ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:パスタ

我ながらちょっと貧乏くさいかなぁとも思うけど、残り物だとか捨てがちな部分で作る料理が好きです。

2026.01.22 pasta1
と言ってもゼロウェイストを目指しているというわけでもなく、「レストランの大盛りの揚げ物は無理して全部食べたり残してくるよりも、持ち帰って別の料理にアレンジしておいしく食べたい」とか、「いい味が出た煮込みの汁に炭水化物を加えてもう一回楽しみたい」というようなことなのですが。
ほうれんそうや野草・青菜の類の根っこ(これはギリシャ人も無駄にしない人が多い)、カリフラワーやブロッコリーの葉っぱ、ロメインレタスの芯、ズッキーニのヘタなんかも好き。


2026.01.21 lasagna
水曜にほうれんそうのラザーニャを作ったのだけど、こういう時はパスタの生地を多めに作って余らせます。今回はパッパルデッレぐらいの幅広麺に切っておきました。


2026.01.22 chervil
ラザーニャの翌日はミートパイの予定で合いびき肉を買ってあったので、それをちょっと使うとして、くたっとしたキャベツを合わせたい……そこまで考えてたところ、青菜パイに入れるつもりで買ったチャービルの根っこが目に留まり、これも参加させることに。

ちなみにルートチャービル(根セルフィーユ、セルフィーユルート)と呼ばれる野菜のことではなく、ハーブとして使うチャービルに少し付いてた根っこの部分です。


2026.01.22 pasta2
ひき肉と、みじん切りのにんにくを炒め、ざく切りにしたキャベツ、縦に裂くように切ったチャービルの根の部分も加え炒めあわせます。うまみを足すのに、トマトも少し。塩、こしょう、白ワイン加え、ふたをして蒸し煮にします。適宜水を足しつつ、キャベツがくたっとするまで。


2026.01.22 pasta3
茹でたパスタと茹で汁少し、すりおろしチーズ、刻んだチャービルを加え、よく和えてできあがり。

味の決め手としてチャービルがうまいことはまってくれて、めでたしめでたしでした。

今年の夏休みは予定が合わずシミ島のサマーハウスへは行けなかったのだけど、近場の島へ日帰り旅行に出かけたりしました。

2025.09.24 tzolia
Τζόλια Μάνδρας

先週は、マンドラという街で夫の仕事の用事があったので、ついでにサラミナ島へも寄ろうということに。マンドラは西アッティカのエレウシスの近くにある小さな街です。広大な松林に囲まれていて、かつてこの街の住人の多くは樹脂採集・加工業に携わっていたそう。観光で訪れるような場所ではないので日本人にはなじみがないですが、ギリシャに長く住んでる人は、2017年11月に起きた大規模な洪水被害のニュースを思い出すかもしれません。


2025.09.20 mandra1
取引先の人が別れ際に、「そこの道を曲がったとこにある教会に寄っていきなさいね」と言っていたのだけど、夫の仕事中にちょっと散歩をしてたとき、確かに街の中心の広場に立派な教会を見かけました。
後で調べてみたら、アギオス・コンスタンティノスとアギア・エレニの教会で、19世紀後半から20世紀初頭にかけてギリシャで活躍したドイツ人建築家、エルンスト・ツィラーが手がけたものだそうです。


2025.09.20 mandra2
それ以外は取り立てて何もない街という印象ですが、マンドラにはハサポタベルナ(肉屋のレストラン)や肉料理専門店がいくつかあり、おいしい焼き肉料理が食べられることで知られています。

でも肉料理よりも私が気になっていたのは、ジョリアという手打ちパスタ。イタリアのカヴァテッリに似ていて、小さく切った生地を指先で押しながら転がしてカールさせた形が特徴です。自分でも作れるシンプルなものだけど、マンドラのどのレストランのメニューにも載っているので、ぜひ現地で食べてみたかったのです。


2025.09.24 tzolia2
ジョリアは別名をゴグリエスやクルクビネスといい、地方によっていろんな名前で呼ばれるのですが、いずれもアルヴァニテスと呼ばれる人々の料理だそう。アルヴァニテスとは現在のアルバニアの領土となっているイピロス北部のアルヴァニ地方からギリシャ中部および南部に移住した人々の子孫で、中世、そして18世紀と、情勢の変化に伴う何度かの移住の波によりやって来ました。マンドラも、彼らが定住した土地のひとつ。ちなみにジョリアと似たイタリアパスタのカヴァテッリは、イタリア南部のモリーゼ州発祥とのこと。モリーゼにもトルコの迫害から逃れてきたアルバニア系の人々が暮らしているらしいので、ルーツは同じなのでしょう。




