ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:ギリシャ食材

うちでよく作るアボカドとタラマの軍艦巻き、タラモサラタだったらどんな感じだろうと思って作ってみました。

2022.04.15 sushi
タラモサラタはつなぎにパンかじゃがいもを入れるのが一般的ですが、このお寿司に使ったのはそれらを入れず、タラマとレモン汁とオイルを乳化させただけのエマルジョンタイプです。

アボカド&タラモサラタにねぎを混ぜてレモンをトッピングしたのと、アボカド&タラモサラタにトマトときゅうりを入れたものの2種。

食べてみた感想は、タラモサラタじゃなく普通にタラマで作った方がおいしかった(笑)レモンのトッピングはとてもいいアクセントになったのでおすすめです。


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載せるのがすっかり遅くなってしまいましたが、夏休みのプロジェクトのひとつが「クシノホンドロス」を作ることでした。

2018.09.07 xinochondros
Ξινόχοντρος

クシノホンドロスとは、クレタ島の伝統的な保存食。粗く挽き割りにした小麦と発酵乳から作られます。ギリシャ各地で作られる「トラハナ」(※)の一種であるとカテゴライズされることも多いですが、クレタ島独特のもので、さまざまな料理に使われます。

これを手作りしたいなとずっと思っていたのですが、なんとなくタイミングを逃していたり、乳を自然に発酵させるプロセスに若干不安があったりで早○年……恐ろしく長い月日が流れていました。で、たまに巡ってくるやる気の波に乗ってようやく着手できたというわけ。

材料はシンプルで、小麦と乳、塩だけ(プラス、オリーブオイルを加える人も)。使うのは牛乳よりも羊乳や山羊乳の方が独特な風味があり適しています。理想としては生乳を使うのがいいんでしょうが、入手が難しいのでスーパーで売ってる山羊乳で作りました。生乳だと一回沸かして殺菌するわけですが、市販のは高温殺菌されているのでパックのまま、発酵するまで置いてみました。カビたりしないよう一日何度かパックを振って混ぜ、匂いを嗅いで様子をチェックします。気温などによりますが、大体数日〜1週間ぐらいで発酵乳になります。匂いを嗅いでみて、不快感のないヨーグルトみたいな発酵臭がすればオッケー(なはず)。

……と、こんな感じで作ってみましたが、この記事を読んで食べてみたいと思った方は、菌が生きてるタイプのヨーグルトを種菌として加え発酵させる方法をお試しください。

発酵食品を作っていて心配になるのは、やはり安全面ですよね。発酵乳に関しては、ヨーグルトを種菌として使うならともかく、ただ置いといて発酵させるのは腐ってるのとどう違うのかというのが一番気になります。これについてはかなりいろいろ調べてみたんですが、結果、よくわかりませんでした。安全と言い切れないものなので、やめといた方がいいですよ〜としか言いようがないみたいな。私も責任は取れませんので、この記事を読んで真似してみたい方は自己責任でお願いします。伝統的な作り方と聞いたものとは微妙に違いますが、上記のようにヨーグルトを作る要領でやってみたり、ヨーグルトと乳を混ぜる方法でもよさそうです。


2018.08.19 wheat berries
(ずいぶん前に買った、この麦を使ってしまいたかった)

さて、無事に発酵した山羊乳を2つに分け、ひとつは市販のプリグリ(挽き割り小麦、バルガー小麦、ブルグル)、もうひとつは戻してフードプロセッサーでごく粗く砕いた小麦粒を使い作ってみました。クレタ島の伝統的な作り方ではホンドロスと呼ばれる粗挽きの小麦を使うのですが、プリグリだと粗挽きのものでもまだ細かい&粒が揃いすぎてる気がするのです。ごく粗く挽けるグレインミルがあればよかったのだけど、持ってないので苦肉の策で、そのままだと刃が傷みそうなので戻してからフードプロセッサーにかけるという方法に。結果、あまり上手く砕けなかったのですが、無理やり続行します。

挽き割り小麦を3〜4倍量の発酵乳と合わせ、汁気を吸ってドロドロになるまで、焦げつかないようかき混ぜながら煮ます。

2018.08.19 xinochondros1

プリグリの方と、


2018.08.19 xinochondros2

フードプロセッサーで砕いた丸麦の方。

汁気がなくなるまで煮えたら、出来たての状態で食べる場合もあるらしいのですが、大体は保存食として乾燥させます。火から下ろしたら、手でまとめられるぐらいに冷まし、適当な量をとって乾燥させます。


2018.08.19 xinochondros

この時、細長く握ったような形だったり、真ん中を凹ませた平丸型だったり好きな形にまとめて乾かすのが一般的ですが、乾いていくのと同時に細かく割ってもいいです。今回はほとんどを握った形で乾かしたのですが、やっぱり煮る時になかなか崩れず少し使いにくかったです。細かい方が使用量の調節もしやすくおすすめ。


