ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:ベジタリアン

ラタトゥイユに入れるような夏野菜を使った料理で、お気に入りのひとつがレンズ豆とあわせたフライパン煮込みです。

2025.05.26 fakes me lahanika
2年前の今頃にご紹介したレシピですが、夏野菜の値段が下がってくるこの時期に、繰り返しおすすめしたくなる一品。
レンズ豆は乾燥豆の中では調理時間が短く済み、長時間火を使いたくない季節の料理にぴったりです。とても栄養価が高く、夏バテ予防にもよさそうですよね。
とにかく簡単に作れて常備菜としても重宝するので、私にとって「とりあえずこれがあれば安心」という料理なのです。

お皿にこの煮込みを盛りつけて、皮をパリッと焼いたチキンだとかシーフードのグリルなんかをのせるとお店っぽいひと皿になりますよ。

2025.05.26 fakes me lahanika (2)
なんて言いつつ、暑い日は生ものとか極力触りたくないしやる気も出ないので、煮込みだけで一品勝負が常の我が家です。あとは適当にチーズやオリーブでもあれば上等。冷たいワインと一緒に、夏のメゼにもおすすめです。

【レシピリンク】


しばらくブログを更新してないうちに、そろそろ5月も半ばにさしかかろうとしています。

2025.05.06 stuffed artichoke
そういえばまだ食べてなかった!と慌てて作った料理のひとつがアーティチョークの米詰め。毎年必ず作るわけでもないのですが、やっぱり好きだなぁと、満たされる一品です。

なんとなく重い腰が上がらないのがこういう詰め物料理だけど、やってみるとそれほど手間はかかりません。個人的に一番重要ポイントだと思っているのが、重なり合ったガクの間をよくよく洗うことで、これがちょっと面倒なのですが、中心の毛羽を取ったりフィリングを詰めやすいよう、花を開かせるように広げていきます。アーティチョークの種類によってはトゲトゲしているので、手に刺さらないよう先にキッチンばさみでガクの先を切るのを忘れずに。

2025.05.06 stuffed artichoke1
作り方は以前書いたので、関連記事を参考にしてください。
フィリングが全体的にまんべんなく入ってるとうれしいですが、適当でも大丈夫です。

2025.05.06 artichoke
米詰めアーティチョークを蒸し煮にしている間に、ちょっとメゼ。
ギリシャ料理は時間がかかるので面倒という印象をもつ方も多いと思いますが、大体は鍋で煮込んだりオーブン任せにするので、その間に他のことをしたり、メゼチャンス!と休憩を挟んだりします。

この日のメゼは、生のアーティチョークとクレタ島の塩漬け小粒黒オリーブとグラヴィエラチーズ。拙著「おうちでギリシャ居酒屋」のコラムでもちょっと触れましたが、こういった生野菜はクレタ島のラキなど強い蒸留酒にぴったりのシンプルおつまみです。

【関連記事・書籍リンク】



フロニャ・ポラ!
田舎へ帰省したりしてる人が多いのか、うちの辺りは静かな復活祭の日曜です。

2025.05.19 vegan mageiritsa
最近の私は、張り切りすぎないのがモットー。家族みんなが好きなお菓子だけはいっぱい作って、料理はほどほどに準備します。昔は友人家族とギリシャの典型的なイースターホリデーを過ごしたりもしてたのだけど、フードファイト状態でなかなかハードなんですよね。

土曜から日曜に日付が変わり、教会から帰ってきて深夜に食べるマギリッツァという羊モツのスープは、長期間に渡る動物性食品の断食を破り肉料理でお祝いするウォームアップのような感じですが、真夜中だというのにマギリッツァだけでなく沢山の肉料理が並ぶことも珍しくありません。

そんな復活祭をちょっと懐かしく思いつつ、自分の中で定番化しつつあるのがヴィーガンマギリッツァです。モツを使った伝統的なマギリッツァは大好きなので何度か作ったこともあるんですが、うちは家族が誰も食べないので、自分だけのために作るのはモツの量的にかなり厳しいのです。日本みたいに少量パックなんてものは存在しないギリシャでは、羊モツはレバー、心臓、肺など繋がった状態で売られてます。ぜひ入れたい腸も、1頭分なので多い。いつだったか日本から妹が来た時に作ったのはなかなか楽しい思い出だけど、ふたりでもやはり持て余してしまいました。

ギリシャで長く暮らすうちに、鶏レバーとアヴゴレモノ(卵レモン)、きのことアヴゴレモノなど、羊モツの入らないマギリッツァをいろいろ試行錯誤した末、これが私なりの完成形かなと思えるのがきのことひよこ豆ピュレのヴィーガンマギリッツァ。

ちなみにマギリッツァは、スープというより煮込みみたいなものやトマト味のものなど地方バリエーションもいろいろあるのだけど、全国的に見られスタンダードとされるのは、モツのほかにレタスやハーブ、米を入れてアヴゴレモノ仕立てにしたタイプです。

また、ギリシャ人でもみんながマギリッツァを好きなわけではなく、モツが苦手な人や菜食主義者もいるので、伝統的でないマギリッツァも定番化しています。

2025.05.19 vegan mageiritsa1
ひよこ豆ピュレをアヴゴレモノの代わりに使ったのは我ながらいいアイデアだなと思ってるのですが、普通においしくヘルシーで、食べごたえもあるのでぜひベジタリアンやヴィーガン以外にも試してもらいたいレシピです。やさしい味と食感で、体調が悪いときの食事にもぴったりですよ。