拙著「ギリシャのごはん うちで楽しむ、とっておきレシピ74」(イカロス出版)の郷土料理の章に、「南エヴィア風手打ちパスタ(Κουρκουμπίνεςクルクビネス)」のレシピを載せています。前述の通りジョリアのバリエーションですが、こちらはエヴィア島のカリストスへ行ったときに教えてもらった郷土料理で、鶏のレッドソース煮とあわせてよく食べられます。


2025.09.24 tzolia1
このように、同じアルヴァニテスのパスタでも、地方によって生地の配合、大きさ、食べ方が少し違っていたりします。マンドラでは、レストランで出されているものや市販品の写真を見た感じ、小さめに成形するよう。食べ方はシンプルにバターとすりおろしチーズですが、焦がしチーズをあわせたりもするようで、このテクニックはペロポネソス半島南のマニのチュフティというパスタ料理を思い出したりもしました。


2025.09.24 tzolia3
マンドラでの用事を終えたらサラミナ島へ向かう予定だったので、もしレストランが開く時間までかかったら、ジョリアをテイクアウトしよう……とか考えていたのですが、昼前に用事が済んでしまったので、残念ながらまたの機会に。食べたい気持ちを鎮めるため、後日自作しました。


2025.09.24 tzolia4
マンドラのジョリアはシンプルに小麦粉と水、少しの塩とオリーブオイルで生地を作って寝かせ、ひも状にのばしたのを短く切って成形します。成形は、グレーターの一番細かい目の面を使う人が多いよう。結構簡単にできて、なかなか楽しいですよ。羊バターで炒めた焦がしミジスラ(※)と、そのままのミジスラのダブル使いで仕上げてみました。小さなお団子のようなもっちりしたパスタに、バターやチーズの豊かな乳製品の風味が絡む、シンプルだけど味わい深い一品です。


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私は肉料理レストランに行きたい気分になることがあまりないため、マンドラのお店紹介記事など見てもあまり気に留めたことはなかったのだけど、こうやっていろいろ繋がると俄然興味が沸いてきますね。もうひとつ気になったのは、エヴィア島カリストスの辺りの名物料理にティロピタリと呼ばれる大きめの揚げチーズパイがあるのですが、マンドラのレストランにもジョリアと並んでティロピタリが定番なのです。同じようなチーズパイはギリシャ料理にあるものの、ただ単に呼び名の地方バリエーションというだけでなく、アルヴァニテスの料理なのだろうなぁとわかって、ふむふむとひとり頷いたのでした。

※ミジスラチーズはリコッタチーズのようなフレッシュタイプと塩をして熟成乾燥させたタイプがあり、今回の記事に出てくるのは後者。すりおろしてパスタにかけたりする使い方が一般的です。リコッタ・サラータや、低脂肪のハードチーズで代用できるかと思います。

春らしいパスタをもうひとつ。

2025.05.10 pasta with artichoke,peas and vine leaves
くたっと煮た野菜はそれだけでいくらでも食べられますが、パスタのソースにするのも好きです。アーティチョークとソーセージミートのパスタを作っていて、そういえばグリーンピースとの組み合わせも食べたいのだったと思い出したのでした。


2025.05.10 pasta with artichoke,peas and vine leaves1
みずみずしい新玉ねぎか、ねぎの淡い色の部分を控えめな量、刻んでフライパンに入れます。にんにくはなくてもいいのだけど、入れたかったら小さいのをひとかけ、叩いてこれも放りこみ、オリーブオイルを多めに加え弱火で色づかせないようやさしく炒めます。

しんなりしたら、硬い部分や毛羽を除いて薄切りにしたアーティチョーク、グリーンピース、塩ひとつまみと水適量を加えふたをして煮込みます。

アクセントになるハーブも何か入れたいですが、この時期ならではのギリシャらしい食材、ぶどうの葉をハーブ的に使いました。旬素材と言いつつ、実は去年の残りなのですが……ほんの数枚余ったのを冷凍しておいて、結局使わないうちに次のシーズンが巡ってきてしまったパターンです。