2018.09.07 xinochondros2

プリグリで作ったものの完成品。比較的細かく割ってみました。

2018.09.07 xinochondros1

丸麦を砕いた方の完成品。

食べてみた感想は、市販のプリグリ(挽き割り小麦)で作ったものよりも自分で丸麦を砕いて作った方が断然おいしかったです。


しっかり乾燥させたクシノホンドロスは長期保存できます。空気が乾燥しているなら布袋で保存もできるけど、虫がつく心配もあるので、一番いいのは密閉して冷蔵庫か冷凍庫に入れることでしょう。うちは場所がないので密閉容器に入れて常温で置いてますが、低温のオーブンで仕上げ乾燥と熱処理することにより防虫対策をしています。

クシノホンドロスは煮込みに入れたりさまざまな料理に使えるわけですが、長くなってしまったので調理例はまた次回にご紹介します。


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※トラハナについてはこちらに詳しく書いています。興味のある方はご覧ください


※2022年の夏に、山羊乳ヨーグルトを種菌にしてクシノホンドロスを作った時の記事です。


※クシノホンドロスの調理例に関しては、いっぱい載せてますのでブログ内検索をご利用ください。


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今日は生神女福音祭で、ギリシャでは全国的に「干しタラのフライ」を食べている人が多いです。なので私も(毎年代わり映えはしないものの)載せるつもりだったのですが、予定変更してこちらを。

2018.03.24 greek sushi
"Greek" Gunkan-maki with Avocado & Tarama

故郷と今住んでる国の料理の融合と言うと大げさですが、ギリシャ料理で使う食材のみでお寿司を作りたいな〜と思うことがたまにあります。以前にもぶどうの葉やカタクチイワシマリネを使ったものなどご紹介していますが、「アボカドタラマ軍艦」の完全ギリシャ食材版をやってないなと思い出し、昨日はこれを作ってみました。



ギリシャなお寿司 アボカドとタラマの軍艦巻き

材料:
カロリナ米

白バルサミコ酢(好みでレモン汁を混ぜても)
レモンの皮すりおろし
ディル
きゅうりまたはズッキーニ
レモン汁
タラマ
白ワインまたはチプロ(好みで)
オリーブオイル
アボカド
ねぎ

2018.03.24 greek sushi1

カロリナ米は普通に炊いて、塩と白バルサミコ酢で味付けし、ほぼ冷めたらレモンの皮のすりおろしと刻んだディルを加え混ぜる。

きゅうりまたはズッキーニはピーラーで縦に薄くスライスし、レモン汁を絡めてしばらく置いておく。

ボウルにタラマを入れ、白ワインまたはチプロ少々とオリーブオイルを加えのばす。好みでレモン汁を適量加える(苦くなるので、レモン汁を加えるのはオイルの後で)。小さな角切りしたアボカドと小口切りにしたねぎを加えさっくり混ぜる。

シャリを小さく握る。きゅうりまたはズッキーニの汁気をキッチンペーパーで吸い取り、シャリに巻く。アボカドとタラマをこんもりと盛って、ディルを飾る。

MEMO:お酒は生臭み(というほども気になりませんが)を取る隠し味的なものなので、なしでも。シャリを手で小さく握るのはちょっと難しいので、小さな瓶の蓋など使って型押しすると簡単です。


……と、こんな感じですが、いかがでしょう?しっかりとした味なので、お醤油はつけずにどうぞ。

材料はギリシャで使う食材というだけでなく、すべて国産品です。ちなみにバルサミコ酢というのはイタリア食材ですが、似たような酢は元々ギリシャにもありますし、近年は国産バルサミコ酢の生産が盛んになり、種類も豊富になっています。ここはもちろん普通のワインビネガーに置き換えてもいいです。

前のアボカドタラマ軍艦のバリエーションということで同じ組み合わせでやってみましたが、タラマの代わりにエビなど他のシーフードでもいいし、ギリシャでよく食べられる塩漬けやスモークの魚を細かくほぐして使ってもおいしいはず。

お寿司としては海苔で巻いた軍艦巻きの方が好きなのですが、ブッフェの一品としてや前菜にいいかなと思います。


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火曜日は、家族が好きな渦巻きスパナコピタ(ほうれん草パイ)を作りました。最近はパスタマシンを使って手抜きをすることも多いのですが(※)、某所でフィロ生地の話題が出たので久々にちゃんと作ってみました。

2018.02.06 trahanopita
Τραχανόπιτα

スパナコピタは主に次女がすごい勢いで食べてしまうので、自分用のを確保するためにトラハナパイも。トラハナスと呼ばれるパスタの一種をチーズや卵とあわせてフィリングにしたパイです。

ちなみにトラハナと似た保存食は東地中海〜周辺国で作られ、たとえばトルコではタルハナと呼ばれるものですが、国や地方により材料や作り方にバリエーションがあります。基本的にスープにすることが多いこの食材、ギリシャでは面白い使い方をいろいろするのでまた機会があればご紹介しようと思います。

