麦粉を少し足します。すりおろしたにんにく(完成品写真の量なら、あまり大きくない1片ぐらい)を加え香りが立ったら、トマトペースト、ワインビネガー、パプリカ(辛いのでもマイルドなのでも好みで)を加え水でのばします。とろみが出るまで煮、塩で味をととのえます。器に豆のフライとマカロを好きなように盛りつけてできあがり。


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この日のもう一品は、そら豆とアーティチョークの煮込み。カサラ・デフテラのメニューに加えようかなと、土曜の市場でそら豆を衝動買いしてたのだけど、結局使わず持ち越したのでした。柔らかいさやごとの若いそら豆とアーティチョークとあわせた煮込みは、春を感じられる伝統的なギリシャ料理です。


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今週からサラコスティ(レント)。

2026.02.24
復活祭に向けて、節制を心がける期間で、食生活の面では「血が出ない・背骨がない」シーフードや魚卵を除いた動物性食品を断ちます。その初日となるカサラ・デフテラ(クリーンマンデー)は、断食をきちんとやる人もそうでない人も、ニスティシマ(断食メニュー)料理の並んだ食卓を囲む日。祝日ということで、ちょっと奮発してシーフードたっぷりのごちそうをお酒とともに楽しむ人も多いです。

我が家の場合、私以外は誰もシーフードを食べないので、いまいち盛り上がりに欠ける日。それでも以前はシーフードチャンス!と自分だけ張り切っていたりもしたのですが、別に他の日に食べればいいよなぁ……と、ここ数年は地味メニューで済ませています。

カサラ・デフテラの行事食の基本はラガナという平たく大きなパン。そのお供にタラモサラタ(これも、家族は食べないけど)、オリーブ、ピクルス、豆料理やシーフード料理といったものをあわせます。お菓子はハルヴァ、特に胡麻ペーストで作ったサクサク食感のヌガーのようなタイプがよく食べられます。


2026.02.23
今年のメニューは、ラガナ、タラモサラタ、白花豆のオーブン焼き、茹でカリフラワーのサラダ、アボカドとタヒニのディップでした。夫の分を先に分けてしまったので、ラガナはちぎってあります。ラガナとタラモサラタだけでも私は結構お腹いっぱいになってしまうので、やはりシーフードは別の日にして正解だったかも……。

トップの写真は、余ったタラモサラタで翌日作った野菜のメゼです。
私はタラモサラタをパンよりも野菜や豆と一緒に食べる方が好きで、一番お手軽なものだときゅうりにつけるのがおすすめなんですが、今回は、カリフラワーとかぶと若いそら豆をスキレットで焼いたものに添えてみました。

上にかかっている黒いのは、オリーブの粉。少量作ったから手揉みなのとオイル分でしっとりしてるので綺麗な粉になってませんが。
ずっと前に買ったクレタ島の小粒黒オリーブ(ドライキュアタイプ)が、残り少なくなり乾いてきたので、いっそ潰して粉末にすれば?と思ったのでした。開いて種をはずして低温オーブンで乾かし、細かく潰してあります。

これがとてもいいアクセントになり、大正解!あと少しだけオリーブが残ってるので、何か別のものにもあわせてみようかなと考えています。

アポクリエス最後のチーズ週間でした。

2026.02.17 pies
カーニバルシーズンもクライマックスですが、うちの辺りはあまり飾りつけをしてるお店もなくて、いまいち雰囲気を感じられないままに過ぎてしまったな〜という感じ。

料理は一応、チーズや卵を使ったものを意識して作っていました。ギリシャ正教の食事節制ルールを守ってる人は、肉週間が過ぎたら復活祭まで肉は口にしませんが、チーズ週間(ティリニ・エヴドマダ)と呼ばれる最後の週は、魚、乳製品、卵はまだ許可されていて、特にチーズをたっぷりのパスタやパイといった料理がよく食べられます。うちは動物性食品の断食はしないのだけど、普段はあまり食べないマカロニパイやミルクパイなどを行事食としてチーズ週間に作る年が多いです。


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今年はしばらくお休みしてたパイ作りの記録を再開したのですが、カセロピタ(カセリというチーズを入れたパイ)の作り方を見直したくなったので、それを作ることにしました。チーズパイがリッチなタイプだし、バランスを取るためにもうひとつは粗食系のものに。こちらも随分長いこと作ってなかったコーンミールクラストの青菜パイにしました。


2026.02.17 plastos
青菜のパイは、野草やハーブをいろいろあわせて作ると、とてもおいしいのです。今回入れたのは、ヒナゲシ、ふだんそう、シロガラシ、ソレル、フェンネル、ディル、カフカリスラ、チャービル。


2026.02.11 plastos
すこし見た目の違うこちらは、先週作ったもの。フィリングは上記の青菜&ハーブの組みあわせとほぼ同じで、ソレルじゃなくイラクサ入り。コーンミールのクラストの配合や作り方を、違ったヴァージョンで試したかったので続けて作ったんですが、今年はパイ以外に、コーンミールを使ったレシピをもうちょっと考えてみようかなと。ここ何年か考えつつも、そこまで食べたい気分にならなかったので機会を逃していたんですよね。やる気が萎んでしまわないうちに、どんどん作っていこうと思います。

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