ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:ハネムスカリ球根

今年のハネムスカリ球根は、これで最後。

2023.04.29 broad bean stew with volvoi1
3月の終わりの記事で、さやそら豆のオイル煮をハネムスカリ球根のピクルスと一緒に食べた話を書きましたが、本命はこちらでした。乾燥そら豆か、さやごと食べられないくらい育ったそら豆と一緒に煮たかったのです。

乾燥そら豆を買うつもりで市場へ出かけたものの、フレッシュなそら豆が出回ってる時期に乾燥のを買うのもな〜と思ってしまうんですよね。結局、大きめに育った生そら豆を買って帰りました。

2023.04.29 broad bean stew with volvoi2
剥いてみたら、やっと黒い筋が出てきたくらいでまだとても柔らかそう。もうちょっとしっかり育ったので試してみたかったんですが、若いそら豆っておいしいですよね。今回は忘れずディルも入れてオイル煮にし、煮込み時間の最後の方で球根のピクルスを加えました。
本当はピクルスにしてない球根を使いたかったのだけど、ピクルスの酸味も合うだろうな……と。

2023.04.29 broad bean stew with volvoi3
期待どおり、球根ピクルスの食感・苦味・酸味が、やわらかく煮えた豆の味わいを引き立てて、とてもおいしい組み合わせでした。


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話が前後するのだけど、断食期間中に作っていたハネムスカリ球根の料理を載せておきます。

2023.03.29 volvoi
生のハネムスカリ球根が出回るのが大体2〜3月ぐらいというのと、動物性食品(日によって油も)を摂らない断食期間にピクルス類がよく食べられるので、球根ピクルスもこの時期食べることが多いです。

ギリシャと食文化の共通点が結構あるイタリアのプーリア辺りでもハネムスカリの球根の料理がいろいろあるらしいのですが、ギリシャでは一般的にピクルスもしくは茹でてサラダのように食べるぐらいで、調理法のバラエティはそれほどないようです。

私は個人的にこの食材が好きで今までに多くの料理を載せてきたので、興味のある方はブログ内検索やレシピインデックスから探してみてくださいね。
これらの料理はモダンギリシャ料理というカテゴリにあてはまりますが、古代にもありそうな料理を現代風にアップデートした感じになります。

今年はそんなに沢山買わなかったので、厳選して作ったのは2品。残った分は、先日載せたさやそら豆のオイル煮と一緒に食べたピクルスにしました。

前置きが長くなりましたが、トップ画像は古代ギリシャ・ローマ時代っぽい球根サラダです。

アテナイオス著の「食卓の賢人たち」に、ハネムスカリかムスカリの球根らしき食材について書かれている箇所がいくつかあります。その時代には滋養強壮、滋養強壮、精力増強効果があると考えられていたそう。灰に埋めて焼くという調理法もあったようなのですが、それはさすがにすごく苦そうなので、甘酸っぱいソースで和えたサラダのような料理を試してみました。

蜂蜜とワインビネガーとオリーブオイルをベースに、シルフィウムという幻のハーブも材料として挙げられていましたが、代用品として使われるアサフェティダも持て余してしまうので、ニンニクを少し加えました。
茹でた球根をこのソースで和え、フェタチーズとごまも加えて完成。


同じような系統の味では、何年も前に思いついた“古代ギリシャ風モダンギリシャ料理”なサラダが我ながらよくできてるなと思うので、よろしければぜひ下記リンクもご覧ください。




ちなみに後ろに見切れているもうひとつの料理は古代テーマではなく、肉を捌いたときに出た骨でとったスープで炊いたクレタ島のピラフィっぽいもの。茹でた肉のスープで炊いたしっとりピラフというかリゾットのような米料理はクレタ島では結婚式の時に出される料理でもあり、ガモピラフォ(結婚式のピラフ)と呼ばれることも多いです。


2023.04.01 lentil soup
もうひとつもアテナイオスを参考に作ってみた、レンズ豆スープと球根の組み合わせです。
こちらはムスカリらしき球根入りレンズ豆スープの記述から、球根とレンズ豆を一緒に煮込んだスープにしたかったのですが、諸事情により茹でた球根をすぐに使えなかったのでビネガーに漬けておいたのです。
なのでちょっと変更して、「3つの球根のレンズ豆スープ」と命名。玉ねぎとにんにくを加え作ったシンプルなレンズ豆スープにハネムスカリ球根のピクルスをトッピングしました。

このようなシンプルなレンズ豆のスープは現代ギリシャでもよく食べられる定番です。ギリシャのレンズ豆スープは普通食べる時にワインビネガーを加えるので、酸っぱほろ苦い球根ピクルスも当然合います。

ちなみに豆スープ全般、オリーブ、ピクルス、チーズ、塩漬けの魚など、日本で言うところのお漬物的なものと一緒に食べることが多く、このような食事は古代からあまり変わってないのでしょうね。日本の粗食と同じく、質素ながらもほっとするおいしさです。


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