2018.02.06 trahanopita1

ほぼ自分用のつもりで作ったので、薄くて小さめのパイ。塩をワインビネガー少々を溶いた水をオリーブオイル少しを中力粉に加え捏ねた生地を、上下3枚ずつで作りました。ギリシャのパイやフィロ生地についてはもう散々書いた気がしますが、自作フィロのコツは生地を柔らかめに作ること。もちろんベタベタにしてはだめですが、くっつくのを恐れて硬くするとうまくのびてくれません。のばす時は麺棒に下向きの力を極力加えないこと、あと、打ち粉にコーンスターチを使うと扱いやすく綺麗にのばせます。

フィリングは、牛乳と水で煮て冷ましたサワートラハナ(トラハナス・クシノス)に、バター、フェタチーズ、卵(今回入れてませんが)。まろやかなティロピタ(チーズパイ)といった感じの味になります。


2018.02.06 trahanopita2

チーズパイはトマトと一緒に食べるのが好きなので、トマトサラダを合わせました。本当にトマトだけだったのですがちょっと寂しいかな〜と、チチラヴラのピクルスをトッピングしたら、これがまたおいしい。結局トラハナパイもよく売れました

※パスタマシンを使ってフィロ生地をのばす方法について。パスタマシンで薄くのばした生地を、手でそっとひっぱってさらに薄くします。細長い生地になるので渦巻きパイに向きます。


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前回の記事ではグリーンオリーブの新漬けについて書きましたが、今年はオリーブをいっぱい漬けよう!と何故かいきなり思い立ったので、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を使わないグリーンオリーブやブラックオリーブも漬けています。

2017.11.18 kalamata olives

ギリシャへ移り住んだ当時、ものめずらしさからオリーブを何度か漬けてみたことがあります。ここではすでに漬かっているオリーブも安いし、置き場にも困ったのでいつしか自分では漬けなくなったのですが。でも、自分で漬けるのってやっぱりおいしく楽しいんですよね。最近また保存食や自家製食品をまめに作るようになったので、やる気が続くなら毎年恒例にしたいです。


2017.11.07 kalamata olives 1

さて、カラマタオリーブ。ペロポネソス半島の南にあるメシニア県カラマタの地名を冠する品種で、ギリシャのオリーブではオイル用にもテーブルオリーブ用としても一番よく知られる人気の品種。メシニア県でとれたものはPDO(原産地呼称保護)認定を受けています。葉が大きく、実はティアドロップ型をしているのが特徴です。このオリーブは紫色に熟した状態で収穫され、水に漬けて渋抜きをしたあと、ワインビネガーを使って漬けることが多いです。


2017.11.07 kalamata olives 2

全体的に粒が大きく、よい状態のが手に入りました。市場ではキロ3ユーロぐらいです。
浅い切り目を縦に2箇所入れて、水に浸けます。切り目は入れないでそのまま漬ける場合もあり、その方が長持ちしますが、切り目を入れた方が渋は抜けやすくなります。素手でやると指先が染まってしまうので注意。プチッと皮が切れた時にただようフルーティーな香りに期待が高まります。
日に何度か水を換えつつ8〜10数日ぐらい置くと渋が抜け、その間微妙に発酵もしてきます。味を見て大丈夫そうなら本漬けに入ります。


2017.11.17 kalamata olives 1

我が家ではあまり活用されてなかったブタの落し蓋が、思いがけず役立ってくれました。漬物に使ってるタッパーにぴったりサイズで、鼻から空気が抜けるのもいい。見えにくいですが、発酵の泡が鼻ちょうちんになっています(笑)


2017.11.17 kalamata olives 2

漬け方は好みによっていろいろで、上にも書きましたがカラマタオリーブの場合一般的なのはワインビネガーを加える方法です。水気を切ったオリーブをワインビネガーに1〜2日漬けて、汁気をきってから保存用の塩水またはオリーブオイルに漬けます。もしくは、ワインビネガーを適量加えた塩水に漬けますが、ビネガーの味が好きでないなら入れない(好みでレモンかダイダイの汁を加える)のもありです。塩水漬けの場合も表面が空気に触れないようオリーブオイルを適量加えます。いずれも、好みでハーブなど加えて香り付けをしてもいいです。


2017.11.18 kalamata olives2

何個かワインビネガーにも漬けて味見してみたところ、ない方が好きかな〜と思ったので、レモン汁を少し加えた塩水漬けにしました。塩の割合は味を見て目分量です。結構すぐ食べてしまうだろうと薄めにしましたが、長めに保存したいなら6%はあった方がいいようです。


2017.11.18 kalamata olives1

ハーブなどもなしで、オリーブそのまんまの味を楽しみます。大粒のが特においしく、やめられない止まらない……料理に使う間もなく、残り少なくなってしまいました。家族に笑われるほどオリーブを漬け続けてますが、あと1回ぐらいは漬けておいてもいいかな〜と思っています。


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