ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:ギリシャ料理

仕事やら一時帰国やらで、いつになく忙しい秋です。なかなかブログを更新できそうにないので、最近作った料理の写真をまとめて載せておきます。

2025.11.04 chickpeas with vegetables 1
早いもので、もう11月。アテネはまだ暖かい日も多く過ごしやすいですが、ちょっと肌寒かったり天気が悪くなると、秋冬らしい煮込み料理が食べたくなりますね。


2025.10.09 pork with celery avgolemono
立派なセロリが目に留まったある日は、豚肉とセロリの煮込みを作りました。日本では葉っぱが全部ついたセロリって見なかった気がするけど、ギリシャでは切り落とさずそのままなので、買い物袋におさめるのが大変なくらい立派です。茎の色も濃いめ(すが入ってスカスカ気味のこともあるのが難点ですが……)。

アヴゴレモノ(卵レモン)ソースで仕上げたのは、私と長女用。ギリシャ料理ではアヴゴレモノって定番のひとつですが、義理家族のところでは好まれないのか出てきたことがなくて、私にとっては外食やおよばれの記憶と結びついているものです。豚セロリのアヴゴレモノは、昔々ロドス島でクリスマスを迎えたときにレストランのクリスマスメニューで出てきたのを思い出します。


2025.10.09 pork with celery
私が覚えている限り、夫がアヴゴレモノソースの料理を食べたのはロドス島のそのクリスマスのときだけ。夫の分は途中で取り分けてトマト風味に仕上げます。


2025.10.23 beef & olive stew with pasta
家族みんなが好きで、かつ値段もお手頃……ということで、登場回数が断然多い肉は豚肉なんですが、ビーフステーキ好きな次女のリクエストに応え、たまには牛肉も。ステーキも煮込みもどっちもいけそうなランプ肉を買ってきたので、ステーキ、たたき、煮込みの3本立てにしました。
寒い時期は甘いスパイスの香る、玉ねぎたっぷりの濃厚なスティファドなどが気分ですが、暖かく天気もよかったので、夏によく作るオリーブ入りのトマトソース煮込みに。これはパスタと一緒に食べるのがお気に入りです。


2025.11.04 chickpeas with vegetables
記事トップにも載せた写真の豆料理は、私好みの一品。
ひよこ豆はいつも多めに戻して茹でて、サラダと煮込みを作ります。今回作った煮込みは「ギリシャのごはん」レシピ本掲載の「ひよこ豆とかぼちゃの煮込み」のバリエーションです。少しだけ残ってたかぼちゃを使ったので、もっと野菜が欲しいな〜と、にんじんやキャベツを足しました。かぼちゃを加える前によく煮て、キャベツをとろけさせるのがポイント。圧力鍋を使って調理時間を短縮してますが、気をつけないと野菜は煮えすぎてしまうので注意が必要です。


2025.11.04 roasted pork & potatoes
オーブン料理では、最近次女がやたらとレモン味のオーブンポテトを食べたがるので毎週作っています。一緒に焼く肉は、チキンだと夫が食べないし、ラムも私と長女以外に受けが悪いのでやはり豚肉です。主に家族に食べさせて、私はメゼサイズで充分。子供の「おなかすいた」攻撃をかわすためなら、自分の取り分を減らすほうがいいのです(主に、家族が苦手な脂身の多いところを引き受けています)。


2025.10.30 pork with cabbage
最後にもうひとつ煮込み料理。豚肉とキャベツの組み合わせは、簡単・おいしい・コストも低い、冬のお助け料理です。キャベツといえば、そろそろ発酵キャベツも仕込んでおきたい頃ですね。ザワークラウトに似た漬物ですが、北ギリシャではロールキャベツも作れるよう、刻まず丸ごと漬けます。


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ギリシャのぶどう、特に黄緑色の種なしのはとても甘いんですが......少し前に買ったうちのひと房が、衝撃的な酸っぱさでした。長年ギリシャに住んでるけど、こんなの初めて。

2025.10.12 chicken with sour grapes
実を食べたり加工するだけでなく、葉っぱや蔓までぶどうを活用するこの国では、初夏の酸っぱい未熟ぶどうをレモンのように使います。かなり前に書いた「アグリーダ」の記事は多くの方が参考にしてくださっているようで、作られたり言及されてるのをネットでもよく見かけます。

今回のこのぶどうは未熟でなくちゃんと熟れてるのにレモン並の酸味だったので、甘いぶどうと混ぜて食べるのも結構厳しい。どうせなら料理に使った方がよさそうなので、冷凍庫にあった鶏肉とあわせてオーブン焼きにしてみました。ちなみにアグリーデスと呼ばれる未熟ぶどうや緑の酸っぱいすももをラムなどの肉と一緒に調理するのは、いくつかの地方で見られる郷土料理です。

覚え書きとして、作り方を簡単に記しておきます。

2025.10.12 chicken with sour grapes1
鶏肉は塩こしょうし、フライパンで皮に焼き色をつけて耐熱容器に移します。鶏肉の周りにぶどうを並べておきます。
同じフライパンに刻んだ玉ねぎを入れ弱火でやわらかくなるまで炒め、トマトのすりおろしを適量加えソースっぽくなるまで煮ます。この時、ベイリーフとシナモンスティックひとかけらを好みで入れ、塩こしょうとはちみつ適量で味つけします。

