ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:スパイス

今日8月27日は聖ファヌリオスを記憶する日。

2022.08.26 fanouropita
Φανουρόπιτα

この聖人にちなんだ「ファヌロピタ」というケーキを前日に焼いておいて、当日の朝に教会へ持って行き祝福を受けるという習慣があります。

私は教会へは行きませんが、今年はめずらしく覚えていたので久々に作ってみました。

レシピは2013年に出させていただいた「ギリシャごはんに誘われてアテネへ」(※リンクはAmazonです。中古しかないのでご注意ください)という本に載せたものです。
ファヌロピタについてはブログにも書いたつもりでいたのだけど、記事が見当たらなかったのでどうやらこの本だけだった模様。
以下に引用しておきます。


ちょっと面白いのが、探しものを見つけてくれるケーキです。「ファヌロピタ」と呼ばれるこのケーキは聖ファヌリオスにちなんだもので、この聖人の名がギリシャ語で「現す、引き出す」といった意味合いを持つことから、探しものを見つけてくれるという言い伝えがあります。聖ファヌリオスが見つけてくれるものの幅は広く、行方不明や音信不通となった人やペット、病気の人の場合はその治療法、また、未婚の女性の場合は結婚相手が見つかるとか。ファヌロピタは8月27日の聖ファヌリオスの日に教会へ持って行き、祝福を受けてから人々にふるまうのが習わしですが、その日以外でも探しものがある時に焼かれます。レシピは人によって違うけれど、卵やバターなど動物性食品を使わない、あっさりとしたスパイスケーキ。材料の数は7、9、11のどれかと決まっていて、いろいろ入れたい派にはこれがちょっと難しいのですが、たとえば「カネロガリファロ」(シナモンとクローブ)でひとつ、「膨らし粉入りの小麦粉」でひとつといったように、ちょっとしたズルは大丈夫なようです。教会で祝福を受けてないファヌロピタは特別な効果はないそうですが、おいしく健康的なケーキなのでぜひ作ってみてください。



2022.08.26 fanouropita1
今回はブランデーに漬けてあったレーズンをたっぷり入れたので、とても大人味なファヌロピタになりました。
濃いコーヒーにぴったりで、聖ファヌリオスの日じゃなくても食べたくなるケーキです。


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日本のミックススパイス、七味唐辛子。それのギリシャ版を作ってみたら面白そう……と、もう何年も前から思っていました。

2019.03.27 souvlaki
Κοτόπουλο σουβλάκι με "Ελληνικό shichimi togarashi"

スパイスやハーブなどを混ぜるだけなので簡単なものではあるんですが、さあやろう!ってなかなかならないのが私の悪い癖です(ここ2年ぐらいは心を入れ替え、ちょっと頑張ってるつもり……)。あと、数多くある材料からどれを選ぶかで結構迷うんですよね。本家日本の七味唐辛子も、作り手によって材料や配合が少しずつ違ってきますし。


2019.03.27 shichimi1

日本の七味と同じく赤唐辛子を軸に、とりあえず作ってみたのがこちらです。


2019.03.27 shichimi

一番奥の黒いのから時計回りに:ニゲラ、ごま、マスティハ、オレガノ、赤唐辛子、クミン、レモンの皮、ガーリックパウダー(真ん中にポチッとあるの)。

唐辛子は、ブコボと呼ばれる粗い赤唐辛子フレークをふるって細かい部分を使用。その他の材料も、日本の七味唐辛子の材料に照らし合わせて似た系統の風味や役割を持つものを考えて選んでみました。最初はきちっと7種類で作ろうと思いつつ8種類の材料を使ってますが、ガーリックは気持ち程度(抜いてもいいです)、もしくはニゲラとごま合わせてひとつにカウントという若干のチートが入っています。配合は適当でいいですが、クミンやガーリックといった強い香りのものは少なく、レモンやオレガノなどさわやかな香りの材料を多めに入れるとバランスがよくなる気がします。

もちろんこれは一例で、たとえばレモンの代わりに他のかんきつ類(オレンジ、マンダリン、ベルガモットなど)、オレガノの代わりに他のハーブ(タイム、セイボリー、ディルなど)という風に置き換えていくといろんなバリエーションを楽しむことができます。


2019.03.27 souvlaki1

さて、試食タイム。ギリシャ人が大好きなスブラキです。
一般的にスブラキというと、豚肉もしくは鶏肉を竹串に刺してシンプルな味付けで焼き上げたもの。今回は骨付き鶏もも肉を捌いて、皮付き肉のチキンスブラキにしました。敢えて下味をつけてマリネせず、焼く時に塩胡椒。焼き上がり一歩手前でレモン汁とマスタードをあわせたものをさっと塗って香ばしく焼き上げました。そして、仕上げにたっぷりのギリシャ七味!シンプルながらそれぞれの材料が個性を発揮していて、期待通りのおいしさに満足です。


2019.04.01 soup

もう一品、ブイヨンの類を使わない超シンプルなトマト味のヌードルスープにふりかけてみました。汁麺的なものに七味、ギリシャ版にしてもやっぱりおいしいですね。チキンスープやトラハナスープなどにもギリシャ七味が我が家の定番になりそうです。

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誤解があるといけないので、もう一度書いておきます!
ギリシャ料理に七味唐辛子はなく、今回ご紹介した「ギリシャ七味」は私が考えたモダンギリシャ料理 / フュージョン要素の入ったものです。

ところで、ツイッターで繋がっているベルギー在住のMiwa Biereさん(海外で作る和食をいろいろ紹介されてる方です)もベルギー版の七味唐辛子を考えておられるそう。自家製好きな人の考えることって似てて面白い♪いろんな国のイメージで七味唐辛子を作ったら楽しそうですね。


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もうそろそろ、新玉ねぎとは呼べませんが……みずみずしい玉ねぎをたっぷり味わいたくて、スティファドを作りました。

2017.05.30 stifado

代表的なギリシャ料理のひとつ「スティファド」は、ギリシャ風のシチュー。ウサギ肉や牛肉で作られることが多く、玉ねぎをたっぷり入れるのが特徴のひとつです。以前も書きましたが、スティファドの主役は玉ねぎと言ってもいいくらいで、とろとろに煮込まれた甘い玉ねぎが最高なのです。

スティファドには小玉ねぎを使うことが多いですが、食べた後の臭いがちょっと気になるので、うちでは普通の玉ねぎでもよく作ります。クレタ島でよく見かけるスティファドはこのタイプで、普通の玉ねぎをくし切りにして加えます。

今回は、小さめサイズの新玉ねぎを丸ごとで。スティファド用に小さいのも売ってたのですが、そちらは倍の値段するので節約も兼ね(笑)ギリシャではサイズまちまちで売ってるので、小さめのを選って買ってきました。

スパイスは、黒こしょう、クミンシード、オールスパイス、ベイリーフ。最後の方で、カルポスカンパニーさんから以前参考商品として頂いたシナモン&クローブ風味のバルサミコビネガーも隠し味的に加えてあります(このビネガー、気に入ってたのに今は作ってないそうで残念……)。

見た目は普通のスティファドとあまり変わらないけど、食べてみると、やっぱり今の時期の玉ねぎで作ってよかったなと納得のおいしさでした。


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