santorini favaサントリーニ島の料理で有名なものといえば「ファヴァ」と「ドマトケフテデス(プセフトケフテデス)」ではないでしょうか?どちらも島の名産を使用した料理ですが、今回はファヴァについての話題です。

まず最初に「ファヴァ」というと一般的にはそら豆を指すようですが、ギリシャではラスーリ(λαθούρι、英語ではグラスピーgrass pea)と呼ばれる小さな豆のことで、一般的に皮を剥いた割り豆の状態で売られています。これを長時間煮てピュレにしたものはレストランでもお馴染みの料理で、ギリシャ全土で作られるようですが、特にキクラデス諸島サントリーニ島のものが有名です。

サントリーニの人々はファヴァにとてもこだわりがあるようで、その調理法にもいくつかの決まりがあります。最も大切なのは水を最初からたっぷり加え途中で足さないこと、そして勝手にピュレ状になるまでじっくり煮込むことだそうです。

そして最も基本、忘れてはいけないのが「サントリーニ産のファヴァを使うこと」。水分の少ない火山灰質の土地で育ったファヴァは、味が凝縮されているといいます。しかしサントリーニは小さい島なのでファヴァの生産量もごく僅か。島で作られるファヴァは、ほとんど島民達によって消費されます(※)。その希少価値もあって、ファヴァ伝説が出来たのではないでしょうか?


※追記:記事執筆後数年の間に地方特産品の需要が伸びたため、サントリーニ産のファヴァも入手しやすくなりました。
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