2025.10.12 chicken with sour grapes2
ソースを回しかけ、鶏肉がやわらかくなり焼き色がついたらできあがり。


2025.10.12 chicken with sour grapes3
ぶどうはソースのようになりますが、はちみつを加えたせいか(そんなに多くは入れてないけど)程よい酸味に仕上がりました。


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めずらしくコトピタ(チキンパイ)。

2025.09.25 kotopita
Κοτόπιτα

私はパイをよく作るけど、ほとんどが野菜フィリングのものです。うちの場合、みんなどちらかというと野菜のパイの方が好きだし、野菜が苦手な次女もパイだと喜んで食べてくれるので。あと、夫が鶏肉を食べないとか、そもそも肉入りのパイをあまり好まないというのもあります。

チキンパイに関しては、数年に一度作るか作らないかという程度だったのですが、去年シミ島の近所のベーカリーで適当にほうれんそうパイやチキンパイを買ったら、その店のチキンパイを次女がいたく気に入ってしまったということがありました。
私もひと口食べたけど、もっとしっかり味わって記憶しておけばよかった〜と後悔しつつ、その後何度か勘で似たタイプを作ってみたり。

自分の好みに合うのはちょっとピーマン(バナナピーマンやパプリカ)とかポロねぎが入ってるものです。マッシュルーム入りもいいのだけど、うちの場合は夫が鶏肉×、娘たちがきのこ×で、これだと私以外誰も食べられません。

2025.09.25 kotopita1
今回は、野菜は玉ねぎだけ、あとはチーズとパセリを入れたシンプルなフィリングにして、マケドニア風折りパイ生地で丸型に焼いてみました。ソースは牛乳じゃなく鶏の煮汁で作り、卵1個を混ぜ込んであります。


2025.09.25 kotopita2
もっとソース多めにした方がよかったかも?


2025.09.25 kotopita3
切り目を入れるかどうするか迷って、中途半端に。切り目を入れて焼くとあとで切り分けやすいとか蒸気が抜けるという効果があるけど、フィリングのタイプによっては汁気がぶくぶくと溢れるんですよね。


2025.09.25 kotopita4
出来上がりは、まずまずといったところでしょうか。おいしいのだけど、私はやっぱりもう少し野菜が入ってる方が好きだし、次女はフルート型のチキンパイの方が喜びそう。家庭で作るチキンパイはしっかり肉が入ってる方がいいなぁと思うのだけど、よくあるお店のに寄せて肉少なめでやってみても……と迷います。

理想のチキンパイ探究はまだ続きそうですが、この秋冬は他にも肉系のパイにちょっと集中してみようかなと思っています。


【関連記事】

次女が気に入ったチキンパイを買った、シミ島のパン屋さんについてのエッセイ


フルート型のチキンパイを作った時の話


ブログには、あとこれぐらいしか載せてないみたい

※ブログ過去記事はいずれもレシピはなく記録だけです。

今週は、ギリシャ各地で久々の雨。気温的には秋らしくなってきたなぁと感じてたのだけど、そういえば長いこと(場所によっては数か月も!?)降っていませんでした。

2025.09.30
もうスベリヒユも終わりかなと思いきや、まだ立派なのが近所の市場で売っていたので、最後に煮込みでも作っておこうかと。大きな1束も煮ると小さくなってしまうから、ふだんそうも1束。まだ夏の青菜アマランサスも売っているけど、気候のせいか、ワイルドな食感とほろ苦さのアマランスよりも、やわらかなふだんそうを選びたい気分です。

刻んだ玉ねぎとにんにくをオリーブオイルで炒め、好みで唐辛子フレークも少々。やわらかくなったらトマトを加え炒め煮にします。完熟トマトならそれだけでもいいけど、そうでなければトマトペーストも適量炒め、砂糖少々を甘味ブーストの隠し味に。トマトが崩れソースっぽくなったら、刻んだ青菜を加えくたっとするまで煮込みます。味つけは塩と好みで胡椒も適量。自分用には卵を落として仕上げました。


2025.09.30a
青菜は先述のとおり今回スベリヒユとふだんそうを使ったわけですが、シュウ酸が含まれるのでさっと下茹でしておくといいです。面倒なときはそのままで加えてしまうのだけど、やはり食べたあと口の中がキシキシします。


2025.09.30b
もう1品は、オレガノレモンガーリック風味のオーブン焼きポテト。この味つけのポテトはギリシャの定番で、肉と一緒に焼いたりもするのですが、最近次女がオーブンポテト気分らしくしょっちゅうリクエストされます。酸味が苦手な方にはおすすめできないけど、じっくり焼いてよく味が染みたポテトはとてもおいしいです。