2025.05.19 easter bread & biscuits
そして、今年のお菓子たち。
これも我が家の定番と呼べるものがほぼできあがっていて、違う種類のチュレキ(甘いパン)やフレッシュチーズのお菓子も作ろうかなと最後まで迷ったのだけど、無理なく作れる範囲にしようと思いとどまりました。なので、今回作ったのはサワーチェリー&チョコのチュレキと、ベーシックなイースタービスケット、シミ島のクルラキァ3種。一緒に並んでるイースターエッグはいつもの玉ねぎの皮でひたすら煮て染めたもので、卵同士をぶつけて勝者を競うゲーム用には市販の赤いイースターエッグも少し買ってます。

チュレキは2個作ったけど、これは真っ先になくなりますね。ビスケットも朝食やおやつにつまんでどんどん減っていきます。

【関連レシピ】





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色合いこそ地味めだけど、春を感じられる料理のひとつがこの煮込みです。

2025.04.11 aginarokoukia
冬のおわりの寒さが厳しい頃から、市場に並びだすアーティチョークとそら豆。どちらも初夏まで出回っているので長く楽しめますが、若いそら豆が食べられるのは限られた期間だけです。

走りの、指くらいの太さのものはとてもしなやか。中の豆はとても小さく、むいて食べるのには適さないので、さやごと煮たり揚げたりする料理に使います。

定番の組み合わせのアーティチョークとそら豆の煮込みには、もうちょっと大きくなって中の豆の存在感も増したものがいい。今年はもう時期を逃してしまったかなと思っていたところ、滑り込みで作ることができました。

そら豆はさやの手触りがベルベットを思わせる感じなら、ちょっと育ち気味に見えてもまだ大丈夫。両端の筋が硬くなってしまったものは丁寧に筋取りして、豆のふくらみのある部分を避けて食べやすい長さに切ります。さやがつるっとした感じになってしまったらもう硬いので、むいて中の豆を皮ごと使います。

日本では若いそら豆はあまり売ってないかもしれませんが、さやまで食べられるほどのは無理でも、まだ黒い筋が出てない皮ごと食べられるものに出会ったら、ギリシャの煮込みにしてみようかな......と、思い出してもらえるとうれしいです。

2025.04.11 aginarokoukia1
アーティーチョークも日本では入手が困難だったり値段が高かったりしますが、そら豆だけで作ったり、アーティチョークの代わりにじゃがいもを入れてもおいしいですよ。

レシピは以前載せたので、下記リンクからご覧ください。
今回ハーブはフェンネルを使いました。

【関連レシピ】



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出かける用事や仕事などでちょっと慌しかった週の、ありあわせ野菜料理。

2025.01.30a
乾燥豆の料理や煮込み料理は、世間一般ではどちらかというと「手間がかかる料理」に分類されるようです。
確かにどちらも調理に時間はかかるし、外で働いてる人が帰宅後すぐに用意できるものではないですが、作業時間自体は短いので、私にとっては楽な料理です。夜寝る前や隙間時間に、ちょこっと仕込みをしたりというのが苦にならない性格というのもあるでしょうね。

作るものが思い浮かばなかったので、豆があればそれなりにボリュームのある料理が作れるな……と、乾燥ひよこ豆を水に浸けたのが月曜の夜。
火曜の午前中にでも圧力鍋で茹でるつもりが、買い物、料理、仕事などで朝から夜までバタバタしていたら、結局丸一日ぐらい経ってしまいました(夏場は発酵しやすいので、あまり長く置く場合は冷蔵庫へ移した方がいいです)。

火曜の夜に茹でたひよこ豆は、半分をサラダにしました。刻んだ玉ねぎとパセリだけ入れて、味つけは塩こしょうとワインビネガー、オリーブオイルのシンプルな豆サラダ。水曜は留守にするから、早い時間に食事をとる夫に「好みで他の具材など足してカスタマイズして」と託しておきました。

残りの豆はカレーにでもしようか、それともなすと一緒にギリシャ料理の煮込みかオーブン焼きにする?と考えていたのだけど、次女が食べたいと言っていたシーザーサラダ用に買ったロメインレタスの外葉を分けて洗ってあったのを使ってしまわなければいけなかったので、この2つをあわせることに決定。

刻んだ玉ねぎと多めのオリーブオイルを鍋に入れ、ほとんど色づかせないように、やさしく炒めます。玉ねぎがやわらかくなったらにんにくも刻み入れ、香りが立つまで炒めたらグレーターで粗くすりおろしたトマトを加えます。

トマトが崩れてソースっぽくなるまで軽く煮たら、ざく切りにしたロメインレタス、茹でひよこ豆と煮汁を適量加え煮ます。この時、あればハーブも刻んで加えます。今回はパセリとディルを入れましたが、セロリの葉っぱやフェンネルの葉でも。味付けは塩こしょうだけでもいいし、酸っぱめが好きならレモンを、ピリッとしてるのがいいなら赤唐辛子フレークを控えめに加えます。

2025.01.30b
レタスがくたっとし、汁が程よく煮詰まったらできあがり。こういう煮込みは火からおろして少し置くと味がなじんで美味しくなります。

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