2025.05.10 pasta with artichoke,peas and vine leaves2
ぶどうの葉というと、ドルマデス(ドルマダキァ)をはじめ「包む」イメージが強いけど、こんな風に使うのも結構おすすめですよ。パッと見、何かわからないので意外性があり、独特な風味も効果的です。


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パスタはパッケリをあわせてみましたが、ギリシャ風にこだわってヒロピテスでも、他の合いそうなものなんでもいいです。
茹であがったパスタを野菜のソースに加え軽く煮てなじませ、すりおろしたチーズを加え和えてできあがり。丁度うちにあったクレタ島のグラヴィエラチーズ(羊乳ハードチーズ)が風味の面でも主張しすぎず、淡雪のように溶けて理想的な仕上がりになってくれました。

バリエーション:野菜だけでおいしいパスタだけど、シーフード入りで作るのも好きです。やわらかい小さなえびか、もしくはいかでも。シーフード入りの場合は仕上げのチーズは不要です。


【関連記事】

アーティチョークの下処理方法はこちらを参考に

ギリシャのパスタ、ヒロピテスのレシピ

シーズン終わりの追い込みでアーティチョークの料理が続きます。

2025.05.06 pasta with artichoke and fennel sausage
これは、先日のランチに作ったパスタ。
アーティチョークとえびか何かをあわせたいなと思ってたのだけど、私しか食べられないのでソーセージミートに変更。ソーセージといっても適当に作る気軽なもので、粗びきの豚肉に塩、こしょう、粗く砕いたフェンネルシードとおろしにんにくを加え一日寝かせておきました。

フライパンでちょっと平たくしたソーセージミートを焼き、色づいてきたら木べらで割りながらさらに炒めます。薄切りのアーティチョーク(※)と粗く刻んだフェンネルの葉も加え炒めあわせ、水か白ワインを少し加えふたをしてアーティチョークがやわらかくなるまで蒸し煮にします。
茹でたパスタを加え和え、お好みで仕上げにチーズを。


2025.05.06 pasta with artichoke and fennel sausage1
あわせたパスタはタリアテッレやフェトチーネよりもう少し幅広に切った自家製のものです。
卵だけで捏ねたのは私の好みには卵の風味が強すぎるので、生地には水か牛乳も加えています。普段計量して作ることはほぼないのですが、昔ご紹介したヒロピテス(ギリシャでよく食べられる平たいパスタ)のような感じなので、作ってみたい方は関連記事を参考にどうぞ。

※フレッシュなアーティチョークには劣りますが、缶詰のアーティチョークを使っても結構いけます。

【関連記事】

自家製パスタのレシピ

アーティチョークの下処理はこちらを参考に

断食期間もそろそろ大詰めだしニスティシマ(ギリシャの精進料理的なもの)でいいや......と、豆料理多めにしてたらクレームが発生しまして。

2025.04.10 pastitsada
主に復活祭用にと先日買って小分けしておいたラムの、すね肉の部分を使って昨日はパスティツァーダにしました。

パスティツァーダは通常牛肉や鶏肉(特に雄鶏で作るのがおいしい)で作られるケルキラ島の郷土料理で、スパイシーなトマトベースのソースで肉をじっくり煮込んだもの。家族みんなで集まってゆっくり楽しむ日曜の食卓によく登場する料理です。

全国的に見かけるコキニスト(レッドソース煮)の肉料理のバリエーションですが、ケルキラ島のパスティツァーダはより多くのスパイスを使うのが大きな特徴。家庭によってこだわりのスパイスブレンドがあったり、スパイスミックスが市販されていたりもします。


2025.04.10 pastitsada1
じっくり煮込んでホロッとやわらかくなった肉と濃厚なソースは、パスタにたっぷり絡めて味わうのが定番。ブカティーニやチューブ型のショートパスタ、もしくは太いスパゲッティが合います。

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比較的短時間で簡単に作れる、手羽元を使ったメゼヴァージョンのレシピを「おうちでギリシャ居酒屋」に掲載しています。
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本では肉だけの盛りつけですが、もちろんパスタと一緒に食べたり、ポテトやパン、ライスと食べてもおいしいです。


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