今年の夏休みは予定が合わずシミ島のサマーハウスへは行けなかったのだけど、近場の島へ日帰り旅行に出かけたりしました。

2025.09.24 tzolia
Τζόλια Μάνδρας

先週は、マンドラという街で夫の仕事の用事があったので、ついでにサラミナ島へも寄ろうということに。マンドラは西アッティカのエレウシスの近くにある小さな街です。広大な松林に囲まれていて、かつてこの街の住人の多くは樹脂採集・加工業に携わっていたそう。観光で訪れるような場所ではないので日本人にはなじみがないですが、ギリシャに長く住んでる人は、2017年11月に起きた大規模な洪水被害のニュースを思い出すかもしれません。


2025.09.20 mandra1
取引先の人が別れ際に、「そこの道を曲がったとこにある教会に寄っていきなさいね」と言っていたのだけど、夫の仕事中にちょっと散歩をしてたとき、確かに街の中心の広場に立派な教会を見かけました。
後で調べてみたら、アギオス・コンスタンティノスとアギア・エレニの教会で、19世紀後半から20世紀初頭にかけてギリシャで活躍したドイツ人建築家、エルンスト・ツィラーが手がけたものだそうです。


2025.09.20 mandra2
それ以外は取り立てて何もない街という印象ですが、マンドラにはハサポタベルナ(肉屋のレストラン)や肉料理専門店がいくつかあり、おいしい焼き肉料理が食べられることで知られています。

でも肉料理よりも私が気になっていたのは、ジョリアという手打ちパスタ。イタリアのカヴァテッリに似ていて、小さく切った生地を指先で押しながら転がしてカールさせた形が特徴です。自分でも作れるシンプルなものだけど、マンドラのどのレストランのメニューにも載っているので、ぜひ現地で食べてみたかったのです。


2025.09.24 tzolia2
ジョリアは別名をゴグリエスやクルクビネスといい、地方によっていろんな名前で呼ばれるのですが、いずれもアルヴァニテスと呼ばれる人々の料理だそう。アルヴァニテスとは現在のアルバニアの領土となっているイピロス北部のアルヴァニ地方からギリシャ中部および南部に移住した人々の子孫で、中世、そして18世紀と、情勢の変化に伴う何度かの移住の波によりやって来ました。マンドラも、彼らが定住した土地のひとつ。ちなみにジョリアと似たイタリアパスタのカヴァテッリは、イタリア南部のモリーゼ州発祥とのこと。モリーゼにもトルコの迫害から逃れてきたアルバニア系の人々が暮らしているらしいので、ルーツは同じなのでしょう。




拙著「ギリシャのごはん うちで楽しむ、とっておきレシピ74」(イカロス出版)の郷土料理の章に、「南エヴィア風手打ちパスタ(Κουρκουμπίνεςクルクビネス)」のレシピを載せています。前述の通りジョリアのバリエーションですが、こちらはエヴィア島のカリストスへ行ったときに教えてもらった郷土料理で、鶏のレッドソース煮とあわせてよく食べられます。


2025.09.24 tzolia1
このように、同じアルヴァニテスのパスタでも、地方によって生地の配合、大きさ、食べ方が少し違っていたりします。マンドラでは、レストランで出されているものや市販品の写真を見た感じ、小さめに成形するよう。食べ方はシンプルにバターとすりおろしチーズですが、焦がしチーズをあわせたりもするようで、このテクニックはペロポネソス半島南のマニのチュフティというパスタ料理を思い出したりもしました。


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マンドラでの用事を終えたらサラミナ島へ向かう予定だったので、もしレストランが開く時間までかかったら、ジョリアをテイクアウトしよう……とか考えていたのですが、昼前に用事が済んでしまったので、残念ながらまたの機会に。食べたい気持ちを鎮めるため、後日自作しました。


2025.09.24 tzolia4
マンドラのジョリアはシンプルに小麦粉と水、少しの塩とオリーブオイルで生地を作って寝かせ、ひも状にのばしたのを短く切って成形します。成形は、グレーターの一番細かい目の面を使う人が多いよう。結構簡単にできて、なかなか楽しいですよ。羊バターで炒めた焦がしミジスラ(※)と、そのままのミジスラのダブル使いで仕上げてみました。小さなお団子のようなもっちりしたパスタに、バターやチーズの豊かな乳製品の風味が絡む、シンプルだけど味わい深い一品です。


2025.09.24 tzolia5
私は肉料理レストランに行きたい気分になることがあまりないため、マンドラのお店紹介記事など見てもあまり気に留めたことはなかったのだけど、こうやっていろいろ繋がると俄然興味が沸いてきますね。もうひとつ気になったのは、エヴィア島カリストスの辺りの名物料理にティロピタリと呼ばれる大きめの揚げチーズパイがあるのですが、マンドラのレストランにもジョリアと並んでティロピタリが定番なのです。同じようなチーズパイはギリシャ料理にあるものの、ただ単に呼び名の地方バリエーションというだけでなく、アルヴァニテスの料理なのだろうなぁとわかって、ふむふむとひとり頷いたのでした。

※ミジスラチーズはリコッタチーズのようなフレッシュタイプと塩をして熟成乾燥させたタイプがあり、今回の記事に出てくるのは後者。すりおろしてパスタにかけたりする使い方が一般的です。リコッタ・サラータや、低脂肪のハードチーズで代用できるかと思います。

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